ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
ダンメモ用の書き下ろしシナリオだし、本編には関係無いよね!ということでこのまま続行します。
一応、この作品ではガワは同じでも別の神物として扱いますし、他のキャラクターとの関係もあちらとは異なるものになると思います。
なので四周年イベントはこの作品では触れません以上!
リヴィラを後にした一行はアイズを追って最短ルートで24層へとやってきた。
そして、戦闘の痕跡等から北の食料庫が怪しいと向かってみれば、その食料庫の入口は緑の植物によって塞がれていた。
「これって………」
「あのヴィオラスとかいうモンスターが関与してるみたいだな」
「アイズがろくな説明も無しに飛び出していく訳だ」
おそらく依頼主にこれが関与してる事を伝えられて単独先行したというのが八雲達の見解である。
「さて、いきますか」
「待て!その蔦の壁をどうやって破るつもりだ?」
「こうやって」
フィルヴィスが問うと、八雲は【宝物庫】から火の魔剣(椿製)を取り出して蔦の壁に向けて放ち、壁は一瞬で炭化して崩れ去る。
「こりゃ炙っといてもすぐ再生しそうだな………」
「ならさっさと中に入るぞ」
「あのぉ………帰りはどうするんですか?」
「どうせ中にこの蔦の主がいるんだからそいつ倒したらなくなるだろ………そうじゃなかったらもっかい燃やすだけだ。幸い魔剣のストックはあるんでな」
「なら後で一本貸せ」
なんでもない事かのように進もうとする八雲とロキファミリアの2人にフィルヴィスは啞然とする。
「早く来ないとまた塞がるぞ」
「わ、わかった」
こうして食料庫に侵入した4人であったが、八雲は先程のやりとりからフィルヴィスに違和感を感じていた。
「(エルフなのに魔剣に対する反応が鈍すぎる………まあ、揉めるよりはマシか)」
今優先すべきはアイズの捜索とこの食料庫の異変の調査なのでフィルヴィスの事は一先ず置いておき、八雲達は食料庫の奥へと向かった。
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そこから何度か遭遇したモンスターを退けて蔦の壁をぶち破ると何やら2つの勢力と食人花による乱戦となっている広場に出た。
「どういう状況だよこれ!?」
「見るからにあっちが敵だろ!」
いきなりの状況に混乱する八雲達であったが、ローブ姿の見るからに怪しい集団と食人花に襲われている冒険者であればどちらの味方をするべきなのかは明白であり、レフィーヤとフィルヴィスの魔法による支援砲撃に合わせて八雲とベートが戦場に乱入する。
そんな中、八雲とレフィーヤは顔見知りの人物を発見する。
「お前………確か、レフィーヤ!?それにそっちのは八雲!?」
「ルルネさん!?」
「またお前かよ!?」
そう、以前リヴィラで出逢ったルルネだ。
つまり劣勢だった冒険者達はヘルメスファミリアの一団だったのだ。
「おいっ、アイズはここにはいねえのか?答えろ」
「け、【剣姫】はさっきまで私達と一緒にいたんだけど………分断させられて」
「あぁ?分断?」
ルルネにベートがアイズの行き先を訊ねるが、アイズはどうやら分断されて逸れてしまったようだ。
「そ、それよりっ、頼むっ、アスフィを助けてくれ!」
そう八雲達に頼み込むルルネの視線の先には白いローブを着たリーダー格と思われる男の足元に横たわるボロボロの女性………アスフィ・アンドロメダの姿があった。
そして、その男がこの状況の元凶であり、食人花を操っていると言うルルネの言葉を聞き、八雲とベートが動く。
「八雲、剣を寄越せ」
「はいよ」
八雲は【宝物庫】からベートが預けていた双剣を取り出し手渡すと、自身も双剣を取り出して白ローブの男へと駆け出す。
ローブの男も食人花を2体差し向けてくるが、ベートと八雲にあっさりと処理されてしまう。
「次から次へと!おのれ、冒険者め!お前達!そいつらを止めろ!」
「気をつけろ!そいつらは死兵だ!火炎石を持ってる!」
「へぇ………なら」
男の指示で火炎石を持った死兵が2人に迫るが、ルルネの警告を聞いた八雲は剣をしまい、素手で死兵達を掴むと地面に叩きつけた。
「がはっ!?」
「火炎石が!?」
「そういう危ないものはしまっちゃおうねぇ〜」
そして懐から火炎石を奪い【宝物庫】にしまい無力化していく。
一方、ベートは火炎石を使わせる間もなく一撃で相手を蹴散らしている。
「なっ!?何だアイツらは!?」
「まさか………アイツは【単眼鬼の武器庫】か!?」
「それにあっちは【凶狼】!?」
そうこうしている間に白ローブの男に迫ったベートが蹴りを繰り出すも、男はクロスガードでそれを防いだ。
