モブ厳な世界で時の王者やってます。 作:あんこパンパンチマン
すみません、今回は話は短いですし展開も特に進んでないです。次回から原作突入予定なのでその為の繋ぎといいますか…。
そしてたくさんのお気に入り登録ありがとうございます! 感想も一人でニヤニヤしながら読んでます。
そういえば皆さんXV10話もう見ました? やっぱりザババコンビいいですよね。そしてお腹にメジャーを巻かれて赤面してる響がただただ可愛かった。
オーマジオウごっこしながらアイドル戦士たちと接触して早数ヶ月、時計屋を営みつつジオウに変身してノイズを殲滅して生活していると向こう側からこちらに接触して来ようとする機会が多くなった気がする。
この間なんて「ご同行願います。断るというのならあなたを力づくでも確保します」みたいなこと言われてツヴァイウィングの青い方、風鳴翼に勝負を仕掛けられた。
まあ適当に相手して逃げたが。下手に怪我させて敵対認定とかされても困るし。
「……やっぱりこの世界に仮面ライダーは存在してないのか」
ネットから得た情報や事件現場、新聞の一面なんかを切り抜いてまとめたファイルを見直すが俺が求めるような情報はこれといってない。何かの役に立つかもと思ったがそうでもなかったようだ。
特異災害ノイズ、それがこの世界に存在する仮面ライダーの怪人だと思っていたが違うのか。仮面ライダーの都市伝説や噂話、ネットでもそんなものは一切なくこの世界に来てから聞いたこともない。
そして仮面ライダーとはまた違う力を持つ存在、歌って戦うアイドル戦士だ。
……謎だ、本当に謎だ。けどもしかしたら彼女たちアイドル戦士がこの世界の仮面ライダーのような役割を担っているのか?という事はもしかしてここプリ○ュアの世界?……いや流石にそれはないか。
集めた資料と睨めっこしているとお客さんの来店を知らせるベルが鳴る。ファイルを棚へと片付けて受付に出るとそこにはお客さんの姿はなく。
「いらっしゃいませーって…なんだ、響か」
「うぇえ! な、なんだってなんですかその反応は〜、せっかく遊びに来たんですよ私!」
「ははっ、呼んでないから。さてお客様お出口は後ろになります」
「帰れと!? ううぅぅ…未ぃぃ来ぅぅ!ソウゴさんがいじめてくるぅ!」
「はいはい、わかったから抱きつかないの。もう、ソウゴさんもあんまり響に意地悪しないでくださいよ」
「ごめんごめん、冗談だって。いらっしゃい二人とも、どうしたの?」
あの日を境に繋がりを持った立花 響と小日向 未来の二人がいた。あの後、俺は連絡先を教えた未来と何度か連絡を取り合っていた。未来から俺の連絡先を教えてもらった響からも連絡が届き、次の日御礼の品を持った響とそれについて来た未来が時計店に訪問してきた。
響が持ってきた御礼の品の饅頭は部屋の時計の針が丁度おやつの時間を指し示していたので俺、響、未来の3人の胃袋の中に収まった。二人は遠慮していたが一人で食べきれる量でもなかったので半ば強制的に食べさせた、美味しかったです。
その後たわいない話をして解散、では味気なかったのでその日いくつか入っていた時計の修理の依頼を響の気分転換にと思い手伝ってもらった。慣れない作業に戸惑いながらも楽しそうにしている響と未来の姿を見て手伝いを頼んだのは正解だった。
その日から二人はこうやってちょくちょく遊びにきている。二人を名前で呼んでるのも遊びにきた二人が俺の方が歳上なのに苗字にさん付けで呼ばれるのもなんだか変な感じだし友達なんだからもっと砕けた感じで名前で呼んでほしいと言われたからだ。
「今日はどうしたの? 急に遊びにくるなんて珍しい。はい、どうぞ」
「あ、わざわざすいません」
広間の隅の方に設置されている来客用のソファの上に腰を下ろしている二人に奥の台所で注いできたお茶をトレイに乗せて差し出す。
「これから私と未来とさらに
「え、俺も? 楽しそうだけどこの後お客さんが来る事になってるからなぁ…当日に言われても困る」
「ええ!? そんなーー!」
「だから先に連絡しようって言ったのに」
「だ、だってぇ…この前に急に誘った時は大丈夫だったんだもん」
「ちわーっすソウゴさん。おっ! やっぱりここにいたのか二人とも」
ベルがまた鳴ると今度は別の二人組が来店。
そこにはアイドル戦士、いやツヴァイウィングの二人である天羽 奏と風鳴 翼の二人が来店していた。
天羽 奏と立花 響の出会いは今から三ヶ月ほど前だ。前よりもいじめの頻度は低くくなったがそれでも完全にはなくならず、いくら家族や未来の支えがあったとしても響は心身ともに疲労していった。
