パーティーに参加していた我が魔王と風鳴翼。そしてその会場に突如ファンガイアが出現。我が魔王の仮面ライダーキバに変身し、これを撃破。しかし、更に別のファンガイアが現れるも何やら様子が違うようで‥今回の一件はそう単純な話では無いようです。そして‥おっと、これ以上は未来‥いや過去に触れることになりますからご自身の目でお確かめください。
逢坂一也。国家安全保障局長であり、海外の政治家も一目置かれる男。少なくともこの日本では国民のほとんどが知ってる男。家柄もそうだが、それを含めずとも彼の功績が世に誇れるものだからだ。彼はノイズに対する防衛の設備を整えたり、ノイズ被害を受けた市民に対しての援助を行った。更には、国外にもその案を提供し、世界平和への行政を強めている。しかし彼の本当の功績を知る人間はこの世界にはほとんど存在しない。
「しっかしカシラ、今回の会議も大変だったらしいな」
「あぁ‥ったく、こことぞばかり色々言いやがって‥」
勝と共に車から降り、家に入る。詳しい情報は出来る限り遮断したものの、ノイズとは全く異なっていた為、若干の情報が流出してしまった。それを聞きつけた上の奴らが自身の身の危機を感じたのだろう。市民もいつも以上に同様していたらしく、弦十郎達も手を焼いたらしい。
「どうしたカシラ、いつもの覇気がないぞ?」
コイツは相河修也。庭師をしている。
「嬢ちゃん達も家には居ないぞ?」
コッチは三原聖吉。屋敷内の掃除を担当している。
「奴らが‥再び動き出した‥」
「‥ホントに奴らが‥?」
少しとぼけていたコイツらも『奴ら』という言葉を聞いた瞬間、真面目なトーンで話し始める。
「間違いねぇ‥俺があのマークを見間違える訳がねぇ」
「アイツらが相手となると坊ちゃん達にはキツい戦いになるな‥」
「なら俺らが‥」
「多少平和ボケしてるだろうけど‥」
「止めろ!」
「カシラ‥」
「お前らは手を出すな‥!」
「でもカシラの身体じゃ‥」
「駄目だ!今度の奴らは今までとは違う!俺らが知らない力を持ってやってきた」
「俺に‥力があれば‥」
今の自分には戦う力は無い。あの時と違って。
現在、トレーニングルームにてある実験が開始された。
「じゃあ始めるわよ」
母さんの開始の合図と共に
「いくよ、響」
「はい!」
『譲渡』
響のガングニールにエクスカリバーは装着される。
「よし、じゃあそのまま威力の測定に入るわ」
エクスカリバーを身につけた響は何重もある鉄の壁の前でバンカーを思い切り引き伸ばし、
「はあああああッ‼︎」
「うん、OK。響は大分慣れてきたわね」
譲渡の力を把握するための訓練。響は譲渡により力を高めたガングニールで何重もの鉄の壁を木っ端微塵にした。翼も実験に参加するはずだったのだが、仕事が入ってしまい不在。
「でも、コレ壊して大丈夫だったんですか?」
「良いの良いの、廃材だし。寧ろ小さくしてくれて助かるわ」
今回の実験の壁役は母さん達があの謎の機械の解析で使用し終わった機械で、これらの廃棄も兼ねている。
「次、クリス!」
「行くぞ、雪音」
「おう‥」
『譲渡』
イチイバルのボウガン部分にエクスカリバーが重なり銃身が伸びる。
「ふむ‥ここまでは上出来ね‥」
「なっ‥⁉︎」
しかしイチイバルとの間で稲妻が発生し、エクスカリバーは弾かれてしまう。
「駄目か‥」
「もう一度やるわよ」
母さんの指示でイチイバルとエクスカリバーの譲渡の訓練が続いた。だがその後何回繰り返しても結果は変わらなかった。
「ったく、何がいけねぇんだよ‥」
ムシャクシャしていたところ
「中々成功しませんね」
「譲渡は聖遺物の波長も大事だけど、装者同士の波長も大事になるの。つまりまだ二人は息が合ってないと捉えるのが自然ね」
