ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
家のゴタゴタ(活動報告を参照)と仕事が忙しくなったので余り執筆に時間が取れなかったりしました。
とりあえず遠征の続きです。
またしても八雲がやらかしております。
フィンに許可を貰い、椿やアイズ達の手を借りて一度地上へとベル達を連れ帰還した八雲。
まず向かったのはディアンケヒトファミリアの治療院。
「すまんアミッドはいるか!?急患だ!」
「こちらに!」
幸いにもアミッドは治療院におり、ベル達の様子を見るや否やその容態を把握したようですぐさま処置室へと彼らを通した。
それからアミッドの治療の甲斐あって何とか後遺症が残らない形で治療は済んだものの、しばらくは安静にとのことだ。
「で、何があったのですか?見たところ貴方のお知り合いのようですので、ここまでの負傷をする程愚かとは思えませんが………」
「9層でミノタウロスの変異種が出た」
「ミノタウロス!?しかも変異種ですって………」
「そのミノタウロスから他の冒険者を逃がす為に囮になって激闘の果てに、な」
「そのミノタウロスは貴方が?」
「いや、そこのベル………白い方の弟子がやった」
「!?………それは騒ぎになりますね」
間違いなくアイズを超える最速レベルアップを果たしたであろうと八雲の弟子の噂を知っていたアミッドは確信する。
「そいつらが起きたら治療費は俺と椿で払うからゆっくり休めと伝えといてくれ」
「わかりました。八雲さんもお気を付けて」
「ああ」
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アミッドに言伝を頼んだ八雲は椿と治療費の先払いを済ませると、ギルドに報告をしていたフィン達と合流し遠征へと復帰した。
「やれやれ、アイズ達にも困ったものだよ」
「………ベルに影響されたとはいえ、これはねぇわ」
途中でフォモールの群れと遭遇し、フィンはそれを他の団員を鍛える為にぶつけさせようとしたのだが、ベル達の奮戦を目の当たりにしたアイズやベート達が刺激を受けてか率先してフォモールを殲滅し始めてしまったのだ。
そんなアイズ達にフィンは苦笑し、八雲は呆れていた。
「ところで、君は行かないのかい?」
そこでふとフィンがそう八雲に訊ねる。
フィンとしてはアイズ達ですらあれだけ影響を受けているのにベルの師に当たる八雲が残っている事が少し疑問だったのだ。
しかし、返ってきたのは八雲らしい返答だった。
「自分の役目を放棄してまでアレに混ざる気は無いですよ………まず無いでしょうけど、こっちまで抜けてきたらやりはしますけど」
「それは確かに無いだろうね」
アイズ達の暴れっぷりからフォモールの全滅も時間の問題であり、八雲の出番はなさそうである。
それから程なくしてフォモールの群は全滅し、暴れに暴れ回ったアイズ達はフィン達から御小言を言われる事になった。
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変異種ミノタウロスの事件等トラブルはあったものの、現状見つかっている最後の安全階層である50階層の【
ここからはフィンが事前に選抜したメンバーによる少数精鋭での攻略となる。
メンバーはロキファミリアからフィン、リヴェリア、ガレス、アイズ、ベート、ティオナ、ティオネ、レフィーヤ、ラウル(サポーター枠)。
そこに八雲と椿が加わる形となる。
その道中で八雲個人にアミッドからベルの治療の割引として受けた依頼である素材を採取に向かったのだが………
「やると思ったッス………」
51階層には“カドモスの泉”という泉がある。
この水は治療薬等の素材として重宝されているのだが、名の通りこの泉を守護するカドモスという強竜がおり、その飲み水として飲み干されてしまうからかかなり希少なのだ。
幸いというか八雲達が立ち寄った際には泉の水は多目に残っており、ロキファミリアの精鋭部隊にカドモスがフルボッコされている間に八雲が【宝物庫】から取り出した貯水タンクに泉の水は根刮ぎ汲み上げられ、カドモスがそれに気付いた頃にはタンクを【宝物庫】に収納して参戦した八雲にかつてのインファントドラゴンのように首を叩き斬られて消滅する。*1
