サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行 作:ライフェア好き
ほのぼのした雰囲気ではあるんですけれど。
「じゃ、ミルリーフの親を探しに行くとしますか!」
町の門へ集まったあとに張り切ってるフェアを、冷めた目で見るオレ。
「探すったって、アテはあるの?」
リシェルが自信満々のフェアに聞いてみるが。
「ないない、そんなの。
がんばって歩き回ればなんとかなるんじゃないかなぁ」
「あんたねぇ……」
みんなが呆れた顔をする、オレもこんなんだったのかな……。
「なら、とりあえず卵を見つけた場所に行こうよ!
ミルリーフの親が、探しに来てるかもしれないし」
「うん、それがいいかも」
フェアによる豪快な計画は、
ルシアンとミントお姉ちゃんによる、方針変更で事なきを得た。
「それじゃあぱぱっと、出発いたしましょう!」
「ってポムニット、あんたついてくるつもり?」
「当然です、悪者たちがいるかもしれないですから、
ついていかないわけにはまいりません」
戦うことができない……って、なってるポムニットさんの同行に、
むーっ、と文句を言うリシェルをなだめておく。
「ブロンクス家の跡取りが、悪者のいる場所に行くんだぜ、
これでお目付け役が付いて行かなかったら、それこそ駄目だろ」
(いや、関わる時点でけっこー駄目な気がするけど……
ポムニットさんって、よっぽど信頼されてんのかな)
あの厳格なテイラーさんが黙認してるって凄いことだと思うぜリシェル、いやマジで。
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「ここで卵を拾ったんだよ」
星見の丘、卵の落下で出来たクレーターまでやってきた。
「こんな勢いで落下して、よく砕けなかったもんだなぁ」
「ピギィ♪」
グラッドお兄ちゃんに対して、何故か誇らしげのミルリーフ。
それぞれが穴を興味深そうに覗いたり、竜の生体について話している最中。
(ライ?)
何故かライだけは剣の柄に手を添えて、周囲を警戒していた。
「ねぇ、ライどうしたの……」
「ピギイィッ!」
ライに声をかけようとしたその時、ミルリーフが大声で鳴きだして平原へ飛び出していった。
「ど、どうしたのよミルリーフ!?」
「一人になったら危ないってば……ってえぇ、ライさん!?」
姉弟がミルリーフを止めようとするが、真っ先にミルリーフを追っかけ始めるライ。
「待ってよライ!」
「とにかく追うぞ!」
全速力の二人を追いかけて行った先にあったのは、
倒れている紫髪の女の子を心配そうに見るミルリーフ、それを守るように剣を構えているライ。
「間に合った!下がってろミルリーフ!」
対峙しているのは───。
「6F05AE……」
鉄で出来た、異界の住人たち。
そして軍を率いている、緑髪の謎の少女だった。
「こ、コレってなんなの?」
「あれは、機械兵器だわっ!」
専門家であるリシェルに説明してもらう
機界ロレイラルで生産されている機械の兵器、リシェルが召喚術で呼ぶのと同じヤツだと。
「こんなにも沢山召喚されているなんて、驚きだわ」
「ライっ、大丈夫!?」
急いで倒れている女の子を守るように集まると、リーダーらしき少女がこちらを認識する。
「任務未達成、UNKNOWNの妨害、対処検討」
ピッ、ピピピピピ……チーン!
「結論……、DELETEシマス」
少女がこちらを指差すと、機械軍が一斉射撃を開始する。
「いきなり撃ってきたぞ!?お前たちは下がれ、ポムニットさんは女の子の手当を!」
「えうぅぅぅぅ!?」
「ちょっと!わたしたちも戦えるんだよ!?」
慌てふためくポムニットさんと一緒に下がるけど、わたしは不満だった。
「うん、だからポムニットさん達を守るのをお願いしたいの。
戦える皆なら、きっと守り抜いてくれるから」
「お姉ちゃん……」
ミントお姉ちゃんにそう言われたら何も言い返せない、
グラッドお兄ちゃんの指示に従って二手に分かれる。
わたし達はポムニットさん達を守るように固まり、
ライ達は機械兵器軍へ向かっていった。
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間一髪、襲撃されていた女の子の救助に間に合ったのは良かった。
守護竜の側近である、御使いの一人。
彼女が居なければ、フェア達は何も知らないまま巻き込まれていくから。
敵対するのは鋼の軍団、それを指揮する機械人形の次女アプセット。
体感だと数年ぶりになる機械兵器との戦いに、オレは緊張感を高めていた。
「兄貴やるぞ!」
「ああ!」
突撃してきた機械兵器のドリルを躱して、横っ腹へ剣を叩きつける。
「相変わらずかってぇ……!」
剣から伝わる鉄を叩く感触が、腕をしびれさせる。
(それに……避けるのに必死で、あんまり反撃ができねぇ!)
