ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強   作:イニシエヲタクモドキ

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連続投稿。
早くメインヒロイン出したぁい↑


錬成師の進撃/親友の足掛かり

ハジメside

歩き続けて数分くらい。やっと下に降りる階段を発見したので、一応ここにも時王に向けてのメッセージを錬成で彫っておき、下の階へ向かった。

「チッ…真っ暗じゃねぇか…この階層には緑光石が無いのか?」

下の階は光が無く、とても前が見えなかった。

苛立ち交じりに舌打ちすると、懐から緑光石のカンテラを取り出す。

暗闇の中で明かりを出すのは自殺行為だから、できればあまり使いたくはないが…

まぁこんな暗闇の中で生活している魔物がいるとしたら、きっとそいつは暗闇でも関係なく行動できる技能を持っているはずだから、そいつを喰って力を奪えば問題ない。

それまでの辛抱だ。

と、いきなり魔物が現れた。

通路の奥で何かが光ったのだ。

訝しんでドンナーを構えた瞬間、俺の左腕があった場所に括り付けておいたカンテラが、一瞬で石になった。

そればかりか、俺の左腕から徐々に石になっていった。

「ッ!石化かよッ!」

神水を飲み、石化を治す。

ドンナーを構えて、背後を取られないように壁に寄りかかる。

意識を集中し、敵の気配を探る。

「…さぁって…どうやっておびき寄せ…いや、多分向こうから来るだろうな…だとしたらどうやって攻めて来る?」

自問自答。いくら声を出そうと、敵には俺の姿はずっと見えているだろうし、居場所も知られてるだろう。

なら、考えを直接口に出してまとめた方がいい。

「…石化能力ってのは、異世界ファンタジーの作品だと…爬虫類が持っていることが多いよな…」

だとしたら、先程の石化攻撃は…蜥蜴の魔物が?

「じゃあ…壁伝いに上から来るんじゃ…」

その瞬間、俺の髪が重たくなった。

石になっているのだ。

「チッ!予想通りじゃねぇか!」

ドパンッ!とドンナーを撃ち、蜥蜴の脳天をぶち抜く。

何の抵抗もなく物言わぬ死体と化した蜥蜴を、纏雷で焼いてその場で食う。

今すぐにでも明暗関係なく周囲が見えるようになりたかったのだ。

「おぉっ…見える見える…ここはこんな構造になってたのか…」

ステータスプレートを見ると、新たに三つ技能が追加されていた。

「…夜目に気配探知…なるほど、ここの魔物のスキルにしては弱い気がするが、この階層だったら必須スキルだな…にしても…石化()()…俺も敵を石化させれるようになるわけじゃないのか…」

