サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行   作:ライフェア好き

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本編のままの部分をどれだけ省略するか悩みながら書いています。
この戦いのルヴァイドVSレンドラーはシチュエーション的にも燃えて格好いいんですよね。


第33話 黒騎士に代わって

 町に近づくと、何やら騒がしい一団がいるのが見えてきた。

 

「なんだありゃ?」

 

「お待ちなさい、今確認してます」

 

(今更だけど、何でこいつメガネしてるんだ……?)

 

 ローレットが狙撃の要領で観察し、驚いて声を上げる。

 

「あれは、剣の軍団……。将軍ですわ」

 

「なんだって!?」

 

(くそ、今日だったのかよ! レンドラーのオッサンと話すチャンスだってのに!)

 

 それに、やましいことが無くてもローレットと行動してるのを見られるのは良くないだろう。

 

「ローレット、お前はもう帰れ。

 ここからは一人で大丈夫だから」

 

「しかし……」

 

「教授に、迷惑かけてらんねーだろ。

 ギアンの奴にバレたりしたらそれこそ面倒だ」

 

「では、あとは任せますわ。必ずv-118の説得を」

 

 そう言い残してローレットは転移して行った、それを見送り怪我をしている自分の腕を見る。

 

「ちょっとだけ、ズルさせてもうぜ」

 

 腕に手を当て、淡い光が体を包み始める……。

 

 ────────────────────────

 

「あれ?」

 

 剣の軍団と対峙した一発触発の緊迫した空気の中、わたしはある事が気になった。

 

(今、腕輪が光ったような……)

 

「フェアさん、どうしたの?」

 

「なんでも無い、大丈夫」

 

 多分、気の所為だ。

 

(うん、しっかりしなくちゃ)

 

 アルバという少年を助けたわたし達は、

 彼の上司である自由騎士団に所属する、ルヴァイドさんと、イオスさんと出会った。

 

 ルシアンが憧れている自由騎士、その彼らが

 アルバを助けた礼と言って、手を貸してくれている。

 

(ルヴァイドさんに将軍を抑えてもらっているんだから、こっちは頑張らないと)

 

「フェア、リシェル、ミントさんは召喚術を頼む。

 ルシアン、オレと組んで敵を食い止めるぞ!」

 

「はいっ!」

 

 御使い組は御使いとして連携を取るのに慣れている、

 グラッドお兄ちゃんはソレを考慮し、指示はわたし達だけに飛ばしてくる。

 

「ミルリーフ、召喚術を手伝って!」

 

「うんっ……え、ママ! パパ! パパが居る!」

 

 ミルリーフが指差す方向を慌ててみると、そこには。

 

「ウソっ、何であそこに……」

 

 ルヴァイドさんとレンドラーさんの間に割り込むようにして、ライが立っていた。

 

 ────────────────────────

 

 旧王国出身の騎士二人、その因縁に割り込むようにオレは間に立った。

 

「悪いなルヴァイドさん、オッサンとやるのはオレだ」

 

「君は……いや、この場を任せても良いのだな」

 

 突然現れたオレに言いたいこともあるだろうに、察してくれる。

 

「おう、フェアのいる下を頼む」

 

「いいだろう、この戦いの勝敗。君に委ねるとしよう」

 

 ルヴァイドが下へ加勢していくのを見届けてから、剣を抜く。

 

「よぉ、オッサン。この間の決着をつけに来たぜ」

 

「ふん、貴様のような小僧が決着をつけるためだけに来るとは思えんな、何を企んでおる」

 

 互いにゆっくりと、間合いを詰めていく。

 

「あんたが勝ったら教えてやるよ、代わりにオレが勝ったら一つ質問に答えてもらうぜ」

 

「ほざけっ! 貴様が我輩に勝つなど10年早いわっ!」

 

「そうかよ、なら丁度くらいだなぁ!」

 

 一気に踏み込んで剣と斧がぶつかり、火花が散る。

 

 レンドラーの武器は大斧、まともにうけりゃ確かにふっ飛ばされる。

 

(けどな、獣皇と比べりゃまだマシなんだよ!)

 

 剣の軍団の強みは、統率力だ。

 

 こいつが将として機能していると厄介だが、

 一対一に持ち込みさえすれば、まだオレにもチャンスはある。

 

 下の方では、皆と剣の軍団が入り乱れての戦いになってるが、

 ルヴァイド、イオスの存在が大きくこっちが優勢だ。

 

(仮にオレが負けたとしても、撤退してくれるだろうが……)

 

 斧を紙一重で避けては、鎧の関節を狙って剣を振るうもうまくいなされる。

 

(それじゃあ駄目だ、この堅物のオッサンに頼み事をするには、オレが勝ったという結果がどうしても必要だ)

 

 大丈夫、受けに徹していれば当たりは……。

 

「舐めるなよ小僧!」

 

 完全に避けたと思った斧の動きが直前に変化し、横っ腹に叩きつけられて、地面を転がる。

 

「げほっ……!」

 

(あっぶな! 防御がギリギリ間に合った……!)

