ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強   作:イニシエヲタクモドキ

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なんか書きたいなぁと思う展開が沢山あり過ぎる上に、どれか一つの展開を利用したら、他の展開が使用できなくなるやらで悩み過ぎた結果、変な出来栄えになりました。
あ、あまり気にせず読んでいただきたいですね…



教えられた異常/救われる姫

時王side

「…俺は時王、常盤時王だ。…何でこんなところに居るんだ?」

「私…裏切られて…それで…」

そこまで言うと、急に俯いてしまうユエ(仮)。

ハジメが助け出していない以上、名前はまだユエになっていないんだろう。

「…め…さ…」

「あ?」

「ごめん…なさい…頼ろうとして…助けてもらおうとして…ごめん、なさい…」

突然泣きながら謝りだしたユエ(仮)に、面食らって何も言えなくなる。

「…どうしたんだよ、急に泣き出したりして…」

努めて冷静に質問すると、泣きながらユエ(仮)は話始めた。

「…かなり前に、ここに人が来たの…白い髪で、左腕が無い男の人…」

「…ハジメか」

ハジメがここに来ていない可能性を考慮し始めていた俺は、ユエ(仮)の言葉で考えをすぐに改めることになった。

「…その人が、自分も裏切られたって…それで、自分は死に物狂いでここまで来たのに、何で襲われることもなくここにいた私が助けてもらおうとしているのかって…飛び道具で殺されそうにもなって…」

それだけ言うと、また泣き始めたユエ(仮)。

なるほど…俗に言う原作改変というやつだね?

飛び道具はドンナーかな?