そんな響の前に奏は現れた。俺が渡したデータと自ら足を運び響の置かれている想像以上の惨状を目の当たりにしたのだろう。
学校から帰宅し響の家に到着すると家の前には奏がいた。家の前で呆然と立ち尽くしていた奏は響を見つけると目を見開き、自分たちのせいで辛い思いをさせてごめん、ごめん、と最後に泣きながら『生きていてくれてありがとう』と抱きしめながら伝えていた。
そして響も途中からギャン泣きで泣くわ泣くわ。なぜか途中で未来ももらい泣きし始めるし。
なんでそんなに詳しく知ってるのかって? そりゃあ隣で見てましたから。
最近いじめっ子グループ + その兄貴の不良グループが周りをうろちょろしていて行きと帰り道を先回りして待ち伏せしてるようなことが多いらしく、何とか裏をかいて逃げているがしつこいので助けてほしいと連絡されしばらくの間送り迎えしていた。
俺の学生時代には存在しなかったリア充イベントじゃん、なんて思ってたら普通にキツかった。
向けられる好奇の視線、身体中に穴が空くんじゃないかってくらい見られてた。いくつか嫉妬混じりの突き刺すような視線も向けられた、二人とも可愛いしモテそうだからそういった視線が混じるのはわかるが、そんな嫉妬の視線を向ける前に気になる女の子なら勇気出して助けてあげなさいよ。
そういえば送り迎えする為だけにライドストライカーに簡単に取り外し出来るサイドカーをくっつけたのと、俺は気にしないが二人はバイク慣れしてないのでスピードを出しすぎないように気をつけて運転するのが大変だったな。
奏と未来は当然初対面、そして俺も常磐ソウゴとしては一応初対面という事になっているので軽く自己紹介。未来は相手がツヴァイウィングの天羽 奏だと気付いてカミカミな自己紹介してた、その様子に俺と奏は苦笑い。
その後帰り際に連絡先を交換してから奏は響に何か内緒話をしていた、多分コンサート会場で見たのは秘密にしておいてくれ的な事を言われてたんだと思う、未来に何の話をしてたのか聞かれても誤魔化してたし。
「響のその様子からすると、無理だったかー。ソウゴさん社会人だもんなぁ」
「こんにちわ常磐さん。何の連絡もしてないのに急にすいません、立花がどうしても誘いたいと言っていて」
「いや、こっちこそごめん。わざわざ誘ってもらったのに……因みにみんなでどこに遊びに行く予定だったの?」
「…その、えと、私はこういう事に疎くて、奏や立花と小日向に全部任せっきりといいますか」
頬を赤く染めて恥ずかしそうに視線をそらす翼。
まだ短い付き合いだが確かに翼はなんだかそういう事に興味がない、という訳ではないのだろうがオシャレとか今時の女の子が好きそうなモノに詳しくなさそうというか不慣れなイメージがあるな。
逆にそういう事に詳しそうな未来に視線を向けると。
「リディアン音楽院の近くに最近できたクレープ屋さんがあるんですよ。美味しいって評判が良くて前から気になってて、みんなでそこに行ってからお洋服とをショッピングしつつカラオケにでも行こうかなって予定してたんです」
「うう…みんなでカラオケ行けると思ったのに」
「仕方ないでしょ。ソウゴさんだってお仕事があるんだから…」
現役アイドルを二人も連れてカラオケとかすごいな、お金払ってもいいレベルだぞ。しかしその予定まじで女子の休日感半端ないな、誘ってくれるのは嬉しいが俺の場違い感すごくない? よく俺のこと誘おうと思ったね。
「ソウゴさんのその格好から察するにさっきまで作業してたのか?」
「ああ、一応ね。昨日お客さんが持ってきた古いタイプの電子レンジを軽く分解して直してたんだ。その後少しだけ休憩してた」
「へ? 電子レンジ? …ここ時計屋なのにか? 」
「うん、うち時計屋なのにね」
電子レンジを修理したことを伝えると信じられないようなものを見たような表情を浮かべている奏の様子に思わず苦笑いを浮かべてしまう。
少し前にここを時計屋ではなく家電製品の修理屋と勘違いした忙しないお爺さんが訪ねてきた事があった。時計の修理かと思って出迎えたらオーブントースターを手渡されるもんだからびっくりして固まってしまった。
お爺さんはこちらの様子を気にすることなく要件と連絡先だけを伝えてすぐさま何処かへ行ってしまった。呆然とオーブントースターを抱えたまま残された俺、最初は連絡を入れて断らせてもらおうかと思ったが。
その時、おじさんなら「なんでだろうね」と苦笑いを浮かべながら受け取ってなんだかんだで修理してしまうのだろうと思った。なんでも直してしまうおじさんの隣でその手伝いをする自分、それがなんだかとても懐かしく感じてしまった。