「クリスくんもそろそろ皆に慣れて欲しい頃ですが、無理させることは出来ませんからね‥」
おっさん達の話が聞こえてきた。その会話の意味を聞こうとした瞬間
「警報‥⁉︎」
その警報で一度全員が指令室に集まり、状況を説明される。
「未確認生命体反応をキャッチしました!」
「友里さん、場所は⁉︎」
少しだけ遅れてきたジオウが敵の場所についてスタッフに質問する。
「東京スカイタワー周辺‥ここよ!」
モニターに具体的な敵の位置が示される。
「反応的にノイズではなさそうです」
「よし、全員直ちに現場に向かってくれ!」
現場に着くとノイズの姿はなく、敵は一体だけだった。
「またファンガイアですか‥」
「‥前のとは別の奴みてぇだな‥」
以前は虫のようなフォルムをしていたが、今回はサイのような姿をしている。
『キバ』
相手がファンガイアということで、キバライドウォッチを起動させる。
「キバット!」
『よっしゃ!キバっていくぜ!』
『ガブッ!』
「変身」
キバの鎧を身に纏い
『Balwisyall nescell gungnir tron』
『Killter Ichaival tron』
響たちもシンフォギアを纏い戦い始める。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
僕が先陣をきり何度も拳を当てるものの、後退させることも出来ない。
「私がいきます!はあッ!」
響が後ろから助走をつけて拳を当てるものの
「かった〜〜いッ!」
全く相手にダメージを与えられず、こちらが怯んでしまう。
「鎧が頑丈になっているのか」
「しまっ‥」
手の痺れで怯んでいるところを狙われてしまった響だったが
「すまない、遅れた!」
「翼さん!」
間一髪のところで翼が攻撃を受け止めていた。
「相手の装甲を破壊しなければ攻撃が意味を成さない‥」
一度距離を取り、全員が固まる。
「王我はドッカフォームで胸部付近の破壊、立花はそこに更にダメージを与え脆くしてくれ。後は後方から雪音、近距離は私が受け持とう」
『王我、言われた通りにやろうぜ!』
『ドッカハンマー!』
硬い鎧を破壊するためドッカフォームに変身した。
「フン!」
突進してくるファンガイアを片手で受け止め
「フッ!フッ!フッ!」
ドッカハンマーを何度も叩きつけ、着実にダメージを与える。
翼さんと王我さんが向かった方と逆に私とクリスちゃんが向かった。
「私が鎧を破壊するから、その後クリスちゃんが狙撃して!」
「お、おう‥」
「信じてるよ、クリスちゃん!」
バンカーを引っ張り、勢いをつけた。
「はあぁッ!」
拳が胸の辺りを突き、王我さんがつけたヒビが更に広がった。
「お願い!」
クリスちゃんのコースに入らないように避けるものの
「うわぁッ!」
銃弾は来なく、私は首元を掴まれ投げ飛ばされてしまった。
「立花!雪音!」
そして吹き飛ばされた私はクリスちゃんと激突しか地面を転がる。状況が悪いと判断した翼さんは一度距離を取り直した。
作戦が失敗したことで皆がファンガイアから離れていった。そしてファンガイアの狙いは倒れている響と雪音にあった。
『あぶねぇ、やるぞ、キバ!』
ドッカハンマーを腹部に突き当て持ち上げて、そのまま投げ飛ばした。
『決めるぜ〜!』
『ドッカバイト!』
ドッカハンマーの柄をキバットに噛ませ力を送る。辺りは朧月夜に変わり、更に稲妻が走る。地面に突き立てたドッカハンマーの握られた拳が徐々に開いていく。そこにはハンマーに組み込まれているトゥルーアイがあり、それを見せられたファンガイアは動けなくなる。
