ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典   作:ミストラル0

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今回はサブタイ通りアニメ二期にも登場したあのファミリアに関するお話。
今回も新たに原作キャラが登場します。


六話 ラキアと依頼

ラキア王国。戦神アレスが主神として君臨する国家級ファミリアで、国民が総じてアレスファミリアという異色の(ファミリア)である。

このアレスファミリアは事ある毎にオラリオへの侵攻を行なっており、その度に上位ファミリアが強制任務(ミッション)として駆り出され追い返されている。まあ、ダンジョンの無い平均レベルが2あれば良い方であるラキア王国がレベル4、5の冒険者を有するオラリオに勝つ事等不可能に近いのではあるが………

何故このような話をしているかというと、現在そのラキア王国が絶賛侵攻中なのだ。

 

「だから依頼を受けてくれる冒険者も減ってね」

 

「戦争となりゃ色々物資も減るだろうしな」

 

「倒れたラキアの兵士にオラリオのアイテムを売りに行く商人も増えるしね」

 

「………流石はオラリオの商人、商魂逞しいな、おい」

 

ギルドの担当者が言うには、オラリオの冒険者と戦って負ける→オラリオの商人からアイテムを買う→減った所持金を増やすべく再び戦場へ、というサイクルが完成してるらしい。

 

「まあ、お陰で今が稼ぎ時なのは判ったよ」

 

そう言って複数の依頼書を手にする八雲。その依頼書は全てディアンケヒトファミリアからの依頼書で、内容もダンジョン上層で採取出来る素材アイテムの納品依頼である。

 

「ディアンケヒトファミリアは回復薬販売の最大手だ。これを機に伝手を作っておくか」

 

「ですね。今はほとんど使ってませんが、備えは必要ですからね!」

 

******************

 

今回は八雲もバックパックを持参してダンジョンにやってきた。理由は勿論素材を多く回収する為だ。

 

「ユーリヤ、今回は依頼の素材優先だ。モンスターは進路上と素材のあるポイントのやつだけでいく」

 

「わふ、最速最短ルートですね?」

 

更に今回の2人の装備はショベルである。このショベル、ただのショベルと侮ってはいけない。実はこのショベルは前回武器屋巡りの際に発見したものの1つで、俗に言う塹壕用ショベル*1の亜種に相当するもので、ショベルではあるが限りなく槍に近い武器として作られている。それを使い、八雲とユーリヤは最短ルートで階層を降っていった。

 

「よし、ギルドで聞いた話だとこの辺だな?」

 

「ヤクモさん!あそこに!」

 

「でかした、ユーリヤ!」

 

ユーリヤが目的の薬草を発見すると、周りにモンスターがいないことを確認してから手にするショベルで根元を掘り返し根ごと薬草を確保していき、薬草があるポイントを転々と回る2人。途中、ダンジョンリザードやフロッグシューターとも遭遇したが、それらのドロップアイテムも納品依頼のあったモンスターだったが為にあっさり返り討ちに遭い素材を持っていかれる羽目になった。

 

「よし、素材はこんなもんかな?」

 

「ですね、リストにある素材はこれで全部ですね」

 

「ならさっさと撤退するか」

 

規定数の素材を回収し、その後は再び最短ルートで地上まで帰還するのだった。

 

******************

 

「はい、確かに依頼していた素材ですね。数も状態も問題ありません。依頼は達成とさせていただきます」

 

地上へと帰還した2人はその足で依頼先であるディアンケヒトファミリアに素材を納品しにやってきた。そこで2人の対応をしてくれたのはアミッド・テアサナーレというヒューマンの女性だった。

 

「それにしてもこれは状態が良いですね」

 

「そうなのか?」

 

「冒険者の方は数さえ集めれば良い方が多いので、素材の状態がここまで良いのは珍しいです」

 

「あー、なるほどな」

 

どうも多くの冒険者は素材の状態等気にせず薬草を手で強引に引き抜いているらしい。

 

「これならより効果の高い回復薬が作れそうです」

 

「そいつは良かった」

 

