RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア   作:バリート

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皆様大変お久しぶりでございます。大分時間は経ってしまってはいますが‥ 祝え!この小説のUAが30000を突破した瞬間を!さてやり残していたことも終えましたのでいつもの通り‥この本によれば、逢坂王我、彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っている。行動制限が解除され間もない頃、謎の機械を持ったある少年を守るため我が魔王は仮面ライダーウィザードに変身する。相手は謎が多いものの希望を捨てずに挑み、謎の機械の死守に成功する。諦めない心が今回の勝利を掴んだが、簡単には諦めないのは相手も同じであった。


EP29 ハーフディテクティブ2009→2043

王我が照井竜と氷川誠からライドウォッチを受け取った次の日の事。

 

「結局コイツを調べてもな〜んもわかんないなぁ」

 

輸送車内で研究員のたわいもない会話が始まる。

 

「いや、仮施設で分かる訳ないだろ。今回はあくまでも危険物じゃないか確認しただけ。本格的な調査はこれからだろ」

 

「あ〜あ、大変な事しかねぇなこの仕事。酒呑みてえ〜」

 

「しばらくは研究漬けだろ。我慢しようぜ」

 

そして二人の会話は突然途切れる。夏場の陽光を遮るほどの眩いと光と爆風と熱により。

 

 

 

 

 

「何⁉︎爆発事故⁉︎」

 

 

 

「とりあえず、事件の大方の説明をする」

 

師匠により、装者と二課のスタッフが集められた。

 

「先の事件で回収したあの機械を運んでいた輸送車が爆破された。そこにいた研究員は怪我はあるが幸い死者は出ていない。しかし、運送物は盗まれてしまった」

 

「それでノイズと関係が‥」

 

「死者がいないことを考えると可能性は低いと見れる」

 

私達装者は普段ノイズと戦っているからそういうことはすぐノイズが原因と考えてしまうが今回はそんな簡単なことではないらしい。

 

「となるとアイツらか‥」

 

ノイズの線がないとなるとクリスちゃんが言った通り、あのタイムマジーンに乗っていた黒服の人が関わっているのが一番あり得る。

 

「そう考えるのが良いだろう。君たちにはその現場調査に行って貰いたい。話は俺の知り合いにつけている」

 

「って言っても事故現場だろ?警察が‥」

 

「いや、まだ黒幕の正体が分からないままだしな‥もし戦闘になったら危ない」

 

「そういうことだ。これはその黒幕の手から市民を守ることも兼ねている。被害を最小限に食い止めること。では皆、頼んだぞ」

 

会議は終わり、スタッフの方々はすぐさま指定の位置へと移動を始める。私達も現場へ向かう準備を手早く始めている。

 

「王我さん、どうします?」

 

「とりあえず現場の警官に話を聞くのが最初かな。それにアイツらが関わっているとなるなら、それを踏まえた犯人探しも必要だな。それじゃあ‥」

 

「今日もドライブの力を使うんですか?」

 

「いや、今回は‥」

 

王我さんが取り出したのは

 

 

緑と紫のウォッチだった。

 

「ふぅ‥これならいけるな」

 

服装の変化と共に現れた帽子を被る王我さん。

 

「な、何やってんだ、ジオウ‥?」

 

普段見る事がないキザな王我さんにクリスちゃんが凄く驚いてる。私もだけど。

 

「ダブルの力は探偵。こういう時にはもってこいなのさ」

 

 

 

 

 

 

 

俺と翼はバイク、そこにそれぞれ雪音と響を乗せ現場に到着した。

 

「現場はここか‥」

 

周りは建物の破片が無数に散らばっている。ここは高いビルが多く、周りからの見通しが悪い。タイムマジーンが密かに活動するにはもってこいだろう。

 

「あれ、未来だ!おーい、未来!」

 

響が急に声を出したと思ったら知った顔が現場にあった。

 

「響、皆!‥それに王我さんは‥また変わってる‥」

 

「今は探偵なんだって」

 

「へぇ〜」

 

「小日向は買い物か?」

 

「はい、でもここで爆発事故があったって聞いて‥少し気になって‥」

 

爆心地と思われる周りは焦げており、周辺の建物も爆発の影響か半壊しているものが多い。

 

「とりあえず調査を始めるぞ」

 