ドリルを防御できたらいいが、あのドリルをまともに受けたら武器が壊されちまう。
防戦一方だった時、文字通り横槍が入る。
「せぇりやぁ!」
「グラッドの兄貴!?」
敵の関節部に槍を突き刺し、一部機能を停止させる。
「突っ込みすぎだ!二人で庇いあって、ミントさんの召喚で一気に畳み掛けるぞ!」
「りょーかい!遅れんなよ兄貴!」
「帝国軍人として、民間人に遅れを取るわけにはいかないな!」
「力を貸してね、オヤカタお願い」
「ムイィ!」
三人と一匹、鋼の軍団との初戦の幕が切って落とされた。
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「むっきー!相手が機械兵器じゃなきゃあたしだって!」
同じ世界の召喚術はあまり効果が出ない、召喚術の基本だ。
「ここは抑えようよねえさん、ポムニットさんその子は大丈夫そう?」
「はい、気を失っているようですが、軽傷だけみたいです」
ライやグラッドお兄ちゃんを無視して、こちらへ攻めてきた少数を相手にしながら、
歯がゆい思いで見ているしかできない。
(あの二人、やっぱり強い)
グラッドお兄ちゃんが槍で牽制して、隙が出来ればライが剣で吹き飛ばす。
ライが攻撃を避ければ、攻撃終わりを狙って槍が飛んでくる。
そして敵が集まってきたのを狙って、ミントお姉ちゃんが召喚術で一網打尽に。
「フェアさん!こっちにも来たよ!」
ルシアンの声に武器を構える。
(分かってる、この子を守らなきゃいけないってのも分かってるもん)
けど、リシェルじゃないけど思っちゃう。
(わたし達だって……)
「はぁっ!」
ルシアンが盾で弾いた敵へ、剣を突き立てる。
「リシェル!」
「わかってる!いつもと違うけど、いっけー!」
リシェルは無色の石を用いて、異世界の武具を敵へ降らせる。
(わたし達だって、ちゃんとやれるんだよって!)
とにかく今は、ポムニットさん達を守る。
それすら満足に出来なきゃ、認めてなんてもらえないから。
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機械兵器達を蹴散らし、アプセットへと武器を向けるグラッドの兄貴。
駐在兵士として、投降するように呼びかける。
「そこまでだ!おとなしく武装解除して、お縄につけ!」
「…………」
しかし相手は機械人形であるアプセット、計算のため数秒沈黙し。
ピッ、ピピピピピ……チーン!
「結論……逃ゲルガ勝チ!」
強烈な目くらましが来ると分かってるので、予め目を閉じておく。
(っ!?、閉じてても眩しいじゃねーか!?)
想像以上の威力に、結局あっさり逃してしまった。
「逃げるための目くらましか……」
「こんなこと出来るなんて、一体なんなのぉ」
目がチカチカしているフェアが困惑している。
「あいつが機械人形だからよ。
機界ロレイラルの技術で、人に似せて作った人形……あたしも見たのは初めてだけど」
リシェルが険しい顔でアプセットの居た場所を睨む。
「こんな場所をのこのこ歩いてるような存在じゃないってこと」
「それは、こっちも同じだけどな」
向こうが機械人形なら、こっちで倒れているのは天使だ。
(よぉ、久しぶりだな。リビエル)
四人居るラウスブルグの守護竜の側近、御使い。
そのうちの一人、天使リビエルとオレは再会を果たした。
ドリルは武器を壊すもの、クラフトソードでは大変お世話になりました。