ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強   作:イニシエヲタクモドキ

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本日最後の投稿。
作者の学校の都合(宿泊研修)により、しばらく更新ストップしますが、作者は死んでいないので大丈夫です。
エタることもないはず…です。
もしエタることになっても生存報告は必ずしたいと思いますので。



魔改造/ウサミミ少女と吸血姫

時王side

特訓開始から数時間たったんだが…

「うっ、うぅぅぅ…すまない、すまないぃ…」

ナイフが体に刺さった状態で息絶えている魔物に、涙を流し嗚咽しながら謝罪する兎人。

それは、まるで…なんだろう、一時の劇場に身を任せて親友を殺してしまった後かの様だった。

「ぐぁっ!?…がはっ、ふぅ、はぁ…こ、これが…名もなき彼を殺した、私に対する罰というわけか…」

カムは、ネズミのような魔物に体当たりをされて、涙ながらに死を受け入れようとしていた。

こっそり時間を戻して回復させておいたから問題はないが…

うん。原作通りの気がする。

ただ、少し違うところがあった。

それは、女兎人族の方である。

「…」

女兎人たちは、皆一様に無言でハジメから支給されたナイフを振るい、魔物を殲滅していた。

中には、もうすでに自分の隠密能力を活かして陰から攻撃したり、おびき寄せて複数人で殺したりと、かなりの高等テクニックを披露していた。

その目に光は無く、狂気に憑りつかれているようだった。

…まぁ、ね?レイプされたときの記憶があるわけだし…多少はね?

もう一度、カム達男兎人の方を見る。

彼らは、いまだに涙ながらに刃を振るい、時折攻撃を喰らっては自嘲気味に笑い、慰め合っていた。

それを黙ってみて居られるような俺達ではない。

「「いい加減にしろお前ら!!」」

「ど、どうしましたか…?」

いきなり声を荒げた俺達に、訳が分からないというように尋ねてくるカム。

そんなカムの方にズカズカと歩み寄り、ハジメがカムのウサミミを掴んだ。

「…」

「えっと…その…一体何g」

「“纏雷”」

「アババババババババババババッ!?」

いきなり目の前で族長が電撃を喰らって気絶したのを見て、恐怖に慄いている他の男兎人たち。

「…お前らさぁ…恥ずかしくないの?」

「は、恥ずかしい…?」

俺の言葉の意味が分からなかったのか、首を傾げた男兎人。

そんな男兎人たちに、女兎人の方を見るように伝える。

「見ろ、アイツらを」

「…なっ」

女兎人たちの方を見て、驚愕していた。

まぁしょうがないわな。自分たちと同じく温厚なはずの奴らが、魔物をひたすら無言で狩り続けてるのを見たらそうなるだろう。

「アイツらは、もう二度とあんなことにならないようにするために必死になって殺している。胸の内じゃ怖いんだろう、罪悪感もあるんだろう…それでも、アイツらは殺してる。それに比べてお前らはなんだ?魔物一匹殺すのにすら躊躇して泣きわめいて…気づいてないと思ったか?お前ら虫とか花とか避けて歩いてるだろ」

「そ、それは…」

「ま、いきなり自分で自分を変えれるなんて思っちゃいねぇさ。俺もハジメも、とんでもない状況に追い詰められた李、とんでもない事実を伝えられたりしなきゃ変われなかった…」

「な、なら…」

「だから」

それだけ言うと、ハジメと目を合わせ、頷き合う。

「「今から俺達がお前らを殺す。殺されたくなかったら逃げろ。道中出てくる魔物も自分たちで殺せ。俺達のどっちかにかすり傷でもつければ合格、合格しなかったら飯は無し…もしくは、その辺の魔物を食うかだ」」