「あの、私も手伝いをしても良いですか?」

 

「あぁ頼む。でも何かあったら逃げるんだ」

 

「未来、よろしく!」

 

「うん!響、頑張ろうね!」

 

未来を加えて調査始めるが、その前に現場にいるおじさんの知り合いに挨拶をする。

 

「よう刃さん」

 

この人は刃野幹夫。いつもつぼ押し機を携帯している警部でおじさんとは仕事仲間だった人だ。

 

「よぉ、王我。弦十郎から話は聞いてるぜ。全くお前らも大変だな」

 

「別にいいさ、俺らも関係ない訳でもなさそうだしな」

 

刃さんの話を聴きながら俺は現場をカメラに収めた。

 

「そういや、照井は居ねぇんだな」

 

前回のように解決が困難になりそうな事件は照井自身が出てきてくることが多いが今回は全く姿が見えない。

 

「あぁ、今本部で今回の事件の書類調査だとよ」

 

「へぇ、照井がなぁ‥」

 

「別の事件との掛け持ちだから、ちと大変なんだよあの人」

 

「じゃあ照井に渡すのに重要な証拠写真とか必要になるんじゃね?」

 

「安心しろ。良いカメラマンが来てる」

 

刃さんが指差す方向には俺らと同じように警官でもないのにカメラで現場を撮影する人が。

 

「あれ、翼義姉さん?」

 

「剛、あなたもいるの⁉︎」

 

「おう、現場の写真撮ってくれとさ」

 

「良いカメラマンってお前か、剛」

 

「義姉さんがいるからとまさかとは思ったけど、王義兄さんもやっぱりいるんだ」

 

「あの、翼さん。この人は‥」

 

「あぁ、詩島剛。私の親戚にあたるな」

 

コイツは詩島剛。剛は翼のはとこにあたる。俺も色々とコイツとは楽しくやっている。

 

「まぁ俺は分家とはいえ風鳴のアレコレが面倒だったから逃げただから、あんまり権力はないけどな」

 

「剛、悪いが撮った写真を‥っとと!」

 

瓦礫に少し躓いてしまう。まだ調査が終わっていないからこういう小さい障害物がそこら辺に散らばっている。

 

「気をつけてくれよ、王義兄さん」

 

「悪りぃ悪りぃ」

 

「あ、王我さんウォッチ落としましたよ」

 

「おっと、すまねぇ響」

 

転んだ拍子に落としたドライブライドウォッチを響に拾われた。

 

「ん?王義兄さん、それって‥」

 

剛がそのライドウォッチに反応する。そしてポケットから

 

「お前、それ‥」

 

剛はポケットからウォッチを取り出し、俺に見せた。

 

「旅先で貰ったんだよ。何か物騒だったからどうしようか迷ってたけど、王義兄さんはコイツの使い方分かってそうだし、渡しとく」

 

半ば強制的にウォッチを現場写真と共に渡される。

 

「じゃあ俺はまだ仕事があるから、義姉さんも調査頑張ってよ」

 

そう言い残して剛は撮影に戻った。

 

マッハ

 

少し後にウォッチが光り、ライダーの顔が現れた。

 

「因みに奏、これは誰が使えるんだ?」

 

『う〜ん‥オーラ自体は王我にも流れてるけど、特にアタシの方に強く流れてる。これはアタシが使った方が良さそうだ』

 

「そうか‥」

 

いくら剛が政府と関係の強い風鳴家と繋がりがあるとはいえ、ライドウォッチを持ってるのは普通ではない。

 

「ん、なんだ王我。ぶつぶつと話しやがって」

 

「な、なんでもねぇよ。それよりも現状だ‥」

 

疑問がまだ残っているが、とりあえず今は目の前の事件に集中することにした。

 

 

 

 

色々な人から情報を得た後、王我さんは自分で撮った写真と剛さんから貰った写真を見て事件について考えていた。

 

「まぁ、これだけ粉々ならな‥」

 

「やっぱり師匠の言ってた件は‥」

 

「あぁ、運送車が爆発した爆発したのは間違いないがその周りのビルの破片は‥」

 

翼さんも王我さんも師匠が言っていた予測に信憑性が増した。王我さん的には爆心地体遠い場所の半壊、それもトラックじゃ絶対に届かない高さ。その高さがタイムマジーンと同じくらいだと言う。

