真っ黒な雷雲の下
私は怯えていた。
顔には出してはいないし行動もない
でも。
怖かった
『受け入れられる』自信がない。
私は弱い
いつもは自分の立場を使って無理矢理奮い立たせているがそもそも私にはそこまで
目の前にある小さな仮設の小屋を前に私は・・・止まりたかった
「・・・あぁ、手厚い歓迎だ」
扉を開けると部屋の中には無数の砲を向けた小娘達がいた。
ただ、戦意を感じない。
むしろ怯えている様にも見えた。
「う~ん、もうちょっとするどくできないかなぁ? その程度の意思じゃあ播磨には一発も届かないよ」
「いや、意思どうこうで播磨さんの装甲は無理ですよ」
取り敢えず外野の口に飴をぶちこんでゆっくりと近づく。
懐かしい雰囲気と
寂しい感覚
帰ってきた?
わからないけど、私は退けない。
「・・・随分と老けましたね『二葉さん』」
「・・えぇ、もう死にかけの老兵です・・つっちー」
「ふふっ、皆さんその呼び名好きですね」
「お気に?」
「構いません、あの振り回されていた貴方が今や臨時の元帥とは」
そっと手を握り熱を感じとる。
本当にもう長くないと言える感じではあった。
「播磨!!」
「!?」
咄嗟に手を離し距離をとる。
なぜ握っていた
なぜ穏やかに話し合っていた
わからない
怖い
「・・・そうでしたね」
「あぁ、そうかそうだな」
壊れそうだ
狂いそうだ
歪んでいる
「・・・・いいんですか、タイラントさん」
「蒼ちゃん、私も善意で動きたいけど、先の事を考えるとね・・・『彼女』ではきっと駄目だ、予想した未来と現実は違うんだよ、それに私もあんたも上にたてる立場でもないでしょ」
「(´・ω・)」
「・・・『二葉元帥』、私が貴方にする要求はありません、もう底が知れました」
主砲に砲弾を装填しそっと向ける。
「そうですか・・・いえ、『立場』を重んじるあなたには当然の結果ですね・・・私一人で貴女が救われるなら私はその罪を受け入れましょう」
「・・・・・・・」
なぜ迷う?
引き金が重い
もう、意味など無い
無いはずなのに
「どおして、私に引かせてくれないのですか」
そっと彼を抱き締めていた。
「ふふ、やっぱり『つっちー』は優しいですね『駿河』さん」
「当然でしょ、例え未来でも家族、ならばそれは『庇護』する対象よ・・・まぁ、結構賭けに近かったけどね」
「うげっ駿河」
・・・は?
「え?いやちょっと待ってください、あのとき私、貴女を機関を塵も残さず消したのになんで生きてるんですか」
「え、えぇ、そうよ、私、あのとき・・・」
「あーあれねうん、姉さんや天ちゃんはしらないかもしれないけど結局私達根本がデータだからさ、全身が吹っ飛んでも一世紀単位で『お母様』の体から再生できるのよ、いわばあれね、ゲーム機本体がつぶれてもメモリーカードがあれば同じのをそっくりそのまま別のでも使えるのよ」
「はじめて知った・・・いや、一世紀毎に復活とか糞すぎじゃ、あなた達のために数億人死んだのに一瞬で復活とか」
「・・・ねぇ、じゃあ私がやったこと」
「うん、姉さん、凄い気迫だったせいで真相を知ってた人達が誰も言う暇がなくて困ってたよ」
あほくさくなってきた
なにさ
「・・・・そう、なんだ・・・じゃあ近江も」
「・・・まぁ、うん、居たよ、少し前まで」
「取り敢えず深い話は本部でしませんか?」
すっかり忘れてた。
「え、えぇ、ちょっといろいろあったけど、取り敢えず「二葉さん!!!」」
立ち上がり駿河の頬っぺたをぷにぷにしようとするとなんか眼鏡の娘がきた
凄い顔が切羽詰まってるけどなんだろ
「どおした、またか」
「いえ、横須賀が・・・私達が移動直後に消滅、さらに一部鎮守府が消滅しました、それもなんの前触れもなく」
あ、これ総旗艦クラスだ。
消えたってことは大方あのロクデナシかルフトさんかな
「・・・まさか、いや無い、それよりも上がいるのか」
「それと、これはヨーロッパ戦線の方ですが『うぃるきあ帝国』という謎の国の艦隊が北欧に出現、したらしいです」
「・・・」
ん?