「「「「「…は?」」」」」

「あぁ、魔物食べる時は言えよ?渡さなきゃいけないものがあるからな」

「え、いやその…」

「じゃ、数えるぞー…五、四、三、ニ…」

「に、逃げろぉおおおおお!!」

理解しきれていなかったようだが、俺達がカウントを始めたからか、その場を素早く離脱し逃げた。

「…零。行くぞハジメ。死体はちゃんと俺の方に渡せよ?」

「あぁ、わかってるって」

それだけ言うと、それぞれ別方向にゆっくりと歩き始めた。

…ユエに殺すなと言った手前あれだが、そうでもしないとアイツらは変わらないだろう。

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ユエside

「とぉりゃぁあああああああですぅ!!」

背後から聞こえてきた声に、緩慢な動作で反応しながら、魔法を二個同時発動する。

時王に殺傷能力が高いやつと、火属性の魔法を制限されてるから、使える魔法はかなり少ない。

あまりワンパターンだと見切られる可能性だってあるから、火属性も許してほしかったが…

「“凍柩”、“嵐帝”」

駄肉ウサギを凍らせ、突風で氷を砕きながら吹き飛ばす。

あわよくば凍死しないだろうかと思ったが、相手はかなりしぶとかった。

「ぴくちっ、うぅぅぅぅ…死ぬかと思いました…」

「…チッ、死ねばよかったのに」

「い、今死ねばよかったっていいましたぁ!!なんでそんな当たりが厳しいんですか!!」

「…わからない?あなたが…時王の悪い虫だから」

「じ、ジオウさんは今関係ないでしょう!?」

「大あり。私の時王に手を出そうとした罪は…駄肉ウサギの命程度では償えない」

「ちょっ、いいすぎじゃないですかね!?」

「…“水糸”…“雷撃”」

騒ぎ立てる駄肉ウサギの周囲を、細い糸状にした水で包囲し、雷撃で攻撃する。

見えない水の糸が電気を通し、高圧電線(時王が教えてくれた。時王の世界にあるものらしい)となる。

それに触れる度、駄肉ウサギがビリビリと感電し、絶叫する。

まぁ死なない程度に抑えてあるから問題はないはずだけど…

「…う、うぅ…わ、私だって魔法を…!!」

「…適正、あるの?」

「わ、わかりません…けど、いけるはずです!!えーい!“嵐帝”!!」

あざとい動きで私の方に手を突き出してきた駄肉ウサギだったが、魔法は発動しなかった。

そればかりか、魔力が手に集まっただけで、何もなかった。

「あれぇ…?風の魔法は私にあわないんですかねぇ?」

「…駄肉ウサギ、いいこと教えてあげる」

「いいこと?…ていうか駄肉ウサギはやめてくださいよぉ~…」

涙目になりながら訴えてきたが、しっかりと無視。

そのまま、率直に駄肉ウサギの魔力の特徴を教える。

「駄肉ウサギの魔力は、多分遠距離に行かない」

「えぇっ!?」

「…その分、体を魔力が移動する速度が異常…私よりも、ハジメよりも早い…」

「じ、ジオウさんよりは遅いんですね…」

「…駄肉ウサギは、時王のステータスを見たことが無いからそんなことが言えるだけ」

そう言いながら、時王のステータスを思い出す。

まるで、子供の妄想。

まるで、語彙力のない大人による強者の説明。

もはや、神の領域…いや、それ以上?

「…とにかく、駄肉ウサギは身体強化向きだと思う」

「し、身体強化?」

「そう。魔力の循環が異常に早いから、身体強化の適正率が高い…はず」

「…でも身体強化ってどうやってやれば…」

「…強くなりたい、って思ったらいいんじゃない?」

私は身体強化向きじゃないから、よくわからないけど。

…あ、そう言えば前に時王が…

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『知ってるか?魔力をこう…手に集めた状態で拳を振るうと…』

ズガァンッッ!!!

『こうやって、硬い石でも粉々にすることができる。ユエの攻撃力不足もこれで補えるんじゃ…え?無理?』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みたいなことを言っていた気がする。

「シa…駄肉ウサギ、魔力を右手にだけ集中させてみて」

「あっ!今シアって言いかけましたよね!!言いかけましたよね!!私の名前言おうとしまs」

「うるさい、“風刃”」

「わわっ!?あ、危ないじゃないですかぁ!…それで、右手に集中させる?」

「ん。やってみて」

私が促すと、右手をむぅ~、と言いながら凝視し始めた駄肉ウサギ。

別にさっき名前を言いかけたりなんかしてない。

少し間が空いて、駄肉ウサギの右腕に魔力が集まっていった。

最初は微量だった物が段々増えていく。

次第にそれは色がついて、目に見えるようになってきた。

「お、おぉぉぉぉ…ですぅ…」

「それってキャラ付けの語尾だったの?」

「なっ、違いますぅ!!失礼ですね!!」

ギャーギャー騒ぎながらも、手に魔力を集めるのはやめていない様子に、少しばかり感心する。

私でも一部に集め続けるのを続けるのには若干集中がいるのに…ムカつく。

しばらく抗議の声を聞き流していると、駄肉ウサギの右手の魔力の色がさらに濃くなり、空気が振動し始めた。

「…すごい」

「えーっとユエさん、これってどうすれば…?」

「…勢いよく地面を殴りつけてみて?」

「地面を…?えいっ!」

私の言葉に、首をかしげてから腕を地面に叩きつけた。

次の瞬間、私は()()()()()

「え…?」

「わっ、わわっ…!?」

尻餅をつきながら周囲を見渡すと、シアの殴った所を中心として大きなクレーターが出来ていた。

…もしかして、今ので私のいた場所まで壊したの…?

