RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア   作:バリート

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この本によれば、逢坂王我、彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っている。
我が魔王の姉、逢坂愛理昌と妹の逢坂和花が帰国する。再び会えた家族との時間を過ごせるかと思いきや、突如現れたワームが出現する。それに対抗すべく我が魔王は、仮面ライダーカブトに変身し事なきを得た。しかし何故この時代にワームが出現したのでしょうか?そして我が魔王が不安がっていることとは‥


EP31 ヴァンパイアファング2008→2043

「こちら翼、ノイズを肉眼で確認しました!」

 

姉さん達が帰国して2日後、隣の県にてノイズの発生が確認され、今ヘリで向かっている。本当なら俺がⅡで飛んで現場に先に行きたかったが、エクスカリバーは現在改良中の為今は使えない。

 

『よし、全員十分注意してくれ!』

 

おじさんからの指示を受け、俺達はヘリからおり各々戦闘態勢に入る。

 

 

『Balwisyall nescell gungnir tron』

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

『Killter Ichaival tron』

 

ゴースト

 

俺はゴーストライドウォッチを使用し、ゴーストドライバーを出現させる。

 

一発闘魂!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

「変身!」

 

闘魂カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト! ゴーファイゴーファイゴーファイ!』

 

ゴースト 闘魂ブースト魂に変身する。

 

『よっしゃ!』

 

奏も実体化し

 

「王我、ビルドライドウォッチ借りるぞ!」

 

ゲイツ

 

 

「変身!」

 

『ライダータイム!仮面ライダーゲイツアーマータイムベストマッチ・ル・ー!』

 

ゲイツに変身し、更にビルドアーマーを纏う。

 

「ハアッ!」

 

ビルドアーマーに装備されたドリルクラッシャークラッシャーでノイズを次々に倒していった。

 

「ハッ!あの虫野郎に比べりゃ全然余裕だっての!」

 

「油断するな雪音。戦場では常に警戒を怠るな!」

 

「わーってるよ!」

 

雪音も翼もお互いの背中を預け戦っている。

 

『アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

カイガン! ゴエモン!歌舞伎ウキウキ!乱れ咲き!』

 

俺はアイコンを変え、ゴエモン魂に変化した。

 

『サングラスラッシャー』

 

そしてサングラスのような付属しているサングラスラッシャーでノイズを排除していく。

 

「敵が一直線に‥なら‥」

 

響はバンカーを思い切り引っ張り少し前屈みになる。そしてバンカーが伸び切ったところで

 

「ハアアァァッ!」

 

バンカーの戻る時の勢いを利用し、ロケットのようにノイズを貫いていった。

 

フィニッシュタイム!』

 

ボルテックタイムバースト!』

 

現れた放物線のグラフに乗り、その勢いを乗せたキックで敵を倒していく。

 

メガマブシー!メガマブシー!』

 

こちらもオレゴーストアイコンと闘魂ブーストアイコンをサングラスラッシャーにセットする。

 

闘魂ダイカイガン!メガオメガシャイン!』

 

赤いオーラを纏ったサングラスラッシャーの斬撃でノイズを切り裂いた。

 

「ふぃ〜いっちょ上がり」

 

「殲滅出来たは良いものの‥」

 

「結構ド派手にやったね‥」

 

ノイズを倒せたのは良いものの結構周りの木々を倒してしまった。

 

 

 

 

「はぁ‥緊急会議って‥まぁ書類に向かってばっかの一日にならないだけ少しマシか‥」

 

「頭!車の方準備できました!」

 

「そうか‥わかった、今行く」

 

またノイズについての会議だ。少し前まで落ち着いていたがまた事件があった為、対処する必要がある。そしてシンフォギア並びに仮面ライダーについて隠蔽しなければならない。

 

「早くノイズを全て殲滅せねば‥そうでなきゃお前も救われないだろ‥」

 