翌日、ここが普通の時計屋だと気付いたお爺さんが謝罪しながら昨日と同じように慌ただしい様子で来店してきた。そのお爺さんに修理したオーブントースターを渡すと酷く驚かれた、まあ普通そうなるよね。時計屋に間違えて渡したものがキッチリ修理されて戻ってきたんだから。
その後どこかで噂が広がったのか、こうして時計とは関係のないものを持ってくる人が何人かいるのだ。まあちゃんと断らない俺も俺なんだけど。
「ほら、行くぞ響」
「うっ! 奏さん引っ張らないでくださいよー。じゃあ今度は連絡しますから予定空けといてくださいねー! 絶対ですよー!」
「すいません。なんだかお仕事中に騒がしくしただけみたいになっちゃって…なにかお土産買ってきますから期待しててください」
「今度遊びに来るときはちゃんと事前に連絡を入れてから遊びに来ます、ではまた」
退店した奏と響のまるで姉妹のような姿に苦笑いを浮かべていると未来と翼の二人も申し訳なさそうに頭を下げて響達の後に続いて店を出ていった。
先程まで賑わっていた広間が嘘のように静まりかえる、なんだか四人が来ただけで部屋の温度が上がったきがするぞ。とりあえず修理作業に戻るかと軽く身体を伸ばしながら奥の部屋に戻ろうとすると、また来店を知らせるベルが鳴った。響達が何か忘れ物でもしたのかと思い振り返るとそこには派手な赤いシャツに派手な色のネクタイを胸ポケットにしまったやけにガタイの良い男性が立っていた……つよい(確信)
「先日時計の修理の依頼をした者なんだが、いまは大丈夫だろうか?」
「……へ、ああ、全然大丈夫ですよ。それで修理したい時計はどんな時計なんですか?」
「それがこの腕時計なんだが、最近調子が悪いなとは思っていたが古い時計だからそこまで気にしていなかったんだがとうとう、うんともすんとも言わなくてなってな」
ガタイの良い男性に驚いたが気を取り直して、胸ポケットから取り出された金色の腕時計を受け取り状態を確認していく。
…すごいな、確かに古い型の時計だがかなり状態がいいな。外側に問題はなさそうだから問題があるとすれば内部パーツとかかな。
「これなら多分直ぐに直せますよ。それに大事に使われてるんですね、傷も少なくて状態もいいし。普段から腕につけたりはせずに使ってるんですね」
「……すごいな、そこまで分かるものなのか? 」
「まあ、色んな人の時計を見てると結構わかってくるものですね。傷が付く場所が大体同じだったりする事が多いんで」
普段から時計を腕に付けている人の時計は大抵同じ場所に傷がついたりしている、擦れて出来た傷だったりぶつけた傷だったりと。
ベルトの留め金を確認しながら弄ったりしていると目の前のガタイのいい男性からものすごい凝視されている事に気づく。
「……えっと、なにか?」
「ん、ああ、すまない。……ひょっとして君が常磐ソウゴ君か?」
「え、俺が常磐ソウゴですけど…」
「やっぱりかっ! 鶴さんの言う通りだな、真っ直ぐないい目をしてるっ!」
…え?この人鶴さんの知り合い?って痛っ! めちゃ痛いっ! 急に笑顔になったガタイのいい男性がビシバシと背中を叩いてくる。内臓飛び出ちゃうんじゃないかってぐらい痛いんですけど!?
「ちょ、痛い!? 痛いから! てかあんた誰!? 鶴さんの知り合い!? 」
「お! じゃあ自己紹介だな、俺は風鳴弦十郎。そうだなぁ…わかりやすく言うと鶴さんの元部下って所か?」
「え? 元部下? ってことはあんたこの時計店で働いてたのか?」
「ん? あー、いや。この時計店じゃなくてな。詳しくは言えないが昔同じ会社に勤めてたんだ。この時計も昇進祝いに鶴さんからもらったものなんだ」
へー、そうなのか。そういう話は聞いたことなかったし、なんか意外かも。どこの会社なんだろう、あとこの人、弦十郎さんだっけか?スーツ出勤だとしたらぴっちりとした黒スーツとかガタイ良すぎて似合わなそうだな。
「よし! じゃあこれが俺の個人的な連絡先だ、修理し終えたら教えてくれ。後の事は任せたぞソウゴ君っ!」
「はっ?ちょ!…行っちゃった」
豪快に笑いながら店を出ていった弦十郎さん。しかしビックリして途中から敬語が抜けてたな俺。まるで嵐のような人だったな今の人。
……そういえばさっき“風鳴”って言ってたか? 年齢的に父親でもおかしくはなさそうだが、流石に偶然だよな。
……きっと偶然だ。あんなゴリラみたいな人が翼の父親だとしたらかなりのお母さん似だぞ。というかあの人の遺伝パーツどこにも存在してないぞ絶対。
最終フォームのグランドジオウ、最強フォームのオーマジオウ、究極フォームのオーマフォーム。
どれも強いしかっこいいけど自分はジオウIIが一番ちゅき。