「フン‥!フン‥!ウラアァァッ!」
拳状のエネルギー体が発生したドッカハンマーを数回振り回し、そのまま硬直したファンガイアの頭上に叩きつけ跡形も無く消した。
「す、すみません王我さん‥助かりました‥」
周りに敵がいない事を確認し、各自鎧を解除する。
「どうしたんだ雪音。先の攻撃、急に動きが止まったように見えたが‥」
「わかってるよ!んなこと!でも‥アタシは‥!」
翼に何か言おうとするも、雪音はそのまま駆けて出してしまった。
「雪音‥!」
「私、追いかけます!」
「僕がいくよ」
手を伸ばし、響の進行方向を遮る。
「‥こ‥ここは‥ぐっ‥身体が‥言うことを聞かない‥」
「貴様はキバの必殺技を喰らっているのだ。普通なら死んでいる」
横になっている怪物に話しかける人間。そしてその隣でそれを見守る若者。
「いい加減止めないか。話に聴くとキバはファンガイアを裁く者だ。お前では不利だ」
「だが俺が現れれば、奴らは自然とキバとやらの力を使うだろう。
「それは‥」
手にしていたのは緑色の煙が入ったカプセル。
「俺は‥更なる次元に‥!」
「止めろ!死ぬ気か⁉︎」
「そうだ!若様の言うことを聞け!二つ目はまだどんな作用があるか分からないと言われただろ!」
「若いアンタの行動に反対するものもいた。私はアンタたちについては賛成だ。だが、アンタは思い切りが足りない。だから教えてやるさ‥アンタらの行動は正しいとな!」
アタシはアイツらから離れ、一人で物陰で座っている。
「あぁいうとこなんだよな、きっと‥」
先の戦いもそうだ。
『お願い!』
アイツにそう言われ銃口を化け物に向けた。しかしその直後に
『本当に信用出来る人間がその親のみなのだな』
あの時の言葉がよぎって、一瞬引き金を引こうとした手が止まってしまった。その一瞬が状況を悪化させてちまった。ジオウとかだったら何の迷いもなくアイツと息を合わせられただろう。
「(アタシには人を信頼することは無理なのかもしれねぇな‥)」
フィーネを共に倒した奴らともこの様ならもう‥
「いた‥」
「追いかけてくるなよ‥一人にさせてくれ‥」
アタシの言葉なんか無視してジオウは隣に座る。
「ごめん。少し話があってさ‥『信じる』ってことについて」
その言葉がアタシの顔が上げるきっかけだった。
「まだちゃんと答えられてなかったからね」
「なんで‥」
「僕との訓練の時もそうだし、なんだか響との連携も何かが噛み合ってないなって。それに前にかなり困った感じで聞いてきたからね。もしかしたらって‥あれ、違った?」
アタシはとりあえず首を横に軽く振った。
「前はファンガイアが遮っちゃったけどさ‥」
「でなんなんだよ、信じるって‥?」
アタシはジオウに早く答えるよう催促した。その答えが分かればこのモヤモヤも解決するって気がしたから。
「‥どうなんだろうね‥」
もっときっぱりとした答えが返ってくるかと思ったら、情け無い返事だった。今のアタシみてぇに。
「なんだよその情けねぇ返事は‥?」
「誰しも考える事の裏の裏まで読む事は出来ない。もしかしたら‥ってこともあるかもしれない。いや、その方が多いかも。それでもこっちが相手を信じないと向こうも信じてくれないと思うな」
「‥裏切られるかもしれねぇのにか?」
「‥そもそも信じるって自分の勝手な理想像を相手に押し付けてるってことが多いと思う。だからその像が違うだけで簡単に裏切られたって言われるんだ」
「じゃあどうすればいいんだよ‥」
「‥相手を信じるって思ってる自分を信じればいいんじゃないかな」
「‥どういうことだよ‥?」
