やぁ、カルマノイズのカルマだよ。
あのライブ事件から数日。俺は今森の中におり、セレナちゃんは俺の中で優雅に紅茶を「なにしてるですか?」飲んでいません。
「……カルマさんは表情がないから何考えているのかが全く分かりませんね……」
何故今そんなことを言うのかね?
”ところでセレナちゃん"
「なんですか?というか、ちゃん付けはやめて欲しいんですけど…」
”そんなことはどうでもいい”
”さて、セレナちゃんたち人間が生きていくためにはなにが必要かわかるかい?”
「なにって……食べ物と水に決まっているじゃないですか」
”うん。確かにそうだね。でも、それを手に入れるには?”
「………わ、わかりません……」
……これはこの子に一般常識を教えなかった俺にも責任があるな。
”正解は金だ!!”
「金?」
”そう!本来水も食べ物もお金がないと買えない!”
”そしてだ。自分はこのまえ五千円を
「……何か拾ったのところで悪意を感じたんですけど…気のせいですか?”
”気のせい気のせい”
あっぶぇね~~!勘いいなこの子!
ちなみにこの五千円。【スケスケの実】と【ハナハナの実】のコンボで不良の懐から拾ったんだ。
もうちょっと懐が潤っていてもよかったんだけどな。生憎でこれしかなかった。
”だが、お金はいづれ尽きる。だから、稼ぎにいく!”
「……ですが、食べ物も水もカルマさんが作ったり取ったりしてくれているから大丈夫なんじゃないですか?」
”では聞くが、食べ物はうまいかい?”
「………正直言うと味が……」
そう、【ククククの実】で変化させた食べ物はお腹に溜まるがうまくはないんだ。
だから調味料とかを買っておきたい。
「…でも、買いに行くとしても、カルマさんの見た目じゃ……」
”そこらへんは大丈夫!!時間は朝五時!OK?”
「は、はい……」
さて、それまでなにをしていようか…
………そうだ!!
―――――――――――――――――――――――――――――
はい、カルマノイズだよ。
これから超メタいから気を付けてね!!
前回、俺は逃げ惑う観客たち、そして響ちゃんにあることをしました。
それはなにか?
まずは響ちゃんのことを言いましょう。
まず、あの時響ちゃんには【チユチユの実】の力で献ポポを使って超回復させました。
これでOK?
そして、一番謎だったであろう俺が観客たちになにをしたか?
そう、それは……、まず、この新聞記事を見ていただこう。
『ツヴァイウィングのライブにノイズ出現。犠牲者その数約1000人』
お分かりいただけただろうか?
原作では、二次災害が主な原因で一万二千人ほどの犠牲者が出ていた。
その理由は我先へと逃げる人々に押されて、圧死された人がノイズに殺された人より圧倒的に多かったからだ。
だが、何故今回はその二次災害が起きていないのか?
それは俺が仕掛けたからだ。
まさか、ここで覚醒の力を使うことになるとは思わなかったわけだ。
俺は【スベスベの実】の覚醒の力を使って観客たちの足以外の摩擦抵抗をゼロにしたのだ。
そのおかげで、記事には
『階段から落ちて人を踏みつぶしちゃうかと思ったら何故か滑って助かった』
『なんか皆の体がツルツルになってた』
『実際にツルツル~って音が聞こえた』
と、書かれていた。
普通他の人からしたら意味不明だろうが、これは俺が仕組んだことだからね。
―――――――――――――――――――――――
と、いう訳で、これで響ちゃん含む生存者がバッシングを受けることはないだろう。
さて、時間は進んで今は朝六時。
俺とセレナちゃんは今……
「……競馬場?」
そう、競馬場に居ます。
金稼ぐと言ったらここでしょ。
「……ここは何をする場所なんですか?」
”お金を稼ぐ場所さ”
「と、言っても…」
そうしてセレナちゃんは周りを見る。
朝五時と言ってもある程度の人はいた。そして全員が俺をキョトンとした目で見ていた。
そして、ここに居る奴等全員ダメ人間さ。あ、セレナちゃんは違うからね?もちろん俺も。だってノイズだもん。
「……碌な人がいるとは思えないんですが…」
”まぁそう言う場所だからね”
「それで、私はここに来る意味ありますか?」
”それがあるんだな。さて、馬券を買うか”
俺は馬券販売機に行って五千円を投入する。
さて……、適当に4番、6番、8番が順番で勝つように予想して、馬券購入!!
