例の機械を取り戻して2日後、その機械は江島研究所に届けられ、現在解析が進められている。恵理さん曰く、俺の母さんが関わるから3倍のスピードで研究が進んでいるらしい。そしてその研究とはまた別に
「こちら王我、現場に到着しました!」
学校の用事の帰りにノイズの発生があった。俺が出現地点に一番近く、翼達も丁度学校を出たところらしく、まだ到着まで時間がかかる。
『響くん達もすぐにくるはずだ!それまで頼むぞ!』
「了解!」
『Camustolron EXcalibur tron』
Ⅱを纏い、ノイズの大群に斬りかかる。
「はああッ!」
最初から二刀流にし、剣戟の速さで相手を圧倒する。
「大丈夫ですか?」
ノイズの襲撃により逃げ遅れた人は空から救出する。飛行能力を持ったⅡだから基本敵の少ない空からの救助が可能である。
「それにしても‥多すぎる‥」
二刀流を再び一本の剣に戻す。
『王我、聞こえる?』
「母さん!」
『王我、せっかくなら
「アレか‥やってみる!」
近くにあった鉄パイプと小さな鉄を拾う。エクスカリバーが柄から剣先までが半分に分かれると、そこに鉄を挟み、持っていた鉄をエクスカリバーに勢いよく擦り付ける。
「いけッ!」
すると稲妻が目に見えるくらいの電気が発生し、小さな鉄は凄まじい勢いでノイズの軍団を貫いた。
『自分で作っておいてアレだけど、かなりの威力ね‥』
母さん曰く、レールガンの仕組みを完全聖遺物であるエクスカリバーで発生させた。
「大分減ってきたな‥」
さっきのレールガンで半分くらいは倒せただろう。
「王我さん、お待たせしました!」
そこへ響達が到着し、すぐさま戦闘に入る。
「皆、いけそうか?」
「‥ってノイズがこっちに結構集まってきます!」
残っているノイズの内、5割程響が戦っている場所に集まっている。
「早くしなきゃ‥響、これを使え!」
『譲渡』
「はい!」
エクスカリバーが俺の身体から離れ、アーマーとナックル状変化する。そしてそれが響のギアに装着される。そしてギアが無くなった俺は
『ジオウ』
『ファイズ』
「変身!」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!アーマータイム!Complete ファイズ!』
ジオウ ファイズアーマーに変身する。
『アタシもやるぜ!』
奏はそのまま実体化し
『イクサ』
イクサライドウォッチを起動させる。
『レ・ディ』
「変身!」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
イクサベルトをすぐに巻き、奏がイクサに変身する。
「奏、イクサ気に入ったの?」
「わりとな。個人的には武器はバロンの方がいいけど!」
イクサの武器、イクサカリバーを手に切り込んでいく。
「雪音、立花の一撃で倒すぞ!」
「あいよ!」
装者達は譲渡によりパワーアップした響の拳でノイズを倒す作戦を立てた。
「オラオラ!こっちに来やがれ!ったく、無駄に数が多いな!」
翼と雪音が一点にノイズを集中させる。
「立花、今だ!」
「はい!はあぁぁぁぁッ!」
その拳は地面ごとノイズを抉り取り、一体も残らず撃退した。その威力は絶唱時の半分ぐらいはある。
「やっぱり‥凄い‥!」
「エクスカリバーII、櫻井理論とは異なる形で生み出された新世代シンフォギア。さすが夜忍叔母様だ」
「こっちも行くぜ!」
奏はベルトから笛型のデバイス、フエッスルをイクサベルトに装填する。
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ』
イクサカリバーでノイズを切り裂くイクサの必殺技【イクサ・ジャッジメント】を使った。