そっと写真を撫でる。いつか誰もノイズの被害に遭わない日が訪れることを願って。

 

 

 

 

ーそして2日後ー

 

「あれ、王我さんと翼さんどうしたんですか?そんな格好で」

 

「これから政府絡みでのパーティーなんだ」

 

「私達も逢坂家と風鳴家の人間として出席することになったのだ」

 

そういえば愛理昌さんが翼さんにすぐに会えるって言っていたのを思い出した。アレはそういう意味だったのだろう。

 

「へぇ、家柄良いと大変なんだな」

 

「楽しんできてくださいね」

 

「あぁ」

 

「‥?王我さん?」

 

翼さんが返事したのに対し王我さんはさっきからずっと下を向いたままだった。

 

「えっ、あ、あぁ。そうだね。楽しんでくるよ‥」

 

とりあえず返事を返したものの王我さんはどこか上の空だった。そういえばここ最近王我さんの様子が変なのも何かあるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは存分に楽しんでくれたまえ」

 

パーティーは豪華なビルの中で開催されている。政府主催と言っても大企業の社長が来たり、母さんのような偉い研究者が来たりもするので、かなりの有名人ばかりが集まる。

 

「やぁ王我、元気だったかい?」

 

「登兄さんこそ元気そうだね」

 

この人は白峰登。世界でも有名な超巨大投資企業『D&P』の社長であり、俺の従兄弟だ。

 

「お前も受験で忙しいのにすまないな」

 

「良いよ。勉強はそれなりにやってるし、家柄的にも必要だから」

 

「社長、お時間です。こちらへ‥」

 

「すまない、ちょっとした仕事だ。じゃあな王我」

 

登兄さんは会社経営が忙しく、このパーティーにも長くは居られない。本当は登兄さんと話したいことがあったが、俺も逢坂の長男として挨拶をしなければならない。

 

「これはこれは王我様。お久しぶりでございます」

 

「どうもお久しぶりです」

 

少し年老いた男性が話しかけてくる。

 

「ご両親はお元気で?」

 

「二人とも元気ですよ。少し仕事は忙しそうですが、問題はなさそうです」

 

「そうでございましたか。王我様もお忙しい中ありがとうございます。では私はこの辺りで」

 

「はい」

 

今の人は父さんが政治家の卵の頃からの知り合いで、俺にも普通に接してくれる。しかし、彼は少数派である。

 

「やぁやぁ、一也様の息子さんではありませんか」

 

「‥お久しぶりです」

 

今度は明らかな中年体型をした男性が寄ってくる。

 

「いやはや、昨日のご活躍は耳にしました。流石はあの一也様の血を引いていらっしゃるお方!」

 

「ありがとうございます‥」

 

この人はノイズ関連について一見俺を褒め称えるように見える。でもこの人は‥

 

「それで、一也様にお伝えしたいことがあるのですが、何卒‥」

 

 

 

 

 

「チッ、親が偉大な奴は良いよな。ちょっとでも結果出せば褒められるんだからよ」

 

「馬鹿、相手は一也様の息子だぞ。もし失言を知られたらどうなるか分からないのか」

 

「でも父上も思いますよね。アイツはあの逢坂一也の息子のくせに大したことない奴だって」

 

「‥‥ほら、いくぞ。他の方への挨拶も残っている」

 

別のところでも俺の事を言ってくるのが聞こえる。

 

 

「‥というわけで、どうか私の健闘をお父上にお伝え‥」

 

「‥一応は伝えますが、あまりご期待はなさらないでください‥」

 

とりあえず話を強引に終わらせ、その場を立ち去る。

 

「あっ、すみません‥」

 

パーティー会場は人が沢山いるため、すれ違った男性と少し肩がぶつかってしまう。

 

「いえいえ、大丈夫ですよ」

 

何事無かったかのようにお互い立ち去るが

 

「ちっ、七光りが‥」

 