そして、観客席に行く。
席には何人かがすでにいて、俺を見た瞬間逃げようとしたが、隣にいるセレナちゃんを見て『ああ……着ぐるみか。紛らわしいな』とでも思ったのだろう。そのまま席に着いた。
「……結局、これは一体なにをするんですか?」
”馬に番号が降ってあってね。勝つ順番を予想して当たったら賭けた金が100倍になる。逆に外れたらすべて失う”
「……それって大丈夫なんですか?」
”大丈夫大丈夫”
なにせ、俺には秘策があるからな。
そうして、時間が流れていく。時間が経つにつれて人が入ってくるが、やはり目立つ。
「……恥ずかしいんですけど…」
”それ言わんどいて”
まぁ普通に会話しているから周りは『着ぐるみ着たただの人』とでも思っているだろう。
だって普通ノイズが人と共存できるわけないから。
そうして、始まった競馬。それと共に会場が大声に包まれる。
『今のところ、三番のオットベツター、七番のゴートベータ、十番のペッパーバーリーの順で進んでいる!!』
『『『『『オオオオオォォォォォォォ!!!』』』』』
「……これ、終わりましたね」
セレナちゃんはもう諦めているが、なにも策をせずにただ適当に決めてはいない。
それは……。
『オオオオォォォ!!?これはどういうことだッ!?急に三体の馬が超スピードを出した!!』
『ゴォォォォォォォル!!!!一位は四番のデストローンだァアアアアァァァァァ!!』
『その次に六番のデビルホーン!!そしてその次に八番のスピアードトロンだァァァ!!』
「……え?」
急な快進撃にセレナちゃんもビックリしている。
実は、あの五千円を奪ったさいに、【ラキラキの実】の力であの不良共から運も盗ってきました。
あの場に10人ほどいたからかなりの運だ。それに、不良に運などいらない。……ていうか、10人いて五千円って…よくよく考えたらショボ……。
”わーい勝った勝ったぁ~”
「……なにかズルしてませんよね?」
”そんなことしていません”
「………」
そんな目で見ないでくれ…。
そして、換金する場所に行って、換金しました。
「………」
換金の人はポカンとしているな。まぁどうでもいいけど。
そして、今自分の手には50万円がある。
「……価値が分からないですけど、勝ったことがすごいですね…」
”さて、次行こう”
「え?どこに行くんですかッ!?」
”パチンコ”
「…は?」
さて、次はパチンコだ。
~お昼~
さて、つきましたパチンコ店。
町中ではかなり目立ったが、セレナちゃんがいたので問題はあまりなかった。
俺は早速カウンターに行って千円で232個のパチンコ玉と交換した。その時のカウンターの人の顔が忘れられない。
ここでは略称するが、【
そうして、大量に当たったパチンコ玉といろいろなものと交換しました。
日本でパチンコ玉をお金に変えることは違法です。
~夜~
いろいろと貯まったお金で調味料などを買おうとしましたが、さすがに俺のメンタルがこれ以上もたないのでセレナちゃんにすべて任せました。
もちろん、【スケスケの実】の力で監視しながらね。
そうしてそのまま森に帰った。……お疲れ様、そしてありがとう、セレナちゃん。今日はぐっすり眠っていてくれ。
~二課~
「―――で、黒いノイズはそのまま立ち去ったと…」
「翼ちゃん、奏ちゃん……さすがにそれは信憑性には欠けるわね…」
「お二人とも……さすがに、それはないかと思います……。ノイズが文字を使うなんて…」
「本当だって!!アタシ等はこの目でバッチリ見たんだぜ!!」
「本当です!!信じてください!!」
「……」
ここは特異災害機動部二課の司令室。
ここではツヴァイウィングの二人と、【風鳴弦十朗】【桜井了子】【緒川慎次】、そして会話に参加していない二人がいる。
「……司令……」
「ん?どうした朔也?」
そして【藤尭朔也】が低い声でそう言った。
「どうしたの?朔也く……ん……」
そして、朔也の見ている画面を見て体が凍りついた【友里あおい】。
「ど、どうしたんだ二人とも……」
「なにかあったんですか?」
「モ、モニターに映します……」
そうして、モニターに映ったものを見て、その場で全員が凍りついた。
それは、写真だった。SNSに投稿されているものだった。
”おっしゃー大当たり!!”
そう書いてあるプラカードを競馬場で掲げる黒いノイズ。
時間は変わり、パチンコ店で……
”大儲け大儲け”
と、書かれているプラカードを掲げて喜んでいる黒いノイズ。
が写っていた。
そうして、しばらくの沈黙が続いた後…、その沈黙が破られる。
「ギャンブルしかしてねぇじゃねぇかァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
奏の言葉が、二課の司令室に響いた。