『フィニッシュタイム!ファイズ!』
『エクシード!タイムブレーク!』
こっちは出現したポインターを蹴り飛ばし、ノイズに命中させる。
「次はコイツだ!」
『ゲイツ』
「変身!」
『ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!』
『ドライブ』
『アーマータイム!ドライブ!ドライブ!』
奏は今度はゲイツに変身し、ドライブアーマーを纏う。
「よし、俺も!」
『ディ・ディ・ディ・ディケイド!』
一度ファイズライドウォッチを抜き、ディケイドライドウォッチを起動。それをドライバーに装填し、一回転させる。
『アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディケイド‼︎』
『ファイナルフォームタイム!ファ・ファ・ ファ・ファイズ!』
ディケイドライドウォッチにファイズライドウォッチをセットし、ディケイドアーマーファイズフォームへとなる。身体の一部がファイズ アクセルフォームとなり、腕にはファイズアクセルが装着されている。
『ライドヘイセイバー』
『ヘイ!ビルド!』
ライドヘイセイバーの長針を回転させる。
『ビルド!デュアルタイムブレーク!』
剣先に小さな竜巻が纏い、そのままノイズを切り裂く。
『Start up』
ファイズアクセルを起動させ10秒間の超加速を発揮する。
『フィニッシュタイム!ドライブ!』
『ヒッサツ!タイムバースト!』
回転を加えたもの凄いスピードでノイズ体当たりを喰らわす。
『ファ・ファ ・ファ・ファイズ!ファイナルアタックタイムブレーク!』
赤いマーカーが複数のノイズに定められ、それ全てにクリムゾンスマッシュを放つ。
「ふぅ‥なんとか全部倒せたな」
「やったね、クリスちゃん!」
「こんな事を言うのはアレだが、明日ではなくて良かったな」
「本当だな」
そう、明日は大事な用事がある。
そして翌朝、私達は空港に来ていた。送り迎えは司令長官からリムジンの貸し出しが許可されて本当助かった。
「何か悪いね、皆お迎えに来てもらっちゃって」
「いえ、私達が頼んだんですし。それに私も王我さんのお姉さんと妹さんに会いたいですし」
「アタシはコイツに無理矢理連れてかれたんだけどな」
「でもクリスとちょっと気になるでしょ?」
「べっつに」
私からの提案で未来とクリスちゃんも一緒に行こうと誘った。未来はすぐOKしたけど、クリスちゃんは若干渋ってた。
「そういえばクリスちゃん、最近また忙しくなったよね」
「クリス、荷物は全部届いたんでしょ?」
「‥別件だ、気にすんなっての」
「確かこの便だったよな‥?」
クリスちゃんを問い詰めようとしたが、そろそろ待ってる人が来そうとのことで止めにした。
「あ、いたいた!」
王我さんの目線の先には大人っぽい女性と、私と同じくらいの年の女の子がいた。
「あ、お兄ちゃん!」
女の子の方が王我さんに気づき、彼に向かって走り出した。
「よぉ和花、おかえり!」
「王我、わざわざお出迎えありがとう」
「姉さんも久しぶり」
「あら翼ちゃん。こうやって生で見るとまた可愛くなった?」
「とんでもありません。愛理昌さんこそ変わらずお綺麗で‥」
大人の女性の方は翼さんと会話を始める。
「!こんにちは!」
たまたま女の子と目が合い、挨拶をする。
「‥!」
王我さんの背中に隠れてしまう。
「ねぇ、お兄ちゃん、翼お姉ちゃん。この人達は‥?」
「な、何か警戒されてる‥?」
「ごめんな、和花は人見知りするタイプなんだ。子どもなら平気なんだけど‥和花、ほら挨拶くらいはしな」