俺から少し離れたところで耳をすまさないと聞こえない小さい声で愚痴を吐き出した。

 

「王我、行きましょ」

 

いきなり何かと思ったら翼が俺の手を取り、会場ホールから連れ出した。

 

「はぁ‥」

 

「王我、大丈夫?」

 

自分の中でどうにかしようと思っていたが、翼に気を使わせてしまったようだ。

 

「うん、大丈夫だよ‥翼こそ悪いね、俺に付き合ってもらって」

 

今、翼と俺は一目がつかないところで休憩をしている。その場所は多分わざわざ通ることもないような人通りのない会場の端っこ。

 

「良いわよ、私も政府の方のご子息に言い寄られて大変だったから。悪い人ではないのは分かるのだけど‥」

 

トップアーティストになるとそういうこともあるから緒川さんも大変だ。

 

「それにしてもさっきの人達、王我相手に‥」

 

小さい声だったが翼にも聞こえてたみたいだ。拳には力が入っており、少し震えている。

 

「いや、もう慣れてるよ。今更言ったってどうにもならない」

 

俺は長男だから逢坂の家を守るために色々なことをやらなければならない。そのことに対しても別になんとも思ってない。俺が自分で選んでそうしたんだから。姉さんや和花はそれぞれやりたいことをやらせてもらっているし、父さん達の育て方が悪いということもない。

 

 

「でも‥」

 

「どんなに声を出しても無理だよ。絶対にこの見方は変えられない」

 

「皆、王我のことを王我として見てないものね‥」

 

しかし、どんなに良い成果を出しても「流石逢坂一也の息子」と言われ、失敗したら「あんなに偉大な父を持ちながら」と言われる。誰も俺を見てくれない。他の人達にとって俺は【逢坂王我】じゃなく【逢坂一也の息子】なんだ。

 

「まだマシになった方だよ。前はね‥」

 

今は若干俺を認めてくれる人も増えた。しかし、それまではほとんどの人が俺を蔑んでいた。その中でも、シンフォギアを纏ってノイズと戦って命を救われた人々は態度が変わったりしてきた。でも裏では‥。俺はそんな環境が‥

 

 

 

 

 

 

「なんだ⁉︎」

 

突然の地響き。その少し後、廊下からざわめく声が伝わって聞こえてくる。

 

「テロか⁉︎」

 

「待って王我、何か聞こえる!」

 

「何か、崩れる音‥?」

 

本当に微かだけどコンクリートが砕ける音が聞こえた。

 

「とにかく行きましょ!」

 

とにかく俺達は音の発生源へと向かっていった。

 

 

音源は下の方から聞こえて来ていて、このビルの一番下にある地下駐車場に向かうとそこには二足歩行をする怪物がいた。姿を確認したその一瞬で相手は

 

「ヴアァァ!」

 

崩れたコンクリートを投げつけてきた。

 

「危ない!」

 

とにかく翼を守ろうとした瞬間

 

「大丈夫かい、我が魔王、翼くん?」

 

ウォズのマフラーによって攻撃から身を守ることが出来た。

 

「ありがとうございます。ウォズさん、アレは一体‥?」

 

「ファンガイアだね。人間からライフエナジーを吸い取る魔物だ」

 

「ファンガイア‥!人類の敵はこの防人が成敗する!」

 

『Imyuteus amenohabakiri tron』

 

翼は即座にシンフォギアを纏い、天羽々斬を構える。

 

「ファンガイア相手ならこれで‥」

 

キバ

 

キバライドウォッチを起動させる。

 

『王我、待ってたぜ〜!』

 

コウモリのような僕の相棒、キバットバットⅢ世が飛来する。

 

「行くよキバット」

 

『よっしゃ!キバっていくぜ!』

 

『ガブッ!』

 

キバットに僕の手を噛ませると頬に紋章が浮かび上がり、腰には鎖が巻かれ、ベルトの型をとる。

 

「変身!」

 