しかしどうしたものか…ハジメが原作と裏切りに対する反応が違う以上、俺が話しかけるのも危険かもしれん。

お前と一緒に居たせいで奈落に落ちることになったんだー!とか。

「取り敢えずコイツをこっから出してからだな」

「…え?」

右腕に逢魔の力をためて、勢いよくユエ(仮)が封印されている立方体を殴りつける。

すると、まるで豆腐を箸で崩すが如く立方体が粉々になり、ユエ(仮)が解放された。

ペタン、とその場にへたり込み、呆然としているユエ(仮)を抱き上げ、その場を素早く立ち去る。

流石に魔力が枯渇しているユエ(仮)を抱えながらサソリモドキと戦闘するつもりはない。

「お前に何があったとか、そう言うのは正直どうでもいい…だが、俺は王だ。目の前に苦しんでいる民がいるなら助けてやるのが筋だろ」

適当なことを言いながら、ユエ(仮)を別空間(結界のような物)に閉じ込めた。

「そこに居れば安心だから」

「安…心?」

「もうすぐ来るはず…」

俺がそう言った瞬間、タイミングを考えて出てきたと思うような感じでサソリモドキが飛び出してきた。

「先制の針は無し、か…ありがたいね」

両手をオーマジオウのソレに変えて、右目左目にも逢魔の力を宿す。

未来を見て、過去を改変する、その力を。

「さぁ来な!殺して食ってやる!」

俺の言葉に反応してか、サソリモドキは一本目の尻尾を振るってきた。

それを片手で受け止め、握りつぶす。

原作ではかなり硬い外殻を持っていると言われていたが、オーマジオウの前には無力のようだ。

声にならない叫びをあげながらのたうち回るサソリモドキを左腕で殴りつけ、殻をバキバキにし、生身の部分をグチャグチャにする。

「どうした!!こいつを取り返すんじゃねぇのか!!」

高笑いしながらサソリモドキを肉塊にしていく。

最初はピクピクと動いていたサソリモドキも、何度か殴ればすぐに力尽きた。

「…あれ?本当のオーマジオウってワンパンでミラーワールドのモンスターを爆殺していたような気が…だとしたらコイツどんだけ生命力あるんだよ…」

死体を亜空間に収納し、ユエ(仮)の方へ向き直る。

「ほら、終わったぞ」

「今の…すごかった…」

「そうか。そりゃよかった」

何が良かったなのか自分でもわからないが、そこは気にせずに行く。

「…さて、取り敢えず…」

右腕だけオーマジオウの腕にして、虚空に穴を作り、手探りであるものを探す。

「お、あった…」

「?」

不思議そうな顔をしているユエ(仮)に、あるものを手渡す。

「ほら、これ。服無いだろ?」

「…時王のエッチ…」

釈然としないものを感じながら、ユエ(仮)に背を向ける。

背後から聞こえる衣擦れの音を極力意識しないようにしながら、考えをまとめる。

ハジメは一度ここに来たうえで、ユエ(仮)にトラウマ(笑)を植え付けて出ていった。

それはかなり前(まぁユエ(仮)に時間間隔なんてないからあてにならないんだが)の事らしい。

アイツはライフルを作らなかったばかりかユエを連れて行かず金剛の技能すら手に入れていない状態で百階層まで向かっていると。

…死んだなアイツ。

「…着替え、終わった」

「ん?あぁ、わかった」

ユエ(仮)の声が聞こえたので振り返る。

「…さて、色々聞きたいことはあるが…まず移動しようか」

「…ん」

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ハジメside

ドンナーを撃つ。

敵は死ぬ。

ドンナーを撃つ。

敵は死ぬ。

ドンナーを…

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!ムカつくんだよお前らぁ!!!」

数で俺を圧倒してくる敵の脳天を寸分狂わず撃ち抜き続ける。

だが、敵の数は減らないばかりか、むしろ増えて言っている気がする。

「くそっ…おら!手榴弾だ!味わえ!!」

天歩で上空まで行き、焼夷手榴弾を大量に落としていく。

すると、敵の体が融解していき、数だけあった敵が一度に消滅した。

着地せず、安全なところまで移動してから一息つく。

「くそっ、弾丸を無駄にしたな…フラム鉱石も有限だし、大事に使わねぇと…」

弾丸を作り出しながら愚痴る。

「しかし…あの花は一体何だったんだ?」

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時王side

「それで…まずは名前を聞かせてもらおうか」

「…名前、付けて」

「…その心は?」

未だ瞳から警戒心を抜かないユエ(仮)に名前を聞くと、原作通り名前を付けるように言われた。

一応理由を聞くと、こんなことを言ってきた。

「…もう前の名前いらない。時王のつけた名前がいい」

原作通り過ぎてなんだかなぁ…

「じゃあ、アレーティア」

「…え?」

「ごめん嘘」

少しふざけたくなって、ユエの旧名で呼んでしまった。

「じゃあユエ、なんてどうだ?」

「…ユエ?」

「あぁ」

「どうして?」

「んー。ユエってさ、俺の故郷で月って意味なんだ。なんか、お前を最初に見たときに目に入った金髪が、月明かりにそっくりでさ。それで…ユエ。どうだ?」

「…いい名前。ユエ、ユエ、ユエ…時王がつけてくれた名前、時王、私を助けてくれた人、私を守ってくれた人…」

何やらブツブツ言いだしたユエを尻目に、今ここにいない親友を思い出す。

アイツもしかしてヒュドラと戦ってるとかじゃないよな?

死ぬぞ、アイツ化け物だし。

「私の時王、時王は私の…時王、時王時王時王時王時王時王時王時王時王…」

「ゆ、ユエさん?どうしました?」

なんか壊れてきたのでユエの方に意識を戻す。

目に光なかったし…一体何が…

「時王」

「アッ、ハイ」

「…だぁいすき♡」

「…お前、好感度って知ってる?」

すごくいい笑顔で言ってきたユエに、俺は瞠目するのだった。

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ハジメside

「オラァ!いい加減に出てこいよ陰湿植物野郎!うざってぇんだよ逃げ隠れしてよぉ!」

ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!

ドンナーを乱射しながら、森の中に隠れているだろう植物型の魔物を探す。

最初は魔物の方から出てきて、俺に変な胞子を浴びせてきたのだが、俺の異常な耐性に怯え、逃げ出した挙句森の中の植物に擬態したのだ。

「出て来ねぇならあぶりだしてやる…」

焼夷手榴弾を手に持ち、森の中にばら撒く。

投げられた焼夷手榴弾は、地面に触れてバウンドした瞬間にタールをまき散らし、周囲を炎の海に帰る。

すると、木の陰から植物型の魔物が、声にならない叫びをあげながら逃げ出してきた。

「はっ、遅いんだよ出てくるのがぁ!」

ドパンッ!

必死の形相で逃げる植物型の魔物の脳天を、躊躇なく撃ち抜く。

「さて…こいつは植物型の魔物…つまり野菜ってことだ」

不足していたビタミンを補充しようと、倒れこんでいる植物型の魔物を食べる。

野菜は生で食べる派の俺は、珍しく纏雷で焼かずに食べた。

「…ングッ…こ、こいつ…」

一口食った後、俺は拳を握り震えた。

その理由は単純だ。

何故なら…

「見た目植物なのに、中身ちゃんと肉じゃねぇか!!!」

ドパンッ!

