転生したら悪魔の実のカルマノイズだった件   作:龍狐

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カルマノイズ、覇気を教える

やぁ、カルマノイズだよ。

俺は今、森におります。何故かって?それは……

 

 

「それじゃあ、今から私とカルマさんで覇気を教えます」

 

”準備はいいかい?”

 

「おう!」

 

「準備は出来ている」

 

「「はい!」」

 

 

 

奏さんと翼さん、そして響ちゃんと未来ちゃんに覇気を教えるためだ。

実は、俺がフィーネと話している間にこんなことが起きていたらしい。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「ところでセレナ君。君がシンフォギアを纏わずにノイズを倒して見せたあれは、一体なんなんだ?」

 

「あぁ、覇気のことですね?」

 

「覇気?それってあの威圧とかの?」

 

「まぁ私にそれはできませんが、似たようなものもあります」

 

「では、その覇気とはなんなんだ?」

 

「はい。まず覇気とはですね、一言でいえば意志の力なんです」

 

「意志の力?」

 

「まぁ簡単に言いますと、「気配」「気合」「威圧」「殺気」「闘争心」「怒気」などの感覚と同じ概念なんです」

 

「分かったけど……どうしてその意志の力でノイズが倒せるの?」

 

「まず、覇気を使ってノイズを倒すためには二つのある条件を満たさないと倒せないんです」

 

「条件?」

 

「はい。その前にまず、覇気のことについて教えましょう」

 

 

そしてセレナは慎次の方に目を向ける。

 

 

「緒川さん。この小石を私に向かって思いっきり投げてください」

 

「えぇ!?そんなこと…」

 

「大丈夫です。絶対に当たりませんから」

 

「……そこまで言うなら…」

 

 

そしてその瞬間、慎次は姿を消す。

さらに、セレナは体を横に反らす。すると、さっきまでセレナがいた場所から小石が飛んできた。

 

 

「嘘だろッ!?緒川さんの攻撃に見切ったッ!?」

 

「これは見聞色の覇気です。見聞色の覇気は生物の発する心の声や感情を聞く能力。要するに相手の『意志』を読む力なんです」

 

「つまり、慎次の意志を読み取ったということか?」

 

「はい、でも私の場合は少し未来を……1、2秒後の未来を見たんです」

 

「未来を見た、だとぉ!?」

 

「はい。でも熟練者……カルマさんだったら10、20秒後くらいは見れるんです。私なんて、3、4年修行してごく最近できるようになったばっかりなので……」

 

「いやそれでもすげぇよ!!」

 

「ハハハ……ほんと、ここまで来るのにクロウシマシタヨ……」

 

「だ、大丈夫か?目が死んでるけど…?」

 

 

実際、セレナの目は死んでいた。

いや、目のハイライトが消えたと言った方が正しいだろう。

 

 

「覇気は……自分より強い人と戦って極限の状態になったときこそ成長するんです。だから、私が少し成長すればすぐにそれより強い攻撃が来るから、本当に必死でした……」

 

「お前、それでよく我慢できたな……」

 

「はい。出て行っても行く場所はないし、それ以前にカルマさんは特訓の時こそスパルタになりますが、それ以外のときはすごく優しいですから……。おっと、話が脱線しましたね。それじゃあ話の続きをします。そして、これがノイズ倒すための一つの条件です」

 

 

そういったとき、全員が真剣な目になった。

そりゃあそうだろう。普通の攻撃が全く通じないノイズ。それをシンフォギア以外で倒す方法があるのだから。

 

 

「まず、これを見てください」

 

 

セレナがそう言うと、セレナの腕が黒くなる。

 

 

「黒くなった……」

 

「そういえば、あの時もそうなってたわね」

 

「これは一体なんなんだ?」

 

「これは武装色の覇気です。これは簡単に言えば『見えない鎧』を纏っているようなものです。身体にある覇気を引き出して身に纏っている状態です」

 

