俺の名前は藤木 大地。駒王学園に通っている高校二年である。勉強運動別段得意でお不得意でもなく、顔面偏差値も高くも低くもないオレはごく普通とは若干程遠い生活を送っている。その原因は……
「おい、藤木。甘口カレー二人前が出来た。早く運んでくれ」
「あ、分かりました。キリアさん」
この出身地の街で個人経営のカレー専門店でアルバイトをしていることが原因だと考えられる。まぁちょっと見て行ってくれ。
「甘口カレー二人前のお客様ー」
「おお!オレ様のカレーだ!早く持って来い!」
「ちょっと殿下ー?そういう反応辞めてくださいよー?アタシまで同じやつって思われるじゃないですかー」
注文のカレーを持っていくと、そこには兎の様な独特な長さをした二本のアホ毛を生やした青髪に赤いマフラーをした子供と、同年代のボサついた赤毛が特徴的な少女が待っていた。俺はゆっくりとカレーを殿下と呼ばれた少年の元に置く。すると少年はオレが手を離すと同時にスプーンをカレーに突っ込み頬張る。
「んんん!やはりキサマの作るカレーは絶品だな!今後とも精進するがいい!」
「それは作った甲斐があったというものだな。冷めないうちに早く食べてくれ」
少年は一口食べ終わると満足げに笑ってキリアさんに礼を告げる。対岸不遜ともいえる言い方だが、彼の人となりを知ってる身としては彼なりの誉め言葉であることはすぐにわかる。事実、キリアさんも穏やかな笑みを浮かべてカレーの入った寸胴鍋をかき混ぜていた。あれって特製甘口ブラックカレーだよな?30年不眠不休で作るとか言ってた。
「はーはっはっはっは!当然だ!このカレーはオレさまのものだからな!だったらオレさまが一番満足の出来る状態で食べてこそだ!」
「殿下ー。そんなこと言ってないでちゃっちゃと食べてくださいよー。この後……えーっと何だっけ?とりあえずなんかデカめの結婚パーティに呼ばれてんですし、もう時間無いんですからねー?殿下のせいでアタシまで恥かきたくないですよ?」
「うるさいぞエトナ!そんな事よりオレさまのカレーの方が先決だ!」
「うわー、さすが殿下。人様の結婚式で大事な役目任されてんのに全無視ですか」
少年の言葉に横にいた赤毛の少女、エトナは呆れたような笑みを浮かべながら楽し気にケタケタと笑っていた。それより俺には気になる部分があった。
「結婚式って何ですか?」
「ん?なに?興味あんの?」
「ああ、いや……ただ何となく気になったというか」
「あー別に気にするほどのもんじゃないないない。ただどっかのお嬢様とボンボンが結婚するって事になって殿下も出席する羽目になったのよ。殿下が何も考えなしに了承しちゃうから要らない予定が増えちゃって困っちゃうわー」
「へー」
俺はエトナから告げられる話をどことなーく聞いている様で聞いていない右から左に聞き流す姿勢で聞いていた。自分から振っといてなんだが、そこまで興味深い話ではなかった。
「ん?結婚式……ひょっとしてだが、その結婚する両家の名前はグレモリーとフェニックスじゃないのか?」
「あれ?キリアさん何で知ってんですか?」
「少し前にラハールから聞いてな。面倒な予定が入ったと言って俺の前で愚痴をこぼしていたのをよく覚えている」
「……ラハールさん」
キリアさんの言葉に俺は深くため息を吐く。相変わらずこのラハールさんは言動が子供というかガキ大将みたいだ。本人曰く俺よりもかなり年上らしく、以前彼が不良軍団を一方的にボコボコにしていたのを見たので本人の要望通りにさん付けで年上の対応をしているのだが……
「人様の結婚式の日程をおいそれと部外者に言わない方がいいんじゃないですか?」
「なんだ?オレさまに文句があるのか?」
「いえ、ないです。なんでもありません」
