サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行   作:ライフェア好き

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感想ありがとうございます、次回夜会話です。
アクセス数やお気に入りがどんどん増えて、サモンナイトファンの多さに震えてきました。


第13話 剣の軍団

突然現れた怪しい鎧の男、

わたし達は竜の子を背に隠しながら後ずさりする。

 

「貴様らだな、邪魔したガキ共というのは」

 

「まさか、昨日の悪者たちの仲間!?」

 

その言い方から予測したけど、リシェルはさも当然とばかりに

 

「そんなのひと目で、わかるじゃないのよ!

トゲトゲの鎧、いかがわしいヒゲ!どっからどう見たって不審人物そのものよ!」

 

(いくら本当の事とはいえ、悪者相手にこんなこと言えるのはすごいよ……)

 

心当たりが無いわけではないようで、トゲ鎧の男は顔をしかめる。

 

「ぐっ……っ。口の達者な小娘め。

目上の者をバカにするとは、教育的指導が必要と見える」

 

トゲ鎧の男が合図を送ると、周辺へ気配が増えた。

慌てて見渡すと、同じように黒い鎧で武装した集団が武器を構えている。

 

「うそ、こんなにいっぱい囲まれてる」

 

ルシアンが反射的に盾の内側へ竜の子を避難させる。

 

「はははっ、どうだ?ちびったか?おののいたか?

身の程を知ったなら、すみやかに竜の子を渡すがいい!」

 

面白い見世物を見たときのように大笑いするトゲ鎧の男。

 

「さすれば騎士として、貴様らの身の安全は保証してやろう」

 

こんな事を言われたら、さすがにわたしもかっちーんとする。

怒りやすいつもりはないけど、もう頭にきた。

 

「……何様のつもりよ、おどすだけ脅して、押し付けがましく譲ってるフリをする。

そういう根性の連中が言うことなんて信用できないわよ!」

 

「ぐぬぬ…どこかで聞いたような減らず口を、

吐いた言葉の責任はとってもらうぞ!」

 

トゲ鎧の男の合図で、一人だけ敵が飛び出してくる。

動きがやけに鈍いのは、手を抜いてる……舐めてるってことがよくわかった!

 

「たぁーーっ!」

 

剣を抜いて応戦し、そのまま相手を押し返す。

 

「ほう、その動きただの素人ではないようだな」

 

わたしの動きを見て関心したように、トゲ鎧はいかがわしいヒゲを撫でる。

 

「女の子だからって舐めないでよね!」

 

「おもしろい、その生意気な鼻っ柱叩き折ってやれ!」

 

わたし達は三人で勇ましく飛び出した。

 

────────────────────────

 

飛び出した……までは良かったのだが、三人仲良く物陰に隠れることを強いられていた。

 

「あいつら、あったまに来るんだけど!」

 

「顔出しちゃ危ないよねえさん!?」

 

物陰から顔をだしたリシェルのすぐ近くに矢が突き刺さる。

 

囲まれていた時点で完全に高所の利を取られていた、

ちょっとでも動けば、高所に陣取ってる弓兵に足止めされてしまう。

 

「……なんか変かも、直接狙ってこないし」

 

(もしかして……)

 

思い当たることがあり、地面に耳をつけてみる、

聞こえてきた足音は、重い音だ。

 

「やっぱりそうだ、重い足音が近づいてくる!」

 

リシェルが「ははーん」と得意げに推測を始める。

 

「下手に直接狙えば、チビ助に当たるかもしれない。だから足止めしてる間に……ってわけね」

 

「昨日の奴らと全然違う、統制が取れてるんだよきっと」

 

竜の子を守るように抱えているルシアンが、恐る恐る敵を観察している。

 

(まずは、近づいてくるのをどうにかしなきゃだけど……)

 

「リシェル、物陰の向こう側召喚術で吹っ飛ばせる?」

 

「難しいわ……」

 

一度がっくりと肩を落としてから。

ニヤリと悪そうな笑いを浮かべて、わたしに何かを投げ渡してきた。

 

(これは、無色の召喚石?)

