俺はディケイドと戦った後、母さんに呼ばれていた。内容はアナザーゴーストの件についてだ。アナザーゴーストは前の変身者であったマキムラの義弟のホリチが変身している。彼はあの時の事故で心肺停止の状態。今はウォッチの力で動いているが下手に倒すと彼を本当に殺めてしまいかねない。
「王我、これを使いなさい」
「これは‥」
「上手くいけばアナザーゴーストを倒してもホリチを救える。ただ一度失敗してるからわからないけど、今はこれが最善の策よ」
「‥母さんが言うなら‥」
そして母さんからアイテムを受け取った。
未来と一緒に下校していた時、二課から1本の連絡が入る。
「響です!」
「翼です」
「王我です」
「全員聞こえているな。敵の目的について収集があった。‥了子くんにはまだ繋がらないのか?」
「はい、朝から繋がらなくて‥」
「連絡がつかないのは心配ですね。例の広木防衛大臣の件もありますし」
「うん、それにディケイドも心配だ。何かあったら‥」
「了子さんなら大丈夫ですよ!何がきたって私を守ってくれた時みたいに‥」
「いや、戦闘訓練をまともにしていない了子さんにそれは無理じゃ‥」
「あれ?師匠や了子さんって人間離れした特技とか持ってるんじゃ‥」
じゃあ、
「や〜っと繋がった〜。ごめんね、寝坊しちゃったんだけど通信機の調子が悪くて‥」
さっきまで話題として上がっていた了子さんに連絡が着いた。
「‥無事か。了子くん、そっちに問題は?」
師匠は少し間を置いた後了子さんに質問した。
「ゴミ出し損ねたくらいだけど‥何かあった?」
「‥ならいい、それより、【カ・ディンギル】。この言葉が意味するものは?」
「‥ 【カ・ディンギル】は、古代シュメール語で【高みの存在】、転じて【天を仰ぐほどの塔】を意味しているわね」
先ほどまでの高いトーンだったが真面目な話なので少し低めに喋っていた。
「何者かがそれを建造していたとして、なぜ俺たちは見過ごしてきたのか?」
「確かにそうですね‥」
それだけ大きければ普通は気付くはずなのに。
「だが、ようやく敵の尻尾を掴んだ。このまま情報を集めれば勝利も同然。相手の隙を突くぞ!最終決戦、出し惜しみは無しだ!」
「「「了解です」」」
「私もちょっと野暮用済ませてから向かうわ〜」
そして全員の通話が切れた。
「【カ・ディンギル】誰も知らない塔‥」
私これから嫌な事が起こらないことを切実に願いたい。
「‥!東京スカイタワー周辺にノイズ並びにアナザーライダーの反応を確認!」
だがその前にノイズの出現が知らされた。
「すぐに向かいます!」
それを聞いた翼さんはすぐに通信を切った。
「まだ人は襲わないで、ただ移動してるだけ‥わかりました!」
「響‥」
一度通信を切り、未来に事を伝えた。
「平気。私達が何とかするから!だから未来は学校に戻って」
「リィディアンに?」
「いざとなったら地下のシェルターを解放して、この辺の人達を避難させなきゃいけなくなる。未来にはそれを手伝って欲しいんだ。こんな事に巻き込んで申し訳ないけど‥」
未来はシンフォギア について知っているがただの一般人だ。そんな未来を巻き込むのは気が滅入る。
「ううん、そんな事思ってないよ。私がリィディアンに戻るのは響がどんな遠くに行ってもちゃんと戻ってこられるように‥」
未来は首を横に振って答えた。
「響の居場所、帰る場所を守ってあげることでもあるんだから」
「未来‥」
「だから行って。私も響のように大切なものを守れるくらいに強くなるから‥」
「小日向未来は私の陽だまりなの!未来の近くが一番あったかくて私が絶対帰って来る場所!今までもこれからもそう!」
私は未来の肩を持って言った。
「響‥」
「まだ流れ星一緒に見てないしね」
「うん!」
「じゃあ行ってくる!」
そう言って私は未来に背を向けて走っていった。
「ノイズ及びアナザーライダーに関する最新情報だ。ソイツらの進行方向には東京スカイタワーがあるのがわかった」
