ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
書いてたシリーズが一つ一区切りしたので新シリーズを始めました。
まだ原作を全部読めていないので前のシリーズより更新が遅れるとは思いますが、どうかお付き合い下さい。
「あれ?俺は死んだよな?」
気付けば真っ白な部屋にいた少年・
「う~ん、不慮の事故死、白い部屋……もしかして神様か何かの部屋?」
昔、兄や友人に勧められて読んだ転生物の小説を思い出し、八雲は有り得なさそうで一番ありそうな可能性を口にする。
「あら?もう意識が戻ったのね」
そこに現れたのは女神としか言いようの無い美女。気品やオーラ、そして何より人で有り得ない美しさの化身たるその姿に八雲は言葉を失う。
「良かったわ。うっかり【神々の雷】を落として殺してしまったけど、意識は無事だったみたいね」
「ちょっ!?その発言からすると下手したら意識、いや魂まで焼け死んでたって事だよな!?」
だが、続くその女神らしき美女の言葉に思わず八雲はツッコミを入れる。
「…」
「『…』じゃないっつうの!」
「ま、まあまあ、魂は無事だったんだしいいじゃない」
「いや、肉体は死んでるから!俺、まだ人生半分も生きてないから!」
「えっと、その……ごめんね☆」
「可愛く言っても誤魔化されねぇぞ!」
最早八雲に相手が女神だからとかそんな事は関係無く、女神に食ってかかる。
「うっ……流石はあの子達の兄弟ね。神様にも物怖じしないなんて」
「ちょっと待て、あんた、兄貴と妹を知ってるのか?」
しかし、女神が呟いた「あの子達」という言葉に八雲は反応する。実は八雲は両親が早くに他界しており、少し年の離れた兄が八雲と年の近い妹の面倒を見てきてくれていた。だが、その兄も去年に交通事故で亡くなり、妹は先月から行方不明なのだ。
「ええ、貴方の兄は別の世界に記憶を持ったまま転生して好き勝手やってるし、妹さんは異世界に召喚されて勇者達と一緒にいるわ」
「……何やってんだあの兄妹は」
らしいと言えばらしい兄妹の諸行に頭を抱える八雲。
「えっと……話を戻してもいい?」
「どうぞ」
そんな八雲に女神は少し申し訳なさそうに事情説明を再開する。
「貴方に落ちた雷は私のうっかりで起きた事故なの。でも、だからと言って今更貴方を生き返らしてあげる事は出来ないの」
「それで?」
ここまではまあ起きてしまった事なのでしょうがないと八雲も既に生き返らしてもらうのは諦めている。
「お詫びと言ってはなんなんだけど……別の世界でなら生き返らしてあげられるんだけど」
「それって所謂異世界転生ってやつ?」
「そうね、ただ行き先は選ばせてあげられないんだけどね」
「というと?」
「私の権限じゃ転生なんてさせてあげられないの」
「え?」
何でも転生などを司る神も今は忙しいらしく、他の神の我が儘で転生をしていられる余裕は無いらしい。
「でもでも!ちょっとした抜け道があってね!それなら貴方も一緒に連れて行けるから!」
「え?一緒に?連れて行ける?」
「うん、実は神様も降りられる下界があってね。そこに私の眷族として一緒に来ない?」
詳しく聞けば天界で退屈していた神々が娯楽を求めて神々としての力を封じ下界に降りた世界があるらしく、そこへなら八雲も同行者として一緒に連れて行けるのだと言う。更に、そこは剣と魔法とダンジョンのある世界なんだとか。
「でも、俺何かでいいのか?その眷族ってのは」
「今更下界に行ってもほとんどの冒険者は大手の眷族になっちゃうから新参者は眷族一人得るのも大変なのよ。だからお願い!私の眷族になって!」
この時、八雲は思った。「この女神、実は自分がその下界行きたいだけなんじゃないだろうか?」と。
「まあ、俺何かで良ければ……あっ、そういやまだ女神様の名前聞いてなかったな」
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったね。私は女神・アフロディーテだよ」
女神・アフロディーテ……それは生殖と豊穣を司る春の女神の名前だった。
「……えっ?アフロディーテ!?」
八雲はその名前を聞いて驚く。何故ならアフロディーテはゼウスやウラノスといった神々とも関係のある女神なのだ。
「またエライ女神様のお供に選ばれたな……」
「そんな固くならないで八雲。
「呼べるかぁあああああ!!」
白い部屋に八雲の絶叫が響く。しかし、固さは取れた模様。
「う~ん、やっぱりいきなりは無理か」
「そういう問題じゃねぇっての!」
「それはおいおいとして……何か持っていきたいものはある?」
「ぜぇ…ぜぇ…それは、転生特典ってやつか?」
「うん。でも凄い身体能力とか特殊能力はダメだよ?向こうの制約に引っ掛かっちゃうから」