 

 

 

そんな時だった

 

「敵襲か⁉︎」

 

再びここで大きな爆発音が鳴る。音の発生方向を見るとビルの瓦礫が私へと降りかかってきた。

 

「未来、大丈夫⁉︎」

 

装者である私達は上手く瓦礫を躱すことが出来た。しかし、一般人である未来があれをかわすのはかなり困難。一瞬最悪のケースを想像してしまったが

 

「うん、大丈夫!」

 

「危ねえ‥」

 

王我さんに抱えられてロープにぶら下がっている。

 

以前と違う一つ目のタイムマジーンがそこにはいた。

 

「またノイズか‥」

 

「何かあの機械とノイズのセット、多くねぇか?」

 

「とにかく戦いましょう!」

 

『Balwisyall nescell gungnir tron』

 

私達はギアを纏い戦闘態勢に入る。

 

「はあぁぁッ!」

 

翼さんを先頭にノイズの大群に立ち向かっていく。

 

「‥間違いねぇ‥」

 

王我さんは双眼鏡のようなものでタイムマジーンを観察している。

 

「お前ら、あの中に例の物がある!」

 

私達はその言葉により、さらにこの戦いへの責任感が増した。

 

「(怪我した人のためにも取り返さなきゃ!)」

 

「未来、あそこの道が空いているだろ。あそこを真っ直ぐ行けばシェルターがある。そこに逃げろ」

 

戦いが激化すると判断した王我さんは未来をシェルターに逃すことを選択。

 

「王我さん‥」

 

「大丈夫、この街は俺の庭だ。安心して待ってな」

 

「‥はい!」

 

そして未来は一度も振り返らず王我さんが示した道を進んでいった。

 

「さて‥行くか」

 

ジャケットの内ポケットからドライバーらしきものを腰に巻く。そして

 

ジョーカー!』

 

ジャケットの内ポケットからUSBメモリのようなデバイスを取り出す。

 

「変身!」

 

すると、もう一本がベルトに現れ、それをしっかり指し込んだ後、手に持っているメモリをセットする。そして

 

サイクロンジョーカー!』

 

ベルトはWの文字のように展開される。

 

「す、凄い風‥!」

 

右側は緑、そして左側は黒。まるでビルドのような二色のライダー。あれが仮面ライダーダブル。

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

 

まるで二人で喋っているかのように声が重なって聞こえる。

 

「うおりゃあ!」

 

風を纏った回し蹴りでマフラーがたなびく。早く絶え間なくノイズにキックを与え、次々に倒していく。

 

「ほう、その仮面ライダーは‥」

 

タイムマジーンの操縦者も、ダブルに興味を持ったような雰囲気がある。

 

「二人で一人の仮面ライダー。ま、今は一人でだけどな」

 

ダブルの速い攻撃により着実にノイズの数が減少している。

 

「ここらで一発決めとくか」

 

黒のメモリをベルトの横のスロットにセットする。

 

ジョーカー!マキシマムドライブ!』

 

するとダブルを軸に竜巻が発生し、体が宙に浮く。

 

「「ジョーカーエクストリーム!」」

 

「割れた⁉︎」

 

ダブルの身体が半分になり、それぞれ蹴りをくらわせる。

 

「‥あまり威力が出ねぇな‥」

 

不服そうな王我さん。

 

「ったく、最近は何であの機械ばっかなんだ‥まだ前の答えがわかんねぇのに‥」

 

「おい雪音、俺たちでタイムマジーンの周りのノイズを倒すぞ」

 

「お、おう‥!」

 

少しクリスちゃんの態度が変だったがすぐに戦闘に切り替える。

 

ルナ!』

 

トリガー!』

 

ルナトリガー!』

 

左右のメモリを挿し替え、今度は黄色と青いダブルに姿が変わった。

放たれた銃弾がノイズを追いかけ、全弾外すことなく命中する。

 

「やっぱり、これも性能が落ちてるな‥」

 

これもさっきと同じように、王我さん的にはもっと火力が出るはずだったのだろう。

 

「少し強引だが‥こい、ファング!」

 

どこからか恐竜みたいなノイズを倒しながらこっちにやってくる。

 

ファング!』

 

王我さんの手に乗ると恐竜の形からさっきのメモリと似たような形状に変形する。

 

ジョーカー!』

 

