遂にフィーネとしての正体を現した櫻井了子。戸惑う装者達だが完全聖遺物を纏ったフィーネに圧倒される。またカ・ディンギルの発動により月の破壊を目論むが、それを止めるべく雪音クリスは自らの命を散らしそれを阻止したのであった。
雪音のおかけで月の完全破壊を防ぐことが出来た。だが俺らはその雪音が落下する様を見ることしか出来なかった。
「雪音‥⁉︎」
「嘘だろ‥」
翼も俺も散った雪音に悲しみの感情を抱くが
「せっかく仲良くなれたのに‥こんなの嫌だよ‥。ううっ‥」
一番悲しそうにしているのは響だった。響が一番雪音との距離を縮めようとしてそれがやっと実ったのにこのようになってしまったのだから当たり前だ。
「もっとたくさん話したかった‥話さないと喧嘩することも仲良くなることもできないんだよ!せっかく出来たクリスちゃんの夢もまだ聞けてないよ‥」
「自分を殺して月への直撃を防いだか‥無駄なことを」
「無駄‥だと‥?」
俺は言ってはならないことをフィーネが口にしたのを聞き逃さなかった。
「無駄なんかじゃない!私が絶対に無駄になんてさせない!」
「あぁ、雪音の志、確かに私達のに届いた!」
響も翼もその言葉に怒りを覚え、再び矛先をフィーネに向ける。
「俺も覚悟を決めた‥!アンタが了子さんであろうがフィーネであろうが関係ない。雪音を馬鹿にしたお前を徹底的に倒す!」
「なら、私を止めてみろ!」
再び斬りかかるも策も何もないので結果は同じだった。
「くそっ、全然ダメージを与えられない!」
「傷をつけてもネフシュタンが回復していく!」
フィーネはこの回復能力で全く動じていない。
「いい加減諦めることだ。お前達では私の理想を砕くことは出来ない」
「何度でも言おう。雪音クリスの死は無駄だと。夢も叶えられないとんだ愚図だったと!」
「‥!お前、雪音の夢を馬鹿にしたな‥?」
「‥笑ったか?命を燃やして大切なものを守り抜くことを‥お前は無駄だとせせら笑ったかッ⁉︎」
「‥許せなイ」
響の身体が徐々に赤黒く染まっていく。
「それが夢ごと命を握りつぶした奴の言うことかあああアアァァッ!」
完全に黒く染まった響。その目は赤く光り、まるで怪物のように吠える。
「マズイ!暴走か⁉︎」
「立花⁉︎しっかりしろ!」
「融合したガングニールの欠片が暴走しているのだ。制御出来ない力に、やがて意識が塗り固められていく」
「お前、響を使って実験をしていたのか⁉︎」
「実験を行っていたのは立花響だけではない。見てみたいと思わないか?ガングニールに溺れ人としての機能が奪われていく様を」
まるで人間を実験用のモルモットように扱っている。
「お前はそのつもりで立花や奏を‥!」
翼の言葉がそこで止まってしまう。それもそうだ。
「ウアアアアアアァァ‼︎」
響が完全に暴走を始めてしまった。俺もデュランダルを持って暴走した響を見たことあるが今回は怒りの感情からの暴走。
「響、止めろ!」
「これ以上は聖遺物との融合を促進させるばかりだ!」
一瞬止まったかのように見えた。しかし
「ウ‥ウアァァア!」
「ぐあっ‥」
「ぐっ‥」
その声は届かず、俺達までも攻撃する様だ。敵と味方の区別すら出来ていない危険な状態だ。
ただでさえフィーネを相手にするだけでも手いっぱいだが更に暴走した立花が加わると更に状況が悪化する。
「ウウゥ‥ウゥアァァ!」
今私は襲い掛かってきた立花を剣で抑えている。
「どうだ、立花響と刃を交えた感想は?お前の望みであったか?」
確かに私は一度立花に決闘を申し込んだことがある。
「お前は人のあり方さえ捨て去ったのか」
「私と一つになったネフシュタンの再生能力だ。面白いだろ?」
その最中
「マズイ!」
カ・ディンギルが再び光を放ち始めた。
「そう騒ぐな。カ・ディンギルはどれだけ最強最大の兵器だとしても、一撃で終わるのならそれは欠陥品だ。必要がある限り、何度でも打ち放てる。そのためにエネルギー炉心にはデュランダルが使われている!それは尽きることない、無限の心臓なのだ」
カ・ディンギルのような完全聖遺物を軸としているためそのようになるのも不思議ではない。
