サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行 作:ライフェア好き
孤立しているリビエルがよく倒されました。
「いい加減、止まってってば!」
「きゃっ!?」
町外れにある水車小屋の前で、ようやくリビエルを捕まえられた。
飛んでいく天使をよく捕まえられたと、自分の足の速さを褒めたい。
「はぁ……はぁっ、いきなり飛び出して、どうするつもり?」
「か、関係ないでしょう!
あなたこそずっと追いかけて来るなんて、まったく理解出来ませんわ!」
「関係あるわよ、御使いの一人だって言ってたのに。
どうしてミルリーフを置いて逃げ出したの!」
まだ出会ったばかりだけど分かる、リビエルは真面目で責任感が強い子だって。
「っ……。だって、だってもう意味がないんですもの」
天使は泣き崩れて、小さな声で理由を話し始める。
「ラウスブルグにはもう帰れない。帰ったって……守護竜さまは、もういない……っ」
「どういうこと?」
(守護竜、ミルリーフの親が……いない?)
頭のどこかで、置いていかれた……なんて、考えてしまう。
「亡くなられたの。奴らが来て、戦いが始まって、
御子さまを守るために……、私達に託して……」
けど、実際はもっとひどくて、悲しくて。
「なんなのよ、それ……じゃあ、あの子は二度と自分の親に会えないの?」
あの子は産まれたばかりなのに、このままずっと……親の顔すら知らないまま。
「そんなの、あんまりじゃない……」
(わたしだって、ダメ親父のことは許せないけど……)
それでも、会いたくないって言えば、嘘になる。
「……泣かないで、リビエル」
泣いたままのリビエルに手を差し伸べる。
「泣いていたって、どうにもならないよ。
だから、あなたは今まで頑張ってきたんでしょ?」
一人で敵から逃げて、ミルリーフを探しに来てくれた。
それがきっと、彼女の御使いとしての意地だったんだと思う。
「私はわかりません、これからどうしたらいいのか……。
他の御使いたちとも、離れ離れになってしまいましたし、
一番未熟な……、私だけが残ってしまって」
「大丈夫」
リビエルの肩を叩く、わたしよりも小さい肩を。
「それでもあなたが居る。ね、あなたの役目はなに?」
リビエルはハッとし、顔を上げてくれた。
「あ、貴方ごときに言われなくたって!」
乱暴に涙を拭いて立ち上がる。
「ふふっ、それよそれ。その口ぶりだともう大丈夫そうね」
そのまま手を繋いで一緒に帰ろうとして。
「なにゆえ、貴方は私のことを気にかけてくれるんですか? 同情、哀れみ?」
なんて事を聞かれたので、少しふてくされてしまう。
「心配だったからに決まってるでしょ」
頬を膨らましながらそう返す。
「……ふふっ、あはははっ」
それがおかしくて、おかしくって。
二人で笑いあっていると。
「TARGET補足デス、オネエサマ……」
「非常によろしくてよ、後で花マルをあげましょう」
「っ、誰!?」
さっきの戦いに居た、緑髪の機械人形と、
そして隣には紫髪でメガネの、多分……機械人形。
(なんか、リビエルと似てる……)
剣を抜いて、リビエルを庇って前に出る。
「また変な機械人形が増えた……けど、知り合い?」
「あいつはローレット、機械人形三姉妹の長女よ」
三姉妹、リシェルが存在に驚いていた機械人形が……。
「あと一人、あんなのが居るのね」
「ローレットが居るなら、もしかして……」
リビエルのつぶやきに応えるよう、機械兵器の軍と共に青い制服を身に纏った、おじいちゃんが現れた。
「左様、このワシも出向いてきておるというわけじゃな」
「やはり出ましたわね! 召喚師ゲック!」
「教授とお呼びなさい! 教授と!」
本のついた杖らしきものを持つおじいちゃん、
リビエルの言うとおり召喚師なのは間違いなさそう。
「召喚師ってことは、あなたが機械達の親玉なわけね?」
(これだけ多くの機械兵器を召喚しているなんて……)
リビエルと目で合図し、水車小屋へゆっくりと下がっていく。
「そういうお前じゃな、あの男の娘というのは」
「またダメ親父の話……、だとしたら何よ! おじいちゃん!」
「だから教授とお呼びなさいと言ってるでしょう!」
ローレットが喚いてるが、無視!
「御使いの一人と合流したようだが、竜の子はおらんようじゃな……。
なるほど、無作為に連れ回すほど間抜けではないか」
(何も考えていなかっただけです……)とは、絶対に言えない。
「竜の子をこちらに引き渡してもらおう、おとなしく渡せば手荒な真似はしないと約束しよう」
「そ、そうです。あなたには関係ありません! あとはっ、私が……」
教授からの一方的な要求に、リビエルがわたしを引き止める。
「……多分、あなたは嘘は言ってない気がする」
「ならば……」
「けどね、そもそもわたしがそれを決めるって話でもないし、
仮に連れてきていても、武器を向けてお願いしますなんて」
結局やってることは、最初の夜と同じこと。
「そんなやり方、わたしはやっぱり気に入らないの!!」
天使を安心させるために、無理に笑ってみせる。
「なぜなの……どうして、あなたはそこまでするの。
そこまでして、私を庇う必要なんて無いはずなのに!」
「言ったでしょ、ほうっておけないって!
困っている人がいるのに、自分が出来ることをしないなんて。
わたしは絶対にしたくない!」
剣を持ち直し、戦いに備える。
「来なさい悪者! あなたたちなんて、わたしだけで十分よ!」
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トレイユの町の外、水車小屋に向かって走るオレ達。
「ライ、本当にこっちであってるのか!?」
グラッドの兄貴が走りながら聞いてくる、曖昧な説明でみんなを連れ出したからな。
「ああ、水車小屋にいるはずだ!」
背中にくっついてるミルリーフを指さして。
「何より、ミルリーフが反応してる! リビエルが居るなら、多分フェアもだ!」
「ピギャァ!」
コイツは強い魔力、フェアの腕輪や、御使いが持っている"守護竜の遺産"を感じ取る事ができる。
(それに、オレの時も水車小屋だったしな)
あの時オレはすぐに追いかけなかった、
宿のことを考え、みんなを集めてからミルリーフに探してもらった。
「フェアのやつ、何だってこんな無茶なことしてるのよ!」
「多分、ほうっておけなかったんだよ。
フェアさんなら、そういう子は絶対に見捨てられないから」
けどアイツはすぐに追いかけた、それがいい事なのか悪いことなのか。
わかってるのは、一つ。
(オレには、やれなかった事だ)
「ピィ……」
「大丈夫だって、お前の母さんはオレが助けてやるから」
そんなフェアの行動に、ミルリーフはずっと表情が暗い。
だから安心させるように、何度も声をかける。
「そんな不安そうな顔すんな」
お前の暗い顔見ちゃ、リビエルだってまた泣いちまうしさ。
「見えた、水車小屋だ!」
足を止め、周囲を確認する。
(あれは、教授。それに次女のアプセット!?
くそ、間に合わなかったってのか!)
しかしよく見ると、様子がおかしい。
「なっ、これは……」
「嘘……すごい」
グラッドの兄貴と、ミントねーちゃんが驚き、言葉が続かない。
水車小屋の周りには、傷ついた機械兵器達が転がり。
機械人形三姉妹、長女ローレットに組み付いて、武器である銃を抑えている。
傷ついた姿の店主、フェアがそこにいたから。
ようやくミルリーフがしゃべるまでたどり着きそうですね、鳴き声だけは大変なので……。