 

「あたし一人だと、ね?」

 

「オッケー、特訓の成果見せてやろうじゃないの!」

 

杖と剣を、コツンと合わせて深呼吸をする。

 

「ルシアン防御お願い!」

 

「わかった、矢は任せて!」

 

ルシアンが掲げた盾の隙間から、相手の位置を把握する。

 

「行くわよ、ビットガンマー!」

 

「力を貸して、シャインセイバー!」

 

異界より召喚された聖なる武具が降り注ぎ、

追い打ちをかけるようにリシェルの召喚した召喚獣が放つレーザーが降り注ぐ。

敵の悲鳴が聞こえてきて、

ばっちしあたったことを確認してリシェルと思わずハイタッチする。

 

そう、ここまではよかった。

 

「……ってしたのはいいものの、結局矢のせいで動けないじゃないの!」

 

リシェルが文句を言っている通り、

目の前の驚異は去っても、この場から動けないのは変わらない。

 

(あの高さじゃ召喚術も届かないし、どうすれば……)

 

八方塞がりで膠着状態に陥っていると、強烈な打撃音と共に弓兵が居る方から叫び声がして、

坂の上に居るはずの弓兵が転がり落ちてきた。

 

「お前たち無事か!?」

 

大剣を構えた、忘れじの面影亭宿泊客、

ライが坂の上で敵と対峙していた。

 

────────────────────────

 

(騒ぎが聞こえたからまさかとは思ったけど、やっぱり間に合わなかったのか)

 

剣を構えながら、戦況を把握する。

 

坂の下にはアイツらが隠れていて、何人かが接近してきている。

オレが居る坂上は、弓兵が後二人、その奥にまだ何人か居るか。

 

さて、どう攻めるべきかと考えていると。

奥側の敵がふっとばされるのが見えた。

 

「お前らッ!子供相手にいったいなんのつもりだ!」

 

「だいじょうぶ!みんな?」

 

槍を構えた駐在兵士と、蒼の派閥召喚師が駆けつけてきた所みたいだ。

 

「これ以上の乱暴は町の駐在兵士である自分が許さんぞ!」

 

グラッドの兄貴は訓練を受けた軍人だけあってとにかく戦いが上手い。

槍を巧みに操り、剣の間合いに入らず、入らせず。

距離を保った戦い方で制圧していく。

 

(今行けば挟み撃ちになるかっ!)

 

オレは兄貴が暴れるのに合わせて飛び出す、慌てて弓をこちらに向けてくるが。

 

「遅いんだよ!」

 

間合いに入ってしまえば、オレの勝ちだ。

 

────────────────────────

 

ライが大剣を構えて弓兵へ突撃していく。

しかし距離を詰められる前に、ライへ弓を向けられてしまい……。

 

「うそぉ……」

 

リシェルが唖然とするのも無理はない、

真正面から突っ込んで、矢を見切ったように軽いステップで避けたのだ。

 

そのまま大剣を振り抜き、グラッドお兄ちゃんと二人で

敵を坂下へどんどん吹き飛ばしていく。

 

(今がチャンス……!)

 

「ルシアン、この子をお願い。わたしは敵を減らしてくる!」

 

坂の上の戦いに気を取れている、敵の背後に駆け寄る。

戦いは常に相手の後ろを取れ、ダメ親父から体に叩き込まれた必勝法!

