この敵の影響ででタグを一つ増やす事を考え始めた。
瑠璃が仲間になり一ヵ月後、順調に陣地を広げて言った俺達の軍、名前は直刃の頃からの引継ぎの〈武装神〉は、そろそろ一番の軍である〈剣〉(読み方はつるぎ)についての対策をとることにした。
「その軍は、将軍以外は歩兵を含めて仲間を誰一人持たないのに一番強いってとこだよな。という事は、その………誰だったっけ?」
「宮部 方人(みやべ ほうと)。通称BUSHIDO」
「そうそう。ありがと勇気。その方人って奴、完全にチートキャラだろ。たった一人が最強の軍って」
「わたしが持っている個人データからは、最速で致命撃で戦国人としか書いてありません。多分言うまでも無く最強かと」
創始者の孫娘ですら詳しくは無いのか。つかみ所が無い。
戦っている途中に変な事を言うらしいのと、相手の得物が片手剣一本だという事。それと、彼が直刃が通っている剣道場の無敗の先輩だということが分かっている。はっきり言って、現実でも無敵っていうのはこちらにとってかなりきつい。
「そのために、僕が新しい機体を完成させたんだけどね」
そう、オレの機体がついに完成した。
「アクセルバスター!」
俺は機体を高々と掲げ、それを眺める。この言い尽くせないかっこよさ。ついに俺専用の機体ができたんだなぁって感じ。戦国っぽさは皆無だけど。
「操縦者が持つスピードに、機体のパワーを加えた、最高の機動機に仕上げたよ。中身のコアスケルトンはちゃんと移植しておいたから、前の機体のデータもしっかり残ってるし」
カズが自信満々に言ったところで、警笛が鳴る。
「じゃあ、出撃としますか」
「今回の相手は、先ほど話の上がっていた宮部 方人です。気をつけないと、即、やられますよ」
その警告を心の中にとどめたところで、〈剣〉の本拠地である城へ着く。
「皆、くれぐれも慎重にな。っておい! 直刃!」
この軍の中で一番の機動力を持つ彼女の機体は、城の壁を駆け上がり、天守へ行ってしまう。
「アイツ、先輩に挑むってことなのか。でも、」
データであった通り、彼が無敵ならば、彼女は……。
俺達は直刃の後を追いかけるため、階段を上る事にした。
「直刃か……」
「そうだ。貴様に幾度も惨敗した過去を消すため、今ここで勝つ!」
そう、勝たなければ、自分が剣道と同じぐらいこの玩具に注ぎ込んだこの気持ちを無駄にする事になる。
「おもしろい……」
先輩は剣を両手で構え、疾風さえも射るような速さでこちらに突進してくる。
「ぐぅっ」
その一撃はまさに、最速なる風のよう。そこからの連撃は怒涛に迫る炎のごとく、近づくものを消しつくす。
「しかし」
わたしがその対策を怠った日は一度も無い。
―――――『本当に俺なんかが相手になるのか?』
『ああ、だから、全力できてくれ、あの人に勝つためにも』
『わかった。じゃあ、いくぞ!』―――――
そう、才人の攻撃は、あの人とは違う所があるが、十分な速さを持っている。だから。
「その攻撃は、見切れる!」
一撃一撃を剣でいなし、その流れの中で一番間隔が空く時を狙い、一撃を決める。一撃の決め方は、健二の忍者風の攻撃方法から盗んだ。
「だああああっ!」
届く!