「つまり、アイテムだけって事か……まあ、俺はチートして俺TUEEEEしたい訳じゃないから別にいいんだけどな」
その後、アフロディーテから行き先の下界について剣と魔法の世界である事を聞いた八雲が選んだのは……
「.hack//G.U.ってゲームの双銃はダメか?」
「ちょっと待ってね……ふむふむ、まんまだと流石にマズイから少し改造するけどいい?」
「あっ、銃は無いのか、その世界」
「うん、だから実弾じゃなくて魔力弾式にしておくね、刃も簡単には直せないから不壊属性付与して……ほい!」
そして完成した双銃が現れたのだが……
「どれどれ……って、これDG-Zじゃねぇか!?」
それは裏ダンジョン「痛みの森」にてボスがドロップする漆黒の最高ランクの双銃だった。
「どうせなら見た目も強そうな方がいいでしょ?」
「まあ、いいんだけどさ」
そう言いつつも八雲はそれが気に入ったようでクルクルとガンスピンをさせている。すると、ピリッと静電気のようなものが走ったような痛みがした。
「ん?」
「八雲、どうかしたの?」
「……いや、何でもない」
その後、アフロディーテと下界に降りる準備を終え、異世界への門を開いた。
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下界に降りた八雲とアフロディーテが降り立った場所はとある港町に近い森であった。
「さて、ここからまずメレンに行って、それから目的地のオラリオを目指しましょうか」
「それは構わないんだが、最初からオラリオに降りれば良かったんじゃね?」
「ダメダメ!オラリオに直に降臨なんかしたら騒ぎになっちゃうし、八雲の事もあるから不味いのよ」
アフロディーテ曰く、転生者を眷属として共に降臨した等と知られたら他の神からやっかみを受けるとのこと。
「神々のやっかみとか絶対ろくな事にならねぇな」
「ロキにフレイヤ、それにアポロンとかが黙って無さそうなのよねぇ」
「北欧の悪神に美の女神、挙げ句に太陽の問題神かよ」
アフロディーテが挙げたどの神も厄介さは神話にすらされているレベルの神である。そんな神がオラリオとやらにはゴロゴロいるらしい。
「メレンはすぐそこだし、そこの宿で八雲に
「はいよ」
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その後、メレンに到着した八雲達はアフロディーテが持ち込んだ宝石を換金して金銭を得ると宿を取って早速八雲にファルナを刻む事にした。
「それにしても、もう少しごねると思ったんだけどな」
「部屋の事か?別におかしくは無いだろ……オラリオに向かう馬車の料金を考えれば宿代は抑えるべきだ」
「それはそうだけどさ……一応、女性と、自分で言うのもなんだけどこんな美女と一緒なんだよ?」
「悪いけどいくら美女でもうっかりで殺されかけた相手に欲情するかよ……いや、実質殺されたか」
「うぐっ」
「そんなことより恩恵とやらをさっさと頼むわ」
そんな訳で早速恩恵を刻むこととなった。その方法は背中に神が
「はい、これが今の君のステータスだよ」
「どれどれ」
村上八雲
LEVEL-1
力-I 0
耐久-I 0
器用-I 0
敏捷-I 0
魔力-I 0
スキル
魔力放出
予めアフロディーテから聞いていた通りステータスは軒並み0。これは恩恵を得た段階を0としてカウントしているかららしく、ステータスとして算出されるのは成長値とのこと。
「にしても、最初からスキル持ちか」
「多分、双銃の弾丸となる魔力を込めるスキルか何かかな?」
「いや、おそらくこのスキルは……」
翌日、馬車の時間までにそのスキルについて実験してみたところ、このスキルは文字通り魔力を体外に放出するスキルで、双銃を介さずに使用すると放出する魔力に無駄が多く、調整もし難い事が判った。
「あー、なるほどな……これはあれか、どっかのビーム出す剣やどっかの暗殺部隊隊長のアレと一緒か」
「まさか放出した魔力で飛ぶとは思わなかったわ」
「やったら出来た……けど、やるのはほどほどにしといた方が良さそうだわ。
「魔力のステータスが上がればもっと使える量は増えると思うけどね」
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その後、馬車に乗り一日掛けて八雲達は目的地であるオラリオへと辿り着いた。
「ここがオラリオ……」
「そう!ここが神々が集う最前線!ダンジョン都市オラリオだよ!」
と言う訳で新シリーズ・ダンまちスタートです。
お気付きの方もいるかと思いますが、この1話は前シリーズのオマケシナリオの続きになっております。
尚、作者はダンまちについては初心者もいいところなので間違いなどございましたら感想等で指摘していただけると助かります。