「これにノイズを倒す力があるのか?」

 

「条件だけなんですけどね。武装色は『実体を捕らえる力』なんです」

 

「そうかッ!!」

 

「なるほどッ!!」

 

「えぇえ!?旦那に緒川さん、これで分かったのかッ!?」

 

「司令、今ので分かったんですかッ!?」

 

「私にはさっぱり……」

 

「叔父様、緒川さん、一体どういうことですか?」

 

 

四人はまだわかっていないが、二人は分かったようだ。

さすがはOTONAとNINJAといえるだろう。

 

 

「ノイズには本来実体がない……」

 

「だが、その実体を捕らえる力さえあれば…」

 

「そういうことかッ!それでノイズに触れられる!」

 

「だけど、その見えない鎧を纏っていたとしても、所詮は生身。そのままではいくらノイズに触れられるとしても、ただ炭化されるだけなんじゃ…」

 

「そう、そこなんですよね。ですが、それをカバーするための条件が、もう一つの条件なんです」

 

「そして、その条件とは………?」

 

「それは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――シンフォギア装者であることです」

 

「シンフォギア装者であること……?」

 

「はい。実は昔、カルマさんが数百年ほど前に自主的に覇気を習得した男の人がいたらしいんです」

 

「数百年前って……あいつはどんだけ生きてんだよッ!?」

 

「さぁ…?私も詳しい数は知りません。昔はまだノイズが世間に知らされてなかった時代だったので、そこまでノイズは危惧されてなかったらしいですよ?」

 

「……今思うんだけどあいつ、もしかしてかなり昔のこと知ってんじゃねぇのか?」

 

「もしそうだとしたら、私たちが知らない歴史もあいつは知っているのでは…」

 

「まぁそのことはどうでもいいとして、その人はどうやら山奥の集落に住んでいた人だったらしいですけど、そこにノイズが襲ってその集落の人は彼を除いて全員炭化してしまったらしいんです」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

 

大昔の突然の内容に黙る皆。

 

 

「それでノイズに対して復讐の炎を燃やした彼は、ノイズを倒すために様々な修行をしたらしいです」

 

「なぜあいつはその集落を助けなかったのだ?」

 

「カルマさんが彼を見たときはすでにその集落はノイズにやられていたようだったんです」

 

「……(ノイズに復讐の炎を燃やす……まるで昔のアタシだ……)」

 

「話を戻します。彼はその修行で自主的に覇気を取得しました。彼は実体を捕らえる武装色の力を知り、大いに喜んだそうです。『これであの化け物を倒せる』って……」

 

「それで、結局その人はどうなったの?」

 

「はい……どうやら、翼さんの言ったようにノイズを倒すもう一つの条件――シンフォギア装者じゃなかったから、結局ノイズは倒せなかったようです」

 

「……昔の話は分かった。だが、なぜシンフォギア装者であることが条件なのだ?」

 

「これがわかったのはつい最近らしいです。それも、私がいたかららしいです。どうやら、シンフォギア装者には覇気にシンフォギアと同等の力を与えるらしいんです。理屈はまだ分かってないみたいですが…」

 

「早い話!つまり、アタシと翼ならその覇気ってのを扱えるようになればノイズを生身でも倒せるようになるんだなッ!?」

 

「まぁ…早い話だとそうですね」

 

 

そしてそこに……

 

 

”たっだいまぁ~~”

 

 

カルマが帰ってきた。

 

 

「おいカルマ!!」

 

”えっ、急に何?”

 

「アタシと翼に覇気ってのを教えてくれ!!」

 

”この短時間に一体なにがあったッ!?”

