やぁ、カルマノイズです。
フィーネと話してから翌日のこと。
俺とセレナちゃん、そして翼さんと奏さんと一緒にある場所に来ています。
ちなみに、二人はもちろん変装しています。
「おい……ここに何があるんだ?」
「ただの住宅街だけど……」
「………あまり見ていい気分にはなりませんよ」
「「?」」
「それに、あなたたちはあれを見なければならない義務もあります」
「なにを…?」
「そして、やめさせる義務も」
セレナちゃんは珍しく険しい顔になって二人にそう告げている。
そりゃそうだろう。なにせあんなものを見てしまったのだから。
俺たちは今ある場所に向かっている。
それを見れば、二人もどうなのかわかるだろう。
「………ッ‼」
「……………ッ‼」
公園近くになると、
「なんだ…?」
「なにか聞こえる…?」
そして、公園に着き、それを見た。
「な……ッ!!?」
「なにを……ッ!!?」
「…………」
そこは、複数の男女が、一人の
そう、それは、俺が起こさなかったはずの二次災害が原因で起こる、【立花響】への迫害の瞬間だった。
―――――――――――――――――――――――――――
これは十数日前ほどのことだ。
あの日、俺のことが大分世間に知れ渡ったからセレナちゃんと一緒に響ちゃんの家に向かっていたところのことだった。
理由はあれから迫害されずに元気に過ごしているか見に来たのだ。
そして、あの公園を通り過ぎたときだった。
「なんでお前が生きてんだよ‼」
「なんであの人が死ななきゃならなかったのよ!」
「今すぐにでもお前が死ね!」
と、なんとも不快な声が聞こえたのだ。
それで二人で見に行ったら響ちゃんがいじめられているところに遭遇してしまったのだ。そこには未来ちゃんもいる。
この時は理解できなかった。なぜ二次災害がなくなったのに迫害が起きているのかを。
「ひどい……!今すぐに”待って”カルマさんッ!?」
”自分が行こう……”
原作で分かっている。
あいつらは腐った正義感を掲げて響ちゃんをいじめているのだと。
俺の体が変化する。
「ひ、ひぃ‼」
「きょ、巨大ヘビだぁ!」
「逃げろぉ!」
「「え……?」」
俺が使ったのは【ヘビヘビの実(モデル”キングコブラ”)】を使ってヘビになってクソどもを退散させた。
「う、嘘…!」
「ひ、響には手を出させない‼」
やはりこの子は優しい。それに手を出す気はない。
「大丈夫ですかッ!?」
そしてそこにセレナちゃんが駆けつけてくれた。
「へ、ヘビがいます‼危険です‼」
「あ、いえ、問題ありませんよ?」
俺はカルマノイズの姿に戻る。
「の、ノイズッ!?」
「……そういえば、最近競馬場やパチンコ店でよく黒いノイズが現れるってテレビでやってたけど…もしかして…」
「…なにそれ?」
”はっはっは”
「ノイズが文字をッ!?」
「別に驚くことじゃないですよ。とりあえず、怪我の治療をしないと」
俺は自分の体の中から救急箱を取り出す。
その際二人に『どこから出したの?』とつっこまれたが無視した。
そして、一通りの怪我を包帯などでカバーした。
「これで大丈夫です」
「見ず知らずの私たちを、助けてくれて、ありがとうございます」
”とりあえずこれ飲みなさいな”
俺は近くの自販機で適当にジュースを買って三人に渡した。
「……ありがとうございます」
「……ところで、どうしてあんなことになっていたんですか?」
「……話せば長くなるんですが……」
未来ちゃんの話によるとこうだ。
・響ちゃんと未来ちゃんが通っている中学校に、もう一人ライブに来ていた男の子が来ていたらしい
・その男の子はサッカーが超うまく、将来を有望視されていた人物だったらしい
・だが、あのライブでノイズによって命を落としてしまった……
こうらしいが、響ちゃんがいじめを受ける理由がわからない。
「それでどうして響さんがいじめられているんですか?」
「実は……その男の子が好きだった子が、『なんであの人が死んであんたが生きてるのよ‼』って……、挙句の果てに、響に『あんたが死ねばよかったのよ!』って言ったんです。それに周りも同調して……」
「酷いですッ!響さんは何も悪くないじゃないですか‼」
”確かに。ていうかその女クソ過ぎるだろ……”
「同情してくれてありがとうございます」
「……カルマさん。どうにかなりませんかね?」
”……方法が、ないこともない”
「本当ですかッ!?」
”でも、
「?」
”とにかく、しばらく時間がかかるが、なんとかしてみよう”
――――――――――――――――――――――――――――
