この本によれば、逢坂 王我。彼には魔王にして時の王者 オーマジオウとなる未来が待っている。立花 響が特訓に明け暮れる中、風鳴 翼が目を覚ましたという連絡を受けた。だが、それと同時にある聖遺物が狙われていることも明らかになる。おや我が魔王、今回はあのライダーの力を使われるようですね。
鳥のさえずりが聞こえる。もう朝か‥
私、小日向 未来は目を覚ます。そして、あることに気づく。
「‥響?」
ルームメイトである響の姿が見当たらない。部屋を見渡すと一枚の置き手紙が
『修業 ガッコーお休みします』
と記されていた。
「何なの‥これ?」
「はぁ! ふっ!」
私は早朝から弦十郎さん‥師匠に特訓を付けてもらっている。今はサンドバッグに向け拳を打っている。
「そうじゃない」
「稲妻を喰らい雷を握り潰すように打つべし」
「言ってること全然分かりません!でもやってみます!」
『おじさんの修業は色々ぶっ飛んでるから、頑張ってね』って王我さんの言ってた意味が本当にわかる。まぁ、でもやるだけやってみる。集中し、稲妻を喰らう‥雷を握る‥その時心の臓にくる何かがあった。私は思いっきりサンドバッグを殴り、見事紐を引きちぎり、池に落とすことができた。
出来た!やっと満足に出来た!
「さて、こっちもスイッチを入れるとするか‥」
師匠が笑みを浮かべる。‥どうやらまだ修業は厳しくなりそうだ。
「クリス‥」
アタシは意識を取り戻す。今アタシは両腕両足を拘束されている。
「苦しい?可哀想なクリス。あなたがグズグズ戸惑うからよ」
「誘い出されたあの子をここまで連れてくればよかったのに‥手間取ったどころか、空手で戻ってくるなんて‥」
「これで‥いいんだよな‥」
「何?」
「アタシの望みを叶えるには‥お前に従ってればいいんだよな…?」
そう、アタシはアタシの願いを叶える為に動いている。アタシの願いは‥
「そうよ。だからあなたは私の全てを受け入れなさい」
「でないと嫌いになっちゃうわよ」
「うわぁぁぁぁ‼︎」
電流を流される。痛い。痛い。痛い!
「可愛いわよ、クリス。私だけがあなたを愛してやれる」
そうだ、こんなアタシを好いてくれるのはコイツだけなんだ‥コイツはアタシを好いてくれる。そう思うと少し笑みが出ちまう。
「覚えておいてねクリス。痛みだけが人を繋いで絆と成す。それが世界の真実だということを」
「だから、ジオウをこの世界の王にする訳にはいかないの」
そういい、また電流を流される。アタシは消え行く意識の中ある会話を耳にする。
「はぁ‥アナザービルドは倒されたから、新しいのを用意しなきゃ」
‥アイツ倒されたのか‥アタシ自身、実はそれほどアレについてよく知らない。急にコイツは仲間だとか言い出され、一緒に戦ったが‥
「じゃあ、次はこのライドウォッチを使ってみましょうか…」
ライドウォッチ‥?
ジオウが持ってたアレのことか‥でも何で、アイツが‥
そして、アタシはまた意識を失った‥
「2年ぶりか‥」
俺は自分の実家に帰っている。俺は高校生になってから、二課の任務の為、一人暮らしを始めたんだ。正月とお盆は絶対に帰ってくるけど‥
「王我〜!心配したぞ〜。このバカ息子が‼︎」
そう言って俺にヘッドロックを掛ける男。俺の父、
「痛い!痛い!離してよ父さん!」
無理矢理引き剥がし、体勢を整える。勘弁してくれよ‥父さんのヘッドロックはめっちゃ痛いんだから。
「お帰り、あなた背、伸びた?」
「3cmくらい…心配かけてごめん、母さん…」
「大丈夫、どうせあなただからしぶとく生きてると思ったわ。どっかの誰かさんの血を引いてるからね…」
「おい、どういうことだ、夜忍」
俺の母、
「ちょうど仕事が片付いた時だったから良かったわ」
ちなみに二人も二課との関わりがあり、母さん は二課の開発担当者。ちなみにエクスキャリオンの基本設計を作成したのが母さんだ。
父さんは逢坂家現当主として二課とやり取りをしている。そう、自慢ではないが家は当主という言葉が出てくるほどの名家である。この二人はこんな感じだけど、重役なのである。
「おい、こんなとは何だ?」
ウソだろ⁉︎心の中を読みやがった⁉︎