「いくら再生能力があるとは言えど、それを凌駕する攻撃を与え続ければ‥」
まずはカ・ディンギルを止めようとしたその時、立花が私目掛けて拳を振るうが
「危ない!」
私を弾き飛ばした王我は立花の攻撃をまともにくらい、エクスキャリオンが解除されてしまった。
「ウァァ‥」
さらに暴走した立花に王我は首を掴まれ、宙に浮かせられる。
「ぐっ‥」
「ウウッアァァ!」
そしてそのまま瓦礫に向かって思い切り投げ飛ばされる。
「王我‼︎」
「ハハハ、生身であの勢いを喰らえばどんな人間でも死ぬだろう。逢坂王我も死にいよいよ独りになったな」
「立花‥」
「私はカ・ディンギルを止める。だから‥」
「ウウアァァ!」
「フフ‥ん?」
立花の手刀が私の胸に刺さる。心臓を避けることはできたが少しでもズレていたら死んでいたかもしれない。
「なっ‥攻撃を避けず、受け止めただと‥」
「この手は、束ねて繋ぐ力のはずだろ?」
私は自分の血が滴る立花の手を取った。そしてギアから小刀を取り出し、立花の影に向かい突き刺す。
『影縫い』
立花はこれで動かなくなる。そして私は立花から離れた。アイツと戦うために。
「‥立花、奏から受け継いだ力をそんな風に使わないでくれ」
立花はまだ正気には戻っていないが頬に涙を流していた。
「‥待たせたな」
「どこまでも剣という訳か」
「今日に、折れて死んでも‥明日に、人として唄うために!」
剣を握る手に力が入る。
「風鳴翼が唄うのは戦場だけではないと知れ!」
両手に握った剣から炎か現れる。炎が翼の形となり、その姿は不死鳥のよう。その翼で一気に上空へと飛ぶ。
「やはり狙いはカ・ディンギルか!」
私の狙いに気づき、上空へとムチを伸ばした。私は全力のスピードを出す。だが相手の方が早く、私のギアの一部を破壊した。そのせいで飛べなくなり、落下してしまう。
「(やはり私には無理なのか‥)」
そう諦めかけた時
『何、弱気なこと言ってんだ』
「(奏‥!)」
奏の幻だ。今奏の魂は王我の中にある。だからこれは私の幻想‥なのか。
『アタシと翼、両翼揃ったツヴァイウィングは、どこまでも遠くへ飛んでいける。そして‥』
奏は手を差し伸べる。そしてその手を掴むと‥
「‥!王我」
そこには奏のガングニールを纏った王我が私の手を握っていた。
「馬鹿な、アレで生きていたというのか⁉︎」
「ギアを保つ時間がない。行くぞ、二人‥いや、三人で!」
「あぁ!」
「(両翼揃ったツヴァイウィング、そして王である王我がいれば出来ないことはない!)」
再び双剣に火が灯り、舞い上がる。王我も槍を携え、カ・ディンギルへと向かう。
「(どんなものでも超えてみせる!)」
「立花あぁぁぁ!」
私と王我は青と橙の光の矢となりカ・ディンギルを貫いた。
カ・ディンギルが大爆破し世界への被害は無くなった。
「ああぁ‥」
ギアが解除更にさっきまでの出来事がはっきりと理解してきた。
「翼さん‥王我さん‥」
疲労と絶望でもう立つことが出来ない。
「ええいッ!どこまでも邪魔をしおって!月の破壊はバラルの呪詛を解くと同時に重量崩壊を起こす。それに全人類が怯え、そして聖遺物を振るう私の元に帰順するはずだったのに!」
ギアを纏っていない無抵抗の私を蹴飛ばす。
「痛みだけが人を繋ぐ絆、たった一つの真実だと言うのに!それを、お前らが!」
怒りを吐き出し切ったのか一旦冷静になった。
「まぁ、お前も役に立ったよ。生体と聖遺物の初の融合症体。お前がいたからこそ私は己が身をネフシュタンの鎧と同化させることが出来たのだからな!」
「‥奏さんやクリスちゃん、翼さんや王我さんもいない‥学校も壊されて、みんないなくなって‥私、何のために戦ってきたんだろう‥」
私は黒く染まってしまった空を眺めて呟いた。
「天羽々斬、エクスキャリオン、反応途絶‥」
友里さんのその言葉でクリスが散って重かった空気が更に重くなる。
「身を挺してカ・ディンギルを破壊したか、翼、お前の歌は世界に届いたぞ‥王我も‥王として立派だった‥」
弦十郎さんは被害を防いだ二人に敬意を払っていた。