「相手が不審がってるとね凄くなんとなくだけど態度に出るんだよ。目線や表情にね‥それを相手が汲み取ると相手も徐々に疑い始める。だから本当に思っていることはどうあれ、この人を信じる自分を信じるのが相手を強く信じることに繋がる。例え、理想像と違ったとしてももう一度向き合って考えて、今度はその人ありのままを信じる。それが大事だと思う」
なんだかわかるようなわからないような不思議が感覚だ。
「じゃあ僕は行くね。雪音がすぐ立ち直るって信じてるから」
結局アタシは信じてるのか分からないジオウの言葉に何も返すことが出来なかった。
「クリスちゃん‥大丈夫かな‥」
「こういうのはアドバイスだけして、後は自分自身の力でどうにかするしかないよ」
「とにかく今は身体を休めよう。立花、王我行くぞ」
あれからもう5時間程度経った。アタシは一度家に帰って、まだ住み慣れない部屋の角にある仏壇に顔を向けていた。
『‥相手を信じるって思ってる自分を信じればいいんじゃないかな』
ジオウがかけた言葉がずっと頭ん中を駆け回っている。そしてそれと同時に
『(パパとママの代わりにアタシが歌で平和を掴む)』
フィーネとの決戦の時に思った言葉を思い出していた。あの言葉が言われる前まではちゃんと信じていたのになぁ。あの言葉でなんだか段々信じられなくなっていた。
「もしかしたら、アタシはパパとママ、自分すら信じられなくなってたのかもしれないな‥」
あの時決意した自分を信じられなくなっていたのかもしれない。そう思うなんだかちょっと答えが見えかけた気がした。しかし答えに辿り着く前に突然電話が鳴る。
「おっさんか‥えっ、ファンガイア‥⁉︎」
『おいおい、また来たぞ〜!』
「けどクリスちゃんが‥」
「雪音は必ず来る。とにかく今は戦うしかない!」
「翼の言う通り、雪音を信じて今は僕たちに出来ることをやろう」
「今回は数も多い‥」
また敵はファンガイア。しかも今回は数匹いるという中々苦しい状況。
「奏、いける?」
「あぁ、今回はいける!」
「よし‥!キバット!」
『よっしゃ!王我、キバってGO!』
『ガブッ!』
「変身」
『イクサ』
『レ・ディ』
「変身!」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
それぞれ変身し
『Balwisyall nescell gungnir tron』
『Imyuteus amenohabakiri tron』
翼達もシンフォギアを纏い、ファンガイアに立ち向かう。
「数が多い‥!」
ノイズより手強い。
『Killter Ichaival tron』
詠唱と共に、銃弾が飛んできてファンガイア達の動きが止まる。
「クリスちゃん‥!」
「すまない‥遅れた‥」
「ある程度、敵が固まっているな‥」
雪音の攻撃であまり散らばらずにいたが
「⁉︎大変です‼︎」
急に響が大きな声を出す。彼女が指差す方を見ると
「な‥⁉︎」
一体のファンガイアが女の子を半壊したビルまで追い詰めていた。助けに行こうとも他のファンガイアが邪魔であちらまで辿り着けない。
「助けて‥おばあちゃん‥!」
「はっ‥そんなのに祈ったところで無駄無駄!」
ファンガイアは弱々しく放った彼女の言葉を否定した。女の子の啜り泣く声が聞こえる辛い空間。
「違う!」
そこで言葉を放ったのは
「クリスちゃん‥?」
「大事なのは思いが届くかどうかじゃねぇ!本当に大事なのは届くって信じることだ!自分が信じなきゃ何も始まらねぇ!アイツは自分のばぁちゃんのことを信じてんだ!バカにしてんじゃねぇ!」
その時
「いだッ!」
ビルの破片がファンガイアの頭に直撃し、動きが鈍った。
「はあぁッ!」
その瞬間を狙い、奏がイクサカリバーで、雪音がイチイバルで連射し女の子からファンガイアを離した。
