ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強   作:イニシエヲタクモドキ

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大事な回のはずなのに、つなぎの回程度の量しかございません。
お許しください。


祝福の時

時王side

ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!

ハジメの出した銃声が響く。

オーマジオウはドンナーの凶弾をものともせず消滅させ、勢いに任せてハジメを殴りつけた。

ゴシャァッ!!という音と共にハジメが吹き飛ばされる。

俺は、ハジメを攻撃するために隙を作ったオーマジオウの腹部を思い切り殴りつけた。

『ふん…本来の力の1%にも満たないその腕の攻撃で…我がやられるとでも思ったか!』

俺の攻撃ではびくともせず、俺の頭を掴み、ハジメの吹き飛ばされた方向へ投げ飛ばした。

「“緋槍”!」

オーマジオウに向かって、ユエが連続して魔法を射出する。

だが、その攻撃も消滅させられてしまう。

『どうした!こんなものか!?』

「なめるなぁああああああ!!!」

瞬間移動したかのようにオーマジオウの眼前まで迫った俺が、全力の連打を喰らわせる。

『効かないと…言っているだろう!』

それでもダメージは全く入らず、俺は顔面を殴りつけられてしまう。

だが、これも計画通りだ。

「それは…想定内なんだよ…!」

『なに?』

「現代兵器…甘く見るんじゃねぇぞ!!」

俺に意識を集中させていたオーマジオウの体に向かって、ハジメがシュラーゲンの銃口を押し当て、最大出力で撃ち始めた。

『グゥッ!?なるほど…中々効くなぁ…だが無駄だ!』

オーマジオウは若干よろめくも、すぐに体勢を整え、ハジメを殴り飛ばした。

「ガァッ!!」

「“蒼天”!!」

ハジメを殴り飛ばしたオーマジオウに、先程までシュラーゲンで攻撃されていたところを狙ってユエの最上級魔法がぶつけられた。

『いくら同じところを攻撃しようと…無駄だ!』

そう言うと、オーマジオウはユエに向かって金色のオーラを放った。

それを喰らったユエは、抵抗することなく吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた。

『…さて、そろそろ終わりにしようか…』

それだけ言うと、オーマジオウはハジメとユエの方に手を伸ばし、極光を放った。

グゴォオンッ!!という爆音とともに、ハジメとユエが極光に襲われた。

「ハジメ!!ユエ!!」

急いで二人の方へ駆けよると、ハジメは右目から血を流していて、ユエは再生は始まっていたものの、皮膚は焼けただれ、すぐには回復しないだろう事が分かった。

ハジメとユエに神水を浴びせて、傷の治りを早くさせようとする。

やはりそう簡単には治らず、二人が苦しんでいることに変わりはなかった。

「…」

オーマジオウを睨みつけ、ゆっくりと立ち上がる。

訝し気に俺を睥睨してくるオーマジオウを無視して、俺は俯きながら歩く。

一歩一歩、ゆっくりと。

そして思い出す。

怒りを、苦しみを、痛みを…全てを。

ハジメと同じだ。

ただ、俺の復讐相手はコイツだけで十分だ。

俺に淡い期待をさせるだけさせて。

順調に器を用意していた俺の前にしゃしゃり出て、いきなり理不尽に蹂躙し始めて…大事なものを奪おうとした。

檜山とか、エヒトとか。そいつらはもうどうでもいい。

ただ…こいつだけは殺さなきゃだめだ。俺の手で、俺自身の手で。

「すぅ…ウォオオオオオオオオオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

叫ぶ。

怒りに身を任せるために。

今この時は、不要な理性を捨てるために。

ゴォン…と、鐘の音が響いた。

腹部に重みを感じたので見てみれば、そこには目の前のオーマジオウと同じベルトが装着されていた。

使い方は、もう知っている。

だから…

「変身!」

『祝福の時!!』

地面を流れる溶岩の熱が、俺の怒りを表しているかの様だった。

『最高!』

響く声が俺の復讐心を助長させた。

『最善!』

俺を見るオーマジオウの目は見えないはずなのに、驚愕に染まっている気がした。

『最大!』

俺の視界を覆うように、金色の腕時計のバンドのような何かが高速回転している。

『最強王!』

バンドが消え、目線が少し高くなったような気がした。どうやら変身が終わりに近づいているらしい。

『オーマジオウゥ!!』

俺が変身した瞬間、周囲に何か途轍もない波動が放たれた気がした。

事実、目の前のオーマジオウは後ずさりし、その後ろにいたウォズの方もよろめいていた。

壁前面に亀裂がはしり、バキバキと音をたてていた。

『ウォズ、さっきお前は俺が変身したら祝うように言われていたな?』

「あ、あぁ…?」

俺の言葉に、訝し気な反応を返すウォズ。

だが、ウォズが理解しているかどうかは関係ない。

だから、俺はそのまま告げる。

『ウォズ、祝え』

「は?」

『祝えと言っている』

そこまで言って、ようやくわかったのか、ウォズは声を張り上げた。

「祝え!新たなる王の誕生を!真名の通り、本来持つべき力の全てを手にした、逢魔時王の最後の姿である!」

ウォズが祝福した瞬間、オーマジオウがこちらを睨みつけながら激高した。

『ふざけるな!本来ならこの力はジクウドライバー無しでは手に入れられないはず…何故お前がその力を…!』

『忘れたか?最初にお前が俺に力を貸した時…ジカンギレードとサイキョーギレードを俺に貸した時に、ジクウドライバーを媒体として武器を貸し出したことを』

『なっ!』

ようやく思い出したのか、愕然としだしたオーマジオウ。

『そして…なんだろうな、思い出した?なのか?今の俺の力の使い方が、わかる…俺の力は…全てのライダーの力だ』

そう言った瞬間、オーマジオウの体の中からライドウォッチが大量に出てきて、俺の体の中に取り込まれていった。

取り込んだ時にも、再び途轍もないエネルギーを発する。

『力を手に入れたところで、我が負けると決まったわけではない!』

そう言うと、俺の方へ走りだしたオーマジオウ。

それを睥睨し、カウンター代わりに拳を振るう俺。

金色のオーラが纏われ、殴りつけられたオーマジオウが爆発する。

『グゥッ…まだだ!』

今度はオーマジオウが俺の体を金色のオーラを纏わせて殴りつけてくる。

それを左腕で受け止め、右腕で殴りつける。

金色のオーラを纏った拳が、オーマジオウの鎧に罅をいれる。

『終わりだ』

『終焉の時』

オーマジオウを蹴り飛ばし、ベルトのボタンを押して、必殺技を発動する。

『逢魔時王必殺撃』

その場で跳躍し、オーマジオウの方へ構える。

オーマジオウを囲むように、キックの文字が並ぶ。

その場から逃げ出そうと試みているが、キックの文字に阻まれ身動きが取れない。

そのままオーマジオウへ飛び蹴りを喰らわせる。

キックの文字がオーマジオウにぶつかりながら俺の足の裏に集まっていく。

全ての文字が俺の足裏に集まった所で、オーマジオウを全力で蹴りつける。

プラズマがオーマジオウの体に何度か現れると、断末魔を残させることすらなく爆散させた。

「はぁ…はぁ…やった…ぞ」

変身解除しながら、俺はその場に倒れこむのだった。




ウォズの出番はこれで終了です。
まぁ偶に前書きで何かを語ってもらう予定ではいますが。

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