コウモリが止まり木に止まるようにキバットをベルトにセットする。すると徐々に鎧が形成されていきその姿を表す。

 

「これが‥キバ‥」

 

『アタシも行くぜ!ファンガイアなら‥コイツだ!』

 

イクサ

 

『レ・ディ』

 

「変身!」

 

『フィ・ス・ト・オ・ン』

 

奏もイクサに変身し、ファンガイアとの戦闘

 

「ハッ!」

 

イクサカリバーのガンモードで相手を牽制する。

 

「ハッ!」

 

その隙に相手にパンチのラッシュを喰らわせ、ダメージを与えていく。

 

「ここは柱や車が多く場所が悪い‥」

 

翼が今の状況だとこちらに不利。次とる行動を目で合図し、お互い納得の頷きをした。

 

「ハアァァッ!」

 

天羽々斬だ目にも止まらぬ速さで切り上げる。

 

「王我!」

 

「うん!ハァッ!」

 

最後に僕のキックで相手を地上に引き摺り出した。

 

「お待たせしました!」

 

後から響と雪音も合流する。

 

「それが‥仮面ライダーキバ‥ですか‥?」

 

「ライダーについては後だ!とりあえずコイツ潰すぞ!」

 

「クリスちゃん待ってよ〜!」

 

「オラァ!」

 

雪音が拡散弾を放ち、相手の目を眩ませる。

 

「ハッ!」

 

響がおじさんに習った武術で攻撃の隙を与えることなく追い詰める。

 

「奏!」

 

「行くぜ、翼!」

 

二人は息のあったコンビネーションでファンガイアを十字架型に切り裂いていった。

 

「響、一緒に!」

 

「はい!」

 

「「はあぁぁッ!」」

 

最後に響と同時に拳を相手にぶつけ、吹き飛ばす。

 

「王我、決めろ!」

 

『さぁ決めるぜ〜!』

 

ダメージで悶えているファンガイアにゆっくりと近づいていき

 

ウェイクアップ!』

 

赤いフエッスルをキバットに吹かせる。ベルトからキバットが離れて

 

「うえぇ⁉︎何か真っ暗になった⁉︎」

 

「月‥だと‥」

 

青く澄み渡っていた空が、三日月の夜になる。

 

「はぁぁぁ‥はッ!」

 

右脚を高く上げるとキバットが鎖を断ち切り、魔物の翼のようなヘルズゲートが開放される。

 

「はあぁッ!」

 

左脚で上空まだ飛ぶ。そしてとんぼ返りをし、そのままの勢いでファンガイアに蹴りを喰らわせ地面に叩きつけた。ファンガイアが叩きつけられた地面にはキバの紋章が刻まれれ、ファンガイアはガラスが割れるように散っていった。

 

そしてその瞬間どこからか鳴き声が聞こえる。胴体が城ようなドラゴン、キャッスルドランだ。倒したファンガイアから魂のようなものライフエナジーが出てきて、上空へ待っていく。そしてキャッスルドランがそれを喰らい、再び飛び去っていってしまった。

 

「これであのファンガイアは甦らないよ」

 

「大したことなかったな」

 

「じゃあ戻りましょう!」

 

『待て、何か来るぞ!』

 

キバットの発言で再び周りを見渡す。

 

「!新手か⁉︎」

 

するとそこにはもう一体ファンガイアがそこにはいた。ソイツは軽く数十メートル離れたところで膝を曲げ始める。

 

「ぐっ‥」

 

一瞬のうちにこちらに接近し雪音の首元を掴み、そのまま壁まで引きずっていった。

 

 

 

 

壁に叩きつけられ身動きが全く取れない状況に持ち込まれちまう。

 

「ぐっ‥離せ‥!」

 

コイツかなり力があってちょっとやそっとじゃびくともしねぇ。

 

「やはり下等生物の人間を襲うのは心地いいな」

 

「テメェ、喋れるのか‥!」

 