「ふん、ならばいいのだ」
やっぱり慣れない。オレがラハールさんからの威圧に身体を固くしているとラハールさんは何か思い至ったのか、アホ毛二本をピンと上に張る。そして次の瞬間、口に含んでいたスプーンを口から出してそのまま先端を俺に向ける。
「…………そうだ!おい、藤木!」
「は、はい!」
「お前がオレさまの代わりに式に参加しろ!」
「……へ?」
オレがキョトンと立ち呆けていると、ラハール様は腕を組んで高らかに笑う。
「そうだ!それがいい!オレさまは今カレーを食べるので忙しいのでな!貴様がオレさまの代理人として参加すればそれで丸く収まる!これだ!」
「い、いやいやいや!なんでそうなるんですか!おかしいでしょ!!」
「おかしくない!オレさまがいいと言ったのだからいいのだ!おいエトナ!紙となんか書くものを持ってこい!!」
ラハール様は顔を俺に向けたままエトナさんに命令する。するとエトナさんは面白そうなものを見る目で答える。
「はいはい分かりましたよ殿下。つーわけでなんかかくもん頂戴キリア?」
「ここにあるが?」
途中から話を聞いていたのか、キリアさんが紙とペンを持っていた。ラハール様はそれを見るとひったくる様にとると、その紙に一心不乱に殴り書きでもするように雑な字で分を書き連ねていく。
「これを主催者にみせろ。そうすれば大体の奴は言う事を聞くだろうしな。もし不平不満を言う奴が出たならオレさまが直接手を下すと言って脅せ」
「いや、だから行かないって」
「それでは任せたぞ。エトナ、飛ばせ」
「はいはーい」
ラハール様がそう命じるとエトナさんは指を数回振るってその後僕に向ける。何をしているのか気になったが、訪ねようとした次の瞬間には俺の目の前にウェディングドレスを着たグレモリー先輩が金髪のホスト被れと一緒に立っていた。
「あれ?どこ此処?」
「皆さま、本日は我がライザー・フェニックスとリアス・グレモリーの結婚式にお集まりいただき、誠にありがとうございます」
横でそう高らかと宣言するライザーの声を聞きながら私はこの状況をどこか他人事のように聞いていた。お互いの婚約を掛けたレーティングゲームに私は負け、いよいよ私はこの男のものとなる。ずっと憧れていたこのウエディングドレスも今はとても憎たらしい存在に見えてしまう。この姿は横にいるライザーのためではなく、あの子のために見せたかった。しかしそんな思いも今は無駄に終わる。こんなことになるならあの子に自分の思いを伝えればよかったと思う。幼いころの危機を救ってくれたあの子。人間界の高校に入学してその姿を見た時にドキッとしたことをよく覚えている。ああ、ダイチ。最後にもう一度だけ…………
そう思っていると、目の前で突如魔法陣が浮かび上がる。この文様は……
「エトナさまだ!エトナさまがいらしたぞ!」
「もしかしたらラハール様も来るかもしれん!急げー!全員準備に入れ―!」
遠くから聞こえてくるその言葉に私はいよいよかと達観し始める。
魔神エトナ。『超越者』以上の実力を内に秘めているとされている彼女は表舞台に立つことはあまりないとされ、彼女の一言は絶大な影響力を持っているとされるお方らしい。私はお兄様からしか話を聞いたことは無いけど、今回はそんな彼女を従えているラハールというお方が結婚の後見人になっているのだという。彼が来たという事はいよいよもってして結婚までの時間が秒読みで進んできているという事だ。私は受け入れがたい現実を拒否する様に目を閉じた。しかし、聞こえてきた声は、聞きなれた声だった。
「あれ?どこ此処?」
その声にパッと目を開けると、そこには『カレー専門店 KIRIA』と白い印刷で書かれた黒いシンプルなエプロンにお盆を持っ大地がぽつんと立っていた。