 

「でりゃぁぁ!」

 

剣を振りかぶり敵の背中をぶっ飛ばしたあと、すかさず召喚石を掲げて剣を召喚する。

 

「これで、倒れてっ!」

 

数で負けているこちらは、とにかく攻めるしかないのだから。

 

────────────────────────

 

「弓矢はこれで大丈夫か、あいつらは?」

 

目に入った弓兵をすべて叩き落としてから、坂の下を覗くと

フェアが剣と召喚術で、大立ち回りをしているのが見えてきた。

 

(器用だなアイツ……)

 

「グラッドの兄貴、そっちは片付いたか」

 

「あぁ、なんとかな……」

 

兄貴とオレは息を切らしながら、ミントねーちゃんの治療を受けていた。

久しぶりの全力戦闘で、どうにも体が追いつかない。

 

治療を終えて下を見ると、レンドラーとフェア達が対峙していた。

 

「はぁっ、はぁ……まだやる気!?」

 

「ふふん、ちびってたじろいだのはそっちみたいね!」

 

フェアとリシェルが剣と杖をレンドラーへ突きつける、

 

(仲いいなアイツら、オレもリシェルとあんな感じだったっけ?)

 

部下を一通り蹴散らされたレンドラーの反応は、高笑いだった。

 

「ふはははは!そうか、やはりそうなのか……はぁっ!」

 

「っ!?」

 

「フェアっ!」

 

レンドラーが振り下ろした大斧をフェアの剣が受け止める。

手加減しているにせよ、あの細腕じゃ無理がある。

 

「こうして剣筋を直に確かめてみて、確信が持てたぞ。

貴様、あの冒険者の娘だな!」

 

「あなた…、バカ親父の事……しってるの?」

 

辛そうに父親の事を尋ねるフェアに、レンドラーは怒りを顕にした。

 

「知らいでか!我らの計画を根本からぶち壊した張本人なのだからな!」

 

そのまま腕力で押し切り、フェアが吹き飛ばされて壁に叩きつけられる。

 

「フェア!?」「フェアさん!?」

 

姉弟の悲痛な声が聞こえてきて。

 

オレは……キレた。

 

久しぶりに頭が真っ白になって、気がつけばレンドラーへ向かって坂の上から飛び降りた。

落下の勢いを乗せて、大剣を頭めがけて叩きつける。

 

「ぬうぅ……っ!?」

 

しかし相手も一流の騎士、即座に反応してきっちりと受け止められる。

 

「子供に何してんだよテメェ、それでも誇りのある騎士か!」

 

剣の軍団が、命までは取らないことは十分理解していたつもりだったが、

自分でも分からないくらいに頭に来た。

 

「貴様……ただ者ではないな。名を名乗れ」

 

「ライだ、覚えておけよオッサン」

 

「我が名はレンドラー「剣の軍団」を率いる「将軍」だ」

 

レンドラーは斧を突きつけると、オレが庇っているフェアに対して宣言を始める。

 

「あの男に与えられた耐え難き屈辱の数々、

いずれ、まとめて娘である貴様に償わせる!」

 

その言葉を合図に、剣の軍団が撤退を始めると、

オレはすぐにフェアへ駆け寄った。

 

「おい、大丈夫かフェア!」

 

「痛ったぁ……」

 

「……大丈夫そうだな、意外と」

 

壁に叩きつけられたにしては、やけに軽傷な事を疑問に思ってると、

腕輪が淡く光り輝いてる事に気がついた。

 

(そうか、母さんが守ってくれたんだな)

 

「だいじょうぶ?治療するから、すぐに私のお家へ」

 

「………」

 

「フェアちゃん?」

 

ミントねーちゃんが動かないフェアへ心配そうに声をかけると

 

「また、なんだ……。

またしても……ことごとく……よりによって」

 

(これはもしかして……)

 

「今回の騒動の元凶もあのバカ親父だっていうの!?」

 

フェアは大きく息を吸い、声を張り上げた。

 

「ダメ親父の……ぶぁっかぁあああーーー!!!」

 

負け犬の遠吠えだとしても、ありったけの理不尽な怒りを込めて。

 

まるで、あの日のオレのように。




初回ブレイブクリアを目指すと、ここの高所の弓が本当にいやらしいんですよね。
そんな状況で助けてくれるミントさんとグラッドさんはBGMも相まって本当に格好いい。
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