「まぁいい。とりあえず今は‥」
「「お帰り、王我」」
「父さん、母さん」
なんか心にくるものがある。おじさん達に会って現代に帰ってきたって感じはあったが、やっぱ両親と顔を会わせるとまた違うな‥
そして、俺は一人の息子として、一番相応しい言葉を言う。
「ただいま!」
「あの〜自分で決めておいて申し訳ないんですけど、どうして女子校生に頼まなくても、エクスキャリオンみたいにノイズと戦える武器って無いんですか?」
修業が終わり、一息ついている私は、少し疑問に思っていたことを尋ねる。
「無いわけでは無いが、シンフォギアは日本でも最重要機密事項として完全非公開だ」
「ええ〜私あまり気にしないで結構派手にやっちゃってますけど‥」
あんな派手にやらかしたら、流石にバレちゃうのでは‥
「情報封鎖も二課の仕事だから」
「だけど、時々無理言って通すから我々の事をよく思わない閣僚達が特異災害対策機動部二課を『特機部二』って揶揄されてる」
「情報の秘匿は政府の上層からの命令なのにね‥」
「いずれ、シンフォギアを外交カードにしようと企んでるんだろう」
「EUや米国はいつだって改訂の機会をうかがっているはず、シンフォギアの開発は、基地の系統とは全く異なる所から突然発生した、理論と技術によって成り立っているわ。日本以外の国では到底真似出来ないから、尚更欲しいのでしょうね」
友里さんと藤堯さんが色々説明してくれたんだけど…
「結局やっぱり、色々ややこしいって事ですよね…」
話の半分くらいしか理解出来ない。
「まぁ、俺らは俺らの出来ることをやればいいんだよ。それをサポートしてくれる人がいてくれるんだから、俺らは最大限力を発揮出来るし」
王我さんが帰ってきた。どうやら実家への顔出しは済んだようだ。
「だから、俺らに必要なのは誰かの為の勇気ある行動かな」
「何か普通の人がしない発想ですよね。同じ高校生とは思いませんよ」
どうやったらこんな風な人になれるのだろう。
「まぁ、王様は普通の人が考えない事を思いつくくらいがいいんだよ」
王我さんはそう答える。
「そういえば、了子さんは?」
「政府のお偉いさんに呼び出されてね、本部の安全性、および防衛システムについて関係閣僚に対し説明義務を果たしに行っている。仕方ないことさ」
「ほんと何もかもややこしいですね」
「ルールをややこしくするのはいつも責任を取らずに立ち回りたい連中らだ。その点広木防衛大臣なら‥了子くんの帰りが遅れているようだな」
「ぶぇっくしょん!‥誰がアタシのこと噂しているのかしら?でも、今日はハッピーなことありそう!」
私‥生きてる?‥違う、死にぞこなっただけ‥ここはどこだろう‥ 王我にやっと会えたのに‥でもよかった‥彼を守れて‥死ぬってこんな感じなのかな‥‥
奏は何のためにに生きて、何のために死んだんだろう‥
『真面目が過ぎるぞ 翼』
聴こえた。もう聴くことが出来ない声が。
『あんまりガチガチだとそのうちポッキリいっちゃいそうだ』
やっぱりそうだ。この声の主は‥
『戦いの裏側とか、その向こう側とかまた違ったものがあるんじゃないかな‥アタシはそう考えてきたし、それを見てきた』
「それは何?」
知りたい。その答えを
『自分で見つけるものじゃないかな?』
答えを勿体ぶって教えてくれない。
「奏は私に意地悪だ‥」
でも‥
「だけど、私に意地悪な奏はもういないんだよね‥」
せっかく王我が帰ってきたのに‥もうあの時には戻れない‥
『そいつは結構なことじゃないか』
「私はいやだ!奏に側にいて欲しいんだよ」
例え王我が帰ってきても、奏も一緒じゃなきゃ‥
『私が隣にいるかどうかは翼が決めることさ』
はっとする。だったら‥私は‥
機器の音が響く。重い瞼を開けると、白い天井だった‥
「先生!患者が目を覚ましました!」
不思議な感覚。まるで世界から切り抜かれて、私だけ時間がゆっくり流れているような‥
そっか‥私仕事でも任務でもないのに学校を休むのは初めてなんだ。
安心して奏。私、あなたが思うほど真面目じゃないから、ポッキリ折れたりしない。だから今日も無様な私を晒している。‥こんな私でも王我に会える資格はあるのかな…?