あまりに苛立ちすぎて、死体撃ちしてしまった。

「はぁ…はぁ…焼けばよかった…」

後悔しながら、植物型の魔物を食いつくす。

あまり美味くない上に、野菜ですらない。

食べる気が全く起きないが、喰わないといつ食事ができるのか分からないのでしっかり全部食べる。

この先の見えない奈落の底では、贅沢なんて言ってられないのだ。

「…あー…時王が居たら、なんて言うんだろうな…」

今ここにいない親友の事を考える。

もしこの場に時王が居れば、アイツの事だ。俺と一緒に、野菜じゃねぇのかよ!!って突っ込むだろうな。

「あー、駄目だ駄目だ。甘ったれた妄想に浸ったら、心が鈍る…しっかり研ぎ澄まさねぇと…」

鋭さを失ってしまいそうになった心を、もう一度復讐心という名の砥石で研ぐ。

檜山の俺達を落とした時の顔…

天之河の俺達と他の連中の扱いの差…

白崎のお節介とその被害…

いじめに対して何もせず、自分は良い教師になりたいとかほざいていた畑山…

俺達を勝手に召喚しておいて、自分の言う事を聞かないとなると、軽蔑心を露わにし始めたイシュタル…

訓練のときに顔を出しても、俺と時王は視界に映らないものにしていたリリアーナとランデル…

何より俺と時王をこんな目に遭わせるに至ったこのクソったれた世界に召喚させやがったエヒト…

他にもいる、他にも思い浮かべられる…

俺はそいつらをどうしたい?

殺したい。

そいつらを殺した後、お前はどうしたい?

帰りたい。

帰る?どこへ?

故郷へ、俺の家へ。

一人で?一人で帰るのか?

時王…親友と一緒に。

俺は結局、何を望んでいる?

復讐と、親友と一緒の帰還…そして、親友との…平和な日常だ!!!

なら邪魔するものは?

殺す!

障害物は?

物なら壊す!生き物なら殺す!

理不尽や困難は?

関係ねぇ!行く手を阻むなら俺の敵だ!有象無象に変わりはねぇ!!

「殺す、殺して食う。強くなって復讐して、時王と一緒に帰って…二人で一緒にバカやって、笑いあって…そんな日常を手に入れる」

ドンナーを上に向け、祝砲と言わんばかりに引き金を引く。

ドパンッ!という乾いた音が、俺の心を綺麗に、だがどす黒く染めた気がした。

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時王side

「それでユエ、お前は吸血鬼なんだよな?」

「んっ」

俺が名前を呼んだ瞬間に、デフォルトの無表情から一気に表情を明るくし、笑顔で肯定してきた。

「…じゃあ、お前はしばらく魔物の肉が食えねぇから、俺の血でも吸うのか?」

「…いいの?」

目をウルウルさせて質問してくるユエ。

だが何だろう。奈落に落ちてから、性欲とかそう言ったものが彼果てている気がする。

実際、ユエは胸元がばっちり見えているにも関わらず、我がマイサンは立ち上がらなかった。

まさか…いや、それは無いはず…

「じゃあ…いいぞ?」

「え…?いいの…?」

肩を露出させた俺に、瞳を輝かせつつも遠慮がちに聞いてきたユエ。

前までの俺なら、ええんやで(ニッコリ)とか答えたんだろうけど、今は普通に答えた。

「あぁ。腹減ってんだろ?本当に吸血鬼なんだとしたら、もう三百年以上ここに閉じ込められて飲まず食わずだったらしいし」

「…じゃ、じゃあ…いただきます…」

力強く俺を抱きしめ、首筋を噛んだユエ。

…前までは注射で泣いてたような俺が、噛まれて泣かないレベルになったか…

「んっ…ちゅっ…レロッ…じゅるじゅる…」

「…」

ユエの飲み方が、原作で明かされていたようなただ吸うだけの飲み方ではなく、時々傷口から流れてくる血を舐めたり、キスするように軽く唇を触れさせて吸ったりと…何というか、官能的だった。

耳元で聞こえるユエの甘く蕩けた吐息や、啜る音、舐める音が艶めかしいことこの上なく、俺に物凄い背徳感を与えるばかりか、背筋をゾクゾクさせた。

「ッはぁ…ごちそうさま…」

トロン…とした目で俺の目を覗き込みながらユエの言ったご馳走様に、俺はノックアウトされるかと思った。




感想でもありましたが、ハジメに心をボコボコにされたユエは、時王に完全依存しているヤンデレなので、もしウサミミの未来が見える居乳少女や、ドMの竜人族や、日本産のヤンデレクラスのアイドルやお姉さま系妄想型ヤンデレサムライガールやチョロイン王女様等に遭遇したら、最大出力の最上級魔法(全属性)を連射した挙句、オリジナルの魔法で次元ごと消滅させようとするでしょうね。
だがそれがいい(ヤンデレ好き)
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