ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典   作:ミストラル0

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遅くなって申し訳ありませんでした。

しばらく不定期更新が続くと思いますが、今後もよろしくお願いします。


四十四話 宝珠

八雲達が赤毛の女を退ける少し前。

リヴィラの街に残っていたリヴェリア達は食人花の対応に追われていた。

 

「くっ、やはりやり難いな」

 

食人花の特性から魔法が制限されているリヴェリアとレフィーヤは杖による棒術で蔦を押さえてティオナとティオネに攻撃を任せる事で何とか戦っていた。

リヴィラの冒険者も応戦しているがやはり下層クラスの食人花相手は厳しい様で負傷による離脱者が増えていた。

そんな中、1人の冒険者がリヴィラを脱出しようとしていた。

その冒険者はヘルメスファミリアの犬人族・ルルネ=ルーイだ。

 

「(何でこんな事になってんのさ!?)」

 

ルルネはとあるフードを被った人物からリヴィラで荷物を受け取って地上に持ち帰るというクエストを受けてやってきたのだが、荷物を受け取り翌日に帰ろうと宿で休んでいたらこの騒ぎである。

 

「(この荷物、呪いのアイテムじゃないよな!?)」

 

そんな疑いを持ちつつもこの騒ぎに乗じて逃げようとしたのだが、街の出口の方にも食人花がいて逃げようにも逃げられない。

 

「そこの貴女!早く避難して下さい!」

 

丁度そこへレフィーヤが通り掛かり避難を促すが、食人花はルルネの持つ荷物に反応を示す。

 

「ひっ!?」

 

「貴女、その荷物は一体」

 

「ク、クエストでこの街でこれを受け取って来いって!」

 

しかし、中身は内密という事になっており、食人花に狙われる理由は不明である。

そうしている間に食人花が地面を伝って蔦を伸ばして荷物を持つルルネを攻撃する。

 

「あっ!?」

 

ルルネは偵察(スカウト)の身体能力を活かして回避するも、その拍子に荷物が鞄から飛び出しその正体が明らかとなる。

 

「何これ………」

 

「気持ち悪っ」

 

それは中にモンスターの幼体のような何かが入った宝珠であった。

 

「回収しないと!」

 

「危ないですよ!?」

 

レフィーヤが制止するも、何がともあれ依頼の荷物なのでルルネは回収しようとするが、ルルネが触れようとした瞬間に中の幼体が眼を開いてしまう。

 

「■■■■■ッ!!」

 

眼を開いた幼体は宝珠を突き破って食人花に飛び付くと、その体内にズブズブと入り込んでゆき食人花と融合してしまう。

 

「あ〜っ!?」

 

「あれは!?」

 

融合して変異した食人花は巨大な花から肌が人間ではありえない緑色の上半身を生やし、蔦が脚のようになって地球でいうところのスキュラのような姿へと変わる。

それはかつてロキファミリアが50層で遭遇したモンスターに酷似していた。

 

「逃げますよ!アレは私達だけでどうにかなるモンスターじゃありません!」

 

「不幸だぁ〜!」

 

結局、依頼が失敗となるのが確定し、ルルネの絶叫が響くが、その絶叫はレフィーヤ以外の誰にも届く事はなかった。

 

***********************

 

「リル・ラファーガ!」

 

「蜂の巣だっ!」

 

リヴィラの街まで戻ってきた八雲達はまず街を襲っていた通常の食人花を倒す事を優先し、アイズは風を纏った突撃で千切飛ばし、八雲は双銃のブレードで数回斬りつけた後に飛び上がって魔力弾を連射してバラバラにしてしまう。

 

「八雲がそれ(双銃)を使うという事は本当に出し惜しみするつもりはないようだね」

 

「そりゃあ、あいつにとってこの街はいくら壊されたら建て直すとはいえ可能な限り壊されたくねぇ場所だからな」

 

「それが彼がこの街に個人的な支援している理由かい?」

 

「【勇者】」

 

名前でなく二つ名で呼ぶ事でそれ以上詮索するなと告げた八雲は他の食人花を始末し終えた事を確認すると今はリヴェリア達が相手をしている変異した食人花を睨む。

 

「あとはあいつか」

 

「リヴェリア!」

 

「「アイズ!」」

 

「フィンに八雲、それからハシャーナか」

 