ファングジョーカー!』

 

今度の色は白と黒。そして先のフォームよりも荒々しいラインのあるダブルへと姿を変える。

 

『アームファング!』

 

右腕から次々とノイズを切り裂いていく。

 

ファング!マキシマムドライブ!』

 

今度は角を三回倒し、脚に先程の刃が現れそのまま飛び上がる。

 

「「ファングストライザー!」」

 

恐竜のオーラを纏い、回転を加えた蹴りを喰らわせた。しかし当てた感覚は無く、先ほどまでタイムマジーンがいた地面には大きな穴が空いていた。

 

「逃げられたか‥とりあえず追ってくれ」

 

バット

 

さっきのカメラにメモリをセットするとコウモリ型に変わり、そのまま穴の中へと飛んで行った。

 

「ノイズは‥もういないか‥」

 

タイムマジーンには逃げられたものの被害者0でノイズを殲滅することができた。

 

「お疲れ様です王我さん」

 

私達はシンフォギアを解き、それと同じくらいで王我さんも変身を解除する。しかし

 

「あぁ、お疲れ」

 

「あ、あれ?さっきとキャラ違いません?」

 

さっきと比べなんだか柔らかく、髪も外ハネ気味だし、ロングパーカーに変わっている。

 

「ダブルはちょっと特殊でね。変身解除後、二種類の内ランダムで性格が変わってしまうのさ」

 

「仮面ライダーダブルの力か‥不思議なものだな‥」

 

翼さんも腕を組んで悩むくらい今回のウォッチに関しては訳が分からない。

 

「とりあえずアイツを追わないとね。盗まれた機械も取り戻さなくては」

 

少し時間が経ってからさっきのコウモリのメカが足に何かを付けて帰ってきた。

 

「完全に逃したか‥ スパイダーショックの発信器も振り落とされている‥」

 

カメラを覗くと、タイムマジーンが彫ったであろう道が幾つにも分かれていてどの道を通ったのか分からなくなっている。

 

「師匠、こちらは‥‥」

 

とりあえず私は師匠に先までの出来事と調べ上げたデータを伝達した。

 

 

 

 

『そうか‥実はこちらで目星が付く所を探し当てたのだが、全員で行かなくて良い、誰かしら向かってくれ』

 

「全員で行かなくて良いんですか?」

 

『あぁ、既に頼もしい助っ人に頼んでそちらに向かわせてる』

 

通話が切られたスマホには地図が映し出されある地点にマークが記されてある。

 

「場所はここか‥比較的近いな」

 

歩いて十分程度のところ

 

「立花、雪音ここは頼めるか?」

 

「任せてください!」

 

「アタシもかよ‥まぁアタシ達はバイク乗れねぇし仕方ねぇか」

 

翼さんの判断でこの辺りを私とクリスちゃん、他二方面を王我さんと翼さんがそれぞれカバーする形になった。

 

「じゃあ行きましょう!」

 

「へぇ、風麺に新しいメニューが‥興味深いねぇ‥」

 

「待てジオウ!お前が調べるのはそっちじゃなくてあっちだろ!」

 

別の事に興味を持ち出した王我さんをクリスちゃんが起動修正する。何かこの王我さんは別の方向で癖が強い。

 

 

 

 

 

 

一方、指令室では

 

「とりあえずは乗り切ったか‥」

 

「ご苦労様です、風鳴弦十郎」

 

「ウォズくんか‥さっき王我が仮面ライダーダブルの性能が低いって言っていたがあれは一体‥?」

 

「元々仮面ライダーダブルは二人で変身するライダー。一人の肉体に二人の意識が入り込む。しかし今の我が魔王はそれを無理矢理一人で行っている。こう言えばある程度はお分かりになるでしょう?」

 

「なるほどな‥」

 

「私は我が魔王のところへ参ります」

 

「あぁ、気をつけてくれよ」

 

 

 

 

翼達と別れ、僕は一人で捜査を続けていた。

 

「我が魔王。ダブルの力はまだキツいかい?」

 

そんなところでどこから来たのやら、ウォズが僕の目の前に現れる。

 

「やぁウォズ。ある程度は慣れてきたさ。本当はこの事について調べたいがそれは後回し。悪いが今の調査の協力を頼めるかい?」

 

「もちろんですとも」

 

 