「東京‥スカイタワー‥」
「カ・ディンギルが塔を意味するのなら、スカイタワーはまさにそれそのものじゃないですか!」
藤尭さんも同じ考えだったみたいだ。
「スカイタワーには二課が使用している電波情報を統括制御する役割もある。全員、東京スカイタワーに直行だ!」
「でもここからじゃ‥」
そんな質問をしようとすると上からの風が強くなった。何かと思うと
「うわっ⁉︎ヘリコプター‥?」
「なんともならないことをなんとかするのが大人の仕事だ!ソイツに乗っていけ!」
言われた通りヘリに乗り、目的地まで急いだ。
『Balwisyall nescell gungnir tron』
「はああぁぁ‼︎」
「立花に遅れてはいられないな‥」
『Imyuteus amenohabakiri tron』
響も翼もギアを纏いノイズに立ち向かっていく。
「よし、俺も‥」
エクスキャリオンを装備しようとすると
「待って、王我」
「母さん?どうしたの」
母さんからの通信が入った。
「念のためまだエクスキャリオンを使わないでおいて。これは弦十郎も承諾したわ」
「おじさんも‥わかった。作戦の決定件はおじさんにあるからね」
取り出したエクスキャリオンをしまい、ジクウドライバーを巻く。
『アタシも行くぜ!』
「あぁ、奏」
『ジオウ』
『ゲイツ』
「「変身!」」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』
俺たちも変身し、戦闘に入った。
「皆さん!」
全員が一度集まる。
「敵は膨大だ、協力してとにかく敵を蹴散らす!」
「奏の言う通りね。今は相手の数を減らしましょう!」
地上の敵は普通に倒すことが出来るが、上空のノイズの攻撃はただ避ける事しかできない。
「くっ!相手に頭上を取られると、こうも立ち回りにくいとは‥」
「ヘリを使って私達も空から‥」
ヘリがこちらに近づこうとした時ノイズの攻撃を受け、空中で爆発する。
「そんな‥」
「フォーゼの力で‥」
王我さんがフォーゼウォッチを起動させようとするもアナザーゴーストが妨害し、一向に上の敵を倒せない。
「どうすれば‥」
「臆するな、立花!【防人】が後ずされば、それだけ戦線が後退するということだ!」
そう言われ気合いを再び入れ、立ち向かおうとした時
「えっ‥!」
空中のノイズが数体消滅した。攻撃が放たれた方向を見ると
「空飛ぶノイズが何だ!そんな雑魚に手間取ってんじゃねぇ!ちっ‥この通信機がピーチクパーチクやかましいからちょっと出張ってきただけだ!勘違いすんなよ?お前たちの助っ人になったつもりはねぇ!」
「助っ人だ、少々到着が遅くなったがな」
「なっ‥!」
「助っ人‥?」
「そうだ、第二号聖遺物【イチイバル】のシンフォギア を纏う戦士、雪音クリスだ!」
「クリスちゃ〜ん!」
嬉しくて私はクリスちゃんに抱きつく。
「ありがとう!絶対分かり合えるって信じてた!」
「なっ、このバカ!アタシの話を聞いてねぇのかよ!」
「とにかく今は連携してノイズを!」
「勝手にやらせてもらう!邪魔だけはすんなよな!」
「ええっ⁉︎」
クリスちゃんはそう言い放ち、ビルの上に登っていってしまった。
「上空はあの子に任せて私達は地上を!」
順調にいってるも途中で翼さんとクリスちゃんが衝突する。
「何しやがる!すっこんでな!」
「あなたこそいい加減にして。1人で戦ってるつもり?」
起こるクリスちゃんを翼さんが叱る。
「アタシはいつだって1人だ!こちとら仲間と馴れ合ったつもりはこれっぽっちもねぇよ!」
「確かにアタシ達には争う理由はないかもな、だが争わない理由もあるとは限らねぇだろ!この間までやり合ってたんだ!そんな簡単に‥」
「大丈夫、誰とだって仲良くなれる」
私は翼さんとクリスちゃんの手を握った。
「どうして私にアームドギアがないんだろうってずっと考えてた。いつまで半人前で嫌だなって。でも今は思わない。何も握ってないから、こうして手を握れる」