「ぐ、偶然か‥?」
「いいえ、きっとあの子の思いが届いたんですよ!」
『一気に倒すぞ王我!今回は大サービスだ!』
ベルトから三本のフエッスルを取り出す。
『ガルルセイバー!』
『更にバッシャーマグナム!』
『そしてドッカハンマー!』
左腕がガルル、右腕がバッシャー、そして胴にはドッカの力が宿ったフォーム、キバドカバキフォーム。
「ハッ!ハッ!ハハアッ!」
ドッカハンマーで何度も叩き、最後に思い切り力を込め、吹き飛ばす。
「はッ!」
バッシャーの力で地面に張られた水の上を滑りバッシャーマグナムを連発する。狙撃が命中し怯んだところをその勢いのままガルルセイバーで切り裂いた。
『ウェイクアップ!』
右脚のヘルズゲートが開放され、その力をファンガイアへとぶつける。そしてその力に耐えられなくたったファンガイアは砕け散った。こちらの相手が終わり次へ向かおうとするが
『ややッ⁉︎力が‥!』
身体から光が漏れ始め、キバの変身が解かれてしまう。
「キバの力が消えた‥」
まだ数体のファンガイアがいながらもうキバの力は使えない。
「いや、まだだ!まだ戦える!」
『Camustolron EXcalibur tron』
Ⅱを纏い再び戦闘に参加する。
「はあぁぁッ!」
黒い霧を纏ったエクスカリバーでファンガイアを斬りつける。
『アロンダイト』
「今なら‥雪音!受け取れ!」
ジオウの方を見ると
「これは‥!」
エクスカリバーがパーツ状になり、こっちに飛んできてる。その時あの失敗が頭に浮かんだ。だが
「(いや、出来る!アイツらを信じれば‥!)」
エクスカリバーがイチイバルに装着される。銃身が伸びスコープも追加、頭部にはバイザーが追加された、イチイバルの譲渡の形態。
「やった〜〜ッ!クリスちゃん!譲渡成功だよ!」
「オラアッ!」
譲渡によりイチイバルが放った銃弾は速度と威力が増している。そのままファンガイアの身体を貫通し、動きが鈍くなる。
「絶対に間違っていないこと、それはパパとママの命を受け取って戦うことなんだ!アタシはそれを信じる!」
アーマーがギアから離れ、銃火器の前で輪を作る。その中を通った銃弾は光の軌跡を残しながらもの凄いスピードでファンガイア達に飛んでいった。その全弾命中し、全員散った。
エクスカリバーがイチイバルに再装着されるとまだ残っているファンガイアにポイントを向けた。
「前のと似たような奴か‥!」
その鎧はいかにも頑丈で貫けるか正直不安だ。少し前のアタシだったらそう思ってた。
「だがな‥今のアタシは‥」
両手のクロスボウを合体させ一つの大きなボウガンに形を変える。
「自信しかねぇんだよ‼︎」
放たれた弾丸はそのまま胴体を貫通し、ガラスが砕けるように散っていった。
「よっしゃ!」
アタシは譲渡を解除し、ガッツポーズを取った。銃弾と共に悩みもどっかぶっ飛んだみたいで清々しい気分だ。
「どうやら雪音は吹っ切れたみたいだな」
雪音が多数倒してくれたが、まだこちらにもファンガイアが残っている。
「雪音に負けてられないな‥俺も逢坂の家とか関係なく、ただ自分の意志を信じて戦う!自分を信じて!」
その時
『キバ』
キバの力が完全に戻った。
「よし‥!」
『ジオウ』
『キバ』
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!アーマータイム!ガブッ!キバー!』
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来を知ろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ キバアーマー。王としてのライダーの力を取り戻した瞬間である!」
