ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
一応戦争遊戯の辺りまでは構造は出来ているのですが、中々文章にするのが大変で………
今回は八雲の計画についてです。
あと、ダンまちの最新巻、ヤッベ〜事になっててかなり驚きました。
リリルカを中心とした様々な思惑を知った八雲は夕食を奢るという名目でベルとリリルカをホームへと連れて戻り、話の続きをする事にした。
「あの………このお店」
「安心しろ、ソーマファミリアやあの手の客は元より出禁にしてるからまず入って来れねぇよ………あとホームも兼ねてるから防諜対策もしてある」
尚、ロキファミリアやガネーシャファミリアの常連も多いこの店で問題行動を起こす冒険者は滅多にいない。
「まずは腹ごしらえだな。少し待ってろ」
賄いを作ってくると八雲が部屋を出ていき、ベルとリリルカだけが部屋に残される。
「あの、ベル様」
「うん?なに?」
「まずは謝らせて下さい!大切なナイフを盗もうとしてごめんなさい!」
「それはもう済んだ事でしょ?」
「でも………」
「ん〜、ならまた僕と一緒にダンジョンに行ってくれないかな?」
「えっ?」
「確かに師匠のスキルは便利だけど、師匠も師匠のやらなきゃいけない事があったりして毎回は一緒に行けないからさ」
「………まったく、ベル様は他のサポーターからしたらカモですのでリリがしっかりサポートしてあげます」
「あはは………」
リリの呆れたような言葉にベルは心当たりがあったのか渇いた笑いを返すと、部屋の扉が開いて八雲が戻ってきた。
「なんだ、随分と打ち解けたみたいじゃないか」
「はい。ところでそれは?」
ベルが八雲の持つお盆を見れば丼が3つ載っていた。
「タケミカヅチ様のとこから少し米を戴いてな。せっかくだから玉子とじカツ丼にしてみた。リリルカは箸は使えないだろうからスプーンな」
ちなみにベルは八雲の店に通うようになってから使い方を覚えて始め、今では使い熟すとまではいかないものの使えるようにはなっていた。尚、ヘスティアは未だに箸の扱いに悪戦苦闘しており、それでも「ベル君が使えるなら僕だって使い熟してみせるんだぁ!」と特訓中である。
「とりあえず話は飯を食ってからだ」
「ですね」
「「戴きます」」
「い、いただきます」
馴れない挨拶を2人に習って告げて食事を開始するリリルカ。
「はむ………こ、これは!?」
そして、一口口にしたリリルカは驚愕する。
「な、何なんですかこれ!?」
「カツ丼って料理の亜種でな、ボアの肉を衣をつけて揚げたカツを炊いた米の上に載せたものをカツ丼というのだが、そのカツを卵と出汁で玉子とじにしたものを載せたのがこの丼なんだ。出汁が米に染み込んで美味いだろ?」
「師匠、ほんと料理上手いですよね………」
「はむはむはむ………」
「気に入ったみたいだな」
食事を終えて食器を片付けた後、改めて話し合いを始める。
「で、あの連中とソーマファミリアへの対応だったな」
「計画を利用するって事でしたけど………」
「師匠、一体何を企んでるんです?」
「あいつらの計画はベルがリリルカに嵌められた前提なんだ」
「と言いますと?」
「多分、リリルカがナイフを盗んでベルを置き去りにした後に襲撃して持ち物や貯め込んだ金を盗るつもりなんだろうな………まあ、あの冒険者はその後に分け前の関係で一緒に始末されそうだけどな」
「ありえますね」
「ソーマファミリアって、そこまでなんですね………」
「直接手を下さずに怪物進呈とかでやるんだろうな………階層的にキラーアント辺りかな?」
キラーアントはキッチリトドメを刺しておかないと近くの仲間を呼び集める習性がある。
本来ならば気を付けなければならない習性だが、証拠隠滅も容易である事からこれを利用して怪物進呈を行う者も稀に存在するのだ。
「これを利用ってどうするんですか?」
「まずはベルにはリリルカの当初の計画通り嵌められてもらう」
「へ?」
「ベルに見張りが付いてる可能性もあるからベルには内容を知らせずにガチでやれ。盗むナイフの偽物はこっちで用意する」
「はい」
「リリ!?」
「偽ナイフを盗んだ振りをしたらわざとあいつらに予想されてそうなルートで上に向かえ。リリルカには俺が潜伏しながらついてるからとりあえずあいつらにボコられた振りしとけ持ち物も盗られてもすぐ取り返すから大人しく渡しとけ」
「あの〜、僕は………」
「自力でリリルカの罠抜けて追ってこい。ナイフも偽物盗まれるだけなんだし、1人で切り抜けれない程軟に教えたつもりはねぇぞ?」
「ですよねぇ〜………」
「後は俺がベルの連れなのは向こうも知ってるからわざとボロボロにしたリリルカのマントか何かをあいつらに見せて消息不明にしてからベルへの慰謝料代わりにリリルカの荷物を取り返してついでにボッコボコにする。やる覚悟があるなら自分達がやられる覚悟もあんだろ」
「「うわぁ〜………」」
「ちなみに協力者も雇うつもりだから安心しろ」
「「(この人、ガチだ………)」」
「で、でも、何で見ぬ知らずのリリにそこまで………」
「それはねぇ〜、昔は八雲もサポーターの仲間がいたんだけど悪質な怪物進呈を受けて殺された事があったのよ〜」
「アフロディーテ!」
リリルカの疑問に答えたのは店が休憩時間となって暇になったアフロディーテだった。
「そう怒らないでよ。それにそっちのリリルカちゃんからしたら私達を信用するに至るかって重要な話でしょ?」
「うぐ………確かに」
「で、そのサポーターってのがリリルカちゃんと同じくらいの背丈の犬人族の女の子だったのよ」
「犬人族………」
「あっ、それで………」
そこまで聞けばベルとリリルカも何故八雲がここまでリリルカに親身になっているかに気が付いた。
どうも彼らは八雲の特大の地雷を踏み抜いたようだ。
「………まあ、そういう事だ。その後はリリルカには変身魔法でしばらく姿を変えてウチの店で働きながらベルのサポーターって事で潜伏しとけ。装備も新調しねぇとバレるだろうが、それは偽ナイフと一緒に俺が用意しとくから気にするな」
「ソーマなら一眷属がどうなったとか一々気にしないでしょうからしばらくはバレないわよ」
「まあ、バレてこっちに手を出してきようもんなら………フフフフフ」
「どうせ眷属1人の弱小派閥が2つと油断してるだろうし、やりようはいくらでもあるわ」
「「(似た者同士だ、これ………)」」
ベルとリリルカは後にこれが後の事まで全て見越した計画だったと知り、八雲とアフロディーテが絶対に敵に回してはいけない者達である事を知るのだが、それはまだ先のお話。
という事で八雲の計画とはあの冒険者達を使ってリリルカを消息不明にしちゃおうぜ!というものです。
偽ナイフもヘファイストスファミリア(というか椿)が用意するのでまず素人にはバレません。
そして、雇う協力者とはハテサテイッタイドコノファミリアナンダロウナァ〜………
多分、読んでる皆さんにはバレバレかもしれませんが、そこら辺は次回をお待ち下さい。