 

 

「とりあえず目星いい所は総て回ったが‥」

 

「何も怪しいところはないね‥」

 

『しかもバッチリ一般人もいるしな』

 

この辺りには何もなさそうなので響達と合流することにした。その時

 

「おっと」

 

曲がり角で人とぶつかりそうになった。

 

「すま‥なんだ逢坂か‥」

 

「やぁ、君か」

 

ぶつかりそうになった相手の名は秋山蓮。僕の知り合いの一人だ。一応知り合い同士なのでぶつかりそうになったことへの謝罪は無しの雰囲気になった。

 

「‥あぁ‥俺は病院に行くところだ」

 

僕の視線が彼が手にしている花に向いていることに気づき、自身の目的を話してくれる。

 

「病院‥そういえば恵理さんは無事かい?」

 

「あぁ、アイツは研究室に居たからな。まさかこんな事になるとはな‥」

 

彼の恋人である小川恵理さんは二課の聖遺物の研究を行う『江島研究所』に属している。

 

「あぁ、そうだ。恵理が言っていたが盗まれたあの品、回収次第こちらで引き取る形になる」

 

「本当に大丈夫かい?いくら彼女には怪我がなかったとはいえ‥」

 

「室長が許可を出したんだ。それに『私達は危険なものでも受け付ける。研究員として育ててくれた夜忍さんには恥をかかせられない』そう恵理が言っていたさ」

 

「恵理さん‥」

 

「あとコイツをお前に渡しておけと言われていてな。誰かは知らないが」

 

内ポケットから何かを取り出す。

 

「ライドウォッチ‥」

 

「俺は行く。じゃあな」

 

彼の背中をしばらく眺めていたが、手元からの光により目線をずらした。

 

ナイト

 

『おっ、コレもアタシに強いオーラが来てる。何か多いな、こういうの』

 

「とにかく例の場所に行った響達を待ってみよう」

 

 

 

 

私とクリスちゃんが向かったのはマークが示した場所。何かクリスちゃんと共闘した場所を思い出させる。

 

「何かこういうところは‥」

 

「おいおい!」

 

悪い予感は的中し、私達の目の前に柄の悪い人たちが現れた。

 

「ガキんちょがこんなとこ来るんじゃねぇよ!」

 

「はぁ?テメェらふざけんじゃねぇよ!」

 

「ち、ちょっとクリスちゃん!」

 

売り言葉に買い言葉。クリスちゃんが相手の言葉に乗ってしまった。

 

「生意気な口聞いてんじゃねぇ!」

 

あちらが拳を握りこちらに振りかぶってきた。とっさに私はクリスちゃんの前に出て、攻撃から守ろうとした。

 

「止めなさい」

 

見上げると、私に降りてくるはずだった拳を受け止めている人がいた。

 

「な、なんだテメェ⁉︎」

 

「子供に手を上げるのはよしなさい」

 

「なんだと‥!」

 

攻撃対象を変えた相手は一瞬にしてスーツの男性に関節を固められていた。

 

「ぐあっ!」

 

「暴れるのはよしなさい。余計に怪我をすることになる」

 

「ヤベぇ、コイツ強ぇ‥!」

 

そしてその取り巻きの人らは彼に怯えて、散り散りに逃げていった。

 

「た、助かった‥」

 

恐怖からの解放と安心で私は肩を落とした。クリスちゃんもほんの少しあの人に驚いている様子だった。

 

「さぁ吐きなさい。君達はここで何をしている?」

 

固めていた手を一瞬で襟に回し、若干脅迫じみた行動に出た。

 

「い、いや俺達は‥アジトにしてた廃工業地で爆発があってよ‥いくら俺らでもそんな爆発したところで過ごしたくねぇっていうか‥」

 

「その場所を教えなさい」

 

「み、港の‥」

 

悪そうな人から情報を聞き出した後その人は一目散に逃げていき、スーツの人はどこかへと連絡を始めた。

 

「‥あぁ、では後は君に任せた」

 

「君たち怪我はないかい?」

 

連絡を取り終えるとこちらへ寄ったきた。

 

「えっと、師匠‥弦十郎さんが言ってた頼もしい助っ人って‥もしかしてあなたですか?」

 

これだけの強さがあればもしかしたら‥と思い尋ねてみる。

 