「そうか、ロキファミリアが【剣姫】を追ってきたか!」
「てめえ、アイズをどうした!?」
「私の同志が相手をしている。なに、今頃は腕でももがれ、可愛がられていることだろう」
「ーー殺すぞ」
一方、八雲は近くの手下達を退けるとアスフィに駆け寄り【宝物庫】から取り出した回復薬を強引にアスフィに飲ませる。
「随分と派手にやられたな、【
「ゲホ………助かりました、【単眼鬼の武器庫】」
「動けるなら仲間のとこに行ってろ。あとは俺達が引き受ける」
「しかし………」
そこに食人花がアスフィを狙って襲い掛かってくるが………
「人が話し中だ、邪魔をするな」
食人花に一切容赦するつもりの無い八雲は死ヲ刻厶大鎌を取り出して両断する。
「下がるついでに負傷者にこれでも飲ませてやれ」
「これは上級回復薬!?」
「今は少しでも動けるやつが必要だ。それに躊躇っている時間も無いだろ?」
ヘルメスファミリアには既に何人もの重傷者が出ており、回復薬が足りていないのはアスフィも理解している。
なのでアスフィは八雲からいくつかの上級回復薬を受け取った。
「この借りはいずれ」
アスフィが離れると八雲はヘルメスファミリアやレフィーヤ達を狙う食人花の頭部を大鎌で刈り取っていく。
「こ、これがかつて【首狩り族】と呼ばれたこの人のやり方………」
「大鎌なんて扱い難い武器で………」
「まるで死神だ」
その姿にヘルメスファミリアの面々は死神を連想する。
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その頃ベートはローブの男と戦闘を繰り広げており、既にベートの双剣はなく、ローブの男もローブを脱ぎ捨て白骨の兜と両腕のメタルグローブ姿となっている。
男も並みの冒険者では歯が立たない強さなのだが、ベートが拮抗出来ている理由は以前八雲に破壊されて作り直されたフロスヴィルト改が原因だった。
元々フロスヴィルトはベートの持つとあるスキルを参考に椿が作り上げた第二等級特殊武器で、それを八雲が変則的な方法で破壊された事を受け、八雲の持つ異世界知識と椿の腕が合わさって改良された第一等級特殊武器がフロスヴィルト改だ。
魔法吸収効率アップ、強度・魔法吸収限界の強化の他に左右で別の魔法を吸収出来るようになったり、吸収した魔法を消費する速度は増すがそれに合わせて出力を大幅に強化する
この開放モードによって威力が跳ね上がる故に不壊属性を付与しているにも関わらず第一等級特殊武器にカテゴリーされている。
これらの構造上重量が増しているのだが、ベート曰く「前より少し重くなったが、誤差の範囲だ」とのことで、ロキファミリア最速に翳りはない。
そんなベートが攻めきれていない時点で男も相応の実力者なのが判る。
「ちっ」
「図に乗るなよ、冒険者共!」
「アルクス・レイ!」
そんな中、レフィーヤの【アルクス・レイ】が放たれるも男はそれを躱す。
「何処を狙っている」
男はそれを鼻で笑うも、【アルクス・レイ】は必中の追尾魔法。
そう、それは男に向かって放たれたのではなく、その先にいたベートを狙ったものだった。
「上出来だ!」
【アルクス・レイ】をフロスヴィルト改に吸収させたベートは開放モードを起動させ、回避で態勢の崩れた男の白骨の兜を蹴り抜く。
その勢いは凄まじく、男は壁にぶつかり煙が舞う。
「やったのか………?」
「殺すつもりでブチ抜いてやったがな」
「いや、そのセリフはフラグだから」
しかし、煙の中からボロボロになった男は立ち上がった。
「今のは少し効いたが、“彼女”に愛されたこの身体が、この程度で朽ちる訳がない」
すると、ボロボロになった戦闘服等から覗く傷だらけの肉体が再生していく。
「え………」
「再生能力持ちかよ」
普通ならありえない光景に一同は驚くが、本当に驚くのはまだこれからであった。
男の被っていた兜が限界を迎えたのかボロボロと崩れていき、その素顔が明らかになるとアスフィとフィルヴィスの表情が更なる驚愕に染まる。
「なっ………」
「フィ、フィルヴィス、さん?」
「どうして………」
「オリヴァス・アクト………」
「オリヴァス・アクトって………【
アスフィが男の名を告げると、ヘルメスファミリアはようやく2人が驚いた理由を知る。
八雲とレフィーヤの2人だけは何故彼らが驚いているのかがわからない。
それも無理はない、何故なら………
「だって、だって【白髪鬼】は………」
「馬鹿な、何故死者がここにいる!?」
【白髪鬼】ことオリヴァス・アクトは数年前に死亡が確認されてはずの闇派閥の人間だったからだ。
長くなりそうなのでとりあえずここまで。
次回で決着までいけるといいなぁ………