サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行   作:ライフェア好き

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ここで出会ったのも運任せですし、サモンナイト主人公たちはいつも綱渡りですよね。
ほのぼのした雰囲気ではあるんですけれど。


第16話 ドキドキ、はじめての御使い

「じゃ、ミルリーフの親を探しに行くとしますか!」

 

町の門へ集まったあとに張り切ってるフェアを、冷めた目で見るオレ。

 

「探すったって、アテはあるの?」

 

リシェルが自信満々のフェアに聞いてみるが。

 

「ないない、そんなの。

がんばって歩き回ればなんとかなるんじゃないかなぁ」

 

「あんたねぇ……」

 

みんなが呆れた顔をする、オレもこんなんだったのかな……。

 

「なら、とりあえず卵を見つけた場所に行こうよ!

ミルリーフの親が、探しに来てるかもしれないし」  

 

「うん、それがいいかも」

 

フェアによる豪快な計画は、

ルシアンとミントお姉ちゃんによる、方針変更で事なきを得た。

 

「それじゃあぱぱっと、出発いたしましょう!」 

 

 

「ってポムニット、あんたついてくるつもり?」

 

「当然です、悪者たちがいるかもしれないですから、

ついていかないわけにはまいりません」

 

戦うことができない……って、なってるポムニットさんの同行に、

むーっ、と文句を言うリシェルをなだめておく。

 

「ブロンクス家の跡取りが、悪者のいる場所に行くんだぜ、

これでお目付け役が付いて行かなかったら、それこそ駄目だろ」

 

(いや、関わる時点でけっこー駄目な気がするけど……

ポムニットさんって、よっぽど信頼されてんのかな)

 

あの厳格なテイラーさんが黙認してるって凄いことだと思うぜリシェル、いやマジで。

 

────────────────────────

 

「ここで卵を拾ったんだよ」

 

星見の丘、卵の落下で出来たクレーターまでやってきた。

 

「こんな勢いで落下して、よく砕けなかったもんだなぁ」

 

「ピギィ♪」

 

グラッドお兄ちゃんに対して、何故か誇らしげのミルリーフ。

 

それぞれが穴を興味深そうに覗いたり、竜の生体について話している最中。

 

(ライ?)

 

何故かライだけは剣の柄に手を添えて、周囲を警戒していた。

 

「ねぇ、ライどうしたの……」

 

「ピギイィッ!」

 

ライに声をかけようとしたその時、ミルリーフが大声で鳴きだして平原へ飛び出していった。

 

「ど、どうしたのよミルリーフ!?」

 

「一人になったら危ないってば……ってえぇ、ライさん!?」

 

姉弟がミルリーフを止めようとするが、真っ先にミルリーフを追っかけ始めるライ。

 

「待ってよライ!」

 

「とにかく追うぞ!」

 

全速力の二人を追いかけて行った先にあったのは、

倒れている紫髪の女の子を心配そうに見るミルリーフ、それを守るように剣を構えているライ。

 

「間に合った!下がってろミルリーフ!」

 

対峙しているのは───。

 

「6F05AE……」

 

鉄で出来た、異界の住人たち。

そして軍を率いている、緑髪の謎の少女だった。

 

「こ、コレってなんなの?」

 

「あれは、機械兵器だわっ!」

 

専門家であるリシェルに説明してもらう

機界ロレイラルで生産されている機械の兵器、リシェルが召喚術で呼ぶのと同じヤツだと。

 

「こんなにも沢山召喚されているなんて、驚きだわ」

 

「ライっ、大丈夫!?」

 

急いで倒れている女の子を守るように集まると、リーダーらしき少女がこちらを認識する。

 

「任務未達成、UNKNOWNの妨害、対処検討」

 

ピッ、ピピピピピ……チーン!

 

「結論……、DELETEシマス」

 

少女がこちらを指差すと、機械軍が一斉射撃を開始する。

 

「いきなり撃ってきたぞ!?お前たちは下がれ、ポムニットさんは女の子の手当を!」

 

「えうぅぅぅぅ!?」

 

「ちょっと!わたしたちも戦えるんだよ!?」

 

慌てふためくポムニットさんと一緒に下がるけど、わたしは不満だった。

 

 

「うん、だからポムニットさん達を守るのをお願いしたいの。

戦える皆なら、きっと守り抜いてくれるから」

 

「お姉ちゃん……」

 

ミントお姉ちゃんにそう言われたら何も言い返せない、

グラッドお兄ちゃんの指示に従って二手に分かれる。

 

わたし達はポムニットさん達を守るように固まり、

ライ達は機械兵器軍へ向かっていった。

 