「今度は指名依頼をさせていただくかもしれません。改めてお名前と所属ファミリアを伺っても?」

 

「八雲、アフロディーテファミリアの村上八雲だ」

 

「ヤクモさん、ですね。それではまたよろしくお願いします」

 

******************

 

ディアンケヒトファミリアを出た八雲は真っ直ぐホームに帰るのではなく、普段から屋台が立ち並ぶ通りに立ち寄っていた。その理由は………

 

「今日もお疲れ様、八雲」

 

「そういうそちらもお疲れさん、アフロディーテ」

 

「ちょっと待っててね、このお客さんで最後だから」

 

怪物祭の時に屋台をやったのが楽しかったのか、アフロディーテは週に数度あの屋台を使って屋台を出していたのだ。まだアフロディーテが慣れていないのもあってメニューは少ないものの、ちゃんと稼ぎにはなっているらしい。丁度、今もお客の対応中だったようだ。そのお客は八雲も見覚えのある人物だった。

 

「あれ?貴方は確かあの時の………」

 

「あっ、あの時のジャガ丸くん大量に買ってた剣姫様じゃねぇか」

 

そう、それは怪物祭でジャガ丸くんを買いにきたアイズであった。

 

「なんだ、またジャガ丸くんか?」

 

「そう、ここのジャガ丸くんは他には無い味ばかりだから」

 

どうもアイズはこの屋台のジャガ丸くんのファンになってしまっているようだ。

 

「というか、ロキファミリアの主力は今はラキアとの戦争に駆り出されてたんじゃなかったか?」

 

「うん、でも今日でラキアは撤退したからおしまい」

 

「なるほど」

 

聞けばラキアの戦力がボロボロになってしまった為に撤退したらしく、アイズは自分へのご褒美としてジャガ丸くんの屋台を巡っていたらしい。

 

「というかその量、全部一人で食べるのか?」

 

「ううん、ファミリアの仲間と一緒に………今日はここのジャガ丸くんが売ってる日で良かった」

 

「今後ともご贔屓に頼むわ」

 

その後、揚げたてのジャガ丸くんを袋一杯に購入してアイズは帰っていった。

 

「さて、俺達も帰りますか」

 

「そうだね………というかラキアか」

 

「ラキアがどうかしたのか?」

 

「うーんとね、ラキアというか、そこの主神がね」

 

「あー、アレスってそういや」

 

「そうゆうこと」

 

そう、アフロディーテとアレスは同じ神話の神であり、神話でもこの2神は関係のある神なのだ。

 

「確か、ヘファイストスと関係ある時に浮気した神だっけ?」

 

「浮気とは人聞きの悪い………ちょっとつまみ食いしただけよ。それにヘファちゃんはこちらでは女神だよ?」

 

「は?ちょっとまて!つまりは女神同士で結婚してたのか!?」

 

「私が何の神か忘れた?豊穣と繁殖の神よ?アレを生やすくらい訳無いわ」

 

「聞きたくなかった、そんな話………」

 

どうもアフロディーテの力で子を作ろうとしたヘファイストスは結婚してからその方法を聞いて戸惑ってしまい、その間にアフロディーテがアレスをつまみ食いしたらしく、なのでヘファイストスとは別に仲が悪い訳では無いとの事。

 

「うん、ギリシャ神話の神が色々おかしいのは知ってたが、ここまでとは」

 

「おかしいって酷いなぁ」

 

「まともな神格者ほとんどいねぇだろうが!ギリシャ神話は!」

 

「うん、それは間違ってないね」

 

聞けばそれなりにギリシャ神話の神もオラリオに降りてきているらしいので何れ会う事もあるだろう。そう思うと頭が痛い八雲なのであった。

*1
その名の通り戦場で塹壕を掘るのに使われたショベル。刃がスペード状になっており、塹壕を掘っている際の遭遇戦で武器としても使われていた。




という訳で登場したのはアミッドさんでした。

あと、ギリシャ神話って調べるとホントにギリシャ神がおかしいと判るんですよね。
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