「わかんないよ!どうしてみんな戦うの⁉︎痛い思いをして、死ぬために戦っているの⁉︎」
弓美がとうとう叫び出してしまう。
「‥わかんないの?」
「えっ‥あっ‥」
「‥分からないの?」
私の気持ち更には現状を受け止めたため弓美の目からは涙が溢れてきた。
「司令、周辺シェルターから生存者を発見しました」
周辺調査に行っていた緒川さんが帰ってきた。
「そうか、良かった」
「あ、カッコいいお姉ちゃんだ!」
連れてこられた女の子がモニターに映った響に指を指す。
「ビッキーのこと知ってるの?」
「うん!この前助けてくれたの!」
少し前響が言っていた。ノイズと戦い始める前この子を助ける際にあの力が解放したと。
「またあの子の人助け‥」
いつも響は変わらないなと感じる。
「ねぇ、お姉ちゃん助けられないの?」
「‥助けようとしても無理なんです。私たちには何も出来ませんし‥」
「じゃあここから応援しようよ!ねぇここから話せないの?」
「それは出来ないんだよ‥」
子供の素直な気持ちを断るのは心が痛むため、藤尭さんは少し答えにくそうだった。
「応援‥あっ!」
そうだ。今の女の子の言葉でわかった。私たちに戦う力は無くても応援することなら出来る!
「ここから響に私たちの声を届けるにはどうすればいいですか?私、響を助けたいんです!」
「学校の施設が生きていれば、ここから声を届けることが出来るかもしれません」
「私に何か出来ることは!」
「待ってよヒナ」
創世が私に声を掛ける。
「‥止めても無駄だよ。私は響のために‥」
もし止められても無理矢理‥
「ううん、私も手伝う」
思ってた答えと違い、肯定的だった。
「私もです」
「あたしも手伝わせて!こんな時アニメなら友達の為に出来る事をやるんだ!」
「‥うん!みんなで響を助けよう!」
もう戦う気力も湧かない。
「(もう無理なのかな‥)」
「もうずっと遠くの昔、あの方に仕えていた私はいつしかあの方を、創造主を愛するようになった。だが、この思いを伝えることは出来なかった。その前に、人間から言語が奪われた!」
「バラルの呪詛により唯一創造主と語り合える統一言語を失ったのだ‥」
「胸の‥思い‥?だからって‥」
私はその言葉を聞いてある疑問を抱いた。どうしてそれで人類を苦しめる必要があるのか。そんなことをその人は望んでいるのか。
「是非を問うだと⁉︎恋心も知らぬお前が!」
言い返そうとすると気に触ったらしく、私を再び蹴飛ばした。
「融合体のお前は興味深い対象だったがもうお前で実験しようとは思わぬ私一人が頂点であればいい。ジオウも消えた今、私こそ新世界の王だ!」
全てが終わろうとした時
「‥ん?ちっ、耳障りな!どこから聞こえてくる!この不可解な歌は⁉︎」
壊れた放送器具からある曲が流れる。この歌は私が気に入っているリィディアンの校歌。
「(響、私たちは無事だよ!響が帰ってくるのを待ってる!だから負けないで!)」
「聞こえる‥皆の声が‥」
段々と日が昇ってくる。
「良かった‥私を支えてくれる皆がいつだって傍に!」
それと同時に私は拳を握り決意する。
「皆が唄ってるんだ!だから‥まだ戦える!」
「頑張れる!戦える‼︎」
その波動で周りの物を吹き飛ばした。
「まだ戦えるだと‥?何を支えに立ち上がる?何を握って力と変える?あの不快な歌の仕業か?」
「お前が纏っているものは何だ!心は確かに折り砕いたはず!なのに何を纏っている?それは私が作ったものか?お前たちは何を纏っている⁉︎何なのだあああぁ⁉︎」
その時三本の光の柱が降りてきた。その下には私と翼さん、クリスちゃんがいる。今までのギアとは違う。輝く翼を携えた‥
「シンフォギアアァァァ‼︎」
次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア
「あなたが切り札よ」
「歌は戦う力だけじゃない。命なんだ!」
「響ぃぃぃぃ!」
「お前の抱えた胸の覚悟、私たちに見せてくれ!」
「お前が自分を信じなくてどうする!」
「シンフォギアでえええぇぇ‼︎」
EP25 セカンドエクスドライブ2043