サモンナイト4 本編後ライがフェア世界に逆行 作:ライフェア好き
この戦いのルヴァイドVSレンドラーはシチュエーション的にも燃えて格好いいんですよね。
町に近づくと、何やら騒がしい一団がいるのが見えてきた。
「なんだありゃ?」
「お待ちなさい、今確認してます」
(今更だけど、何でこいつメガネしてるんだ……?)
ローレットが狙撃の要領で観察し、驚いて声を上げる。
「あれは、剣の軍団……。将軍ですわ」
「なんだって!?」
(くそ、今日だったのかよ! レンドラーのオッサンと話すチャンスだってのに!)
それに、やましいことが無くてもローレットと行動してるのを見られるのは良くないだろう。
「ローレット、お前はもう帰れ。
ここからは一人で大丈夫だから」
「しかし……」
「教授に、迷惑かけてらんねーだろ。
ギアンの奴にバレたりしたらそれこそ面倒だ」
「では、あとは任せますわ。必ずv-118の説得を」
そう言い残してローレットは転移して行った、それを見送り怪我をしている自分の腕を見る。
「ちょっとだけ、ズルさせてもうぜ」
腕に手を当て、淡い光が体を包み始める……。
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「あれ?」
剣の軍団と対峙した一発触発の緊迫した空気の中、わたしはある事が気になった。
(今、腕輪が光ったような……)
「フェアさん、どうしたの?」
「なんでも無い、大丈夫」
多分、気の所為だ。
(うん、しっかりしなくちゃ)
アルバという少年を助けたわたし達は、
彼の上司である自由騎士団に所属する、ルヴァイドさんと、イオスさんと出会った。
ルシアンが憧れている自由騎士、その彼らが
アルバを助けた礼と言って、手を貸してくれている。
(ルヴァイドさんに将軍を抑えてもらっているんだから、こっちは頑張らないと)
「フェア、リシェル、ミントさんは召喚術を頼む。
ルシアン、オレと組んで敵を食い止めるぞ!」
「はいっ!」
御使い組は御使いとして連携を取るのに慣れている、
グラッドお兄ちゃんはソレを考慮し、指示はわたし達だけに飛ばしてくる。
「ミルリーフ、召喚術を手伝って!」
「うんっ……え、ママ! パパ! パパが居る!」
ミルリーフが指差す方向を慌ててみると、そこには。
「ウソっ、何であそこに……」
ルヴァイドさんとレンドラーさんの間に割り込むようにして、ライが立っていた。
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旧王国出身の騎士二人、その因縁に割り込むようにオレは間に立った。
「悪いなルヴァイドさん、オッサンとやるのはオレだ」
「君は……いや、この場を任せても良いのだな」
突然現れたオレに言いたいこともあるだろうに、察してくれる。
「おう、フェアのいる下を頼む」
「いいだろう、この戦いの勝敗。君に委ねるとしよう」
ルヴァイドが下へ加勢していくのを見届けてから、剣を抜く。
「よぉ、オッサン。この間の決着をつけに来たぜ」
「ふん、貴様のような小僧が決着をつけるためだけに来るとは思えんな、何を企んでおる」
互いにゆっくりと、間合いを詰めていく。
「あんたが勝ったら教えてやるよ、代わりにオレが勝ったら一つ質問に答えてもらうぜ」
「ほざけっ! 貴様が我輩に勝つなど10年早いわっ!」
「そうかよ、なら丁度くらいだなぁ!」
一気に踏み込んで剣と斧がぶつかり、火花が散る。
レンドラーの武器は大斧、まともにうけりゃ確かにふっ飛ばされる。
(けどな、獣皇と比べりゃまだマシなんだよ!)
剣の軍団の強みは、統率力だ。
こいつが将として機能していると厄介だが、
一対一に持ち込みさえすれば、まだオレにもチャンスはある。
下の方では、皆と剣の軍団が入り乱れての戦いになってるが、
ルヴァイド、イオスの存在が大きくこっちが優勢だ。
(仮にオレが負けたとしても、撤退してくれるだろうが……)
斧を紙一重で避けては、鎧の関節を狙って剣を振るうもうまくいなされる。
(それじゃあ駄目だ、この堅物のオッサンに頼み事をするには、オレが勝ったという結果がどうしても必要だ)
大丈夫、受けに徹していれば当たりは……。
「舐めるなよ小僧!」
完全に避けたと思った斧の動きが直前に変化し、横っ腹に叩きつけられて、地面を転がる。
「げほっ……!」
(あっぶな! 防御がギリギリ間に合った……!)