「なるほど、君たちが弦十郎さんが言っていた二課の装者たちか。私は名護啓介。君達の話は王我くん共々弦十郎さんから話を聞いている」

 

どうやら当たっていたみたいだ。

 

「王我さんを知っているんですか?」

 

「あぁ、彼は心優しい人間だ」

 

 

 

 

そこから少し名護さんの話に私達は聞き入っていた。これまでの二課や名護さんの活躍。王我さんとの関係も少し面白かったし、仲が良さそうに聴こえた。

 

「名護さん凄いですよ!優しいですし、強いですし、上司として最高ですよ!」

 

「いや、私は君が言うほど出来た人間ではなかったのさ。遊び心を知るまでは‥」

 

「遊び心‥?」

 

一体どのような関係があるのかはその言葉だけでは分からなかった。

 

「昔の私はただ弱者の上に立つ事に生きがいを持っていた。しかしある時言われたんだ‥『お前には心の余裕がない。気を張るのは良い事だが、張り詰過ぎた糸はすぐ切れる』と‥誰かは全く覚えていないんだがな」

 

「誰か分からないんですか?」

 

「あぁ、顔が隠れていてね。男の声だったのは覚えているんだが‥」

 

「でも正体は誰でもいいと思えるくらい私はその言葉に感銘を受けたんだ。だから私は私なりに心の余裕を作った。王我くんと触れ合いながらね‥そうしたら本当の正義が見えて来たんだ」

 

少し遠くを見ているかのように名護さんが語る。

 

「君達も心に余裕を持たせるようにしなさい。そうすれば周りもよく見え、人々を助けることに繋がる」

 

「はい!じゃあ私達はそろそろ王我さんのところに戻ります」

 

名護さんに一礼し、その場を去ろうとした時

 

「待ちなさい。君たちにお使いを頼まれて欲しい」

 

「これは‥」

 

 

 

 

「王我さん、ウォズさん、お待たせしました!」

 

翼に続き、例の地点から響達が戻ってきた

 

「さぁ、名護啓介から貰った情報を元にあのタイムマジーンの居場所を突き止めよう」

 

ウォズの一声で捜索の終盤戦が始まる。

 

「あぁ、では検索を始めよう」

 

僕は目を瞑り意識を集中させる。

 

「ウォズさん、王我さんは‥」

 

「静かに。今我が魔王は集中なさっている」

 

今僕の意識は精神世界の地球の情報を有したデータベース、【地球の本棚】にある。そこには無数の本があり、その中から今回の条件に合う本を探し当てる。

 

「一つ目のキーワードは【黒服】」

 

ウォズの言葉で、遥か向こうにまで続く本棚からキーワードに合った物だけが選択される。

 

「二つ目のキーワードは【工業地帯】」

 

更に絞られ本の数は簡単に数えられるほどにまで絞られた。

 

「最後のキーワードは【爆発】」

 

そして残った本からもキーワードに応じた残った一冊を読む。

 

 

 

 

 

 

精神世界から戻り、皆に結果を伝える。

 

「次に来ると予測出来る場所は‥」

 

 

 

 

 

 

 

僕達は検索の結果から出た場所に移動する。そこは

 

「ここは‥廃工業地帯?」

 

「おい、何もねぇじゃねぇか」

 

翼もクリスも疑いの目で見る。それもそのはず。ここにはコンテナすら無く、あるのはトタンで出来た大きな倉庫のみ。

 

「いや、我が魔王の検索は間違っていない」

 

「ここだね」

 

双眼鏡型ガジェット、デンデンセンサーを通してある壁の一部分に着目する。

 

スタッグ

 

今度は携帯電話型ガジェットのスタッグフォンを放つと一見代わり映えのない壁に思い切り体当たりをした。衝突後は壁に少し亀裂が入るも特に何も起きない。

 

「あの、一体何を‥」

 

「見ればわかる」

 

ウォズは響の言葉を遮るかのようその亀裂に向かって思い切り蹴りを放った。すると

 

「これは‥!」

 

「隠し通路!」

 

スタッグフォンが突撃した壁の先には下へと続く階段が隠されていた。

 

「本当にあるんだ‥」

 

僕達はその階段を降りようとした。その時

 

「ほう‥ここを突き止めたか‥」

 

