私は夢の中でメイルーニと呼ばれていました。
種族は耳が長かったことからエルフだったと思われます。
メイルーニは長い白髪を後ろで編み込んだ翠色の瞳をもつ女エルフでした。
身長は少し高めで、涙誘う慎ましい胸をしていました。
私は最初に白い木製の大弓を持ち、息を切らして走っていました。
後ろを振り返ると、血走った目をした巨大な狼が私を食べようと大きく裂けた口から舌を出し、口の端からはボタボタと唾液を落としながら追ってきていました。
私は矢筒に触れて残りの矢の本数を確かめました。
残りは4本でした。
予想よりも少ない矢に、小さく舌打ちをしてまた前を向いて走り出しました。
私の走っていた場所は森の中の開けた一本道でした。
しばらく行くと、走る私の眼前に道を塞ぐ巨大な岩が鎮座していました。
私はそれが少しばかり
「……ロックエレメンタル!やっりぃ!」
それは岩に擬態する魔物のようでした。
私は風の魔法で大きく跳躍し、待機状態のロックエレメンタルに向かって矢を放ちました。
矢が突き立ったロックエレメンタルは2、3m程の人型をとって立ち上がりました。
衝突した狼はそのままロックエレメンタルと戦闘を始めました。
その隙をついて私は一気に加速して大木の上にあるエルフの都市、「アルヴヘイム」へと逃げ帰りました。
「メイルーニ〜ぃ。朝から災難だったなぁ?」
門をくぐってすぐにその声を聞いた瞬間、私の心は一瞬で不快感に染まりました。
薄い金色をしたロン毛、リベールという男エルフでした。
ことある事に私に嫌味や陰湿な嫌がらせをしてくる男でした。
「何よクズ」
睨みつけながらそう吐き捨てると喉を鳴らして陰湿な笑みを浮かべていました。
「……ックク!随分なご挨拶じゃあないか?」
「アンタにはこれで事足りるわ」
これまた不快な笑い声をあげて此方に近付いて来ました。
取り敢えず私はリベールが進むのに合わせて後ろに下がりました。
リベールは私が怯んだとでも思ったのか笑みを深めました。
私は後ろに下がりつつ後ろに組んだ手で風の弾丸を作り、立ち止まった瞬間、手を顔に向けました。
生意気にも同じ魔法で相殺しようとしてきたので手は顔に向けたまま、射出方向は下半身へ向けて、顔を横へ倒しました。
数秒後に残ったのはうつ伏せに倒れるリベールと冷めた目で見ている私でした。
そして土を蹴ってひとしきりリベールを土まみれにして満足した私は宿屋へ帰りました。