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

と、いうことで、二人に覇気を教えることになりました。

そして、なぜ未来ちゃんと響ちゃんがいるのかというと……あ、また回想入ります。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

「えっ、覇気……?」

 

「なんですかそれ…?」

 

”覇気、それは意志の力”

 

「それで、カルマさんは結局何をしたんですか?」

 

”未来ちゃん。君に覇気を教えようと思うんだ”

 

「えっ、なんで私に…?」

 

”あの時、自分を後ろから攻撃しようとしたやつがいただろう?”

 

”その時、自分は何もしていなかったんだ”

 

「えっ……?」

 

”あの男を気絶させたのは未来ちゃんなんだよ”

 

「えぇええ!?」

 

「嘘ッ!?未来がッ!?」

 

 

男を気絶させたのが自分だと知り驚く未来。

そしてそれを見ていた響も未来がやったことだと驚いた。

 

 

”未来ちゃん‼君には数百万人に1人しか持たない力を持っているんだ”

 

「えぇ!?本当ですかッ!?」

 

「未来…すごい…」

 

”でもね。その素質も鍛えないとただの威圧にしかならないんだ”

 

「それで、どうして私がその覇気というのを学ばなければならないんですか?」

 

 

未来は疑問に思った。

自分に力があるのは分かったが、なぜそれを得なければならないのかを。

 

 

”まぁ、力を制御するためでもあるね”

 

「制御……?」

 

”未来ちゃんの力は無意識で出たんだ。”

 

”だから制御できるようにならないと、形振り構わず誰かを”

 

”気絶させることになる”

 

「………分かりました。私、やります!」

 

”いい心がけだね”

 

「カルマさん!!未来がやるなら私も特訓させてもらってもいいですかッ!?」

 

 

これにカルマは考えた。

『響ちゃんもいずれシンフォギア装者になるんだから別に教えても問題ないか…』と。

ちなみにだが、二人とも学校は今はない。

 

なぜなら、あの事件で結構な数の通学禁止者と退学者、さらに教師免許剥奪者、校長の責任問題などで学校が休業になっているからである。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「と、いう訳で、私は未来さんと響さんに覇気を教えます」

 

”じゃあ自分は奏さんと翼さんに”

 

 

こんな感じで教えることになりました。

二人は戦闘未経験者だし年の近いセレナちゃんに頼んだ。

 

そして別々の場所で教えることになった。

ちなみに翼さんは木刀を持っています。

 

 

”それでは、まず見聞色の覇気を教えようと思います”

 

「?。武装色ってやつじゃないのか?」

 

「それから覚えたほうがいいのだと私は思うのだが……」

 

”馬鹿者‼ノイズの攻撃が効かないのは覇気を纏っている所だけだ!”

 

「「うわぁ!!」」

 

 

俺は【ゴムゴムの実】で自分の体を伸ばして二人の周りを体でグルグル回る。

そして奏さんと翼さんに巻き付く

 

 

「うわっ、巻き付くなぁ!気持ち悪い!!」

 

「何をするのだッ!?」

 

 

二人は俺を引っ張るがゴムの状態なのでただ伸びるだけ。

 

 

”もし覇気を纏っていない所にノイズの攻撃が当たったら即お陀仏だ”

 

”そのために相手の攻撃を避けるための見聞色の覇気を覚えるんだ!”

 

”この程度のことも考えられないのかッ!?”

 

”お前らの栄養は筋肉と胸と尻に行ったのかッ!?”

 

「「(ブチッ)」」

 

 

あ、調子乗った。

 

 

「てめぇ‼あの時と同じようなこと言いやがって!」

 

「今ここで貴様を滅す!!」

 

 

そうして奏さんは俺を殴る。

翼さんは持っている木刀で俺を殴るが今はゴム状態なので打撃は効きません。

 

 

”はいはい、お遊びはここらへんにしとくか”

 

「お遊びって……てめぇ…」

 

「もし覇気を習得したら、貴様をまず第一に斬ってやる……」

 

 

おー怖い怖い。

 

 

”じゃあ目隠ししてね”

 

「目隠し?」

 

「なぜする必要があるのだ?」

 

