其の雷は瞬神の如く   作:十六夜翔

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それでは本編どうぞ!


8話

「空が蒼い…」

 

 

あれから百十年、尸魂界は平和です。

 

 

「あ、隊長!やっと見つけた!」

 

「ん?ああ、砕蜂か」

 

「ああ、砕蜂か。じゃありませんよ!サボってないで仕事してください!」

 

「優秀な部下を持つとこの先も二番隊は安泰だな」

 

「何を馬鹿なことを言ってるんですか!?」

 

 

砕蜂は俺が隊長になってから随分と口煩いというかお節介と言うか…

 

 

「お巫山戯もそろそろにして本題に入ろうか」

 

「はい、今まで行方不明になった朽木ルキアが義骸の姿で発見されたとの情報が入りました。」

 

「義骸?なんで?」

 

「すみません、そこまでは…どうやら現地調査に六番隊が出発するようです。」

 

 

確か朽木ルキアは現世の調査に義骸を持っていってない。そもそも死神は現世に現れる虚を刈るのが仕事だ。それだけなら義骸を用意する必要は無い。何故朽木ルキアは義骸に入っているのか、そもそも誰が彼女に義骸を用意したのか…気になる…

 

 

「…隊長?」

 

「ん?あぁ、そうか。砕蜂、報告ありがとう」

 

「勿体なきお言葉」

 

 

俺は砕蜂の頭を軽く撫でてから隊長羽織を着て立ち上がる

 

 

「あの、どちらへ?」

 

「砕蜂!地獄蝶を1匹用意してくれ、現世へ行く」

 

「隊長!!?」

 

 

俺は穿界門を開き現世に行くことにした

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

〜side砕蜂〜

 

 

隊長は地獄蝶を連れて1人で現世に行かれた。

百十年前、夜一様が居なくなられてから、雷電さんが隊長になられた。最初は私を隊長にしようとしていたが何とか説得してあの人を隊長にした。最初は渋々やってた彼も最近はサボるようになってきて苦労が…でも、私たちはあの人の部下ですごく誇らしい。

 

夜一様が浦原喜助の逃亡を幇助したと聞いて私は夜一様のことを一時期信じられなくなった。でも、あの人はずっと信じていた。

 

 

「ずっと一緒にいた俺が信じてあげなきゃ誰があいつらを信じるんだよ」

 

 

私なんかより余っ程心に来ているはずなのに、私達より余っ程信頼している。その信頼関係が羨ましかった。羨ましくて嫉妬してしまったのかもしれない。

 

 

「あの、私じゃダメですか?確かに私はあの二人より一緒にいた時間は少ないですが、貴方のお側で…」

 

 

すると彼は人差し指で私の唇を抑え、言葉を遮る。

 

 

「気持ちは凄く嬉しいけど、そういう言葉は自分にとって本当に大切な人のために残しておきなさい。」

 

 

貴方だから言っているのに…あぁ、この想いが届かないのならせめて、貴方に仕える幸せをこれからも…

 

 

 

〜sideout〜

 

 

 

 


 

 

 

〜side雷電〜

 

 

さて、現世に来たはいいものの空は暗いし、お?この霊圧は

 

 

「恋次か?」

 

 

もうひとつの霊圧は感じたことの無い霊圧だった。とりあえずそっちの方向へ向かうことにした。

 

 

「ほう、これは…」

 

「虎牙雷電」

 

「白夜、まさかお前が出てるとはな」

 

 

おろ?恋次が始解してダメージ与えた辺りからオレンジ髪の死神?の霊圧が上がった

 

 

「なぁ白夜、恋次と戦ってるあの死神、どこの隊?」

 

「あれはただの死神擬きだ。(けい)が相手をする程の者では無い。」

 

 

そう言い白夜はオレンジ髪の死神の元へ行きバカでかい斬魄刀を根元から割りたった二振りで鎖結と魄睡を砕きやがった

 

 

「また腕を上げたな」

 