石化の邪眼!とかやってみたかったのだが…まぁこれであの石化攻撃も無効化できるようになったわけだし、いいか。

「よしっ、下に行く階段を探し…あ、弾丸ねぇじゃん」

ドンナーに弾を装填しようと思ったら、もうすでに弾丸が底をつきていた。

「作るの結構大変なんだが…まぁいいか」

白い熊の毛皮をかぶせてある、錬成で作られた大きな棚の形状をしたカバンの引き出しを開き、タウル鉱石を取り出して、設計図を見ながら弾丸を作り始める。

前は何百発か作ったから…もう少し個数を増やしてみるか。

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時王side

熊を殺して喰ってからしばらくたった。

歩き続けていたら、白い熊の死体と、壁に彫られたハジメのメッセージを発見した。

「…この熊を喰え、俺は下に向かった…って、もう覚醒してたのかアイツ」

もしかしたら死んでいるかもしれないと危惧していた自分が情けなく感じる。

まぁそれはそれとして…

「下に降りる階段なんてまだ見つけてないんだが…」

そうだ、俺が下に降りる未来を見ればいいんだ。

それで階段の場所を発見すればいい。

「よしっ、それじゃあ早速…」

未来を見ようとしたら、狼の群れが襲い掛かってきた。

もうお前らからは纏雷をありがたく頂戴した後なんだが…

「いらねぇんだよ今更ぁ!」

右腕をオーマジオウの腕に変え、狼を一匹一匹殺していく。

最終回のソウゴくんみたいだな俺。

全員を爆殺させた後、すぐさま未来を見て、階段のある方へ歩き始める。

「道中で何か出てくることもないみたいだし、安心だな」

結構フラグ感満載な事を言ったが、結局何も出てこなかった。

「ん?ここにもなんか書いてある…」

書いてある、というより彫ってあるなのだが、そこはどうでもいい。

階段のすぐ近くの壁に、ハジメが錬成で彫ったのだろう字があった。

「…ここから先に俺はいる。何があるかわからないから気をつけろ…ね」

無用な心配だといいたくなったが、親友の忠告なのでしっかり頭の片隅に入れておく。

「さ、確か下の階は真っ暗だっけなぁ…バジリスクを喰って夜目ゲットしなくちゃ…」

まぁ未来を見ながら移動すれば、暗かろうと明るかろうと関係ないのだが。

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ハジメside

「もう一階層下に下がったのはいいが…」

視界に入ったものを片っ端から鑑定していたら、とんでもないものを見つけた。

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フラム鉱石

艶のある黒い鉱石。熱を加えると融解しタール状になる。融解温度は摂氏50度ほどで、タール状のときに摂氏100度で発火する。その熱は摂氏3000度に達する。燃焼時間はタール量による。

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少し足を動かすと、タール状の何かがチャプチャプと音をたてる。

どうやら床一面にフラム鉱石(液体)が流れているらしい。

「…火気厳禁ですか…」

冷や汗を流しながら、少し試してみたいことがあったから試してみる。

「“錬成”…おっ、成功か!」

やってみたことは単純、ただただそこらに流れているフラム鉱石(液体)を錬成で動かせないかという事だ。

それは見事に成功し、フラム鉱石(液体)は俺のまとめたい方向に溜まっていった。

「…あとはこれを…”“錬成”」

溜めておいたフラム鉱石を、神水の時にやったように床に窪みを作って入れる。

「…これを詰めて手榴弾にするなんて悪くねぇな…ま、まずはここの魔物を何とかしてからだ…って、なんだアイツ?」

錬成を繰り返しながら移動し、フラム鉱石を集めていくと、床の上でビチビチを跳ねているサメのような何かを見つけた。

「…気配探知に引っ掛からなかった…なるほど、コイツはフラム鉱石の水たまりから奇襲を仕掛けてくるようになってたのか?」

前もって冷静にフラム鉱石という不確定要素を排除しておいて正解だった。

火気厳禁の階だから、逆に火を噴く敵が出てくるかと思ったが…なるほど、俺の行動を制限しながら気配探知に火かからずに奇襲を仕掛けてくるタイプの敵だったのか。

「ま、関係ないがな。死ね」

ドパンッ!とドンナーで打ち抜く。

少し抵抗はあったが、すぐに弾丸はサメの体を貫通し、その巨体を死体に変えた。

「…サメって一応食用の生き物だった気がするし…少しはうまいといいが…」

恐らくここにいる魔物は全部このサメと同じ状況に陥っているだろうと高をくくり、サメを喰らう。

「…普通だな。まぁあの熊とか狼とかよりかマシだが…」

まぁ文句は言えない。

っと、技能の確認技能の確認…

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:24

天職:錬成師

筋力:450

体力:550

耐性:400

敏捷:550

魔力:500

魔耐:500

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・気配感知・気配遮断・石化耐性・言語理解

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時王side

下に来たのはいいが…

なるほど、確かに前は見えない。

だが、俺が見ている未来は前が見えるようにされている。

これをうまく使えば、余裕でここを攻略でき…

「早速お出ましか」

右腕をオーマジオウにして、蜥蜴の攻撃に構える。

見えた未来では、左から攻撃してくるらしい。

「5、4、3、2、1…そこっ!」

見えた未来の秒数に合わせ、左の壁を殴りつける。

べチャッ!と何かが潰れる感触があった。

「…よしっ!クリーンヒット!」

潰れた蜥蜴を喰い、すぐに移動する。

ここに残っている義理も何もないからな。

下の階に行くと、なぜかフラム鉱石が無かった。

なるほど、ハジメが回収したのか。

ビチビチと床の上で跳ねているサメをオーマジオウの腕で殴りつけ、纏雷で焼いて食べる。

「…多分今までの魔物で一番うまいなコイツ…まぁサメは日本でも食えるもの扱いだった気がするけどさぁ…」

何か釈然としないが、まぁいいだろう。

「ていうかハジメどこまで行ったんだ?もしかしてもうユエと遭遇して、サソリモドキをムッ殺した後とか…」

未来を見ようにも、俺にかかわる未来しか俺は練度不足で見ることができない。

「ま、そこは要練習と言う事で」

サメの体を残らず貪り、気配遮断を使ってから、下の階に降りる。

ここから先は、しばらく原作ではダイジェスト扱いだったからな…気を引き締めていこう。




短くてすみません。
多分すぐ続きだすので待っててください。

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