「その結婚ちょっと待った―!……ってあれ?何この空気?」
その後に入ってきたイッセーの大声がなんだか空しく聞こえた。
一度瞬きしたらなんか知り合い(18)の結婚式会場にいた件について。
なんでこんな場所にいんの?ひょっとしてここがラハール様の言ってた結婚式場?まじでか。つーか目の前にいるのって……
「グレモリー先輩?何してんすか?」
「だ、大地……!」
あれ?なんか泣き出しちゃったぞ?って、そりゃそうか。自分の晴れ舞台にこんな間男みたいな登場したらそりゃ怒るわな。ただグレモリーさん、ちょっと俺の言い分も聞いてほしい。
「グ、グレモリー先輩。これには訳がですね……」
「なんだお前は!この俺とリアスの結婚に堂々と割り込んでくるとは!覚悟はできてるだろうな?!」
「か、覚悟?」
なんかとなりのホスト被れが割り込んできたぞ?いやいやていうかちょっと待って。別に割り込んできたわけでは……
「いいだろう!だったら容赦はせん!骨も残さず消し炭にしてやろう!」
「ってうぉおおおい!!」
なんで業火球が飛んでくるんですかね?!オレは咄嗟にその場から飛び去るが、再び火球が飛んでくる。
「待って待って待って!主催者いません!?ちょっと渡したいものが!!」
オレはラハールさんに渡された紙を高らかに掲げて声を張り上げた。
「ライザー君、少し待ってくれ」
その時に響いたその優しい声は火球で轟音響く会場内ではやけに耳に届いた。その方に顔を向けると赤毛の中世の貴族が着ているような鎧を身に纏ったグレモリー先輩似の男性がいた。つー化顔面偏差値やべぇな。
「え、えーと……」
「君、名前を教えてくれないかね?」
「あ、藤木大地って言います。この度はご迷惑を……」
「いや、気にしないでくれ。私の名前はサーゼクス・ルシファーという。それより、その手紙を見せてくれるかい?」
「ど、どうぞ」
オレはリアス先輩似の男、ルシファーさんにラハール様の書いた手紙を渡す。それをルシファーさんが受け取って読み進めていると、次第に顔色が変わっていく。
「なるほど…………この会場にいるすべてのものたちよ!」
「!?」
読み終えると、ルシファーさんはすぐさま会場にいる全員に聞こえる様に声を張る。急に叫ぶからびっくりした。
「これよりここにいる藤木 大地くん。否、藤木大地様はこの場に限り、魔王ラハール殿下の代行人とする!以後、彼の意見は全てラハール殿下のお言葉!これに背くものは全てラハール様の怒りを買う事と知れ!」
「は!?」
唐突な態度の変化に俺が付いて行けず動揺を露わにする。しかしそれを無視して話は進んでいく。
「ら、ラハール様の代行人だと!?見ず知らずの人間風情が!?」
「サーゼクス様!これはどういう了見ですか!?この重要なこの結婚の後見人であられるラハール殿下の代理をこんな人間に託すなど!正気の沙汰ではない!!」
ちょっと待って。なにこの動揺ぶり?ひょっとしてラハールさんってすごい人??なんか俺のせいでどんどん話がわけわかんない方に進んでいってるんですけど?!ていうか人間風情ってどういう事?
「それは私の管轄外だね。とにかく、ラハール殿下はこの青年を自分の代理人として推薦した。それだけは確かだ。この紙にそう書いてある」
ルシファーさんは会場にいる人たちに見える様に高らかとその紙を掲げる。おれもそれを見る為にのぞき込むと、そこには
『この紙を持ってきたヤツはオレさまの代わりだ!オレさまは今どうしても片付けねばならない事があって参加できん!なのでそいつをオレさまとして参加させろ!もし文句がある奴がいればオレさまが直接問答無用で叩き伏せる!! ラハール』
と書かれていた。
(まじでナニモンなのラハールさん!?)