剣を間に入れてガードし、自分から飛んで衝撃を逃したおかげで何とかまだ動ける。
「貴様の動き、覚えがあるぞ」
すぐさま立ち上がり、構え直す。
「初めは、あの娘の方がヤツの動きに似ていると感じたが。
貴様の動きはそれよりもあの男に近い、こうして剣を交えればよく分かるというもの」
斧を向けて、問い詰めてくる。
「貴様はあの男の息子、いや弟子か?」
「答える気はないね」
「ならば、貴様を倒し答えてもらうとしよう」
「やれるもんならやってみろよ、オッサン!」
軽く剣を握り直してから、レンドラーへ向かって走り出した。
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上での戦いを、わたしは見上げることしか出来ない。
「どうしてライが、戦えてるのよ……、
だってアイツ、今朝まで腕が折れてたのよ!」
「そうですわ、治癒の奇跡を使っていませんのに……!」
リシェルとリビエルの疑問は尤もで、朝見た時は確かに折れていた。
「ありえなくはない、あやつはストラの達人。
治癒のためにストラを続けていたならば、あるいは」
そう自分に言い聞かせるようにセイロンは呟くも。
「しかし、ニンゲンのストラであそこまで急速な治癒が可能なのか……?」
どこか不審に思っている部分は、拭えないようだった。
でもわたしは、それよりも上での戦いに見惚れて、同時に悔しかった。
(悔しいけど、わたしじゃ手助けができない……)
今あそこに行ったとしても、わたしじゃ間違いなく足手まといだ。
大人にだって負けないつもりだったけど、今のわたしじゃついていけそうにない。
(もっと、もっと強くなりたい)
召喚石を握る手に力が入る。
剣術では勝てないけど、召喚術なら……。
「そうだよね、今はみんなの力にならないと。いくよっ、召喚!」
数の不利を逆転する召喚術、今の戦いで求められる戦い方を、わたしは精一杯ぶつけるしかないんだ。
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(段々と動きが読めてきた、懐に入れるようになってきたけどガードが硬い……!)
斧と切り結ぶたびに、段々と近づけるようになってきたが、鎧を切れるわけでもなく攻め手に欠ける。
「どうした小僧、動きが鈍ってきているぞ!」
「っ、うるせぇ!」
(ただ一度でいい、正面から押し勝ってオッサンにスキができれば!)
一度距離を置いて、息を整えてから斬りかかる。
「うおぉぉ──ーっ!」
「小癪なっ!」
剣と斧が交わったまま、静止する。
ここまでもつれ込めば、どちらが押し込むか純粋な力比べだ。
(一瞬でも力を抜いたら、真っ二つにされそうだ……!)
「貴様にはこの斧を打ち破ることは出来ぬ。
我らは姫の為に、すべてを捧げると誓った剣の軍団だ!」
力で抑え込んでくる将軍が、勝ち誇ったように宣言してくる。
「……うるせぇ」
けど、それは気にいらねぇ。
「アンタの覚悟は知ってる、どんな想いであの子の願いを叶えたいのかって……けどな」
不思議と力が湧いてきて、斧を押し返していく。
「だったら、あの子を泣かせるんじゃねぇよ!
アンタ達が戦って、勝っても、アイツは喜ばねぇんだよ!」
「ぬぉっ!?」
押し切られて将軍が後ろに下がり、斧もすぐには振れない。
だからオレは振り切った剣を手放して、拳を握る。
このスキを突くには、一瞬でも早く動かなきゃ間に合いはしない。
「このっ、頑固親父が!」
ガラ空きになった顎を下からぶん殴る、
コーラルがセイロンから学び、オレにも教えてくれた、殴るためのストラ。
強化された拳はレンドラーの顎を打ち抜き、
派手に吹っ飛んだ後、そのまま意識を失って動かなくなった。
「はーっ、はーっ……」
子供のときは届きもしなかった強敵。
「オレの……、勝ちだっ」
剣の軍団レンドラーに、ようやく届いた。
頼れる前衛アルバくん、ある意味4が過去作のお祭りゲームであることを象徴する仲間の一人ですよね。