「おお!」
ガシンッ、という音に気付く。
「なんだと……」
私の全てをかけて繰り出した一撃を、剣の持ち手で防いでいたのか……。
「この剣(つるぎ)が折れる事は無いからな」
先輩は流し見るような目でこちらを見据える。
「しかし、わたしが戸惑ったのは久しぶりだ」
この対応の速さで、戸惑っていただと……。と、驚くのもつかの間、先輩は剣の切っ先をわたしに向け、睨む。
「だが、もう二度と迷う事は無い。せめて緋色の塵と果てよ!」
そう言ったのと同時に、わたしの目では先輩を捉えることが出来なくなる。その速さは、先輩の機体、ウィンドブレイカー(通称であり、正しい名前はまだ分からない)の本領である突出した反射神経を最速で伝達するという機能がなせる業だ。
「はあっ!」
後ろから放たれたただの斬撃は、雷鳴が轟くような強さと速さ、そして美しさを持っていた。
「負けるのか。こんなにあっさりと……」
目を閉じる。もう何も見たくない。
絶望、この一撃は、そう呼ぶにふさわしかった。
「あきらめるなッ!」
「はっ」
目を開けると、彼の機体が、その一撃を切り飛ばしていた。
「才人……」
彼が、守ってくれたのだ。最初は忌み嫌っていた彼が、仇を恩で返すように。彼は動きを止められた先輩に向かい、堂々と言う。
「アンタが〈剣〉のリーダーか。悪いが、こいつをそう簡単にうちから出させるわけには行かないんでね。戦うならオレと戦ってもらおうか」
そんな、
「無茶だ。いくら機体の強さや技術の凄さがあっても、先輩には超えられ無い差が……」
「大丈夫だ」
彼はそう言う。何故、と問うと。
「こういう時に守りたい奴を守れないと、かっこつけた甲斐が無いだろ」
とはにかんで答えた。ちゃんと答えていないが、これが彼なりの言い方なんだろう。
「だからせめて、俺が負けた時のために、今は全力で逃げてくれ」
彼の目は、今は機械だが、その中に込められた意志の強さは、確かに感じ取った。
「で、アンタさんはいいんだろ?」
彼が振り向かずに先輩に問う。
「ああ、もう興味はない。去れ」
「それはひどいんじゃないのか」
先輩の冷たい視線が見えるような気がした。私はその視線と、才人の熱さで中和された感覚を起こし、天守から降りた。
「さて、作戦上俺も退散したほうがいいんだが、あんたは許さないんだろう?」
「ああ、私の一撃を受けなかったとなると、私と似た常住戦陣の心得が出来ていると考えたのでな」
「意味不明って言うのはこういうことか。でも、俺もかっこつけちゃったから引けないんだよね」
そしてお互いに構える。
「さてと」「いざ」
「「参る!」」
いきなり相手は高速移動をする。その速さは俺以上だと感じたが、
「だあっ」
その軌道上に素早く剣を出せば、当たる。
「でも、簡単にはいかないか」
その一撃は相手が早ければ早いほど強いのだが、相手は機動をずらして回避する。
流石に一筋縄じゃいかないってことか。なら
「相手の軌道上に剣ではなく自分を行かせ、そして避けようとした私を撃つ。か?」
「なっ」
読まれてる。これじゃあ実行できない。
「ならば」
剣を瞬時の判断で相手の前の壁に刺す。それを相手が上に避けると同時に。
「爆破!」
剣の刃が無い方の、コンバットナイフのような凹みのあるところから、弾丸が発射される。
「ぐうっ」
その予測できなかった攻撃により、相手は一瞬隙を見せる。オレにそれを見逃すほどの心の余裕は無い。相手に高機動機お自慢のダッシュで駆け、剣を掴むと同時に相手を上に蹴飛ばし
「必殺ファンクション」
〈斬場の一閃、改〉
相手から見れば、一面をエネルギーで覆っている様に見えるほどの大きなエネルギー刃が狙う。
空中ならこれほど当たり判定のある強力技を避ける事は出来ないはずだ。
しかし、
〈必殺ファンクション、ビックバンスラッシュ〉
エネルギーの刃を相手も出し、相殺(読みはそうさい)される。
「でも、まだオレの策は尽きていない」
そして俺自身も空中へ跳ぶ。そこから直に攻撃を当てれば、
「必殺ファンクション――――、ソードビット」
何!と思う間も無く、エネルギー製の剣が何本も現れる。それは全て俺を狙うため作り出されたもの。空中ではこっちもあまり動けない。
「空中対策もしっかりしているなんてな。用意周到な奴だ」
最強のはずなのにここまで先の対策がしっかりしているなんて。驚きものだ。
しかし、ここであきらめるのはらしくない。かっこよく終わるためにも。かっこよく終わらせるためにも。
「だから、俺も利用させてもらうか」
この場所で見つけ、気付いた一つの野望。
「ダブルマインドシステム、最大出力で機動!」
ここは実験施設なのだ。この二人分頭を使わせる事が出来るシステムの。
「超展開だぜ。ヒャッホウ!」
この前他のメンバーの部屋を覗かせてもれったけど、俺が使っているような椅子のようなものは使われていなかった。
その後裕香に問い詰めると白状して、色々教えてくれた。
俺もあんまり詳しい事はわかんなかったけど、このシステムっていうのは、自分の人格コピーを自分の脳内に新しく作って、時間になるとそれを使わせて戦う。いわば戦闘マシーン作りってとこだけは分かった。
「戦闘マシーンなら戦野郎も倒せるかも知れねえっていう寸法だ」
俺は剣を使い、自分を狙うビットだけを綺麗に二枚おろしにした。
前の話との間がぶっ飛んでると思ったらすいません。
その前の話は書くつもりがあります。