ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強   作:イニシエヲタクモドキ

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今回、途中が少し不快な気持ちにさせてしまう可能性がある内容なので、そう言ったものが苦手な方は少し飛ばして読んでください。



侵略→歴史消去→強さの渇望

時王side

俺達がフェアベルゲンに滞在してから九日…

大樹の霧が晴れる周期が明日に迫った日の夜の事だった。

夜も遅く、眠ろうとしていた俺達の部屋の外…いや、小屋の外から爆音が聞こえてきた。

祭りか?と寝ぼけ眼を擦りながらそとに出ると、フェアベルゲンの集落が焼け野原になっていた。

涙を流しながら両親を探す子供や、瓦礫の下敷きになって動けなくなっている老人。

さらに悲惨な者は、体が火だるまになりながら悶えている者もいた。

…一体、何が起こった?

素早く部屋の中にユエとハジメがいるかを確認する。

二人は無傷でそこにいて、外の世紀末的な光景を見て呆然としていた。

…若干、ハジメが嬉しそうにしていた気もするのだが…

そこまで考えて、あることを思い出した。

…ハウリア達は?

原作と違い(違う気がする)、迫害されることもなくなったため、力を手に入れようとしなかったために…

今、彼らは原作のような隠密能力を生かした戦闘も回避も潜伏も不可能のはずだ。

シアも、原作と違い、力を手に入れるために戦闘訓練を受けるということをしなかったから…

それを悟った瞬間、俺はすぐさま外に飛び出した。

何があったかは関係ない。…ただ、守るといった奴くらい守らなくてはと思ったのだ。

暴力的な火柱が星空を凄惨に染めている夜の町を走りながら、万が一の時は時間を消すことを考えた。

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三人称視点

事態は、時王が目を覚ます数時間前に遡る。

集落の周りを見回りしていた亜人たちが、なぜか森の中に入り込んでいた帝国兵の一団に遭遇したのが事の発端だった。

「…チッ、ハズレか…おいお前!死にたくなかったら亜人共の集落の場所か…もしくは白髪の小僧二人と金髪の女の三人組の場所を教えろ!」

「…っ、貴様ら…!!」

遭遇した瞬間、ハズレと悪態をつかれた亜人は、怒りのままに…されど冷静に帝国兵に攻撃を仕掛けた。

「んだよ、死にたいらしいな…後衛!魔法詠唱!前衛で畳かけるぞ!」

「「「「「「了解!!」」」」」」

持ち前の身体能力を生かして飛び掛かって来た亜人。

その速度はとても常人では視認することも困難だったが、帝国兵たちは慌てることも怯えることもなく攻撃の速度を殺し、そのまま手に持った刃を亜人の腹部に突き刺した。

「ぐぁっ…!?」

よろけたところに後衛の火球×3が放たれ、亜人は一瞬で炭と化した。

それにさらに怒りを覚えた亜人たちは、今度は真正面から行くのではなく攪乱してから攻撃する方法に転換、しかし、相手は帝国兵の中でも精鋭中の精鋭と呼ばれるレベルの者達(ただし時王が一瞬で殺した奴等の方が精鋭)だった。

瞬間的に狙いと攻撃してくる位置を予測し、それにあった最適な戦闘隊形をとる。

だがそれだけで対処しきれるような者達ではなかった亜人たち。

最初の狙いを急遽変更し、素早く別陣形での攻撃に転換。

それに合わせてさらに帝国兵が…

そんなハイレベルな戦いを繰り広げていたが、流石に魔法を使う相手には分が悪く、亜人たちが敗走する形になってしまった。

何とか集落に逃げ帰った亜人たちだが、それは大きなミスだった。

帝国兵たちが、亜人たちに対して、魔法を受けた相手の居場所を知ることのできるアーティファクトを使って魔法

を発動していたのである。

それにより、迷うことなく亜人たちの集落の居場所に向かって、先程の帝国兵たちの数とは比べ物にならないくらいの帝国兵がやってきた。

そのせいで、時王が起きた頃には集落は焼け野原になっていたのである。

さて、その帝国兵の一団…いや、軍が攻め込んできたときの事だ。

ハウリア族は、帝国兵の攻め込んできている所の近くにいたのだ。

その結果、帝国兵が挨拶代わりに放った火矢にあたり、沢山の男が死んでしまった。

「て、帝国兵だぁあああああああ!!!」

「て、敵襲!敵襲ぅー!!」

絶叫が集落内を満たした。

敵襲を知らせる声で、戦える亜人たちが前に出てきたが、その全員はつい先ほどまで眠っていたり、ハウリア族への謝罪の会という名の宴で酒を浴びるように飲んでいた者達。

とてもまともに戦えるわけもなく、帝国兵たちの攻撃に次々と屠られていった。

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三人称視点

(逃げなきゃ、逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ!!!!)

