ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典   作:ミストラル0

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明けましておめでとうございます

今年もダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外典をよろしくお願いします

今回は感想でも指摘のあった例の彼に関する話題と野営地での一幕となります


六十七話 捜索隊と地雷

「「申し訳ありませんでした!」」

 

ベル達が中層を彷徨っている頃、地上では己の眷属がやらかした事を知ってタケミカヅチがヘスティアのバイト先の1つであるアフロディーテの元を訪れ眷属らと謝罪していた。

 

「顔を上げなよ、タケ。別に悪気があった理由じゃないんだろ?」

 

「それはそうなんだが………」

 

「それにベル君も事情が事情だし、許してくれるさ」

 

「そうね、ベル“は”許してくれるだろうね」

 

「………アフロディーテ、その言い方からしてやっぱり?」

 

「ええ、八雲に知られたらただじゃ済まないわよ………特にそこの桜花って子」

 

カシマ・桜花。

タケミカヅチファミリアの団長に当たる青年で、事の発端となった【怪物贈呈】を行った張本人である。

何と彼、【怪物贈呈】を行った事は謝罪したものの、「自分の判断は間違っていなかった」「過去に戻ろうとも同じ判断をする」と口にしてしまったのだ。

アフロディーテからすれば他の眷属へのヘイトを自身に向けさせているのはわかるが、今回ばかりは相手が悪かったと半ば同情している。

 

「ウチの八雲なんだけどね、昔にパーティーメンバーを悪質な【怪物贈呈】で殺されてるのよ」

 

「………えっ」

 

「それ以来、身内にそういう事されるのが地雷になっちゃっててねぇ………ちょっと前にロキんとこが逃がしたミノタウロスにベルが殺されかけて、それを笑い話にしてた時もかなりブチギレてたし」

 

「あぁ………ベル君トマト事件かぁ」

 

「割と最近にもウチで住み込みで働いてるベルのパーティーメンバーのリディナちゃんも悪質な【怪物贈呈】で殺されかけたのよね」

 

「そっちは事前に情報掴んで逆に罠に嵌めてたよね?」

 

「お、桜花ぁ………」

 

「これは………相当ヤバいのでは?」

 

話を聞くにつれて顔が青褪めていく桜花を負傷していたパーティーメンバーの千草が心配そうに見つめる。

同じくパーティーメンバーの命も状況の悪さを察して青褪める。

 

「とりあえず、殺されはしないだろうけど、次に八雲に会う時は覚悟しといた方がいいよ、うん」

 

「あ、アフロディーテ!何とかならないのか!?」

 

「難しいかなぁ………ここまでピンポイントに地雷踏んじゃったんじゃねぇ〜」

 

「あのロキが未だに八雲君を怒らせるのは避けてるくらいだからねぇ………あの時のロキんとこはかなり焦ってたから」

 

連日、店に青い顔でやってきては門前払いされていくロキファミリアの面々の事をヘスティアは染み染みと思い起こす。

 

「というか、そろそろロキのとこの遠征から帰ってくる頃だし、ベル達と鉢合わせてるかもしれないわね」

 

「「「あっ」」」

 

アフロディーテの何気ない一言にタケミカヅチファミリアの面々は冷や汗を流し始める。

 

「それはともかく、捜索隊くらい出さないと不味いんじゃない?」

 

「話は聞かせてもらった!」

 

と、そこへ店の扉をバーンと開いて割り込んできた男女がいた。

 

「………ヘルメスじゃない、アンタ帰ってきてたの?あと、ウチの扉壊す気?ただでさえアンタんとこはウチの八雲に借り作りっぱなしなんだけど?」

 

「ウチのヘルメス様がすみません!ほらヘルメス様も謝って!」

 

「あっ、すみませんでした!」

 

「ヘルメス………」

 

それはヘルメスとヘルメスファミリア団長のアスフィだった。

 

「で、何の用さ、ヘルメス。僕らにはやらなきゃいけない事があるんだ」

 

「だから話は聞かせてもらった、って言ったろ?その捜索隊、是非とも俺も協力させてくれ………俺としても八雲への借りは早く返しておきたいからね」

 

「そんなんだから八雲から胡散臭がられるんでしょうに………」

 

そして、捜索隊のメンバーはタケミカヅチファミリアから桜花、命、千草の3名、ヘルメスファミリアからヘルメスとアスフィの2名、ヘスティア、最後にヘルメスが呼ぶという助っ人の計7名となった。

 

「ヘスティア、ほんとに行く気なの?」

 