「えっと‥僕は‥逢坂和花です‥」
どうやら和花ちゃんは僕っ子らしい。
「私は立花響。よろしくね、和花ちゃん!」
「さてと、あまり長居すると翼が見つかっちゃうし、早く行こう。今日は俺が飯作るから」
「ホント⁉︎流石お兄ちゃん!」
「和花、まずは荷物を置いてからよ」
「そうだね、じゃ行こ、お姉ちゃん、お兄ちゃん!」
「‥ねぇ未来、もしかして和花ちゃんって‥」
「うん。多分‥」
和花ちゃんは若干のブラコン&シスコンだ。
「‥あら、どれがウチの車かしら‥?」
「いやいや姉さん、どう見てもアレだろ!」
そして愛理昌さんは天然みたいだ。
私達は王我さんの家の車で行き先は愛理昌さんが指名した場所だ。
「皆のことは父さんから聴いてるわ」
「そういえば姉さん達はこれからどうするの?」
「とりあえず実家に戻るわ。いくら勝さん達がいるって言ってもあの家を放置する訳にはいかないから」
聞いた話によると、王我さんの実家は少し小さな屋敷のようで、夜忍さんや司令長官も家にいないこともしばしば。ある程度は雇っている人がやってくれるが、自分達でもなんとかしたいということらしい。
「えっと、王我さんと一緒に暮らさないんですか?」
「父さんがやってた時計屋だと勤務先から遠いのよ」
「勤務先が王我の家から遠い‥となると、もしかしてあそこですか?」
「そう、あそこ」
翼さんと愛理昌さんはあそこでお互い理解し、王我さんと和花ちゃんも同じように頷いていた。
一度荷物を実家に置きに行った後向かったのは
「喫茶店‥?」
そこは【マル・ダムール・ディッパー】というお店。
「こんにちは〜」
愛理昌さんに続き、私達も中へ入る。
「おっ来たね。愛理昌ちゃん、和花ちゃん久しぶり」
「こんにちは、マスター」
「あれ‥?」
王我さんがカウンターに座っている二人の人物に注目する。
「伊織さん!」
どうやら王我さんの知り合いみたいだ。
「王我さん!良かった、マスターが今日王我さんが来るって仰っていたので‥」
「俺に何か‥?」
「これを君に」
『威吹鬼』
その人が差し出した手にはライドウォッチが握られていた。
「これをどこで‥?」
「それが分からないんです。気づいたら持っていて、一緒に置いてあった手紙には王我さんに渡すよう書かれていたんです」
「では用事も済みましたし失礼します」
そのままその男の人は店を出てしまった。
「さて二人が来たことだし、今日はもうお店閉めちゃうよ」
「ごめんなさい、マスター。無理を言ってしまって」
「いいのいいの。僕もちょっと休みたかったし」
そう言ってマスターは店の裏に行った。
「さてと最終準備を‥あ、豆腐とか他の食材もちょっと足りないかな。俺買ってくるよ」
「あ、私も行きます」
荷物持ちとして王我さんについて行くことにした。
食材を買いに行く途中、市民の悲鳴が聴こえる。
「何あれ‥虫‥?」
緑色の幼虫のような生命体が複数体いた。
「ウォズ、確かあれって‥」
「ワームだね‥まだ脱皮はしてないが、十分危険だ‥」
王我さんとウォズさんがあの生物について話している。
「‥ってウォズさん、居たんですか⁉︎」
「ちょっと前から居たよ」
王我さんは気づいていたみたいだ。
「ワームが相手。となると‥これだな」
『カブト』
少し髪が長くなった王我さん。腰には既にベルトらしき物が存在している。そしてそこにどこからか赤いカブトムシが飛んで王我さんの手に
「変身」
『変身』
ベルトにカブトムシをセットすると、王我さんの身体がアーマーに包まれる。カブトライドウォッチに描かれていた顔とは少し違うが、あれが仮面ライダーカブトなのだろう。
「私も‥!ウォズさん、未来をお願いします!」