 

 剣を間に入れてガードし、自分から飛んで衝撃を逃したおかげで何とかまだ動ける。

 

「貴様の動き、覚えがあるぞ」

 

 すぐさま立ち上がり、構え直す。

 

「初めは、あの娘の方がヤツの動きに似ていると感じたが。

 貴様の動きはそれよりもあの男に近い、こうして剣を交えればよく分かるというもの」

 

 斧を向けて、問い詰めてくる。

 

「貴様はあの男の息子、いや弟子か?」

 

「答える気はないね」

 

「ならば、貴様を倒し答えてもらうとしよう」

 

「やれるもんならやってみろよ、オッサン!」

 

 軽く剣を握り直してから、レンドラーへ向かって走り出した。

 

 ────────────────────────

 

 上での戦いを、わたしは見上げることしか出来ない。

 

「どうしてライが、戦えてるのよ……、

 だってアイツ、今朝まで腕が折れてたのよ!」

 

「そうですわ、治癒の奇跡を使っていませんのに……!」

 

 リシェルとリビエルの疑問は尤もで、朝見た時は確かに折れていた。

 

「ありえなくはない、あやつはストラの達人。

 治癒のためにストラを続けていたならば、あるいは」

 

 そう自分に言い聞かせるようにセイロンは呟くも。

 

「しかし、ニンゲンのストラであそこまで急速な治癒が可能なのか……?」

 

 どこか不審に思っている部分は、拭えないようだった。

 

 でもわたしは、それよりも上での戦いに見惚れて、同時に悔しかった。

 

(悔しいけど、わたしじゃ手助けができない……)

 

 今あそこに行ったとしても、わたしじゃ間違いなく足手まといだ。

 大人にだって負けないつもりだったけど、今のわたしじゃついていけそうにない。

 

(もっと、もっと強くなりたい)

 

 召喚石を握る手に力が入る。

 剣術では勝てないけど、召喚術なら……。

 

「そうだよね、今はみんなの力にならないと。いくよっ、召喚!」

 

 数の不利を逆転する召喚術、今の戦いで求められる戦い方を、わたしは精一杯ぶつけるしかないんだ。

 

 ────────────────────────

 

(段々と動きが読めてきた、懐に入れるようになってきたけどガードが硬い……!)

 

 斧と切り結ぶたびに、段々と近づけるようになってきたが、鎧を切れるわけでもなく攻め手に欠ける。

 

「どうした小僧、動きが鈍ってきているぞ!」

 

「っ、うるせぇ!」

 

(ただ一度でいい、正面から押し勝ってオッサンにスキができれば!)

 

 一度距離を置いて、息を整えてから斬りかかる。

 

「うおぉぉ──ーっ!」

 

「小癪なっ!」

 

 剣と斧が交わったまま、静止する。

 ここまでもつれ込めば、どちらが押し込むか純粋な力比べだ。

 

(一瞬でも力を抜いたら、真っ二つにされそうだ……!)

 

「貴様にはこの斧を打ち破ることは出来ぬ。

 我らは姫の為に、すべてを捧げると誓った剣の軍団だ!」

 

 力で抑え込んでくる将軍が、勝ち誇ったように宣言してくる。

 

「……うるせぇ」

 

 けど、それは気にいらねぇ。

 

「アンタの覚悟は知ってる、どんな想いであの子の願いを叶えたいのかって……けどな」

 

 不思議と力が湧いてきて、斧を押し返していく。

 

「だったら、あの子を泣かせるんじゃねぇよ! 

 アンタ達が戦って、勝っても、アイツは喜ばねぇんだよ!」

 

「ぬぉっ!?」

 

 押し切られて将軍が後ろに下がり、斧もすぐには振れない。

 

 だからオレは振り切った剣を手放して、拳を握る。

 このスキを突くには、一瞬でも早く動かなきゃ間に合いはしない。

 

「このっ、頑固親父が!」

 

 ガラ空きになった顎を下からぶん殴る、

 コーラルがセイロンから学び、オレにも教えてくれた、殴るためのストラ。

 強化された拳はレンドラーの顎を打ち抜き、

 派手に吹っ飛んだ後、そのまま意識を失って動かなくなった。

 

「はーっ、はーっ……」

 

 子供のときは届きもしなかった強敵。

 

「オレの……、勝ちだっ」

 

 剣の軍団レンドラーに、ようやく届いた。

 




頼れる前衛アルバくん、ある意味4が過去作のお祭りゲームであることを象徴する仲間の一人ですよね。
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