広場で抑えこんでいたリヴェリア達に合流すると、変異食人花は何故かアイズに反応を示す。だが、八雲はそんな事お構いなしに変わった見た目の片手剣と盾を取り出して変異食人花の蔦状の脚を数本斬り裂く。

 

「僕達もいくよ!」

 

「「ああ/はい!」」

 

そこからは八雲、アイズ、フィン、ティオナ、ティオネを前衛、リヴェリア、レフィーヤを後衛とし、その後衛の護衛にハシャーナというポジションで変異食人花を追い詰めていく。途中、八雲が盾に備え付けられている鞘に何度か剣を納刀している動作がありレフィーヤは首を傾げていたが、その理由は直ぐに明らかとなる。

 

「準備完了………大技いくぞ!」

 

そう言ってまた剣を納刀すると盾のギミックを起動させ剣を固定すると盾が変形しハルバードのような見た目へと変貌する。

 

「それも椿との合作かい?」

 

「まだ試作品だけどなっ!!」

 

盾だった部分が刃となったハルバードを変異食人花に叩き付けると内部に備えた薬莢が炸裂して叩き付けた音と合わさり轟音を響かせる。

 

「■■■■■■ッ!?」

 

これには変異食人花も堪らず悲鳴を上げその場から逃走しようとする。

 

「あっ!逃げる気!?」

 

「大樹を伝って上に行く気か!」

 

「逃さねぇよ!乗れ!ティオナ」

 

「OK!」

 

八雲の意図を察したティオナがハルバードの盾であった部分に飛び乗ると、八雲はそれを振り上げ、ティオナもそれを蹴って弾丸のように自身を射出し変異食人花へと迫り、そのまま彼女の得物である両刃剣を振るってその二つ名である【大切断(アマゾン)】を体現したかの如く魔石ごと両断してしまう。

 

「よし!」

 

「よし!じゃないわよ!魔石ごと斬ってどうするのよ!?」

 

「あっ」

 

このモンスターも変異したとはいえ食人花の一種。なので魔石を得られれば何か判ったかもしれないという事を失念していたらしい。

 

「とりあえずこれで一旦解決かな?」

 

ティオナに怒鳴るティオネをフィンが止め、とりあえず今回の事件はこれで終わりのようだ。

 

「お〜い!お前ら〜!」

 

そこに街のまとめ役のボールスがやってくる。そこでフィンは街に被害が出た事を謝罪するのだが………

 

「すまないボールス、被害は最小限にしようと思ったのだが」

 

「構やしねぇよ。いくらぶっ壊されてもその度に復興してんのがこのリヴィラだかんな………それよりも八雲」

 

「はいはい、酒場の迷惑料も兼ねて資材はいくらか俺持ちで出すよ」

 

「話が早くて助かるぜ」

 

実は八雲はリヴィラのこの何度も復興するという点に着目してオラリオの建築系ファミリアに簡易的に組み立てが可能な建築資材を依頼して【宝物庫】にストックしており、街に被害が出ると立ち寄った八雲が資材を供給する。これによりリヴィラは直ぐに復興が出来、建築系ファミリアも定期的に依頼が得られ、それで八雲とボールスが儲かるというwin-winな関係が出来上がっているのだ。

 

「って訳でここから下へは同行出来そうに無いからまた戻って来たら寄ってくれ」

 

その為、八雲は復興支援の為にリヴィラに残る事になった。

 

「うん、仕方が無いね。ここまでの魔石やドロップアイテムは預けたままでいいかい?」

 

「一応証明としてこれを渡しておく」

 

そう言って八雲がフィンに手渡したのはここまでフィン達が得た魔石とドロップアイテムの内訳が書かれたメモである。

 

「わかった」

 

「ハシャーナさんとそこの犬人族は残れよ?事情はきっちり説明してもらわないとな?」

 

「わ、わかった」

 

「は、はひっ!」

 

元々責任を感じていたハシャーナは兎も角、八雲はルルネも逃がすつもりはなかった。

こうしてリヴィラの長い夜は終わりを告げたのであった。




これにてリヴィラ編は終わりとなります。
次はリリルカ編となりますが、こちらも原作とは微妙に変わる予定です。

劇場版のオリオンの矢について、八雲を参戦させるかどうか

  • 八雲参戦
  • オラリオでお留守番
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