「私の見た目の割に人間の言葉を使うのが気に食わないというのか?」

 

少し相手の手に入る力が強まった気がする。

 

「知るか!そんなんよりオメェみたいに人間を殺す奴が許せねぇんだよ!」

 

「邪魔をするな、人間を超える我々が人間を捕食するのは当たり前だ」

 

「お前、人間をなんだと‥オメェみたいなののせいで死んでいった人間のことも考えやがれ!」

 

「死人の気持ちなど考えたこともないなぁ。お前らこそ、食われた家畜

のことなど何も考えていないだろう?我々にとってはそれと同じことだ」

 

「!このッ‥!」

 

「人間には思いがある!アタシはパパやママの夢、歌で平和を掴む事を受け継いだんだ!その思いはテメェはそんな思いも踏み躙るのか⁉︎」

 

「死人のことなんて思っても、相手は何も言葉を返してくれない。考えるだけ無駄だ!」

 

「テメェ‥!」

 

アタシは素手で相手に殴りかかっていた。なんでイチイバルで攻撃しなかったのかはアタシにも分からない。かなり雑な拳は当然避けられ、そしてその振りかぶった後の体勢を崩したところを狙われ

 

「ぐっ‥何しやがる‥⁉︎」

 

頭を思い切り掴まれる。

 

「クリスちゃん⁉︎」

 

「ふん!」

 

怪物が力むような声を出すと、今までのことがフラッシュバックしてくる。

 

「なるほど‥貴様、本当に信用出来る人間がその親のみなのだな」

 

「なっ‥⁉︎」

 

「ふん!」

 

「ぐっ‥⁉︎」

 

吹き飛ばされ地面を転げる最中

 

「雪音、無事か⁉︎」

 

「ジオウ‥アタシは平気だ‥」

 

ジオウがアタシを受け止め、再び立ち上がることが出来た。

 

「気持ちに乱れが出てきたな。本当ならここで殺しても良いが‥まぁ良い。今はこのくらいにしてやろう」

 

 

 

 

 

「皆、大丈夫?」

 

敵に逃げられてしまった後、俺達は

 

「避難は叔父様と登様‥王我の従兄弟が行ってくださったから大丈夫だ」

 

「そうですか‥良かった‥」

 

完璧にとは言えないがとりあえず周りの被害を少なくする事は出来たと思う。

 

「しかし、なぜファンガイアが現代(ここ)に‥?それに先程のファンガイアに関しては何か特別なものを感じた‥」

 

ウォズは何やら疑問に思ったことがあったようだった。

 

 

 

 

 

 

今回の事件は国内でも有力な人間が集まっていた場の付近であったため、その処理も時間が掛かってしまった。戦闘自体は派手ではあったものの、父さん達が会場の皆さんを速やかに避難させてくれたおかげで誰にも見られなかった。そのため先程帰って来たばかりで今はキバットとシャワーを浴びている。

 

『ふぅ‥サッパリするぜぇ』

 

「そうだね」

 

『なぁ王我、あの赤い奴何か困ってたみたいだぞ』

 

「赤い‥雪音の事?」

 

『そうそう、元気なさそうだったよなぁ』

 

「‥ちょっと話してみようかな」

 

シャワーを浴び終え、仮本部から雪音を探して回る。

 

「あれ、いない‥」

 

いそうなところは粗方回ったがどこにも姿が見えない。一緒に帰って来てまだそこまで時間は経ってないので帰ったとは考えにくい。

 

『アイツも風呂じゃないか?』

 

「じゃあちょっと待ってようかな」

 

僕はテーブルの上に置いてあるケースからヴァイオリンを取り出す。

 

 

 

 

 

 

「アタシ、間違ってんのか‥?」

 

あの怪物の言った事はムカつくが、間違ってる訳ではない。ゲイツが特殊なだけで普通、死んだ人間は何も応えてくれない。アタシが戦ってるのはパパやママの夢を叶えるため。そして信頼出来る人間は‥