超兵器にウィルキア帝国
ん?
「また数時間前謎の組織『テュランヌス』が人類に対して戦線を布告し、無数の正体不明の艦娘が艦娘と深海棲艦に攻撃」
は?
あのゴミどもいるん
いやなんでいきてる
私が波動砲で本部ごと消したはず
「どういうことだ・・・いや、違うな」
「また、今『海龍商会』の社長がお会いしたいそうで」
「・・・ごめん、大淀、わし、ストレスで艦長の元に旅立ちそう・・・」
・・・まぁ、そうなるな。
「・・・ふふふふふははあはっははあははは」
「姉さん、笑い方が汚い」
「いや、駿河、これを笑いで済ませる方が凄いよ、うん」
「テュランヌス・・・ロゼさん元気ですかねぇ・・・てゆーかヴァイセンベルガー生きてるんですか、てっきりフィンブルさんに、対消滅させられたのかと」
「まぁまぁ『二葉さん』、一個一個解決しましょう、取り敢えず大淀・・・だったかしら、その人を呼んでくれるかしら、それとついでに各鎮守府こう打電しなさい『帰ってきた総旗艦』って」
「・・はぁ、播磨さぁ・・・ノリノリだね」
「タイラント、ウィルキアとテュランヌスどっちに特攻したいかしら?」
「許して「だぁめ」」
ドコカ
あぁ、暖かい
こんな日はなかった
海底でずっと
一人だったのに
「オラーおめーものめぇー」
「イ、イヤ、モウムリダ」
「騒げ騒げ今宵は無礼講じゃああ。あ、海底はずっと暗いから意味無いかハハハハ!!」
暗い海底を照らすように無数の照明と上司のアルハラで倒れている妹達。
「・・・はぁ、播磨も大変ねこんな事になって」
「いいのよ、ヴィル・・・ふふっ、懐かしいわね、昔は毎日毎日馬鹿みたいに騒いでたわね」
「アンタはほぼ兵法ばっかり読んでたじゃない」
七輪で焼いた餅を海苔で包んで食べていると瓢箪を掲げた女が手を引きながら近寄ってきて黙って頭悪いんじゃないかってぐらいデカイ酒の入った盃をつきだし
それを一気に飲み干し、叩きつけるように盃を置く。
「・・・うはぁ・・・・辛い」
「にひひひひ、ねぇ播磨ぁ、アンタこの世界で随分と女らしくなったじゃない」
「え、ルフト見てきたの?」
「そりゃあもちろん、いろいろいい世界だったわぁ・・・まぁ、もう、無いだろうけど」
「いいなぁ」
この金銀姉妹言わせておけば・・・・
「へぇ、そうなんだ・・・よし、酔いが覚めたら私もいこう」
ナゾノバショ
「テュランヌス・・・例の計画は進んでいるかしら」
「えぇ、ロゼ総司令・・・いえ総帥、万事抜かりなく」
「そう、あのグズどもがいなくて清々するわ」
北欧の何処か
「はぁはぁ・・・・た、たしか私は・・究極超兵器に・・・フフフ、フハハハハ、天は我に味方しているかフハハハハ」
「マンメンミ」「マンメンミ」「マンメンミ」「マンメンミ」
「・・・・? ふむ、これがあの予言書にあった『キョウフノダイオウイカ』だろうか・・・」
「「「「マンメンミ」」」」
次回 海龍商会