「あぁ、そしてまた他の人が誰かの手を取りその輪は無限に続いていく。誰とも仲良くなれるってことだ」
王我さんは奏さんと、その奏さんは翼さんとも手を繋いでいた。
「王我、立花‥」
「手を‥」
王我さんは手の平をクリスちゃんに向けた。
「あ‥むぅ‥」
恐る恐る伸ばすクリスちゃんの手を王我さんはギュッと掴んだ。
「うわっ!きゅ、急に掴むな‥お前もこのバカにあてられたのか⁉︎」
翼さんに向かってそう言い放つ。
「そうだと思う、そしてあなたも‥」
「‥冗談だろ?」
「いひひ‥」
「‥親玉をやらないとキリがない」
さっきまでの雰囲気から切り替え、状況を再確認する。
「上はあのデカイの、地上にはアナザーゴーストか‥」
「だったら、アタシに考えがある。アタシにしか出来ないことだ!」
「イチイバルの特性は、超射程広域攻撃。派手にぶっ飛ばしてやる!」
「まさか、絶唱を‥」
「ばーかっ!アタシの命は安物じゃねぇ!」
「なら、どうやって?」
あのバカが聞いてくるから簡単に説明してやる。
「ギアの出力を引き上げつつも、放出を抑える。行き場をなくなったエネルギーを限界まで溜め込んで一気に放ってやる!」
「だがチャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手する状況では危険過ぎる!」
「そうですね‥だけど!私たちがクリスちゃんを守ればいいだけのこと!」
まさかの答えにアタシは驚いた。
「おっ、意見が合ったな。じゃあアタシも加戦するか!」
『ファイズ』
『アーマータイム!Completeファイズ!』
全員がアタシを守る為に散開した。
「(頼まれてもいねぇことを。アタシも引き下がれないじゃねぇか)」
ノイズをクリスちゃんに近づけないよう
王我さんはジカンギレードでノイズを切り裂いてクリスちゃんを護衛していた。
「(誰もが繋ぎ繋がれる手を持っている)」
奏さんもファイズファンXでノイズを狙撃していた。
「(例え拒まれても手を差し伸べ続ける!)」
そして私は
「(私の戦いは誰かと手を繋ぐこと!)」
この拳でノイズ達を倒していった。
今の立花の姿を見てなんだかたくましく感じた。
「(砕いて壊すも、束ねて繋ぐも力、立花らしいアームドギアだ)」
あちらも準備ができたみたいだ。
「「「「託した!」」」」
様々な銃火器を纏い、それら全てを打ち放った。弾はノイズを貫通し、消し去っていく。
雪音の活躍で上空の親玉は倒した。
「後はアナザーゴーストだけ‥!」
「おい、ジオウ!これ使え!」
雪音が俺に向かって何か投げてきた。
「このウォッチ‥!どうして君が⁉︎」
「細けぇ話は後だ!それ使えるんだろ!」
「あぁ、ありがとう!」
それは俺がオーマジオウと戦った後に失ったウォッチ。
『ディ・ディ・ディ・ディケイド!』
ディケイドライドウォッチ。それをドライバーに装填し、一回転させる。
『アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディケイド‼︎』
ジオウのライダーズクレストが描かれたカードが周囲に現れ、俺の元に集まる。
我が魔王が更なる力に目覚めた。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマー」
「お前、誰に向かって言ってるんだ‥?」
この男は痛いところをついてきた。
『ライドヘイセイバー』
ドライバーからディケイドアーマーの武器、ライドヘイセイバーを出現させる。
ディケイドライドウォッチには他のウォッチとは違った能力を持つ。
「ビルド』
ビルドライドウォッチを起動させ、ディケイドライドウォッチに更に装填した。
『ファイナルフォームタイム!ビ・ビ・ビ・ビルド!』
姿が一部、ビルド ラビットタンクスパークリングに変わる。このようにディケイドライドウォッチは他のウォッチの力を高めて使うことが出来る。
