サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行 作:ライフェア好き
今こそソシャゲとかで何かやってほしいんですけどね。
「はぁ〜……疲れた」
新しく仲間になったセイロンの部屋を用意し終わって、自分の部屋に戻る。
ママが来るまで起きてる……、そう言って待ってるミルリーフの為に急いだけれど。
「先に寝ちゃったかぁ」
疲れてたミルリーフは、わたしのベッドでもう眠っていた。
(……竜の姿だったから、一緒に寝てたけどもう別にしたほうがいいのかな)
いくら子供とはいえ、二人で寝るにはちょっと狭い。
どうしようか悩んでると、控えめに扉がノックされる。
「はーい?」
扉を開けると、客室に行ったはずのセイロンが居た。
「夜分遅くにすまぬな、童よ」
「何よ、ミルリーフならもう寝ちゃったわよ?
それとも、部屋に何か文句でもあったり……」
「いやいや、中々風情があって良い部屋を宛てがってもらった。
用があるのはおぬしでな、いくつか聞きたいことがある」
「なら、そっちの客室に行くよ。
ミルリーフが起きちゃったら困るし」
「かたじけない」
そっと扉を閉めて、セイロンの部屋に向かう。
さっそく、鬼妖界風の小物があちこちに置かれているのには目をつぶろう、ってどこに持ってたのよ……。
「さて、それでおぬしの兄君の事なのだが……」
「兄、君……?」
兄君、兄貴、兄さん、お兄ちゃん…………。
「……誰?」
わたしに兄はいないので、首を傾げる。
「その様子だと、あの男と血縁関係ではないようだな」
その反応に一人で勝手に納得してるセイロン。
「突然なんの話よ?」
「何、ライ殿とあまりにも似ているので兄妹かと考えを巡らせたまでよ」
「はぁ!?」
なんか最近よく間違われる気がする、そんなに……似てる?
「雰囲気と立ち振る舞いがな、ただの宿泊客にしては親しき仲と見える」
「そうかな……?」
(正直、ライが泊まり客って事を忘れかける時はあるけど……)
洗濯や掃除は自分でやっちゃうし、店主としてはもてなしがいがほとんど無い。
「ライの事なら、わたしもよく知らないよ。
一年くらい前から、宿に泊まり込んでる……ってくらい」
「一年前、か」
扇子で口元を隠して、少し考え込むセイロン。
「何か気になることでもあったの?」
「いや、ライ殿の戦い方に見覚えがあった気がしてな。
その人物と関係があるのかと、疑問に思ったまでのことよ」
ライの戦い方……、たまにダメ親父のことを思い出すような、あれに?
「あの無茶苦茶な戦い方に……?」
「うむ、我の知る者も常識外れな戦い方をしておったものでな」
この常識外れなセイロンに、さらに常識外れと言われる人物……なんか、考えたくない。
「いや、時間を取らせてすまなかった」
「気にしないで、ついでに部屋のことでなんかあったら何でも言ってね」
質問に答えたのでさっさと寝ちゃおう、明日も早い。
「童よ、御子殿の面倒を見てくれいたことを、感謝する」
部屋を出るとき、不意打ちみたいに声をかけられる。
「なりゆきだけど、関わった以上は最後まで面倒を見る……それだけだよ」
「あっはっは! そうかそうか、そういう考え方は好きだぞ」
「もう、おやすみ!」
話してるとずっと弄ばれている感じがして、どうも苦手だ。
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フェアが去ったあと、セイロンは部屋を出た。
静まった宿の中を歩いていき、とある部屋の前で立ち止まる。
先ほどと同じくノックをすると、紫の少女が扉を開ける。
「セイロン、こんな遅くになんですの?」
「リビエル、内密に話すべきことがある」
セイロンが向かったのは、同じ御使いであるリビエルの元。
「御使いとしての話ならば御子さまと三人で……」
「今の御子殿には、決して話せぬ内容なのだ」