ウォズさんに未来の避難をお願いし
『Balwisyall nescell gungnir tron』
私もガングニールを纏い加戦する。
「はああッ!」
ノイズとは違い、倒すのに少しの時間はかかるものの、動き自体は早くないので少し楽だ。しかしその安心はあることですぐに消えた。
「未来⁉︎なんで⁉︎」
逃げたはずの未来がそこにいた。
「未来、何してんの⁉︎早く逃げ‥」
未来に駆け寄ると
「‥‥」
すると身体が急に変化し、ワームになった。
「うわぁッ‥!」
こんだけ近いと攻撃を避けることは出来ず、防御しようとすると後ろから銃弾が飛んでワームに命中する。
「気をつけろ。ワームは人間に擬態する」
王我さんは冷静に敵に銃弾を当てる。まるで全てわかっているかのように。
「私も落ち着かなきゃ‥」
とにかく敵に集中し、早くそして確実に倒して行く。
「よし、残り一体‥」
その残り一体は王我さんの背後から襲いかかってきた。
「危ない!」
しかし、私の忠告は不要だったようだ。ワームの胴にはさっきの銃が斧に変形していてそれが刺さっており、その直後爆散した。
「流石です!王我さん!」
敵が居なくなって私達は戦闘モードを切る。
「当たり前だ。俺は世界で一番強い」
「えぇ‥」
凄い俺様キャラ。何か自分の事自慢する王我さんって変な感じ。
王我さんと買ってきた食材を用いて今日の食事の準備が行われる。帰ってきたとき、翼さん達はカブトライドウォッチの影響を受けた王我さんに驚いていたが、
「それじゃあ皆、せーの‥」
「「「「「「いただきます!(‥‥)」」」」」」
さっきの喫茶店を貸し切りにしてもらって、歓迎パーティーが始まる。
「!凄く美味しい!」
王我さんの料理は時々頂いていて、その美味しさは知ってはいたが今回のはそれ以上に美味しかった。でも甚兵衛着て料理する意味は分からなかった。
「でも良かったんですか?せっかく久しぶりに会ったのに私達まで‥」
ちゃっかり皆で食卓を囲んでいる。
「私は響ちゃんや未来ちゃん、それにクリスちゃんのこともっと知りたいなぁ〜。それにこうして食卓を囲んだ方が和花も慣れると思うし」
「ぼ、僕も‥せっかくお兄ちゃんの知り合いが来てくれたから‥頑張る‥」
「ありがとうございます」
とりあえず愛理昌さんはこう言ってくれるし、和花ちゃんも私達に慣れようとしているのが分かる。
「おばあちゃんが言っていた。『食事は一期一会。毎回毎回を大事にしろ』とな」
「な、何だよそれ?」
王我さんの言葉にクリスちゃんが疑問を持つ。
「私達のおばあちゃんの言葉よ。おばあちゃんは私達にいつも大事な事を教えてくれたわ」
「そう‥なんです‥」
「だから、こうしてお話ししながら食べるのもとても大事なの」
そういえば王我さんはおばあさんはよく格言を言ってくれるって言っていた。確かにふらわーのおばちゃんといい勝負だ。
ご飯を食べ終えると王我さんは用事があると言ってお店から出て行ってしまった。
「王我は良かったわね。こんな素敵な仲間がいてくれて」
「いやぁ〜」
「もう、響ったら調子良いんだから‥」
愛理昌さんに褒められて嬉しくなって少しテンションが上がってしまった。
「あの子には本当に苦労をかけてしまったわ」
ずっと微笑んでいた愛理昌さんの顔が少し悲しそうになる。
「逢坂本家の長男だからって、色々と辛いことをさせてしまったけど、いつも『いける気がする』って一生懸命で‥」
「あの子は本当に家族思いで‥私達をずっと支えてくれた」
「僕も‥お兄ちゃんには、頼ってばっか‥今度は、お兄ちゃんを支えていきたいな‥」
「そうね」
その話を聞くだけでも和花ちゃんも愛理昌さんも王我さんを本当に大切にしてるんだと分かる。