 

「信頼出来る人間‥アイツらを信じるか‥どうなんだろうな‥わかんねぇや‥」

 

戦いに勝つには他の奴らと信頼出来るのが良いのが分からないほどバカじゃねぇ。でもフィーネとの件があったせいでそんなにすぐ人間を信用できるわけがない。あの小日向未来だって、良い人間だなって思うが、心の隅でいつかアタシを見限るんじゃないかと疑っちまう。

 

「?‥この曲‥」

 

どこかで聴いたことがある曲に釣られて、音源の元へと向かっていく。

 

「へぇ、ヴァイオリンも弾けるようになるのか」

 

そこにはヴァイオリンを弾いていたジオウがいた。

 

「聴いてたんだ」

 

「知ってるの、この曲?」

 

「‥知ってんだろ。アタシのパパがヴァイオリニストだったこと」

 

「うん‥」

 

 

 

「なぁジオウ。死んだ人間の為に戦うってどう思うか?」

 

数秒の沈黙を破るようにアタシはジオウに問いかける。

 

「急にどうしたの?」

 

「いいから答えてくれよ!他にも聞きてぇことはあるんだからよ!」

 

「僕もあんまり偉そうなことは言えないかな。ただ僕が思うのは‥」

 

「この警報は‥」

 

『また敵か〜ほら行くぞ王我!』

 

「ごめん、詳しい話は後にしよう!」

 

「ったく、今来るのかよ‥」

 

 

 

 

本部からの指令でファンガイアはノイズと違い、人間に近い知性がある。

 

「またアイツか‥」

 

ファンガイアにしては特徴的なフォルムだったのですぐにさっきの敵だと分かった。

 

『まだほとんど避難が終了していない。ファンガイア相手なら、その知識を持った王我が相手をし、残りは住民の避難の手助けに回ってくれ』

 

 

「王我さん、相手は強かったですけど大丈夫でしょうか?」

 

「うん。もし勝てなくてもそっちには近づけさせないから」

 

「はい、お願いします!」

 

そして装者達は街の方へ向かっていった。

 

「キバット!」

 

『よしキタ!』

 

『ガブッ!』

 

「変身!」

 

キバの鎧を纏い、ファンガイアに飛びつく。

 

「はっ!」

 

「‥!」

 

相手は力強い拳で殴りかかってきたが

 

「ホッ!」

 

重そうな見た目に反したバク宙で技をかわし、そのまま近くにあったパイプにコウモリのように逆さにぶら下がる。

 

「ハアァァ‥ハッ!」

 

そのまま連続パンチを喰らわせて、吹き飛ばす。しかしファンガイアはある方向を向いており、その先には一人の人間がいた。その人は俺がよく知る人物。

 

「父さん‥⁉︎」

 

 

 

 

パーティーにもロクに参加出来ず申し訳ないが、アレはただ俺の権力に縋る奴らが集まるばかりだから正直パーティーに参加したいかどうかで言えば否だ。名声も悪くはないが、俺が今一番欲しいものは‥

 

「なんだこの騒動‥」

 

人々が逃げていく方向を見ると

 

「何だ、コイツ‥⁉︎」

 

ステンドグラスのような模様をした怪物が目の前に現れた。

 

「!貴様は‥!」

 

少し口が動いたように見えたがそんな考えはすぐに消えた。近くには他の人間もいたのに真っ先にこっちに向かって来やがった。

 

「ヤバい‥!」

 

相手の脇に向かって飛び込んでかわそうとした瞬間、横から拳が怪物に向かって飛んできた。

 

「危ないから離れて!」

 

「王我‥」

 

この姿は見たことが無いが声、それに立ち姿で自分の息子である事がすぐ分かった。

 

 

 

 

ファンガイアを父さんから離し、再び戦闘が始まる。

 