ウォズによる祝いの言葉を終え
「さぁ、キバっていくよ!」
『ジカンギレード ケン!』
ジカンギレードを取り出し、斬りかかった。
「はあッ!」
キバの力が完全に戻った今、ファンガイアに有利に戦えている。
『フィニッシュタイム!キバ!』
『ギリギリスラッシュ!』
指でなぞった剣身に紅の光が灯る。そしてその輝きを放っているジカンギレードで敵を斬り裂きダメージを与える。
『フィニッシュタイム!キバ!』
それぞれのウォッチのボタンを押し、ジクウドライバーを一回転。
『ウェイクアップ!タイムブレーク!』
無数のコウモリがファンガイアに向かって飛びかかり噛みつき攻撃を行い、そのままファンガイアは砕け散った。
キバアーマーを解除して、翼達のもとへ集まる。
「よし、残りは後一体‥」
全員で相手をしようとするが
「なっ‥⁉︎」
ファンガイアの胸元には怪物のような手が突き刺さっていた。
「き、貴様‥何故‥同胞の俺を‥」
「いや‥違う‥貴様は‥一体‥」
何が気づいた様子だったが、その答えを知ることもなく、そのまま砕け散った。
「アイツ‥前の‥」
以前はこのファンガイアの鎧はステンドグラスのように様々な色をしていたが今回はほとんど緑色で染められているなど、若干姿が変わっているが、あの姿は以前戦ったタトゥーの入ったファンガイアだ。
「貴様‥!」
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ』
奏がイクサカリバーを振り下ろし、攻撃をするもの
「イクサの力‥確かにファンガイアには通用する‥だが」
イクサカリバーを手で受け止められてしまう。
「我には効かん!」
その瞬間緑色の鎧は崩れていき、
「なんだ、あれ‥⁉︎」
鎧が砕けたことで全体的に細くなり、背中からは蜘蛛の脚のような物が生え、さっきとは全く違う姿に変わっていた。
「アレは鷲のタトゥーだったのか‥」
以前鎧を砕いた時に見えたタトゥーがしっかりと見える。つまり相手は無防備な状態だ。そう思っていた。
「はあッ!」
「なッ‥ぐああッ!」
「奏!」
いきなり敵が姿を消したかと思ったら、奏が苦しみ始めた。
「何なんだ‥⁉︎」
確かに以前戦った時もスピードは中々早かった。だが今回のはそんな次元ではない。あれはまるで‥
「クロックアップ‥⁉︎」
全く見えない動きに奏が翻弄されている。
「ぐっ‥2個は流石にキツいな‥!」
怪物の動きは止まるものの奏はもうボロボロだった。
「奏さん!」
変身が解除されてしまいイクサライドウォッチが地面を転がる。そして奏の身体はそのまま粒子となり消えてしまう。
「奏、平気か⁉︎」
『あぁ‥アイツ‥強すぎる‥!』
弦十郎達のいる指令室とはまた別の部屋。入ってくるのは夜忍くらいだ。
「今の俺は黙って見てるだけしか出来ないのか‥!」
ふと写真が目に入る。
「いや‥命をかけて戦っている子供達の為にも‥そしてアイツらの為にも‥」
「ぐあッ‥!」
翼や響はクロックアップに対抗するのは難しく、苦戦を強いられる。
「ぐっ‥早すぎる‥」
クロックアップに対抗するカブトの力を使う隙もなく攻撃してくる。奏も先程のダメージと時間制限により、ガタックに変身出来ない。
「マズイぞ、ここは一度引くしかない‥!」
翼の提案通り撤退するしかないと思われていた。どこからか
「このヴァイオリンは‥」
この曲は聞き覚えがあった。そう、小さい頃から聴いている。
「父さん⁉︎」
『⁉︎嘘だろ‥⁉︎』
「どうした奏⁉︎」
『アタシが見逃してたのかも知れないがあの人‥』
