………おはよう。
あれからどのくらい経ったのだろうか…。
でも、結構深く眠ったから大分時間は経っているだろう。
そうして、俺は目を開くが…(ノイズに開く目はない)
あれ?
今、俺の目には黒しか映っていない。
どうしてだろうか?
……よし、とにかく分かんないから【スナスナの実】の力でやろう。
俺は目の前のものに右手を当てると、それは徐々に砂になっていく。
スナスナの実の能力者の右手に触れた場合、水分をすべて奪われるのだ。
そして、目の前の物が砂になった。
そして、光が見えた。
そこには、森が広がっていた。
……あ、たぶん俺が砂にしたのただの石だわ。
さて、そんなことはどうでもいいとして、今はどの時間帯だ?
理解出来なきゃ全く動けないからね。
さて、情報収集に行きますか!!
そうして俺は移動を開始した。
さて……しばらく時間が経ち、今は夜。
成果は…
『なんの成果も、得られませんでした!!』
どこぞのアニメの一言を言おうとするが、出るのはプラカードのみ。
ていうか出てくんな。
さて…もう夜だけど、そろそろ寝る場所を探さなければ…
そうしてしばらく歩くと…
おっ!!町発見!……でも、発見しただけでそれだけ。今の自分の姿では無理だ。
まぁ町を見つけただけでもよしとするか…
そうして、俺はその場から離れようとすると…
「お願い!!お母さんを助けて、お父さん!!」
「ええい離せ!!」
なんか聞こえた……。
どうやら、話を聞く限り、子供の父親が子供の母親を助けようとしないらしい。
なんて薄情な父親なんだ。助けてやらねば。
いや、しかし…ノイズの姿なんだけど……。まぁ、助けよう。
そうして俺は【ピカピカの実】の力で高速で声の聞こえた場所に移動する。
「ば、化け物!?」
「に、逃げろ!!」
俺の姿を見た瞬間、父親の男と、付き添いの男たちがその場から逃げて行った。
まぁいいか。俺はさっきの子供の方を向く。
「ハワワワワ……」
あ、完璧に腰抜かしてるわ。
ちゃんと無害だということを証明しなければ。
俺はプラカードを出す。
”そこの少女、どうした?”
……あれ?プラカードの言葉が外国語になっている…。と言うことはここは外国なのだろうか?
だとしたら何故俺は外国語がわかるのだ?まぁいいか。
そして女の子はポカンとし、しばらくしたとき口を開いた。
「……あ、あの…私のこと、襲わないの?」
”子供を襲う趣味はない。それで、どうしたんだ?”
「あ、あのね…」
そうして俺の目の前にいる少女は自分のことを語り始めた。
なんでも俺流に例えると、自分の母親は奴隷で、あの男が上級階級のやつで、その奴隷に手を出した結果産まれたのがこの子らしい。そしてこの子の母親は今病気になっていると…。
……あれ、この設定どっかで聞いたことがあるようなないような…。
まぁ今はいいか。
”つまり、君は自分の母親を助けたいと”
「う、うん……」
”それならば、私が治してあげよう”
「ほ、本当に!?」
”本当”
「あ、ありがとう!」
その時この女の子は涙を流していた。
いい子だな。
そして、この子の家についた。
といってもほとんどただの布……。
そして、ベットに眠っているのがこの子の母親か。
「あなたは…?」
「お母さん!!この人がお母さんの病気治してくれるだって!!」
「え?」
顔色がよくないな……。
……まず、これだな。
【チユチユの実】!
俺は自分から献ポポを取り出し、この子の母親に与える。
すると、彼女の顔色がよくなっている。
さすがカルマノイズの回復力。
「お母さん…治ったの?」
”いや、まだ完全には治っていない”
「じゃあどうするの!?」
”落ち着け、次はこれだ”
【ホルホルの実】!!治癒ホルモン!!
俺は彼女に治癒ホルモンを注入した。
すると、彼女は少し『ん、んん……』と声を上げる。
この技はそもそも、ダメージ量によってとてつもない苦痛がでるからな。
だから俺の治癒力を分け与えて、彼女の体調をよくした後にこれをやったほうがよかったのだ。
そしてしばらくすると…
「ッ!!お母さんッ!!」
この子の母親が起き上がった。
「ありがとうございます…。見ず知らずの私をしかも奴隷である私を助けてくれてありがとうございます…」
「ありがとう!!え~と…」
”カルマノイズ。カルマで構わない”
「ありがとうカルマ!!」
そうしてこの子は俺に抱きつこうとする……ッ!?
俺はすぐさま避けようとする。俺はノイズ。触ったらこの子が炭になる!!
「どうして避けるの?」
”いや、あのね”
「鬼ごっこ!?」
いや違う!!子供の思考は単純だなおい!!
そうしてしばらくこの子が俺に触ろうとし、俺が避けることが続いた。
そして…
「捕まえたッ!!」
のおおおおおおおおおおおおおお!!
やばい、このままじゃ彼女が炭に、炭に……あれ?
おかしい……どうしてこの子が俺に触れても炭化しないんだ?
「カルマの体、すごく柔らかい!!」
え、照れるな……って考えるとこそこじゃない!!
なんで人間がノイズである俺に触れても炭化しないんだ?
……そう言えば、その場の考えでやったが、ホルホルの実のホルモン注入は人体に刺さないと注入出来ない。つまり俺はこの子の母親に一度触っている。なのに炭化していない。
どうして?
俺はすぐにこの子を俺の体から離す。
「もうちょっと触っていたかったのに…」
「こら、【サンジェルマン】。カルマさん困っているでしょ?」
うん?さんじぇるまん?……さんじぇるまん、サンじぇるまん、サンジェルまん、サンジェルマン……!!
思いだした!!この子、AXZのボスだった!!
やっちまった!!本来この子の母親は死ぬはずだったのに!!また原作ブレイクしちまった!!……いや、すでにかなり原作ブレイクしてるし……もう考えるのはよそう……。
”じゃあ、俺は再び旅に出る”
「え、カルマさんもう行っちゃうの!?」
”俺は元々旅の身。ここに偶々きた時に、君の声がしたから”
「そんな…」
「サンジェルマン。この人にも事情があるのよ?」
「……じゃあ!!また会えるかな!?」
”さぁ?それは分からないね。でも、もしも長生きしたら、また会えるかもね”
「分かった!!私、長生きするね!!」
本来、サンジェルマンは本当に長生きするから本当にやりそうだ。
”それでは、さらばだ”
そうして、俺は再びピカピカの実の力でその場を去って行った。
ていうか、俺に触れても人が炭化しない理由も知らないとな。