ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
次回からは新しいお話に………
今更ながらダンメモの3周年記念イベントが直撃しております。
行きと違い帰りはそこまで苦労する事なく18層まで戻ってこられた。
「ここで一泊してから地上だっけ?」
「そうッスね、これ以上トラブルが無ければッスけど」
野営の準備をしながらラウルが呟く。実はここまで戻る途中で八雲の【宝物庫】があるからと同行していたフィン達が宝石樹の番人である木竜・グリーンドラゴンとの戦闘を行う事になったのだ。しかも、「危なくなったら助けてあげるから君達でやってみないかい?」と言われて最初は八雲の班だけで相手をさせられたのだ。
「宝石樹は稼げるが、グリーンドラゴンは割に合わねぇよな」
「結局、団長達の手を借りましたッスもんね」
中層では流石に双銃は使えず、バスタードソード二刀流と
特に双刃剣は同じようなウルガという得物を使うティオナから興味を持たれてしまった。もっとも、ウルガは柄が短めで刃がバスターソード並みなのに対して八雲のは柄が長く、先端にシミターのような刃が着いたものだが………
「そういえばリヴィラには行かないんスか?」
「リヴィラねぇ………」
復路であるためか色々と余裕があるとの事で少しならリヴィラに寄る事も許可が出ていたのだ。
「よかったら案内するッスよ?」
「2人が行くなら私も行こうかな?」
「………わーたよ、ちょっとだけな」
ラウルとアナキティの説得でリヴィラの街へと行く事になった。
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野営の準備を終わらせた八雲達はフィンに許可を取ってからリヴィラの街へと繰り出した。
「なるほど………物資の補給線がここの冒険者や通り掛かった冒険者に依存するから水や食料、その他消耗品の値段がここまでふっかけれるのか………となると」
「ヤ、ヤクモ?何か不穏な事考えてない?」
「ん?そんな悪そうな顔してたか?」
「物凄っく」
「で、何考えてたんスか?」
「いや、俺の
「「ほんとに碌でも無い事考えてた!?」」
確かに八雲の【宝物庫】は今回の小遠征でも証明されたように物資の大量輸送に向いており、地上の物資を一度に大量輸送すればリヴィラで価格崩壊を起こすのは容易である。しかも、スキルで保管している為、鮮度維持や盗難、紛失防止も完璧とやろうと思えば可能というのが恐ろしい。
「おいおい、何か聞き捨てならねぇ言葉が聞こえたが?」
そこに現れたのは眼帯をした強面の冒険者にしてこのリヴィラの元締めをしているボールスであった。
「へぇ………見るにアンタがここを取り仕切ってる人?」
「見ない顔だが………もしかしてテメェ、【首狩り族】か!?」
「なるほど、中々に情報通とみえる」
「テメェについては色々と
八雲のダンジョン引き篭もりはこんな所でも噂になっていたようだ。
「さっきの話は俺がここに自力で到達出来るようにならないと話にならないから“今は”忘れてくれ」
「“今は”って、何れはやる気満々なんじゃねぇか!」
「フフ、アンタにも損はさせねぇから気長に待っててくれや」
「………なぁ、ロキファミリア。俺の気の所為じゃなきゃ近いうちにこいつがまた来そうな気がするんだが」
「「ノーコメントで」」
一歩も引かないどころか不敵な笑みを浮かべる八雲に嫌な予感を覚えたボールスはラウルとアナキティに訊ねるが、2人は揃ってノーコメントを貫いた。
「………となると、ここに到達出来るように経験値稼ぎは必須として、あとは今の屋台の伝手で得た流通ルートを………」
「ちょっと待って!本気でコイツ怖いんだけど!?」
「………思ってたけど、時々ヤクモって黒いわよね」
「そうッスね………」
こうしてボールスは
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「おー、無事帰ってこれたな」
「………何か普段より疲れたッス」
「………同感ね」
その後は特にトラブルも無く地上に帰還出来た八雲とロキファミリア。
ラウルとアナキティはリヴィラで八雲の別の側面を見たせいか少しグッタリしている。
「すまないけどヤクモはホームまで荷物を運ぶまで同行してくれ」
「後でリストと照らし合わせながら出さないとだな」
尚、持ってきた魔石は八雲個人の分を除いて既にロキファミリアの換金役の人に渡してあり、八雲は後日換金する予定である。
「本当に今回は助かった。礼を言う」
「ガハハ!おそらく今夜は宴会になるだろうからお前さんも来い!」
「宴会ですか?」
「ああ、ロキは宴会が好きだからね。君や君の主神もきっと呼ばれるんじゃないかな?」
先日会ったロキの事を思い出せば、確かにあれは宴会好きなタイプであろうと八雲も納得する。
「わかりました。呼ばれるようであれば是非に」
結論から言うと、八雲とアフロディーテはフィンの予想通り宴会へ招待される事となった。というのも、八雲が参加したおかげで予想より稼ぎが良かったらしく、それを知ったロキが大喜びで八雲と丁度黄昏の館を訪れていたアフロディーテを招待したのだ。
無論、ロキファミリアの奢りで。
「へぇ〜、ロキのお気に入りのお店なのね」
「せやで。ミア母ちゃんの飯は美味いし、酒をええもんが揃っとる。ウチの行きつけの店や!」
片付けを終えてロキとアフロディーテを先頭にその店へと向かう一行。
「こっちの区画の店はあんまし来たこと無かったな」
「ハハ、なら期待しているといいよ。あの店は確かに良い店だからね」
という事でやってきたのは西区にある【豊穣の女主人】というお店。中からは既に多くの冒険者達の賑わう声が聞こえていた。
「にゃ。御予約のお客様、御来店にゃ〜」
そして、給仕と思われる猫人族の少女に通されロキが予約していた団体席へと腰掛ける。
「中々繁盛してる店みたいだな………それに、店員もレベル高いな」
「八雲、何見てるの」
「うん?店員の戦闘力だけど?」
「………」
「あの足運びとか武術やってた人特有の癖だし、あっちは足音を殺してるから斥候か“そういう仕事”してる人だろうな」
アフロディーテ達神々に嘘は通用しない。故にアフロディーテには判ってしまった。八雲がそれを本気で言っていると。
「見た感じほとんどレベル3以上かな?うん」
「こういう子だったわ、この子………」
そんな事をしている間に料理が運ばれてきてロキやフィンの短い挨拶の後に宴会がスタートした。
「何これ、ウマ!」
「ほんとね」
「やろ?ミア母ちゃんの飯はサイコーなんや!」
そうして料理が運ばれてくる中、八雲はとある給仕の娘に目を奪われた。
「………」
「ヤクモ?」
「どうしたんスか?」
近くにいたアナキティとラウルが八雲の視線の先を見ると一人のエルフがいた。アナキティはその視線が先程のものとは違う事を見抜いていた。
「ふぅん、ヤクモはああいう娘が好みなんだ?」
「アナキティ!おま」
「アキでいいわよ。何かヤクモとは長い付き合いになりそうだし」
「そうか………じゃなくてだな!」
その抗議の声は宴の喧騒に紛れてしまう。
「シル、次は何を運べばいいですか?」
「じゃあ次はそっちのお皿をお願いね、リュー」
一方、その視線の先にいたエルフは同僚のヒューマンから次に配膳する皿を受け取っていた。
割と半端な終わり方で申し訳無い。
でも、やっとこの作品のメインとなる人物が出せました。
そろそろ話の内容を加速させて原作のところまで何とか早めに到達させようと思います。
それでもいきなり原作開始まですっ飛ばしたりはしないつもりなのでもう暫しお付き合い下さい。