「……」
強い雨が降り続いている。
私は片手に白煙を吐いている拳銃を持ち、目の前に転がっている肉塊を見る。
「死んだのかな……?」
その肉塊は私を犯そうと、路地に追い詰めてきた奴らだ。私は自身の死んだ目を、血にまみれた体を自覚しながらその路地を出る。
幸いにも誰一人として気付いてる者はいないようだ。
「帰ろう」
そう誰が聞く訳でもないが呟き、私は家へと歩き出した。
*****
「ただいま」
家に着いた私は扉を開けその言葉を口にするが、誰も言葉を返してくれることは無い。
なぜなら親は殺され、私の(家族として)好きだった妹はどこかに連れ去られた。イ・ウーという組織によって。
「そうだ、明日武偵校の始業式始まるんだっけ…私のやった事は、バレてないといいな。ま、バレててももう関係ないんだけどね……」
普通なら武偵法9条というものによって日本の武偵は殺しを禁じている。だが、私の場合はその適用外なのだ。日本で唯一と言われているRランク武偵で、犯罪に関わった者、警護対象に危害を加えようとする者、私に危害を加えようとする者は全て殺害を含めた排除が許されている。
「とりあえず、もう夜も遅いし、寝ますか」
寝ようとした頃を見計らったかのように電話が入ってくる。
「……カツェ?なんの用?」
カツェ、フルネームをカツェ = グラッセと言いナチス・ドイツの生き残りである魔女連隊の一員だ。そしてイ・ウーに在籍しているらしい。
そんな奴と私がなぜ知り合いなのかと言うと深い訳がある。
まぁ、そんなことは置いといて……
『いやぁ、明日武偵校…だっけか?それの始業式なんだろ?その最中に武偵殺しのジャックがあるから教えとこうかと思ってよ』
「はぁ、どうせ犯人は十中八九峰理子でしょ?そして狙われるのは私の従兄弟のキンジ……違う?」
『正解だ。お前は推理が早すぎんだよ』
「カツェ、切るよ。私眠いし」
『ああ、すまねぇな。こんな時間に掛けてよ。それじゃあまた会おうぜ、そん時までにはあの答え聞かせろよ?』
「分かった」
そして電話を切り、手のひらを前にに向ける。
すると私の目の前に、私とそっくりな影ができる。
カツェと知り合いの理由その1
私は生まれながらに超能力が使える。しかもG30越えの魔女だ。
私のその能力は闇。
人の心をいとも簡単に蝕むことの出来る。深い闇。
これを私は、どうすれば上手く使えるのかを、カツェ、いや、魔女連隊に師事して貰っているのだ。
そこで私は見初められ、魔女連隊に入れと言われている。
「ま、明日の始業式に備えて今度こそ寝ますか……」
おやすみ
どこか遠くで、その優しい声が聞こえた気がした。