ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典 作:ミストラル0
少し端折り気味ですが、この後からが書く事多いので省略しています。
穢れた精霊との戦闘の疲労からある程度回復一行は他のロキファミリアの団員らが待つ50層に向けて帰還を開始した。
そんな彼らを58層でずっと待っていたものがいた。
「グァ」
それは一見この階層にいても不思議ではない1体のイル・ワイヴァーン。
だが、その首には鉢金が巻かれており、八雲達への敵意は皆無だった。
「このイル・ワイヴァーンって確か………」
「おっ、無事だったみたいだな」
そう、このイル・ワイヴァーンは行きに八雲が乗り回して従属させたあのイル・ワイヴァーンだった。
首に巻かれた鉢金も八雲が目印として首に巻いていったものだ。
その八雲が近付けば頭を垂れて大人しく頭を撫でられている。
「すっかり八雲に従属しちゃってるね、その子」
「まあ、あれだけ同族の首がスパスパ斬られたんだ。逆らう気も失せるだろうよ」
「むぅ………」
やはり竜系統のモンスターとあってアイズの向ける視線は険しいものの、既に八雲がテイムしているものとして手を出さないと約束した為か襲いかかる事はなかった。
「というか、
遠目にヴァルガングドラゴンと思われるモンスターは数体見えるも、空にイル・ワイヴァーンはほとんどいない。
「グァ!」
その言葉にイル・ワイヴァーンは何故か誇らしげに胸を張る。
「うん?もしかしてお前が間引いたのか?」
「グァ!」
どうも八雲達の言葉を理解しているような反応を示しており、ご機嫌に尻尾をユラユラと揺らしている。
よく見れば魔石やドロップアイテムもまとめて置いてある。
あれ?テイムモンスターってこんなんだっけ?
「これ、貰っていいのか?」
「グァグァ」
「なら遠慮なく」
普通に会話を成立させてそれらを【宝物庫】にしまう八雲に一同は「まあ、八雲だし」と深く考えるのはやめる事にした。
「八雲、連れて帰るのはいいけど、他の冒険者の迷惑にはならないようにね?」
「わかりました。一応、地上に出す時は檻に入れて出すようにしますんで」
「………ちなみに、何でそんな都合よく檻なんて持ってるんだい?」
「前にガネーシャ様に調教向けのモンスターがいたら捕まえといてくれって預かってまして」
「うん、そんな気はしてた」
という理由で、地上のヴァルガングドラゴンを掃討してからジークと名付けたイル・ワイヴァーンによるピストン輸送で52層までショートカットした一行はあっという間に50層まで戻るのであった。
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そうして順調に進んでいたのだが、そう簡単にいかないのが遠征というもので、途中で大量の
この毒妖蛆は厄介な事にこのモンスターからドロップする体液を使った専用の解毒薬が必要で、今回の遠征に持ち込んだ分では被毒者全員を治療出来ず、重篤な被毒者を優先して治療が行われた。
不幸中の幸いにドロップアイテムとして体液がいくつかドロップしており、それを持ってメンバー最速のベートが一足先に地上へ戻り、解毒薬の入手に向かっている。
残りのメンバーは安全地帯である18層にて被毒者の看病にあたっている。
八雲もテントの設営や病人食の調理等で貢献はしているものの、少し後ろめたさを感じていた。
というのも、八雲が秘匿している偽憑神武器の1つに毒の種類は問わずに解毒可能な魔法が使えるものがある*1のだが、オラリオの魔法のパワーバランスを一変してしまいかねない能力を有しているせいで安易に使う事ができないのだ。
親しい人達であるロキファミリア相手でもそれは同じであり、もう1つの方*2も合わせてその存在が知られればアミッドやリヴェリア辺りから深く追求されそうな予感すらする。
しかも、これらの偽憑神武器は対応する碑文ごと下賜する事も可能らしい。
勿論、適性や相性等もあるので誰にでもという理由にはいかないのだが、それで黙る相手ではないから秘匿一択なのだ。
ただ、毒妖蛆の解毒薬に必要な体液は需要が高そうなので今度ソロで撃滅しにいくのは悪くないかもしれない*3とか考えたりもしていたりするのだが………
「八雲もそろそろ休むッスよ」
「そうだな………ジークに餌やったら休むよ」
ある程度落ち着いたところでラウルから休憩を促され、ジークへの餌やりを理由に八雲も休む事にした。
「そういや、お前って何食うんだ?やっぱ竜種だし肉か?」
試しにストックしていた牛肉の肉塊を取り出してみれば目が釘付けである。
それでも主人である八雲の許しなく食べないところを見るにすっかり上下関係は染み付いているようだ。
「食ってよし」
「グァ!」
「飼うのを決めたのはいいが、餌代がヤバそうだな………住まわせる場所も考えなきゃならんし、出たらガネーシャ様に相談しねぇとなぁ」
合図と共に凄まじい勢いで肉塊を食らうジークを見て八雲は今後の餌代等について考える八雲だった。
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その頃、ベル達は中層の攻略を続けていたのだが、とあるパーティーが負傷者を連れてモンスターに追われていたところに遭遇。
そのパーティーのリーダーは負傷者の命とベル達を天秤にかけてベル達にそのモンスターを擦り付ける事で逃走し、意図はしていなかったが怪物贈呈となってしまう。
そして、その戦闘の最中に脆くなっていた床が抜け、ベル達は下の階層へと落下してしまった。
「ったく、酷い目にあったぜ」
「八雲様に鍛えられていなかったらどうなっていたことか」
「だね」
幸いにも本来よりも身体が鍛えられ、耐久値も上がっていた彼らは無傷とまではいかなかったものの深刻な負傷を負う事はなかった。
それでもこのまま上の階層に戻るのは厳しいのに変わりなく、ならばいっその事安全地帯である18階層を目指す事となった。
道中、消耗品も落下で駄目になってしまったものが多かった事や回復薬等で治せなかった怪我等もあり17階層まで辿り着く頃には3人共すっかりヘトヘトとなっていた。
だが、18階層に向かうにはもう1つ抜けねばならないものがあった。
「グォオオオオオ!!」
「げっ!?ゴライアス!?」
「
そう、ベル達は17階層の階層主であるゴライアスの再出現にかち合ってしまったのだ。
現状のベル達では例え万全の状態でも勝ち目はほとんどない相手だ。
「2人共!一気に駆け抜けるよ!」
「おう!」
「最後の1つですが、八雲様特製閃光弾を食らいませ!」
脚を怪我していたリディナはヴェルフが背負い、リディナも奥の手として残していた八雲特製閃光弾をゴライアスに食らわせる。
「グォオオオ!?」
生まれ出て間もないゴライアスの目に閃光弾の光は強過ぎたのか、ゴライアスは大きくよろけて壁に激突し、目の痛みから暴れ始める。
「今のうちに!」
そうして18階層の入口へと滑り込んだ3人はようやく一息つくことができた。
「間一髪ってとこだな………」
「ですね………」
そうぐったりしながら話す3人に近付く人影があった。
「………騒がしいと思って来てみりゃ、何でお前らがここにいるんだ?ベル」
「へっ?………し、師匠!?」
その人影とは息抜きに18階層を散策していた八雲だった。
「随分とボロボロだし、またトラブルにでも巻き込まれたってとこか」
「「うっ………」」
「仕方ない、俺達の野営地に来い。手当てくらいしてやる」
3人の状態を見て見過ごせないと判断した八雲は彼らを遠征部隊の野営地へと案内するのであった。
という事で、八雲とベル合流です。
次回は地上でのお話とロキファミリアとの邂逅の予定です。
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