「翼が目を覚ました⁉︎」
先ほど、病院から連絡をもらったおじさんから話を聞く。
「あぁ、だがまだ面会は出来ないぞ。今すぐ顔を会わせたい気持ちも分かるがな」
やっぱ、俺の考えてることはおじさんには丸分かりか…。あの時の戦いでは、しっかりと顔を会わせられなかったから、今度はしっかりと、と思ったけど‥
「‥わかりました‥。面会可能になったら教えてください」
会えないなら仕方ない。近いうちに会える機会はあるのだから。
その時、俺は知らなかった。これから起こる惨劇にまた一歩近づいていたことを・
ー数時間後
「た〜いへん長らくお待たせしました〜!」
了子さんが司令室に来る。
「な〜に、そんなに寂しくさせちゃった?」
了子さんらしく呑気な返事をする。
「広木防衛大臣が殺害された」
「ええっ⁉︎ホント⁉︎」
おじさんの言葉に流石の了子さんも動揺を隠せない。
「複数の革命グループが仕業だと思われるが、まだはっきりとした情報はない」
「国家が全力を挙げて捜索中だ」
「了子さんに連絡も取れないから、皆心配してたんです!」
響は、ノイズなどの事件は何回か目の当たりにしているが、今回みたいな特殊な事例は初めてで少し、焦りが見える。
「‥壊れてるみたいね」
やっぱ了子さんらしく携帯が壊れてたらしい。響も安心して肩の力が抜ける。
「でも、心配してくれてありがとう。そして政府から受領した機密資料は無事よ」
了子さんは手に持っていたアタッシュケースから一つのメモリーカードを取り出す。
「任務遂行こそ広木防衛大臣への弔いだわ」
了子さんが持ってきてくれた資料をこれからのミーティングで説明しようとしていたところ
「おじさん、現場調査、俺も行きます」
「何⁉︎だが‥」
「相手は広木防衛大臣の警護を破って殺害したんです。きっと相手はやり手。こっちにも多少の戦力は必要です」
「しかし、いくらお前でも‥」
王我さんの言葉に師匠が悩まされている。
そう言われると
「コイツを使います」
取り出したのは、赤と黒のウォッチ。
『ドライブ』
ボタンを押すと、王我さんの服装がスーツに変わっていく。元々身長も高めなので、スーツがよく似合う。
「ドライブの力は警察官、多少なりとは力になれます。今行かなきゃ、今度は誰が襲われるかわからない。それを阻止したいんです」
「‥お前がそこまで言うのなら仕方ない。ただお前はまだ未成年。安全第一に行動してくれ」
王我さんは師匠に対して凄く強気な態度を取り続けた結果、師匠が折れた。
王我さんが現場に向かうという事なので、一度師匠と共に地上に出て、見送りをする。そして、どこからクラクションの音が鳴る。赤色の派手な車がやってきた。まさかの自動運転車だった。
「コイツが俺の愛車、トライドロンだ」
『王我、やっと出番かね』
え⁉︎今どこから声がしたの⁉︎
「悪りぃベルトさん。今、ある殺人事件の調査何だ。一緒に来てくれるか?」
『もちろんだ』
王我さんは車の中で喋っている。カーナビか何かかなぁ‥
「おじさん、そっちに何かあったらすぐに向かいます」
「あぁ、頼むぞ」
王我さんは本当に人のために動けるんだなぁ。私も見習わないといけないところがたくさんある。
「響、俺がいない間頼んだぞ」
そんな凄い人に期待されたら‥
「はい!へいきへっちゃらです!」
期待に応えるしかない!