セイロンの真面目な顔に、リビエルも気を引き締める。
「……分かりましたわ、中へ入ってくださいまし」
セイロンを中へ招き、それぞれ椅子とベッドに腰掛ける。
「御使いの中でも、直接先代の最後を見届けた我と長しか知らぬ事実がある」
セイロンはゆっくりと、先代の最期を思い出す。
我らと、先代の介錯を頼まれたあの冒険者。
彼の持つ特別な剣が、守護竜の首を落としたあの時。
「我らは、御子殿の卵を追ってこの町へ来たわけだが……」
光が"2つ"、空へと昇っていった。
「実は、先代が遺されたのは御子殿は二人なのだ」
「な、なんですって!?」
リビエルが立ち上がって、セイロンへ詰め寄る。
当然だ、今まで聞いていた話と根本から違っている。
そもそも二人生まれるなんて、前例がない。
「立ち会った我らにも想定外の事だ。おそらく、先代にとっても」
あるいは、あの先代の命を断った剣による……。
「しかし、あの時の我らに考える余地などなく、二手に別れることにした」
「となると、もう片方の御子さまは……」
リビエルも察しがつき、同時に安心した。
「ああ、我ら御使いの中で最も信頼出来る最強の戦士
、御使いの長クラウレが追っている」
彼ならば問題ない、最も強く、最も信頼されてきた男だ。
「ならば、私達の役割はここで待つことですわね」
「ああ、奴ならば心配なかろう。
それはそうとリビエル、一つ気になっている事があるのだが」
「今度はなんですの」
「ライ殿だが、どう見える」
リビエルはその言葉から、最悪の場合を想定する。
「どう、とは……まさか、彼が敵の一味だとでも?」
可能性としては低いが、確かにありえなくは……。
「それはなかろう、童によれば奴は一年前からの客。
敵がいかに切れ者でも、あの冒険者の思い付きを一年前に知ることは不可能だろう」
「まぁ、それは確かに……」
一年前ならば、特に問題はなさそうだった。
「しかし 妙なこともある……、何故あの時、
我を懐かしむような目で見たのだ……」
「実は少しだけ、気になっている事がありますの」
「聞こう」
リビエルがメガネのズレを直し、話し始める。
「私達霊界の住人は、人の魂の輝きを見ることができるのですが……、そっくりなんです」
初めてあったとき、見間違いかと思った。
「フェアとライ、二人の魂が……まるで生まれ変わりのようにそっくりだったんです」
血縁関係だからとしても、あそこまで似るなんてことは無い。
しばらく沈黙が続き、諦めたようにセイロンがため息をつく。
「……今考えても仕方あるまい、気にしておく程度に留めよう、御子殿を守るためにも警戒は怠るな」
「わ、わかってますわよ!」
御使いの密談は終わる、世界に決定的な亀裂を残して。
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「へっくしょん!」
裏庭の稽古場で、オレは思いっきりくしゃみしてしまった。
「誰かに噂されてんのかな……」
鼻を擦りながら、オレは倉庫の扉を開ける。
中にあるのはクソ親父が溜め込みまくった雑貨の数々と……。
「お、やっぱあったな」
ついでに武器の数々、何に使ったかのか、
刀、槍、銃と選り取り見取りだ。
試しにと、槍を手に取り素振りして……。
「すげぇしっくりくるのが腹に立つ……、クソ親父が使ってた奴だってのに」
(昔は扱いづらくて、結局店で手に合うのを買ってたなぁ)
体格がちょうど良くなったのか、前の戦いで鍛えられたのか、
残された武器をありがたく使わせて貰うことにする。
(今は力がいる、理不尽に奪われないための力が)
今のセイロンを見て、勝てるか不安になっちまった、
このままじゃ絶対にあいつに勝てない。
御使い最強の男にして、裏切りの男。
「クラウレに勝たなきゃ、いけねぇんだ」
最後の遺産を持つ敵に負けない為に、オレは鍛錬を続けた。
どうしてもこれがしたかった、揃えたかったんです。