────────────────────────

 

間一髪、襲撃されていた女の子の救助に間に合ったのは良かった。

守護竜の側近である、御使いの一人。

彼女が居なければ、フェア達は何も知らないまま巻き込まれていくから。

 

 

敵対するのは鋼の軍団、それを指揮する機械人形の次女アプセット。

体感だと数年ぶりになる機械兵器との戦いに、オレは緊張感を高めていた。

 

「兄貴やるぞ!」

 

「ああ!」

 

突撃してきた機械兵器のドリルを躱して、横っ腹へ剣を叩きつける。

 

「相変わらずかってぇ……!」

 

剣から伝わる鉄を叩く感触が、腕をしびれさせる。

 

(それに……避けるのに必死で、あんまり反撃ができねぇ!)

 

ドリルを防御できたらいいが、あのドリルをまともに受けたら武器が壊されちまう。

防戦一方だった時、文字通り横槍が入る。

 

「せぇりやぁ!」

 

「グラッドの兄貴!?」

 

敵の関節部に槍を突き刺し、一部機能を停止させる。

 

「突っ込みすぎだ!二人で庇いあって、ミントさんの召喚で一気に畳み掛けるぞ!」

 

「りょーかい!遅れんなよ兄貴!」

 

「帝国軍人として、民間人に遅れを取るわけにはいかないな!」

 

「力を貸してね、オヤカタお願い」

 

「ムイィ!」

 

三人と一匹、鋼の軍団との初戦の幕が切って落とされた。

 

────────────────────────

 

「むっきー!相手が機械兵器じゃなきゃあたしだって!」

 

同じ世界の召喚術はあまり効果が出ない、召喚術の基本だ。

 

「ここは抑えようよねえさん、ポムニットさんその子は大丈夫そう?」

 

「はい、気を失っているようですが、軽傷だけみたいです」

 

ライやグラッドお兄ちゃんを無視して、こちらへ攻めてきた少数を相手にしながら、

歯がゆい思いで見ているしかできない。

 

(あの二人、やっぱり強い)

 

グラッドお兄ちゃんが槍で牽制して、隙が出来ればライが剣で吹き飛ばす。

ライが攻撃を避ければ、攻撃終わりを狙って槍が飛んでくる。

 

そして敵が集まってきたのを狙って、ミントお姉ちゃんが召喚術で一網打尽に。

 

「フェアさん!こっちにも来たよ!」

 

ルシアンの声に武器を構える。

 

(分かってる、この子を守らなきゃいけないってのも分かってるもん)

 

けど、リシェルじゃないけど思っちゃう。

 

(わたし達だって……)

 

「はぁっ!」

 

ルシアンが盾で弾いた敵へ、剣を突き立てる。

 

「リシェル!」

 

「わかってる!いつもと違うけど、いっけー!」

 

リシェルは無色の石を用いて、異世界の武具を敵へ降らせる。

 

(わたし達だって、ちゃんとやれるんだよって!)

 

とにかく今は、ポムニットさん達を守る。

それすら満足に出来なきゃ、認めてなんてもらえないから。

 

────────────────────────

 

機械兵器達を蹴散らし、アプセットへと武器を向けるグラッドの兄貴。

駐在兵士として、投降するように呼びかける。

 

「そこまでだ!おとなしく武装解除して、お縄につけ!」

 

「…………」

 

しかし相手は機械人形であるアプセット、計算のため数秒沈黙し。

 

ピッ、ピピピピピ……チーン!

 

「結論……逃ゲルガ勝チ!」

 

強烈な目くらましが来ると分かってるので、予め目を閉じておく。

 

(っ!?、閉じてても眩しいじゃねーか!?)

 

想像以上の威力に、結局あっさり逃してしまった。

 

「逃げるための目くらましか……」

 

「こんなこと出来るなんて、一体なんなのぉ」

 

目がチカチカしているフェアが困惑している。

 

「あいつが機械人形だからよ。

機界ロレイラルの技術で、人に似せて作った人形……あたしも見たのは初めてだけど」

 

リシェルが険しい顔でアプセットの居た場所を睨む。

 

「こんな場所をのこのこ歩いてるような存在じゃないってこと」

 

「それは、こっちも同じだけどな」

 

向こうが機械人形なら、こっちで倒れているのは天使だ。

 

(よぉ、久しぶりだな。リビエル)

 

四人居るラウスブルグの守護竜の側近、御使い。

そのうちの一人、天使リビエルとオレは再会を果たした。




ドリルは武器を壊すもの、クラフトソードでは大変お世話になりました。
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