我が魔王が再び力を使った。
「祝え!全ライダーの‥」
「くどい!」
この男に本を取られ、祝えなかった。
俺に突撃してきたアナザーゴーストをライドヘイセイバーで受け止める。
「行くぞ!この賭け、絶対に成功させる!」
ライドヘイセイバーの長針を二回動かす。
『ヘイ!ビルド! ヘイ! エグゼイド!』
『エグゼイド!デュアルタイムブレーク!』
トリガーを引くとエネルギーを纏った攻撃を相手に与えた。その際エグゼイドのように【HIT!】のエフェクトも出る。
『ヘイ!ゴースト! ヘイ!ドライブ!』
『ドライブ! デュアルタイムブレーク!』
今度はタイヤのマックスフレア、ミッドナイトシャドー、ファンキースパイク型のエネルギーを飛ばした。
ビルドウォッチを外し今度はゴーストウォッチを挿し込む。
『ファイナルフォームタイム!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』
今度は一部がゴースト グレイトフル魂に変わる。
「それにしても何故君はウォッチを返したんだい?」
「歯応えのない奴相手じゃ面白くないからな」
「俺はあなたを助ける、通りすがりの仮面ライダーだ!覚えてね!」
『フィニッシュタイム!』
ライドヘイセイバーにディケイドウォッチをセットし、長針を三回転させ待機状態になる。
『ヘイ!仮面ライダーズ!へイ!セイ!へイ!セイ!へイ! セイ!ヘイ!セイ! へへへイ! セイ!ヘイ!セイ!へイ!セイ!ヘイ! セイ!へヘヘイ! セイ!ヘイ! セイ!』
相手に向かって構え、トリガーを押す。
『ディ・ディ・ディ・ディケイド!平成ライダーズ!アルティメットタイムブレーク!』
左右にカード型のエネルギー切り裂き、その後真上からさらに叩き落とす。アナザーゴーストは攻撃をくらい爆発する。その瞬間
「奏!頼んだ!」
「あぁ!はあぁぁ!」
合図と共に奏は爆心地に向かい突っ込んでいった。
「届けぇぇぇ‼︎」
その声のコダマも消え、爆風が治まると段々と煙が無くなっていった。そこに奏の姿はなかったが、煙の中にはホリチが人間の姿で倒れていた。
「やった‥のか‥?」
その影はゆっくりと身体を起こしていった。
「成功だ!」
「やった!やった!」
響は喜び、雪音に抱きついた。
「やめろバカ!何しやがるんだ!」
「勝てたのはクリスちゃんのおかげだよ〜!うひひっ〜!」
「ふぅ‥なんとか上手くいったわね」
私は王我に渡したアイテムの成果を見るために研究室から戦闘を見ていた。渡したのはいわゆるAEDに近い、電気ショックで心臓を動かすもの。だがこれは余計な手順は要らず服の上からも使用できるものだ。
「昔は大事な時に役に立たなかったけど今はこうして役に立ってる‥不思議なものね‥」
27年前にはこのアイテムを上手く使えず捨てようと思ったけど、こうやって人の役に立つと開発者としては嬉しかった。
「だからやめろって言ってんだろ!いいか、お前たちの仲間になった覚えはねぇ!アタシはフィーネと決着をつけて、やっと見つけたアタシの夢を果たしたいだけだ!」
ギアを解除して私の腕の中でバタバタしたるクリスちゃんが木になることを言った。
「夢?クリスちゃんの?聞かせてよ!」
あのツンツンしてるクリスちゃんの夢。気になるにきまっている。
「うるさいバカ!お前本当のバカーッ!」
照れてるクリスちゃんの話を聞きたかったが電話が来たので出る。
「‥!はい」
相手は未来だったのだが
「響!リィディアンがノイズに襲われ‥」
「あ、‥え‥」
未来との連絡はそこで切れてしまった。
次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア
「嘘ですよね‥」
「過去の亡霊‥」
「響‥頑張って‥」
「男の鍛錬はそいつで十分よ!」
「月を‥穿つ?」
「2人の夢を受け継ぐんだ!」
EP23 ルーラー・フロム・ザ・パスト2043