「『支えてくれる』か‥アイツなら、もしかしたらわかってくれるかもな‥」
「ん?クリスちゃん何か言った?」
ボソッとクリスちゃんがなんか言ったがよく聞こえなかったよう
「う、うるせぇ!」
「なんでぇ⁉︎」
そして何故か怒られた。
ある程度話をした後二人は逢坂家へと帰っていく。
「じゃあ私達はこれで‥」
「翼ちゃんはまたすぐ会えるわね」
「そうですね」
私達は少し散歩をしてから帰宅することにした。街を歩いていると
「どうかなさいましたか?」
数人こちらへとやってきた。一瞬翼さんのファンの人かと思ったが、
「な‥⁉︎」
「なんだコイツ⁉︎気持ち悪りぃ!」
身体が急に変形して、その正体を明らかにする。
「ワームです!」
和花達と離れてから少し、天の光を浴びながら歩いていると
「ちょ、ちょっと落ち着け!」
何やら騒ぎが起こっている。顔を隠し、手には明らかに似合わない鞄。そして後ろにはそれを追う男。ひったくりだろう。
「おい、どけッ!」
鞄を盗んだ犯人はナイフを振り回しながらこちらに向かってくる。もちろん俺のとる行動は
「おい、危ない!‥って」
こんなもの避けるまだもない。ナイフは俺の喉の数cm手前を通り過ぎる。
「待て!」
一度犯人は追いかけていた男に捕まり、動けなくなるが身体を捩らせ脱出する。鞄を落としたが、今は逃げることを最優先したようだ。そして俺は
「あ!俺のカバン⁉︎」
落とした鞄を蹴り、見事後頭部に命中。そのまま相手は倒れる。
「犯人に逃げられそうになるとは‥爪が甘いな、加賀美」
「って‥逢坂!」
コイツは加賀美新。二課と警察の橋渡しにあたる存在だ。ノイズの殲滅を図る二課直属の組織【ZECT】に所属している。さっき蹴飛ばした鞄を返し、加賀美に踵を向けた直後
「あ、おい!少し待ってくれ!」
加賀美が俺を引き止める。そして取り戻した鞄から何かを取り出す。
「お前、これ‥」
「お前に渡してくれって言われててな。機会があったら渡そうと思ってたんだ」
渡されたのはライドウォッチ。しかも既に力も宿っている。
「そいつが誰か分かるか?」
「さぁ‥仕事場に置き手紙と一緒に置いてあっただけだし‥」
「そうか‥」
何人からもウォッチを受け取ってはいるが未だ差し出し人が分からないのは奇妙だ。
「ん、何だ?」
微かだがコンクリートが削れる音がした。しかも機械で整備をするような音では無く、抉るような鈍い音。
「テメェ、あの虫野郎か⁉︎」
クリスちゃんがイチイバルを人に向ける。
「ひっ‥⁉︎」
銃口を向けられた女性は明らかに怯え切った顔をしている。一歩間違えば命に関わるのに襲ってこないのは、彼女が普通の人間だからなのかもしれない。
「ち、違うのか‥ちくしょう、これじゃあ逃げてる奴も全員、虫野郎に見えてきやがる!」
まだワームが現れて数分しか経っていないので、避難もまだ不完全。人間に擬態が出来るワーム相手では凄く不利な場面だ。
「このままじゃ‥」
その時
「おばあちゃんが言っていた」
「その声は‥」
「たとえ世界を敵に回しても守るべきものがある」
「王我さん!」
「遅ぇぞ、ジオウ!」
「さぁ我が魔王、存分に力を振るいたまえ!」
「うるせぇぞ、預言者!」
また唐突に現れたウォズさんにもクリスちゃんは怒っていた。そしてワームに突撃しながら再びカブトゼクターが飛来する。
「変身」
『変身』
再びカブトに変身する王我さん。
『本当危なかったなぁ。こんなことなら響達にウォッチ持たせておいた方が良かったかもな』
『マッハ』
実体化した奏さんはこの前剛さんから受け取ったウォッチを起動させる。
『シグナルバイク!』