そして、今日、その日がやってきた。
あっちとは二課のことである。こっちから来てもよかったんだが、
それに、OTONAとNINJAが来たのは完全に予想外だったが。
「どうして、あの子がいじめられてるの……?」
「とにかく、助けに行こう‼」
奏さんが変装を解いて率先して飛び出していった。
「おい、お前ら、やめろぉ!」
「あ、天羽奏さんッ!?」
「嘘だろッ!?ツヴァイウイングのッ!?」
「お前ら、なに女の子をいじめてんだ!」
「に、逃げるぞ!」
「なんでツヴァイウイングの一人がいるのよ!なんであいつなんかを庇うのよ!」
奏さんを見たやつらはすぐさま逃げていった。
「大丈夫かッ!?」
「は、はい……」
「ありがとうございます」
「お礼はいい!とりあえずこの怪我を治さないと…」
”救急箱ありまっせ”
「サンキュー、助かった!」
「か、カルマさんッ!?」
さて、あの後怪我を包帯で怪我を治して再びベンチに座り、翼さんが現れたときにはさらに驚かれたが、どうでもいい。
そして、俺たちに話した自分たちがいじめられている理由を二人に話した。
「そんな……」
「それ、お前悪くないだろ……」
「えへへ……大丈夫です。平気、へっちゃらです」
「やせ我慢はするな!……ごめん」
奏さんは響ちゃんと未来ちゃんに謝った。
「「えっ?」」
「アタシたちのライブが原因で、お前をひどい目に合わせちまって……」
「いえいえそんな!奏さんは悪くありません!」
「奏、そんなに気を落ち込ませないで」
「ありがとう、翼。…お前、ところで名前は?」
「あ、自己紹介遅れました。私の名前は立花響って言います」
「私の名前は小日向未来です」
「そうか。じゃあ響と未来って呼ばせてもらうぜ。響、未来」
「じゃあ、私は立花と小日向と呼ばせてもらおう」
「はぁ~~!まさかツヴァイウイングの二人に名前を呼んでもらえるなんてぇ~~!」
「響、お前元気だな……」
確かに。
ボコボコにされていたのに、もう笑顔だよ。
「確かに、さっきまであそこまでボロボロになっていたとは思えませんね…」
「あはは……響はいつも笑顔だから。それにセレナさんも十数日ぶりです」
「はい、お久しぶりです」
「なぁ、カルマ。もしかしてお前が言ってた条件って……」
”うん。響ちゃんをなんとかしてくれ”
「分かった。やってやる……いや、これはやらなくちゃいけないことだ!」
「奏がやるなら、私もやらせてもらう」
「それじゃあ、早速やるぞ!」
そうして奏さんは我先へと走り出していった。
おそらく、OTONA経由でこのバッシングをやめさせようとしてるんだろう。
「あ、待って奏!!」
翼さんも奏さんの後を追いかけていった。
「さて、後は上の人たちがなんとかしてくれるでしょうね」
「上の人?」
「あ、なんでもないです。とりあえず、お二人を信じましょう」
”そうだね”
これで、響ちゃんへのバッシングはなくなるだろう。
ちなみに、響ちゃんのお父さんの洸さんは健在らしい。どうやらあの約1000人の中に洸さんの務める会社の取引先の社長令嬢は含まれいなかったようで、会社でも特に問題はないらしい。
それに、バッシングは響ちゃんだけに向いているみたいで、家にもなんの影響がなかった。
それでも家族はこのことに頭を悩ませているらしく、学校にもなんとかしてくれと頼んでいるが、一向に変わっていないので警察に被害届を出しているらしい。
それでも全く収まる気配がないので、この状況で【ゴロゴロの実】の力と見聞色の覇気を使って警察の情報を掴んでみたところ、どうやら警察の方はこれに対して結構苦労していた。
やめるように言ってはいるが、収まっていないのが現状らしい。
今回はちゃんと警察動いてるんだな……。
でも無能すぎるだろ警察!
さて、これでなんとか収まってくれればいいのだが……
だが、行動を起こす前に問題が起きてしまった。
その後日、突然帰り道で複数人の覆面を被った男達に響ちゃんと未来ちゃんが拉致られてしまったのだ。
それを知ったのは二人の様子を見ようと【ギロギロの実】の力で見ようとしたが、二人の姿が見当たらなかったために、急いで探したらこの結果だ。
俺は
そして、一瞬にして到着。
俺が現れたことに男たちは驚き、二人は涙していた。
「ムー、ムー、ムー!」
「………」
許すまじッ!
「の、ノイズッ!?」
「いや、待てこいつ。最近テレビにたびたび出てるあのギャンブラーノイズじゃねぇか!?」
……そのあだ名、一般にも広がっていたのか……
”貴様ら、絶対に許さんッ!”
「はっ、正義気取りかッ!」
「俺らも
……依頼?