周囲から聞こえてくる他の人達の泣き声や絶叫に心を痛ませながらも、自分を追ってきていた人たちがまだついてきていることを知り、さらに逃げるシア。

心の中で、ひたすら逃げることを考えようと絶叫するも、あまり効果はなかったようで、時折聞こえてくる声にビクッと震えたりしている。

(一体どうして!?)

目を覚ました時には、すでに帝国兵が自分たちを襲ってきたのだ。

そう思うのは無理はないだろう。

困惑しているような表情のまま、自問自答しているシア。

まぁ自答はあまり出来ていないから、思い浮かぶ疑問をひたすら心の中で叫んでいるだけなのだろうが。

靴を履かずに走っていたせいで、足に肉刺ができ、それが潰れて痛みが熱のように感じられている。

だが、止まったりしたら死よりも辛い凌辱が自分を襲うだろうから、と歯を食いしばって逃げ続けるシア。

ある程度逃げたところで、追手はいなくなった。

(諦…めた…?)

荒く息を吐きながら、改めて周囲を見渡す。

昔よく遊んだ広場に、死体が転がっている。

首と胴体が離れているもの、脳天に矢が刺さっているもの…中には、同じ女として同情するような…無理矢理犯されて死んでいるものもあった。

それを見て、こらえきれず嘔吐する。

ゲホッゲホッとむせてから、涙で顔を汚しながらも歩き出す。

足の痛みは、もう麻痺してきていた。

(今は…みんなを…同じハウリア族(家族)の皆を、同じ亜人族の皆を…私を助けてくれたあの人…達を探しましょう…)

そう考え、泣きわめきたい気持ちを抑えて歩き始めたシア。

だが、その足取りはまるで幽鬼のようでおぼつかなく、夢遊病者の様だった。

なんの計画性もなく歩いていたシアだが、足に何かがぶつかったことで足を止めた。

「え………ひっ!?」

足元にぶつかったソレが何かを認識して、悲鳴をあげそうになる。

だが悲鳴をあげたりなんてしたら帝国兵に居場所がバレてしまうと思ったからと、何とか口元をふさいで堪えた。

(嘘……………)