王我さんがドライブの変身に使用したシフトカーのバイク版をベルトにセットする。
「レッツ‥変身!」
『ライダー!マッハ!』
奏さんが変身した仮面ライダーは白いボディをし、マフラーがたなびいている。
「追跡、撲滅、いずれも‥マッハ!仮面ライダー〜〜〜〜マッハ!」
「‥早くしろ」
「ったく、言いたくなったんだよ!」
奏さんの少し長い名乗りが終わり、二人も加戦する。
「翼さん、行きますよ!」
「あぁ、行くぞ立花!」
私と翼さんが市民を守りながらワームを近づけさせないように戦う。
「奏くん、クリスくん、アレがワームだ!」
ウォズさんに指さされた人は諦め正体を明かし、がむしゃらに突進してくる。
「正体さえわかればこっちのもんよ!」
『シグナル交換!カクサーン!』
奏さんとクリスちゃんは銃弾を乱発させ、ワームを排除する。
「しまった!一匹逃した!」
「アタシに任せとけ!」
『シグナル交換!マガール!』
銃弾が綺麗なカーブを描き、建物の裏に行こうとしていたワームを倒す。
「あと5体‥これなら‥!」
そう思ったときだった。
「え!何⁉︎」
二体のワームの緑色の身体が溶け、中から禍々しい姿を現した。
「何か、脱皮したんですけど⁉︎」
そう驚いた刹那、二体のワームは私達の目の前から姿を消してしまった。
「どこに逃げた‥⁉︎」
「ぐっ‥!」
「クリスちゃん⁉︎ぐはッ‥!」
クリスちゃんが急に何かされたかと思ったら私にもダメージがかかる。
「高速移動か⁉︎」
「は、速すぎますよ‥⁉︎」
全く相手の姿を確認出来ない。しかしこちらにはダメージが蓄積されていく。以前戦ったタイムマジーンの速さとは比べ物にならない。
「おっさん、何とか追えないのかよ⁉︎」
『奴らの動きを追ってくれ!』
『ダメです!全く座標を掴めません!』
『ハイパースローカメラでも追いつきません!』
指令室の師匠や友里さんや藤尭さんの通信で、そっちにもなす術もないと分かる。
「ウォズさん、アレ何ですか⁉︎」
「クロックアップ。ワームが使う謂わば高速移動のようなものだ」
とにかく私達のギアではあのスピードには対抗出来ない。
「とりあえずアタシが行く!」
『ズット マッハ!』
奏さんも加速をし出し、ワーム達に対抗する。
「大変ですよ!このままじゃあ‥」
いくら奏さんとはいえ、二体一では戦いにくいだろう。どうするべきか私なりに考えていた。そして、その考えを打ち破ったのは
「このくらいすぐに終わる」
俺はカブトゼクターの角であるゼクターホーンを少し弾く。するとアーマー部分に隙間が生まれ若干浮き上がる。
「キャストオフ」
ゼクターホーンを弾き切る。
『CAST OFF』
するとアーマーが吹き飛び、まだ脱皮していない残り三体のワームに当たり、撃破する。そしてアーマーで隠れていた赤い身体が露わになる。倒れていたカブトホーンがが起き上がる。
『CHANGE BEETLE』
カブト ライダーフォーム。
「クロックアップ」
『CLOCK UP』
サイドバックルを叩くと響達の動きがスローのようになる。周りの時間が遅くなった訳ではなく、こちらもクロックアップをし、ワームと同じ条件下での戦闘となる。
「なぁ、ウォズ!王我の動きが全然見えねぇんだけど!」
こっちもマッハの加速でワームに攻撃するが、正直少し姿を捉えやすくなっただけであんまり良い状況とは言えない。
「マッハとカブトの加速の原理は異なるからね。形では追いつけても、クロックアップしているカブトと波長を合わせるのは難しいだろう」
「そうなのか‥ってなんか急にしんどくなったんだが‥」
唐突な疲労に襲われた。
「マッハの変身時間が切れそうだね。残念だがこれ以上あのスピードにはついていけない」