”見聞色の覇気は相手の『気配』『意志』を読みとる力”

 

”目に頼っていたら気配が探れないからね”

 

”今から木刀で君たちを軽い程度に殴るが、”

 

”それを気配と意志を読み取って避けてくれ”

 

 

そうして俺は自分の体から木刀を出す。

 

 

「「どこから出した?」」

 

”体から。さて、じゃあ目隠ししてね”

 

 

そうして二人は目隠しをした。

 

 

「な、なにも見えない…」

 

「そう?私はある程度は分かるわ」

 

「マジかよ翼ッ!?」

 

「私は昔からこういう特訓も欠かしていないから」

 

「経験値の差か……いてぇ!!」

 

 

ベラベラ喋るな。こういうところも気が抜けているな…。

俺はお喋りの途中で奏さんに木刀を振るった。

それで奏さんは目隠しを取った。

 

 

「いてぇな!なにすんだよ!!」

 

”気を抜くな。馬鹿者”

 

「ちっ…分かったよ…」

 

 

そうして再び目隠しをする奏さん。

 

 

「私も気配を察知する訓練を怠ってはいない。見事この剣で受け止めて見せよう」

 

 

そう目隠しをし、木刀を構える翼さん。

その余裕、壊してやる。俺は【ピカピカの実】で光速移動をして翼さんの後ろに回って翼さんの頭を木刀で軽く叩いた。

 

 

「痛っ!」

 

「翼もダメだろ!!」

 

 

そりゃあ光速移動して攻撃したんだ。

ただの人間に感知できるわけがない。

あと奏さん。あんたが話しかけてるのそれただの木ですぜ。

 

 

「け、気配が急に消えた…」

 

 

はいはい言い訳無用。

それから一時間ぶっ通しで続けた。

 

何回か避けれそうな感じがあったが、俺からすると奏さんはすべて勘で避けているようだった。

さすがは戦闘経験者というべきだろうが、これじゃ見聞色の覇気は覚えられない。

二人は一度目隠しを取った。

 

 

”ダメだな…”

 

「えぇー、これのどこがダメなんだよ?」

 

”貧にゅ……翼さんはいいとして奏さんは”

 

”勘で避けているようだったからね”

 

「お前、所々で翼をディスるなよ!」

 

「斬る‼‼」

 

 

そうして翼さんは木刀で俺に向かってくるがそれを止める奏さん。

 

 

「落ち着け翼!!」

 

「離して奏!!こいつは一回斬らないと気が済まない‼‼」

 

 

おー怖い怖い。

 

 

”さて、セレナちゃんの方はどうなっているかな?”

 

「話を逸らすn《ドゴオォオオオオオオオオオオオオオオオオン‼‼‼》ッ!!?」

 

 

なに今の音っ!?

しかも、この音の方向はセレナちゃんたちのいる方向ッ!

 

すると…

 

 

 

 

「カルマさんッ!!」

 

 

 

 

 

セレナちゃんが走ってきて俺に抱き着いてきた。

 

 

 

”どうしたッ!?”

 

 

セレナちゃんは涙目だった。

一体何があったというのだろう?

 

 

 

 

「もう私じゃ未来さんに何も教えられませんッ!!あの人成長速度が異常です!!」

 

「「??」」

 

 

 

 

正直、俺もこの時何言っているのか全く理解できなかったが、この次の瞬間、いやでも理解することになった。

 

 

 

 

《ザンッッッッッ‼‼‼》

 

 

 

突如、セレナちゃんが走ってきたところの木々が一瞬で横に真っ二つになった。

あれぇ~~?軽く?3,40本あったはずなんだけどなぁ~~?

それに困惑していると…

 

 

 

「セレナさーん……どうしたんですかぁ~~?」

 

 

 

そこには、武装色を木刀に纏っている未来ちゃん―――いや、MIKUSANがいた。

 

 

 

 


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