そして王我さんはトライドロンに乗って、事件現場に向かう。‥ふと私は重要なことに気づく。
「‥って、王我さんいつの間に免許取ったんですか⁉︎」
会議が始まり、今回の作戦についてスタッフ達が了子さんの話を聞く。
「私立リィディアン高等科、つまり特異災害対策機動部二課本部を中心に頻繁しているノイズ発生、更にアナザーライダーの出現の事例からその狙いは本部の再奥区画、アビスに厳重保管されている『サクリストD』デュランダルの強奪目的と政府は結論付けました」
「デュランダル‥」
「かつてEU連合の経済破綻に伴い、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府にもたらされた数少ない完全聖遺物の一つ」
「俺のエクスキャリオンと似たようなものだ」
ちなみに王我さんは今広木防衛大臣の殺害現場に向かっているため、通信機越しに会議を聴いている。
「移送するって言ったって、ここ以上に安全な場所なんて‥」
「記憶の遺跡なら、安全なのではという事だ。どの道俺らが国家役員である以上、上には逆らえないという訳さ」
そうして、デュランダルの移送作戦の準備に取り掛かった。王我さんが調査に出た今、戦力は私一人の為、作戦決行までしばらく休むよう告げられた。
「一体どこに行ってたの⁉︎朝から修業とか‥」
一度準備の為寮に戻ってきたが未来が置き手紙の件について色々聞いてくる。
「いや〜えーとその〜つまり〜」
「ちゃんと説明して!」
「あー、ごめん!もう行かなきゃ」
ごめん。でもやっぱり、言えないよ。
本部に戻り、一息つく。はぁ〜さっきの対応、絶対未来を怒らせちゃったよね〜 私は、目の前に置いてあった新聞を見る。私はある一つの記事に目がいった。
『風鳴 翼 過労で入院』
‥やっぱシンフォギアについては載っていないか‥
「情報操作も僕の仕事でして」
緒川さんだ。
「翼さんですが、一番危険な状態を脱しました」
その一言に私は歓喜する。よかった、無事で。
「しかし、しばらくの間二課の治療施設で安静に、月末のライブも中止ですね」
「さて、ファンの皆さんにどう謝るか響さんも一緒に考えてもらえませんか?」
そっか翼さんのライブ中止か‥私があの時もっとしっかりしてたら‥
「あっ、いや、そんなつもりは‥」
緒川さんの慌てっぷりに思わず笑ってしまう。
「ごめんなさい、責めるつもりはありませんでした。伝えたかったのは何事も沢山の人間が少しずつ、バックアップしているという事です」
王我さんも言ってた。
「だから、響さんももう少し肩の力を抜いても大丈夫じゃないですか」
あぁ、緒川さんは私を励まそうとしてくれたのか。
「優しいんですね、緒川さんは」
「怖がりなだけですよ。本当に優しい人は他にいますよ」
「少し楽になりました。ありがとうございます。じゃ私、張り切って休みますね」
私はその場を立ち去る。緒川さんが言ってた本当に優しい人って王我さん?それとも‥
作戦決行の時間になり、私は地上に出て、作戦の最終確認をする。
「防衛大臣殺害の犯人を警戒して、警護を配備。目的地まで一気に駆け抜ける」
「名付けて『天下の往来独り占め作戦』♪」
作戦は決行され、現在私と了子さんを乗せた車の周りを更に護衛車で守る形態をとっている。
私と了子さんが乗っている車に最重要機密資料がある。シンフォギア装者の私が近くにいた方がいいという意見の元このようになっている。何も起こらなければいいと思うがやっぱりそう上手くはいかない。
敵からの攻撃が始まった。
橋を攻撃され、一台車が橋から落下する。
「了子さん!」
「しっかり捕まってね、アタシのドラテクは凶暴よ」
敵からの猛攻をかわすがやっぱり荒い!怖いよ!
「この展開予想してたより早いかも」
「弦十郎くん、ちょっとマズイんじゃない?この先の薬品工業で爆発なんてあったら、デュランダルは‥」
「わかっている!さっきから狙いが護衛車ばかりとなると、ノイズが誰かに操られている可能性がある。だからあえて危険な場所で敵の行動を封じる作戦だ!」
ヘリの音で多少聞こえずらいがこれから危ないことをするのは間違いない。
「勝算は?」
「そんなこと考えるのはやめた!さっき王我の言った言葉だ!」
そして、車は薬品工業に入るが最後の護衛車がノイズの攻撃により、爆発その爆発からノイズが少し後ずさりする。
攻撃により、護衛車は全滅、私達が乗っている車も横転してしまう。車から出て、とりあえず護衛対象を運ぼうとした
「これ‥重い…」
「じゃあ、それは置いてアタシ達は逃げましょ」
「そんなの駄目です!」
「やっぱり?」
ノイズがまた車に攻撃を仕掛けて車が爆発する。その爆風で私は地に倒れる。
更に、間入れずノイズが再び攻撃を仕掛けてきた。マズイやられる
と思ったが‥
「了子‥さん‥」
了子さんがバリアのようなものを発生させノイズからの攻撃を防ぐ。
「しょうがないわね」
「あなたのやりたいことを、やりたいようにやりなさい!」
私のやりたいこと‥それは‥
「私、歌います!」
この状況を打破することだ!
『Balwisyall nescell gungnir tron』
次回 RIDER TIME戦姫絶唱シンフォギア
「デュランダルが狙いか‥」
「駄目だ、響!抑えるんだ!」
「この反応‥まさか⁉︎」
「行くぜベルトさん!」
「何だよあの赤いの⁉︎」
「ひとっ走り、行ける気がする!」
EP10 フルスロットルトゥギャザー2014→2043