転がっていたモノ、それは…

「パル、くん…………?」

自分の事を、シアお姉ちゃんと呼んで笑顔を向けてきてくれた少年。

花が好きで、よく自分に花を摘んでくれた少年。

そんな少年の、生首だった。

「な、なんで…そんな…」

心が折れそうになったが、なんとか堪えて立ち上がる。

恐らく、これも帝国兵の仕業だろう。

フラフラと歩き始めたところで、再びシアを絶望が襲う。

「あ、あれって…」

曲がり角の先から覗いているウサミミを見つけ、逸る気持ちを抑え、ゆっくりと用心深く近づいて行く。

そこには…

「オラッオラッ…おいおい、コイツもうへばってますぜ?」

「ったく、つまんねぇなぁ…ま、まだ死んでねぇしいいだろ。ていうかお前早くしろよ。次は俺の番だぞ」

「そう言いながら口をさっきからずっと占拠してるのボスじゃないですかぁ!」

「そう言いながらお前もう一人の方使い続けてるだろうが!憎いぞ!!」

下卑た表情で愉快そうに自分の友人の…ラナとミナの二人を犯している帝国兵達がいた。

「…な、なん…」

「…あ、おい!あれってあの噂の兎人じゃねぇか!?」

「っ!?しまっ…」

「見つけた亜人は早い者勝ちだしなぁ…俺達でいただくとしようぜ!」

旧知の仲の二人がレイプされているところを目撃したせいで硬直していたシアの背後から、別の帝国兵の声が聞こえてきた。

「に、にげっ…」

逃げようとしたシアだが、魔法が足に当たり、転んでしまった。

「あ?コイツ前に隊長が言ってたやつじゃね?」

「オイオイまじかよ最高じゃねぇか!こいつ等と一緒に犯してやろうぜ!」

「ふざけんなよ!こいつは俺達が先に見つけてたんだぞ!!」

「まぁまぁ、もめるのは最初だけですって」

「でもよぉ…ま、先にコイツ脱がせるか」

少しの間もめた帝国兵達だったが、すぐにシアの方に意識を戻し、服に手をかけた。

抵抗しようとしたものの、帝国兵達に服を剥ぎ取られ、全裸にされてしまったシア。

「い、いやぁ!離してぇ!!」

「暴れんなって!…オラッ!」

泣き叫びながら抵抗するシアの顔を殴り、抵抗をなくさせようとした帝国兵。

そのズボンにはテントが張られていた。

しばらくの間抵抗していたものの、体力が尽きたせいで動けなくなってしまったシアに、帝国兵の一人は、もう我慢できねぇといいながらそそり立ったイチモツをだし、シアの秘部に押し付け…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ようとした瞬間、ベチャッとトマトが潰れるような音をたてて頭が破裂した。

「…なっ…」

一瞬で物言わぬ屍と化した帝国兵を蹴り飛ばしたのは、先程までその場にいなかったはずの時王だった。

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時王side

音速…いや、もはや光速で移動しながらシアたちを探していたら、とんでもない場面に遭遇した。

危うく薄い本のような状況に陥るところだったが、それを帝国兵一人とか言うどうでもいい犠牲で防ぐことができた。

全裸のシアに、俺の上着を無言で着せてやってから、ライドウォッチを2つ創り出す。

『電王』

『ファイズ』

ボタンを押し、デンカメンソードとファイズブラスター(武器)を両手に召喚する。

いきなり武器が現れてか驚いて硬直している帝国兵達を脅すように、デンカメンソードを地面に突き刺し、ファイズブラスターの143のボタンを押す。

『Blade Mode』

剣の状態に変化したファイズブラスターを地面に刺し、デンカメンソードを手に持ち、レバーを四回引く。

『ウラロッド』

『キンアックス』

『リュウガン』

『モモソード』

必殺技待機音を奏で始めたデンカメンソードを片手で持ち、地面に刺してあったファイズブラスターブレードモードを逆手持ちする。

デンカメンソードを持っている右手の小指でファイズブラスターブレードモードのエンターキーを押して、さらに必殺待機。

『Exceed Charge』

赤く発行し始めたファイズブラスターブレードモードの刃部分と、自分たちの足元に迫ってきている線路を見ておののく帝国兵達。

だがそれを気にせずに、俺は線路に飛び乗り、何かに後押しされるかのように動き始めた。

「死体も残らず死ね。逢魔鉄道555(スリーファイズ)斬り!」

ファイズの武器も一緒につかっているのに、電車斬りだけでは味気ない気もしたので、ファイズ要素と俺の力…オーマジオウ要素も入れておいた。

それに加え、ネーミングは雑にした。

良太郎のネーミングセンスばりにダサくつける方が、何というか…かっこいい気がしたからだ。

だから555でスリーファイズなんて無理のある読み方をするようにしたのだ。

別にどっかの銀河鉄道を意識しているつもりはない。断じて。

俺の斬撃をうけた帝国兵達は、一瞬で塵になった。

ついでにその余波で近くに感じていた帝国兵の反応も消滅させた。

「…大丈夫…じゃ、なさそうだな」

確認がてら大丈夫かと聞こうと思ったが、流石にそれは必要ないということで、シアの傷を時間を戻すことで治し、手を取って起き上がらせる。

「…あの、ジオウさん…」

「…何も言わなくていい。今は…」

悲痛な面持ちで何か言おうとしたシアの言葉を遮り、抱きしめる。

驚いたのか、ビクッと震えたシアだったが、すぐに抱きしめ返してきた。

それを安心させるように頭を撫でながら、優しく話しかける。

「今は、泣くといい。辛かっただろ?苦しかっただろ?…安心しろよ、何があっても守ってやる」

「………うっ、ひぐっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!どうしてっ…どうしてぇ…パルくんもラナさんも、ミナさんも…他にもいっぱい!!みんな、みんなが…どうしてぇ…!?」