「市民に‥俺の部下に‥そして、俺の息子に手を挙げたな‥」
父さんは先の戦いで転がり落ちたイクサライドウォッチを拾い上げる。
「駄目だ父さん!普通の人がウォッチを使うと‥」
しかし
『イクサ』
「起動した‥⁉︎」
手にはイクサベルトとイクサナックルがあった。
「もう誰も傷つけさせねぇ‥この身を削ったとしても‥!」
イクサベルトを腰に巻き
『レ・ディ』
「変身」
『フィ・ス・ト・オ・ン』
イクサのスーツが形作られ、父さんの身体に装着される。
「父さんが‥変身した‥⁉︎」
「なるほど‥中々良い着心地だな‥」
「貴様‥!」
突然、怒りの色が見えた怪物が変身した父さんに襲いかかる。
「はっ!」
その攻撃をいとも簡単に払い、パンチで返り討ちにする。
「使い勝手はこんな感じか‥」
「ちッ‥!」
「また加速した‥!」
「動きは見えない。だかな‥」
「ぐはっ‥!」
怪物が吹き飛んでいた。
「ば、馬鹿な‥この速さに追いつくのか‥⁉︎」
「感覚は衰えていないな」
俺達が束になっても敵わなかった相手に全く攻撃を喰らわず、圧倒している。
「す、凄い‥!」
初めてとは思えない戦いぶりに響も驚いている。
「コレで決める」
ベルトからフエッスルを取り出す。
『イ・ク・サ・ナ・ッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ』
イクサナックルを火花を散らせながらベルトから外す。
「ライダーパンチ‥!」
「はあぁぁッ‼︎」
エネルギーを溜めた拳が怪物を吹き飛ばした。
「つい、言っちまうな‥」
「お前は再び力を取り戻した‥。この先生きていけると思うな!裏切り者‥
「ホッパーじゃない‥俺は‥仮面ライダーだ‥」
わからない言葉を残し、怪人は散った。
「王我、奏。悪いがコレは借りていくぞ」
父さんはイクサライドウォッチを手にその場を去ってしまった。
「あんな強ぇ奴を余裕で‥」
「一也さんって一体‥」
「あの人は【英雄】と呼ばれる、エクスカリバー主任操縦者。私達のように言うならエクスカリバーⅠの元装者」
「一也さんが、元装者‥」
「一也!」
「夜忍か‥」
「貴方、また戦う気‥⁉︎」
「あぁ、息子達に戦えと命じている俺が戦えるならそうした方が良い」
「でも貴方は傷が‥」
「心配するな、無理はしない」
「一也‥貴方やっぱり‥」
「これがあれば俺は‥アイツらの敵をとれる‥!」
「ぐっ‥!」
「相当応えたようだな」
「こんなものあの苦しみに比べたら擦り傷だ」
「復讐の為か?」
「結局そうなるな。力ってのはどんだけ善人だろうとも、一度手にしたらその力に溺れやすくなっちまう‥」
「まともじゃないからな、俺もお前も‥」
「あぁ‥とにかく後は任せろ、次郎‥」
「‥アンタの死は無駄にはしない‥」
「あの時死んだワームの細胞から調べ上げて簡単に作ってみましたが、効果は中々ですね、若様」
「‥だが、二つの摂取は副作用が大き過ぎる。自身で止まることは難しいこれでは使用の際、我ら同胞にも同じ影響が出てしまう」
「直ちに技術部にデータを送ります」
「頼む。アイツの死が我々の糧になることを願っている‥」
「しかし更に大きな問題が出てきてしまいましたね」
「ホッパー‥」
「先代を苦しめた裏切り者‥もう永遠に相手にすることが無いと思っておりましたが‥」
「力さえ無ければ放置でも良かったのだが‥これは上からの指示も変わるだろうな‥」
家に帰って、ある程度回復した奏とウォズと共に今日のことについて話し合っていた。
「イクサ、持ってかれちまったな‥」
『気に入ってたんだが、仕方ない。あの人の強さ‥経験もあるんだろうけどな‥でも、どう見てもあの姿はアタシが変身したイクサよりスペックが低い』