『まずは牽制からだ!』

 

ベルトの横からフエッスルを取り出し

 

バッシャーマグナム!』

 

飛んできたバッシャーマグナムを手に取ると右腕と胴体に鎖が巻かれ、すぐに解き放たれる。すると解放された身体が魚人の鰭ようになる。

 

「ハッ」

 

素早い空気の弾丸を連射し、相手を撹乱させる。

 

「‥!」

 

数弾当たり、相手の動きが鈍くなる。そしてそのまま繰り返し放つが

 

「くっ‥」

 

近くにあった鉄パイプを投げつけられ、体勢を崩す。

 

「うわッ!」

 

そしてその隙をつかれ、殴り飛ばされる。遠距離戦を得意とするバッシャーにとってこれだけ近づかれてしまうと、とても不利になってしまう。

 

『近づかれたか‥なら』

 

今度は紫の笛を取り出す。

 

ドッカハンマー!』

 

今度は両腕の鎖が解き放たれ、上半身に紫の鎧を拳の形をしたハンマーを引きずりながら相手にゆっくり接近する。

 

「‥!」

 

先ほどよりも強く殴りかかるも、、、ドッカの鎧の前では全く効果はなく

 

「フン!」

 

拳の形をしたドッカハンマーで相手を叩き飛ばした。

 

「フン!フン!フン!」

 

そしてそのままドッカハンマーを何度も叩きつけ、相手を怯ませる。

 

『次はスピーディーに行くぜ!』

 

青いフエッスルをベルトから取り出す。

 

ガルルセイバー!』

 

今度は左腕が青い獣の毛を模したようになる。それに合わせ胴も複眼も青く染まる。

 

「ヴヴヴヴヴヴヴヴ!」

 

獣のような唸り声を上げ、飛びかかる。

 

「ヴッ!」

 

狼が彫刻されたガルルセイバーで切り裂いていく。相手が攻撃しようと手を上げた瞬間、空いた胴を連続で攻撃する。

 

「ヴッ」

 

一度距離を取り、ガルルセイバーを体の前に構える。すると彫られた狼の口から波動を咆哮し、その勢いにより怪物は地面を転がる。

 

『今だ!』

 

キバットの合図と共にガルルセイバーの剣身をキバットに噛ませる。

 

ガルルバイト!』

 

笛の音が鳴り、再び周りが月明かりの照らす闇に包まれる。ガルルセイバーを口に咥えると、獣のような体勢をとる。

 

「ヴアァァァッ!」

 

切り裂いた部分にヒビが入り、鎧のようなものが砕け散る。

 

「⁉︎あれはファンガイアじゃない‥⁉︎」

 

ファンガイア特有のステンドグラスのような身体の下に、何やらタトゥーのようなものがあった。

 

「!嘘だろ‥」

 

「‥!」

 

鎧を砕かれたことで状況が悪いと判断したのか、その場からファンガイアらしき怪物は立ち去る。

 

「逃げられた‥」

 

「立花、一先ず現場付近の被害状況を確認しよう」

 

 

 

「父さん、大丈‥あっ‥」

 

「悪い、王我。今は忙しい。後にしてくれ‥」

 

こういう時、父さんは『司令長官と呼べ』とキツく言ってくる筈だ。しかし今回はそれがない。

 

 

 

王我から離れた後、俺はむしゃくしゃして近くの壁に当たる。

 

「まだアイツらは生きてるのか‥⁉︎」

 

あのマークは死んでも忘れることの出来ないマークだ。

 

「またアイツらは俺らから大切なものを奪っていくのか‥!」

 

 




次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア

「アタシは‥」
「⁉︎嘘だろ‥⁉︎」
「もう誰も傷つけさせねぇ‥」
「命を受け取って戦うことなんだ!」
「まずは自分を信じなきゃ」
「さぁ、キバっていくよ!」

EP32 ヒーロー・ザ・ファースト2008→2043
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