「じゃあどうすれば‥」
「ただ対抗手段はある」
「なんだよ、早く教えてくれ!」
ウォズが答えをもったいぶる。
「あるじゃないか、ガタックのウォッチが」
「ガタック‥これか!」
さっき加賀美から受け取ったウォッチを手に持つ。
「そのウォッチならカブト同様クロックアップが可能だ」
「なら、迷う必要はないな!」
『ガタック』
カブトと同じ形のベルトが腰に現れ、そこに青いクワガタのデバイス、ガタックゼクターが飛んでくる。
「変身!」
『変身』
厚めのアーマーを纏った仮面ライダーガタックに変身する。そしてすぐに
「キャストオフ!」
『CAST OFF』
ガタックゼクターの角を展開する。さっきのカブトと同じくアーマーが吹き飛び、クワガタの二本の角が立ち上がる。
『CHANGE STAG BEETLE』
「クロックアップ!」
『CLOCK UP』
王我と同じようにサイドバックルを叩くと周りの動きが遅く感じ、そして脱皮したワームとカブトの武器、カブトクナイガンで切り裂きながら戦っているカブトの姿がしっかりと捉えられた。
「王我、今行く!」
アタシは肩に装着されているガタックダブルカリバーを手に加戦する。
「はあぁッ!」
一体を受け持ち、相手を切り刻む。王我はパンチで相手を吹き飛ばし、怯ませる。
「一気に決めるぞ、王我!」
『1・2・3』
『1・2・3』
ゼクターの足の3つのボタンを押し、ゼクターホーンを一度元の状態に戻す。
「ライダー‥キック」
「ライダーキック!」
『RIDER KICK』
『RIDER KICK』
アタシは相手に向かって飛び蹴り、王我はカウンターでの回し蹴りのスタイルでライダーキックを放つ。その衝撃により、ワームは爆散する。
「なんだよ、その空に向かって指指すやつ」
戦い終わった王我は王我は天に向かって指をさしていた。
「おばあちゃんが言っていた。天の道を往き、総てを司る男になれと‥」
「もう終わってる‥」
気づいた時にはワームの姿はどこにもなく、二人のライダーの姿しかなかった。
「あれが‥クロックアップ‥」
「仮面ライダーカブト、仮面ライダーマッハそれに仮面ライダーガタックか‥」
「クロックアップ‥でしたっけ‥?あの早い動き‥我々でも到底追える速度ではありませんよ」
「安心しろ。そのためにこれが渡されたんだ」
「これを使って何とか見えましたからね」
「クロックアップは普通の加速とは違う。今回得たデータを元にどうするか作戦を練らなければ」
「技術部門にも相談しておきます」
その日の夜、晩ご飯は実家でとることになった。ウォズは二課に用事があるとかで欠席してる。父さんと母さんも似たような理由だ。
「そういえば王我は準備出来た?」
食事を終えた後、姉さんがそんな事を聞いてくる。
「準備?」
普段は忘れっぽい姉さんだが、今回は俺の方が忘れてるみたい。
「お兄ちゃん、今度パーティーあるの忘れたの?」
「あっ‥」
「私達もお父さんに言われて、それでこの時期に帰ってきたんだし」
「もしお兄ちゃんの準備がまだなら早くした方が良いよ。後3日だし」
忘れていた。いや逃げたかっただけだと思う。
「‥王我、辛いのは分かるけどこれはやらなきゃならないことなの‥私も頑張るから」
そして俺にとって苦しい日が近づいていた。
次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア
「アイツらを信じるか‥」
「絶対に変えられない」
「そうでなきゃお前も救われないだろ‥」
「アイツは‥⁉︎」
「行くよキバット」
「よっしゃ!キバっていくぜ!」
EP31 ヴァンパイアファング2008→2043