「雷電隊長!?」

 

「よう、恋次。派手にやられたな」

 

「あ、あれぐらい俺だけでもやれました。」

 

「今の白夜のあれ、見えたか?」

 

 

恋次は苦い顔をする

 

 

「最後の一撃だけ…」

 

「ハッハッハ、鍛錬が足りんな。俺が着けてやろうか?」

 

「いえ、大丈夫です。」

 

 

白夜と朽木ルキアがこっちにやってきた

 

 

「恋次」

 

「はい」

 

「もう帰るのか?」

 

「ああ、目的は達した。ならばもうここに留まる理由もあるまい」

 

「解錠!」

 

 

恋次が穿界門を開く。

 

 

「あ、ちょいまち。朽木ルキアだったか?」

 

「は、はい」

 

「その義骸、誰に用意してもらった。」

 

「そ、それは…」

 

 

ルキアは口ごもってなかなか喋ろうとしない

 

 

「おい、何か勘違いしていないか?これは聴取じゃない。命令だ。誰だ言え」

 

 

俺が霊圧をあげると彼女は震え始める

 

 

「う、浦原喜助です。」

 

「そうか、白夜。もう連れて行っていいぞ」

 

 

俺が霊圧を抑えると彼女の震えは止まる。振り返ると若干恋次も震えていたのは気のせいか?

 

「兄はどうする?」

 

「俺はもう少しここにいる」

 

「そうか」

 

 

六番隊は彼女を連れて帰っていった。俺はそこに倒れているオレンジ髪の死神…いや、もうただの少年か。彼を見下ろす。

 

 

「白夜は鎖結と魄睡を砕いて置いていったが…俺はそこまで甘くない。」

 

 

俺は斬魄刀を抜き剣先を彼の喉元に突き立てて、留めを刺すつもりだったんだが…

 

 

「どうか、やめてくれませんか?」

 

 

懐かしい声が聞こえてくる。

 

 

「どこに逃げたかと思ったら現世に来てたのか。」

 

「ええ、とても快適ですよ。」

 

「そうか、それはいい。だが、なぜ俺がこいつを殺すことを止める。」

 

「変わりましたね。」

 

 

喜助の奴は話をすり替えてくるがまぁ乗ってやってもいいか。

 

 

「百年も経てば人は変わるさ。お前らが変えてくれたんだよ。」

 

「すみません。」

 

「何故、謝る。俺は感謝してるんだよ。お陰で俺は甘さを捨てることが出来た。隊長にもなれた。感謝してもしきれないよ。」

 

「そんなこと夜一さんは!!」

 

「夜一がなんだ!!」

 

 

俺は喜助の言葉を遮り、オレンジ髪の少年の首元スレスレに刀を突き刺す。

 

雨が降り出した。

 

 

「俺が愛した女は俺じゃなくてお前を選んだんだ!!これで変わんない方がおかしいだろ!!」

 

「誤解っす!!夜一さんは今でも!!」

 

 

あぁ、ダメだ。砕蜂に信じてやれって言っといて俺はこのザマだ。何が信じるだ。あぁ、信じてやれない自分が嫌いだ。喜助の声は聞こえるのに喜助の顔が見えない。雨のせいなのか、それとも俺が喜助の顔を忘れてしまったのか。俺は刀を抜き鞘に収める。

 

「解錠!!」

 

「雷電さん!!」

 

 

俺は喜助の静止を聞かず穿界門を潜り尸魂界に戻る。暫く独りで精神統一しなければ。

あいつらに勘づかれる前にいつもの雷電隊長に戻らなければ…

 

 

 

〜to be continued〜




さてさて、少しシリアスに出来たかな?出来たらいいな

それではまた次回!

ヒロインを増やしたいのだが…

  • ハリベル、両手に褐色肌
  • 志波空鶴、友人はいつしか恋人に
  • 両方、正直安牌。寧ろ最推し
  • 夜一様が嫉妬するだろ、やめとけ

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