おれはそう嘆くしかなかった。
力尽きた……
書きたいシーン
閣下にウラディ、強さを語る
「いいかギャスパー・ヴラディ!お前が真に強さを求めているのならば!
「な、なんなんですかこの人ー!」
出会ってはいけない二人?
「はー!!遂に愛の力に目覚めたんですねゼノヴィアさん!!素晴らしいです!その調子で愛とは何なのか!私と一緒に探求していきましょう!ラーブアンドピース!ラーブアンドピース!!」
「うむ!愛とは何なのか、教えてくれて感謝する!しかし私もまだまだ未熟な身。ご教授を願うぞ。らーぶあんどぴーす!」
「おいエトナ。なんだかあの二人は出会ってはいけないような気がしてならないんだが?」
「あれ殿下?今更気付いたんですか?おっそいですねー?」
「気付いたのなら早く止めに入れ!」
「えー?だってぶっちゃけ面白そうじゃないですかー!そんなのそりゃ放置するでしょ!!」
シスコン三人
「今日こそケリをつけようかヴォイド君、セラ。僕のリーアたんが最高だという事を!」
「違うわサーゼクス君。私のソーナちゃんが至高よ」
「下らん言い争いは他所でしてくれ。オレは参加する気はないぞ。姉さんが一という事は変わらんのだからな」
「ねぇ、今日で何回目かしら、ソーナ……」
「そうね……百回あたりを超えたあたりから数えるのをやめたかしら」
「相変わらず楽しそうにお話してるわね!アタシも混ざってこようかしら!」
「「辞めといた方がいいと思うわよ」」
恋バナ
「それがアデルと余の出会いであった。今にして思えば、いい思い出だったかもしれん」
「へー、そんな感じだったんですね。本に書いてある事と全然違いました」
「真実は小説よりも奇なりという奴じゃぞ、アーシア。今まで真実だったと考えていたことが全てそうとは限らん。余も昔はそうであった」
「それがきっかけで吸血鬼さんは血を飲まなくなったんですよ。面白い方でしょう?」
「あー!私もそんな出会いをしてみたかったです!!どうして私だけ行き遅れなんて……」
「あらあら、そう気を落とさないでください。あなたは素敵な女性なんですから、きっといい殿方と出会えると思いますよ?」
「ううー!アルティナさーん!!」
「おい、さっきから何の話してんだ女ども?」
「おいおいアデルちゃんよー!分かってて俺様に話振ってんのかー!?だとしたら買ってやろうじゃねぇかその喧嘩!おんどれどつきまわしたろかい!!」
「うお!やめろってのおまえ!」
イッセーの修行相手
「えっと、よろしくお願いします……」
「キリアだ。よろしく頼む」
「えっと、俺の修行相手って……」
「オレが請け負う事になった。正直言うと、ゼロッケンの方が指導には向いているんだが、生憎予定が合わず俺という事になった。後からレッドマグナスも来る予定だ」
「誰ですその人?」
「俺の仲間だ。とにかく、今日はオレ相手に一対一の訓練といこう。やるからには全力でやるぞ」
「いや、あの……」
「おーい!一坊!とっと出てこーい!ぶつかってこなけりゃ超絶強くなれねーぞ!!」
『おい、呼んでいるぞ』
「ふざけんじゃねぇよドライグ!あんな超絶パンチ見た後で対抗できるかっての!」
「…………出てこねーな。よーし、ならオレから仕掛けさせてもらうぜ!キリアからビシバシ頼むって言われてんだよ!…………『魔奥義・超絶轟筋のユニバース』!!」
「へ?」
「レッドマグナスの兄貴……なんだそれ?」
「いやー!超絶出力ミスっちまったぜ!!」
誰か書いて……手助けするんで
ディスガイアRPGにはまって書いた。
誰か続きを……