影から、相手を特定することが不可能なくらい顔を隠している。だがこの人物は前回のタイムマジーンを操縦していた人物と同じ声をしている。

 

「仮面ライダーも‥装者ごと潰してやろう!」

 

地下から勢い良く飛び出してきたタイムマジーンに飛び乗り、そのまま倉庫を突き破って、態勢を整えてきた。

 

「くっ、流石に敵も勘づいていたか!」

 

「とりあえずコイツを捕まえて聞けばいい!」

 

「あぁ、検索では想像もつかない結果、ゾクゾクするねぇ」

 

『Killter Ichaival tron』

 

『Balwisyall nescell gungnir tron』

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

ファング

 

「変身!」

 

ファングジョーカー!』

 

全員が戦闘態勢に入り

 

『アタシもそろそろ行くか!』

 

それを見ていた奏もやる気が湧いたのか、実体化し加戦する。

 

アクセル

 

アクセルウォッチを起動させると、目の前に剣が突き刺さる。アクセル専用武器、エンジンブレード。そしてバイクのハンドルの形をしたベルト、アクセルドライバーを装着する。

 

アクセル!』

 

ダブルの使うガイアメモリと同じ形であるアクセルメモリを取り出す。

 

「変‥身!」

 

ドライバーにあるスロットルを捻り

 

アクセル!』

 

八つのピストンパーツが合わさり、仮面ライダーアクセルに変身する。

 

「さぁ、振り切るぜ!」

 

地面に刺さっているエンジンブレードを引き抜き、敵へと向かっていく。

 

「はあぁッ!」

 

重たいエンジンブレードの一撃は凄まじくタイムマジーンの装甲を少しずつではあるものの着実に削っている。

 

『アームファング!』

 

タクティカルホーンを一回倒し、右腕にブレードが現れる。それで関節部を集中的に攻撃し、動きを鈍らせる。

 

エンジン!マキシマムドライブ!』

 

ファング!マキシマムドライブ!』

 

「いくぞ、王我!」

 

「あぁ」

 

アクセルとダブルの必殺技攻撃で相手の装甲に傷をつけることができた。このまま行けば装甲は薄くなり、確実に相手を倒すことができると思った。

 

 

「なるほど‥なら‥」

 

次の攻撃を当てようとすると突然相手の姿が無くなる。

 

「ぐあッ!」

 

そして気づくとすぐ後方に移動しており、風圧により僕達は吹き飛ばされていた。

 

「ダメか。動き回ってて攻撃が当てづらい!」

 

とにかく近づかせないよう細かな動きをしている。そして何より速い

 

「!皆、奴の背中を見ろ!」

 

翼の発言からタイムマジーンの背部を観察する。すると背中にはブースターがいくつも付いており、それにより先程と比べ物にならないくらい速い動きをしている。

 

「みんな、僕に提案がある」

 

一度全員を話が聞ける場所へと集める。

 

「奏が仮面ライダーの力でアイツを抑えよう。そこを翼達がタイムマジーンの関節部を狙って攻撃。最後に僕がコックピットをマキシマムで開ける」

 

「いけるのか?」

 

「とりあえず出来ることをやろう。他の対策は動いてから考えれば良いさ」

 

『ショルダーファング!』

 

タクティカルホーンを二回弾く。すると肩からブーメランのような

それを相手に向かって投げつける。しかし、動き回っているせいで中々命中しない。

 

「押さえ付けるならデカい乗り物だよな‥カイザにするか、ゲイツにするか、他には‥」

 

大きな乗り物で拘束することにした奏ではどのライダーで行くか若干迷っていた。

 

「そうだ!奏さん、これを!」

 

何か思い出した響が奏に向かって何かを投げた。

 

「これは‥」

 

それは既に力が宿っていたライドウォッチだった。

 

「響、これをどこで‥」

 

「名護さんから受け取りました!」

 

「名護‥名護啓介からか‥」

 

また僕の知り合いからウォッチを所持していたものが現れたみたいだ。

 

「奏くん、その仮面ライダーイクサならパワードイクサーで相手を拘束出来る!」

 

「そうか、ならコイツを使ってみるか!」

 

イクサ

 

アクセルの変身を解除し、新たに入手したウォッチを起動させる。すると手にはベルトが握られ、すかさずそれを腰に巻く。

 

『レ・ディ』

 

ナックル型のデバイスを手に当てる。

 