奏の言う通り、父さんが変身したイクサはフエッスルも二本しかなく、フェイスシールドも展開されていなかった。その姿は何か力をセーブしてるようだった。
『でも、その強さは計り知れなかった。多分あの人が持ってる方が良い。それにあの人は鬼じゃないからな、その内、返してくれるはずだしな』
「うん‥それにアイツ、父さんのこと『裏切り者ホッパー』って‥」
「問題点はそこだけではない。あの生物はファンガイアとワームの能力を持っていた。本来こんな事は起こり得ないのだがね‥」
「謎だらけだな‥」
遮るかのようにインターホンが鳴る。一度考察を止め、玄関の扉を開ける。
「‥よう‥」
「雪音‥?」
とりあえず雪音を家にあげる。
「アタシ思い出したんだよ、あのヴァイオリンを聴いてさ‥」
「アタシのパパやママが凄く尊敬していた人がいてさ、それがお前の親父って訳さ」
父さんは政治家になる前は、ヴァイオリン奏者だった。よく色々な場所で演奏していた為知名度も高かったらしい。
「パパがよく言ってたんだ。『あの人は千年に一人の天才だ』って、すっごく楽しそうに話してたんだ」
「なぁ、お前のヴァイオリン聴かせてくれよ」
「え‥あぁ、いいよ‥」
キバライドウォッチを手にしたとき
「あ、待て!ウォッチは使わなくて良い!おっさんに聞いた、普通に弾けるんだろ?」
「まぁ、一応‥」
「それで頼む」
ジオウはヴァイオリンを弾き始める。
「‥ぶっちゃけ普通だな。ウォッチ使ってた時の方が上手かった」
「何だよ、雪音が弾けって‥」
「でもアタシは嫌いじゃないな、この音」
「(何処か安心する。まだ全然分かんねぇことだらけだけど、ここの居心地は悪くねぇな)」
「で、どうしたんだよ。ただヴァイオリンを聴きに来た訳じゃないだろうし」
「今回のこと‥まだ礼を言ってなかったからな‥その‥ありがとよ‥少しはお前たちのことが信頼できるようになった‥ってなんだよ!ニヤニヤしやがって⁉︎ったくコッチは真面目に話してんのによ、自分で言っておいてそんなにアタシの礼が信用ならないか⁉︎」
目線を色んなとこにやってて気付かなかったが、ジオウの口元が震えていた。
「ごめんごめん!そうじゃないって!」
「それともあれか⁉︎本当に信頼してるって誠意を見せればいいのか⁉︎」
「いやだからそうじゃなくて!雪音が俺たちのこと信用してくれて嬉しいって思ったんだよ!」
「そ、そうか‥」
「うん、ごめん。からかったつもりはなかったんだけど‥」
「しかし誠意か‥自分で言っておいてわかんねぇな‥」
信じるって形じゃねぇから誠意を見せようにも何も思いつかない。その時あのバカの顔が浮かんだ。
「えっと、そんな無理しなくても‥」
「あ〜‥ったく、しゃあねぇな。アタシのことも名前で呼んでいいぞ!」
「え?」
「いいから呼べば良いじゃあねぇか!」
もうここまで言ってしまっては後はヤケになっちまう。
「お、おう‥じゃあ‥これからもよろしく、クリス」
「‥おうよ。アタシの足引っ張んなよ、ジオウ」
コツンと拳をぶつけ合う。
「‥そういえば前から気になってたんだけど、その【ジオウ】ってあだ名変えない?俺、ジオウ以外にも変身するし‥」
「う、うるせぇ!別に良いだろ⁉︎」
「えぇ‥」
次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア
「思っているよりも深刻なのかもしれない」
「あの人を超える為に‥!」
「自分の道は自分の力で切り開くしかない」
「王我はかなり努力派だぞ」
「努力はカッコ悪いことじゃない」
「鍛えた甲斐を見してやる!」
EP33 オーガオウガ2005→2043