インファントドラゴンとの戦いや何度か一緒にダンジョンアタックをしていたラウルは「やっぱりやりやがった」と呆れ顔である。
「よっしゃ、皮膜GET!」
ついでにしれっとカドモスの皮膜まで獲得している。
「新作の使い心地はどうだ?」
「アックスモードの重心が良いね、振り下ろす際にスピードが乗せやすい」
「椿、今度儂にもそれを作ってくれ」
「よいが、これは戦斧と大剣の双方の性質を持つ故に扱いはその両方を熟知しておらんと難しいぞ?」
「そこ、そういう話は帰ってからにしてくれないかい?」
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52階層から深層はより凶悪さを増す。
というのも52階層から58階層は【巨蒼の滝】のように繋がった階層になっており、58階層からヴァルガングドラゴンという竜種モンスターによって52階層に向けて火球の無差別砲撃が飛んでくる。
その火球攻撃を避けながら眼前のモンスターとの戦いを強要されるとかいうえげつない階層なのだ。
尚、その砲撃によって開いた穴に落ちると58階層まで真っ逆さまなのだが、並の冒険者では落下ダメージだけでも即死もしくは重傷を負う。
当然、落下中もヴァルガングドラゴンの砲撃も継続され、更に56〜57階層に当たる壁からはイル・ワイヴァーンという飛竜まで狙ってくるとかいうやっべー場所なのだ。
「あっ、レフィーヤが落ちた」
「ちっ!」
そんな中、レフィーヤがその穴に落ちてしまい、それを追ってアイズやベート等のメンバーが自ら穴へと飛び込んでいく。
「八雲、君も追ってくれるかい?僕らもなるべく早く追いつく」
「無茶を仰る」
「君、翔べるだろ?」
「翔ぶというより、魔力弾の反動でかっ飛んでるだけなんだけどなぁ………わかりましたよ!行きゃいいんでしょ!」
フィンに無言の笑みでМPポーションを差し出されては断る事は出来ず、八雲も穴へと飛び込んでいく。
「………こうなったら少しでも多く経験値にしてやる!」
そんな決意をする八雲にイル・ワイヴァーンが寄ってくるが、八雲からすれば鴨が葱を背負ってきたようなものだった。
「悪いが、足場兼盾になってもらうぞ!」
双銃を取り出した八雲は先頭のイル・ワイヴァーンの背に翔び乗ると、騎乗姿勢のまま別のイル・ワイヴァーンをヘッドショットで潰し、また別のものの翼膜を撃ち抜いて墜落させ、ヴァルガングドラゴンの砲撃が迫れば乗っていたイル・ワイヴァーンを乗り捨てて盾にし、別のイル・ワイヴァーンへと翔び乗る。
「ああなりたくなかったら必死に避けろよ?」
鬼である。
そこから何度か同じ事を繰り返していると、イル・ワイヴァーンの1匹が八雲の騎乗に逆らわず、寧ろ八雲が動き易いように立ち回り始めた。
「あの野郎、イル・ワイヴァーンを調教スキルも無しに従えてやがる………」
「ガネーシャファミリアの手伝いもしてるって言ってたし、出来てもおかしくないね」
「いや、普通は出来ないと思うんですけど………」
イル・ワイヴァーンを八雲が相手している間にレフィーヤを拾って着地したベート達はそんな八雲のおかしさを再確認する。
「というか、八雲はアレを連れて帰るつもりなのかな?」
「あっ、団長!」
「ハハハハハ!流石は八雲だな!」
そうこうしている内にフィン達も階層を突破して合流する。
結局、戦闘後に八雲に完全服従したイル・ワイヴァーンだったが、下の階層には連れていけないので帰ってくるまでに生き残っていれば連れて帰るという事にして首に鉢金を巻いてこの階層にお留守番させる事となった。
ただ、モンスター絶対殺すウーマンであるアイズは竜種ともあって余り良い顔はしなかったが、ロキファミリアで飼う訳ではないという事で渋々納得させた。*2
イル・ワイヴァーンくん、自身のテリトリーであるはずの空中で仲間がサクサク処理される恐怖から八雲に服従してしまいました。
何でここでこの子をテイムしたかは後に判明します。
まあ、多分直ぐにわかると思いますけどね(ヒント:劇場版)