「変身」

 

そしてそのままナックルをベルトにセットする。

 

『フィ・ス・ト・オ・ン』

 

奏の前方にライダーらしきシルエットかが現れ、奏の体にそのまま装着される。そしてすぐに顔部分のシールドが熱気と共に展開される。

 

「その命、神に返しな!」

 

「い、命奪っちゃダメですよ!」

 

「本当には奪わないさ!なんか言いたくなっただけだ!」

 

腰から笛型のデバイスを取り出し、ドライバーにセットする。

 

 

恐竜のような重機が現れ、奏はすぐに操縦を開始する。

 

「あれこそパワードイクサー。イクサ専用大型マシンだ」

 

パワードイクサーでタイムマジーンを抑えつけるため砲弾を投擲し、動きを鈍らせいる。

 

「オラッ!」

 

何発かをタイムマジーンの行くであろう先に投げ、回避を困難にさせていた。

 

「よし、ヒット!」

 

上手いこと一つの砲弾がブースターに当たり大破。動きが元に戻った。

 

ヒート!』

 

メタル!』

 

ヒートメタル!』

 

その間にこちらも準備を進める。メモリチェンジでヒートメタルに変わる。

スタッグフォンでコードを打ち込む。すると何処からか大きい車両がこちらへ向かってくる。あれはダブルのマシン、リボルキャリー。そしてそのままの勢いでタイムマジーンに激突する。

 

「じゃあ、僕も行こうか」

 

動きが遅くなったタイムマジーンから離れるとリボルキャリーが開き、その中にダブルのバイク、ハードボイルダーをセットする。しかし、そのまま発進するわけではない。後部が取り外され、飛行を可能にするハードタービュラーに変え、上空へ飛び立つ。

 

「よっしゃ捕獲!」

 

位置に着いた丁度のタイミングでパワードイクサーがタイムマジーンの胴体掴み、行動を止めさせる。

 

「皆、行くぞ!」

 

翼の指示でそれぞれがタイムマジーンの関節部に集中攻撃をする。雪音が右腕、響が左腕、そして翼が両脚。それぞれが息を合わせ、関節を破損した。駆動系が使い物にならなくなったタイムマジーンはその場で膝をついた。

 

「間接は潰した!王我!」

 

メタル!マキシマムドライブ!』

 

メタルメモリをメタルシャフトに挿し込むと、両端から炎が吹き上がる。

 

「「メタルブランディング!」」

 

ハードタービュラーの飛行でコクピットのギリギリ上を狙い、上半身を薙ぎ払った。

 

「やりましたね‥あれ王我さん、また変わって‥」

 

「それは後だ。それよりも操縦者と物は‥」

 

そして炎上しているタイムマジーンコクピットには少し煤が付いている機械があったものの、人影は無かった。

 

「逃げられたか‥」

 

良くも悪くも敵がいなくなり、翼達もシンフォギアを解除する。

 

「逃げたとしたらあの爆発の瞬間くらいしかない。相手は我々の思っていた以上に強力だ」

 

「まぁとりあえず、この機械が取り戻せて良かったですよ!」

 

「響の言う通り、これだけでも守れたんだ。今はそれを喜ぶか」

 

 

 

「(でも、さっきもタイムマジーンが現れる時は決まってノイズも同時に現れた‥ここにも何か関係が‥?)」

 

 

 

 

 

「なるほど‥あれが仮面ライダーダブルの能力か‥他にも仮面ライダーアクセル、仮面ライダーイクサの能力も把握出来た」

 

「はぁ‥」

 

「よくやってくれた。ご苦労だった」

 

「しかし若様。いくら命令とはいえわざと敗北するのは私のプライドが傷つきます」

 

「すまなかったな。上からの命令には私も従うしかない」

 

「ですが私の役目は一先ず終わりましたね」

 

「あぁ。後のオペレーションはあちらに任せるとしよう」

 

「では私達は‥」

 

「あぁ、引き続きライダーの能力の観測だ」




次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア

「おかえりなさい」
「たとえ世界を敵に回しても守るべきものがある」
「あの子は本当に家族思いで‥」
「私達をずっと支えてくれた」
「おばあちゃんが言っていた」
「天の道を往き、総てを司る男になれと‥」

EP30 ヘブンリーロード2006→2043
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