こいつらボコして、詳しく聞こう。
俺は高速移動して一人の男を武装した拳で殴った。
「グハァ!!」
男はその勢いで壁に激突して気絶する。
「…は?」
「み、見えなかったぞ…?」
”貴様ら、覚悟しろや”
「に、逃げろぉ!」
「あ、お前ら待て!」
数人の男たちが一人の男を残して全員逃げようとしたが、それもさせない。
俺は再び高速移動して男たちを全員気絶させる。
そして残り一人に問いただす。
「ひ、ヒィイイ!!」
”おいお前、誰に依頼された?”
「………」
”言わなかったら、さらにひどい目にあってもらうよ?”
「わ、分かった、言うよ!女だよッ!この女のクラスメイトってやつが俺らに依頼したんだよ!」
クラスメイト……?
あいつかッ!!
一人、奏さんが止めに入ったときに一人だけ悪態をついていた女がいた。
絶対あいつだな……。まさか、自分のためだけにここまでするとは……。
俺は男に背を見せて二人のところに歩き出す。
「かかったな、クソがぁ!」
ッ!?
男は近くにあった鉄パイプを持って俺に殴り掛かった。
俺はすぐに対応しようとする。
だが、そこれで異変が起きた。
「ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
「(…ドサッ)」
……え?
なんと、男は急に
俺は、これに見覚えがある。
今までに何度も使ったことがある……。
俺は、とある方向に目を向ける。(ノイズに目はない)
そして、覇気を使える俺だからこそわかる。
これは、覇王色の覇気だ。
そして発生源は……
「…………」
未来ちゃんだ
うっそーん……
そして、俺はそのあと二人に『気絶したフリをしといて』と書かれたプラカードを見せた。
それは俺がとある細工の一つに警察を呼んでいたからだ。
だが、俺に声は出せないので二課の人たちに頼んだ。
それを聞いたとき二人がすごく驚いていた声が聞こえたけど、どうするのだろうか……?
それから、この事件と政府の発令がきっかけで、このことが世間に明るみになった。
テレビでやっていたのは
『ツヴァイウイングのライブの生還者へのいじめ』である。
その記事や報道にはいじめの理由などが事細かに掲載されていた。
この件で、響ちゃんと未来ちゃんの通っている学校のいじめていたクラスメイト全員と、他にも
この件に、大抵の人がいじめに関わっていたらしいが、このいじめの主な人たちはサッカー部の子のファンだったため、その人と全く話したことのない人や、関係を持っていない人などは関わっていなかったらしい。
このいじめに関係していたすべての女子はその人のファン。
男子では友達だったりその人のことを尊敬していた人たちだったりだった。
にしても、響ちゃんのクラスのやつら全員その人のこと好きだったんだな……。
処罰の内容は軽い方で
・部活動しばらく禁止
・しばらくの登校禁止
等々。
この内容は一年生にとっては喜ぶべきことだろうが、大会間近の二年生や、受験を控えている三年生にとっては痛手だろう。なにせ、部活動推薦などや、高校入試での登校日数は三年生になったときだけ見られるのだから。
そして重い方はと言うと……
・退学
である。
これは何人かの生徒に適応された。
もちろん、今回の件を見逃していた教師たちも例外ではない。それも今回の件でこの教師たちは減給されたり教師免許を剥奪されたようだ。もちろん、責任問題で校長もやめざる負えなくなったらしい。
これで大きなクラス解体や学級編成が始まって学校は大騒ぎ状態らしい。
トップがいないからさらに大盛り上がり状態のようだ。
そしてだが、この事件のきっかけとなった女子だが、彼女はこの退学に含まれていない。
彼女にはもっと重い罰が下されることになった。
それは………
・少年院*1行き
である。
これで反省してくれればいいが……。
ちなみに、依頼された男たちは俺をもちろん告発したが。それは通らなかった。何故かって?
少し、事情聴取の内容を聞いてみよう。
「本当なんだって!今有名なギャンブラーノイズが俺たちをボコボコにしたんだッ!!」
「嘘をつくなっ!」
「本当だって!」
「……お前たちはいつまでその内容で通す気だ?ましてや、事件に全く関係ない者の名をあげるなど……」
「関係ないっ!?あるんだよ!本当だって!」
「ならこれを見ろッ!!これは事件が起きた時の防犯カメラの写真だ!」
「なっ!?」
その写真には、街中を歩いている俺の姿があった。
実は、あそこに行く前に【イトイトの実】の力で分身を作り出して街中を徘徊させていたのだ。
「撮られた時間帯に、お前たちが言っているこいつは間違いなく街中で確認されて、多くの目撃者もいる!これでもまだシラを切るつもりか?」
「ち、違う!本当なんだよぉ!頼むから信じてくれよぉ!」
「くどいぞ!!!」
とまぁ、こいつらもきちんと反省しらもらいたい。
でも、ただじゃ済まさなかったけどね!
さてと……これからいろいろと忙しくなるな……。