堰を切ったように泣き出したシアを、無言で撫で続ける。

そりゃぁこうなるだろう。

いきなりこんな地獄絵図を味わうことになるなんて、誰も思ってなかっただろうし。

俺もそうだったし。

何より…

チラリと、床で気絶している二人の兎人に目を向ける。

全身がぬるぬるした気持ち悪い白濁とした液体に汚されていた。

…明らかに、ねぇ…

良く知る友人がそんな目に遭わされているところに遭遇したシアの気持ちは…とてもだが、想像できる範疇を越えている。

しばらくの間泣いていたシアだが、落ち着いてきたのか俺の胸元から顔を離した。

「…ありがとうございました…」

「気にすんな。俺にできるようなことなんて、これだけしかないんだから」

「…そんな、こと…」

そう言いながら俯いたシア。

ま、この現状を好転させるいい方法はあるんだがな。

一応シアに確認とっとかないと…

「なぁ、シア」

「…はい…?」

「この状況をなんとかできるなら…なんとかしたいか?」

「…どういう、ことですか…?」

俺の言葉に、訳が分からないと首を傾げたシアの目を見ながら、話し続ける。

「…俺は、時間を自由に操る力を持っているんだ」

「………………………っ!?もしかして…!」

「あぁ、こうなる前…そうだな、ざっと九日前くらいに戻そう。もちろん、お前の…ついでにハウリア族全員の記憶を残したまま、な」

「戻してください!」

俺の説明に、食い気味に反応したシア。

それに対して、落ち着けという風に手で制しながら念話でハジメにも話をつける。

いい返事をもらったので、早速この俺達にとって悪い歴史を()()()()()()()()()()

手を上に向けて、金色のオーラを溜めた瞬間、景色が剥がれt

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時王side

「ここがお前たちの泊まる予定のスペーs」

「なっ!?い、いったい何が!?」

「…どうかしたのか?」

いきなり声を荒げたカムに、驚いたように目を丸くしながら質問したアルフレリック。

それに、どうしたもこうしたもあるかという風に答えたカム。

「何を言っているんだ!!だってさっきまでは帝国兵に襲われていて、私はもう死んd」

「落ち着けカム、説明してやるから…アルフレリックもな」

カムを…というより全員を落ち着かせながら説明する。

俺の説明を聞いて、信じられないというような反応を見せる面々。

ハジメとユエも、流石に今回の俺のやったことには驚かずにはいられなかったらしく、事態が呑み込み切れないというような反応をしていた。

「…ま、無理に信じろとは言わねぇよ…わかることはただ一つ。九日後に帝国兵が襲ってくるってことだけだ。その後は…ハウリア達が一番覚えてるんじゃないのか?」

それを聞くと、恐怖に震えだしたハウリア達。

何があったのかを、その怯えているハウリア達から察したアルフレリックは、俺の方を見て、目でどうすればいい?と聞いてきた…ような気がした。

だから、俺はしっかり答えてやることにした。

「…お前ら、どうしたい?」

「…え?」

「このまま、九日後に来る帝国兵に、前みたいに好き勝手されたいか?」

「そ、そんなわけないでしょう!?」

「…言っておくが、俺も確かに俺かハジメかユエ…それと、依頼主のお前らは守るが、他を守る気はないぞ?」

「なっ…」

「驚くか?別にメリットデメリットで考えたら簡単な話だろ?」

「…ですが…」

俺の言葉に、理性ではわかっていても本能的には良くないと思っているような反応を見せたカムを誘導するように声をかける。

「…まぁわかるさ。ようやく和解したんだもんな。守って欲しいよなぁ…じゃあどうすればいいと思う?」

「どうすれば…って」

「簡単だろ、お前らが強くなれ」

「っ、無理ですよ…そんな事。私たちは最弱種族の兎人族ですよ?そんなのが…最強種の熊人族でも勝てないような帝国兵に敵うわけ…」

「…チッ」

自嘲気味に言ったカムに、舌打ちして威圧を発動したハジメ。

…あーあ、怒らせちゃった。

「ふざけてんじゃねぇよ。何やる前から諦めてんだ?あ”ぁ”?」

「ひっ…し、しかし…」

「しかし、じゃねぇよ。このウサギ…シアには話したがよ。俺だって無能って呼ばれてたんだぜ?もちろん時王も。それでも、ここまで強くなった。奈落から這い上がってこれた。そうだろ?」