「ヘルメスが行くというんだ。それに僕もベル君が心配なんだよ」

 

あの馬鹿(ヘルメス)はともかく、アンタはほんと気を付けなさいよ?装備もちゃんとしていく事!」

 

「うん」

 

「あと、ギルドに黙ってダンジョンに行くんだからアンタも八雲からのお説教も覚悟しときなさい」

 

「………うん」

 

八雲からのお説教は怖いけれど、今回はベルへの心配が勝ったらしい。

 

「ってことでヘルメス」

 

「おう」

 

「………ヘスティアに何かあったら覚悟しときなさいよ?」

 

「お、おう………」

 

***********************

 

八雲と18層で再会したベル達は案内されるままに遠征部隊の野営地の天幕の1つへとやってきた。

 

「これは俺個人のテントだから少し狭いが一先ずここで休んでろ。俺はフィン達に連絡してくるから………救急箱もここに置いとくな」

 

「ありがとうございます、師匠」

 

八雲が出ていくとベル達はそれぞれの手当てを開始する。

 

「師匠にはお世話になりっぱなしだね」

 

「だな」

 

「ここを出たらちゃんと御礼をしないといけませんね」

 

一方、フィン達の天幕へとやってきた八雲は………

 

「………って事だそうです」

 

「なるほど、そういう事なら仕方ないね。彼らの滞在を許可しよう」

 

「助かります」

 

「僕としても彼らには色々縁があるからね」

 

そうしてフィンからベル達の滞在許可を得た八雲はひとまず天幕に戻る事に。

 

「ベル、具合はどうだ?」

 

「師匠………とりあえずの手当ては終わりました」

 

「滞在の許可は降りたからゆっくり休んどけ」

 

「はい」

 

「ありがとうございます」

 

「他に必要な物があればリヴィラに行ってみればいい。白閃を見せれば地上よりは高いかも知れないが、ぼったくられはしない筈だ」

 

「流石はリヴィラの裏主人………」

 

リディナはバックパックを破損したらしく、ヴェルフも砥石等が欲しいと言うので十分な休息をしてから向かおうと話している。

 

「八雲!アルゴノゥト君が来てるってほんと!?」

 

そこへ噂を聞きつけたのかティオナやアイズ達が天幕へとやってくる。

 

「なんだ、もう聞きつけてきたのか」

 

アルゴノゥト………八雲のいた世界ではアルゴノートやアルゴノーツとも呼ばれていたイアソンを中心に集まった英雄が集った船の名で、こちらでは神々が降りてくる前にミノタウロスを下したとされる英雄の名だ。

ベルと同様に過去の英雄譚フリークのティオナはあのミノタウロス変異種とベルの戦いを見てそれを連想したらしく、以降はベルをそう呼んでいる。

ロキファミリアとしてもあの穢れた精霊との戦いでフィンからベルをダシに発破をかけられた為かそれ以前からの因縁かベルを意識している者は多い………特に最速レベルアップを果たしたベルに興味津々のアイズや上記のティオナ、トマト事件で因縁が出来たベート、そして………同じアイズを慕う者として敵意全開のレフィーヤである。

今もアイズらと共にやってきて、ベルの姿を見るなり威嚇している始末である。

 

「レフィーヤ、一応言っておくが、フィンにも許可取ったし、こいつら怪我人だからな?」

 

「な、何で私にだけ!?」

 

「いや、見るからにベルを追い出したくて堪らないって顔してるし」

 

「レフィーヤ………」

 

「あと、この天幕は俺の個人所有物だからな?」

 

「うぐっ………」

 

「というわけで、アイズやティオナも話聞きたいのはわかるが、相手は怪我人だから少し落ち着いてからにしてやってくれ」

 

「うん」

 

「は〜い」

 

一方でアイズやティオナはベル達がしばらく滞在すると聞いて素直に八雲の言う事を聞いている。

 

「そんじゃあ、俺は少しリヴィラのボールスんとこに顔出してくるから」

 

アイズ達が天幕を出ていくと、八雲もリヴィラに用があると言って野営地を離れたのだが………その間にさらなるトラブルの種がやってくるとは思いもしなかったのであった。




改めて思うとベルってアルゴノーツの面々の要素あるよなぁ………
次回はトラブルの種ことベル捜索隊との遭遇となります

感想等がありますと執筆の励みになります

年末年始に自分の他作品のキャラを集めた忘年会と新年会の話を短編集として出してますので、良ければそちらもどうぞ
https://syosetu.org/novel/182702/#
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