「む、無能?そんなまさか…」

「そのまさかだ。最弱で、弱くて…非戦闘職だったからな。余計に無能扱いに拍車がかかってたよ。時王なんて、天職が閲覧不可になってたんだぜ?」

「…そ、それなのに…」

「そうだ、それなのに強くなった。時王なんて自分から魔王を名乗りだしたレベルだ」

「ハジメ、さり気なく俺の事馬鹿にしてないか?」

「…俺だって、錬成の力を使ってドンナーとかシュラークとか…そう言う武器をたくさん作ることができた」

俺から目をそらしながら言ったハジメをジトッと睨みつける。

だが、ハジメは冷や汗を流すだけでどこ吹く風だったので、諦めてカム達の方を見ることにした。

「お前らは、地力で言えば俺達の初期ステータスよりも何倍も強いだろ?さらに言うなら、俺達と違って戦闘向きの技能だってあるはずだ」

「…隠密と、索敵…?」

「そう、それだ」

「その二つを鍛えて、さらに戦闘に対しての苦手意識などの克服、ステータスの向上さえすれば…お前らは最強の種族にすらなれる」

俺とハジメの太鼓判を受け、やる気を漲らせ始めたハウリア達。

「…さて、最後に聞くぞ…どうしたい?」

俺の質問に、ハウリア達は、当然の如く答えた。

「…強く、なりたい…」

「帝国兵も…いや、帝国兵だけじゃない、ほかの襲い掛かってくる人達も…」

「皆を守れて、戦えるように…」

「「「「「「強くなりたい!!!」」」」」」

ハウリア族全員の声に、頷き、アルフレリックの方を見る。

「そういう事だから…そうだな、こいつ等を強くするための特訓をしたい。だから…この宿に泊まらず、野宿することにしたいから…この集落を囲っているフェアドレン水晶の一部を何個かもらっていいか?」

「………構わないぞ」

少し考え込んでから答えたアルフレリックに感謝の言葉を告げ、外に出る。

…さて、ウサギ共の調教を始めようか。

「…駄肉ウサギ、貴方の調ky…特訓は私が担当する」

「う、駄肉ウサギってなんですか!ていうかさっき調教っていいかけましたよねぇ!?」

「…知らない。別に時王を狙う悪い虫を駆除しようなんて思ってない…思ってない」

「悪い虫ってなんですか!!駆除って…し、失礼ですねぇ!!」

「…その、仲いいのはいいんだけどさ」

「「よくない!!(よくないですぅ!!)」」

やけに息ピッタリで答えてきた二人に、呆れながらため息をつく。

「はぁ…ユエ、あのさ」

「ん、なに?」

「…死なない程度にしろよ?さすがに殺したらもう一度時間を戻す必要がある」

「…まあ、頑張る…ただ、不慮の事故はつきもの…」

「おまっ…もし殺したりしたら、しばらく構ってあげn」

「え…いや…なんで?どうして?何がいけないの?私がいけないの?悪かったの?なんで構わないなんてひどいこと言うの?ねぇ、どうして?答えて時王、答えて!!ねぇ!!私が嫌いになったの!?ごめんなさい、謝るから!だからっ、嫌いにならないで!捨てないd」

「落ち着け落ち着け…俺が悪かったから」

構ってあげないと言ったら、さすがに自重するだろうかと思ったが、襲う以上に精神的ダメージを与えていたらしく、目から一瞬で光が失せてしまった。

ユエの頭を撫でながらなだめて、何とか落ち着かせることができたが…

うん、この構ってあげないって言葉はもう使わないようにしよう。

遠い目をしながら、俺は堅く誓うのだった。




確かに今回の内容がこんなになったのは、私が和解ルートを選んだのが原因だ。
…だが私は謝らない。

そう言えば、R18版が音沙汰なかったでしたよね。
…データまた吹っ飛んだんで、かなり先になります。
なんのための数千字だったのか。
しかも、自動保存が何故かなかったせいで、最初から書き直しという始末。
うっそだろお前(涙目)

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