自分でも魔法の同時発動でようやくできるようなレベルの破壊行為を容易く行われたせいで、プライドに傷がつく。

…このウサギ、生きて返さない…

「す、すごかったですぅ…我ながら…こ、この感覚をうまくつかむことができればユエさんにも勝てる…そしてジオウさんについて行くことだって…」

「そんな事、許すと思う?」

そう言いながら、時王に練習するように言われていた完全無詠唱による魔法発動を行う。

同時に三つの異なる属性の魔法を放たれたせいで、反応しきれずダメージを受けたシア。

「なっ、いきなりすぎません!?」

「知らない…!」

風刃を複数の方向から放つ。

これも時王にするように言われていた練習で出来るようになったことで、魔力の操作を極めることで、自分から遠く離れたところから魔法を連続して放ち続けることができるようになったのだ。

「わっ!?ちょっ…なんか攻撃が苛烈すぎません!?」

「無駄口叩く余裕あるの…?」

大量の水を上空から流し、それを氷魔法で凍らせ、風の槌で砕き、破片を全方向に散らす。

それでもウサギは傷がつかないばかりか、攻撃を見切って身体強化された腕で壊したりしている。

偶に私の方に跳ね返してくるのがムカつく。

さらに攻撃の手を激しくする。

地面を隆起させて足場を奪いながら、水で目に見えないレベルの細さの糸を張り巡らせ、そこに電流を流す。

だが、駄肉ウサギは目に魔力を溜めて視力を上昇させて、水の包囲網を紙一重で回避し続け、私の方に迫ってきた。

だが、それはトラップだ。

「いつから私が火属性を使わないと錯覚していた…の?」

「しまっ!?」

地面から大量の火柱が出現し、駄肉ウサギを焼肉ウサギにせんと襲い掛かる。

時王から使うなって言われてた?…記憶にない。

「ど、どぉりゃぁぁあああああああああですぅ!!」

真っ黒こげになる…その直前に、駄肉ウサギは真横に伸ばし、その場で高速回転し始めた。

回転し始めると、その場に突風が吹き荒れ始めた。

火柱が強風にあおられて攻撃の手を緩め、ウサギを死の包囲網から脱出できるようにしてしまう。

「あ、危なかったですぅ…こ、殺す気ですかぁ!?」

「当たり前でしょ?」

私怒ってます、という風にあざとく声を荒げたウサギに、時王にアドバイスをもらって作ったオリジナル魔法を発動する。

この技を作るときは確か…

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『全属性の魔法を組み合わせたら、威力もすごくなるんじゃないか?』

『…前にやったけど、うまくいかなかった…』

『うーん…あ、そうだ。俺の故郷にある話なんだがな?魔法に限らずだが、その技を使うときに制約を加えると強くなるって話がある』

『制約?』

『そ、制約と誓約…制限することで、念はさらに強くなる…まぁこの場合は魔法だけどさ』

『…やってみる』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私がこの技にかけた制約はただ一つ。

単純でかつ、私が最も殺意を抱ける相手の持つ条件…!

「全属性複合魔力砲、マスタースパーク(私の時王に手を出すな害虫)!」

それは、時王に好意を寄せる悪い虫にしか使わないという事…!

私の放った七色の魔力砲に、一瞬呆けた駄肉ウサギだったが、直撃する寸前、たった一瞬しか見えなかったが…

()()()()()()()()()()()()()()()

「わっしょぉおおおおおおおおおおい!!ですぅ!!」

裂帛の気合と共に聞こえてきた雄叫びが私の耳をキーンとさせた瞬間、私の全属性複合魔力砲(マスタースパーク)の勢いが弱まった。

まさか、と思いながらウサギの方を見ると、何とウサギは()()()()()()()()()()()()()()()()

「う、嘘…」

「ぉおおおおおおおおおおおおぁああああああああああああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!ですぅ!!」

さらに気合を込めて叫んだかと思えば、ウサギの…いやシアの拳の力が強まり、私の全属性複合魔力砲(マスタースパーク)が押し返されてきた。

「で、でたらめウサギ…」

冷や汗が頬を伝うのを感じながらも、万が一のために、自分の方に戻ってくるマスタースパークを迎撃するためのマスタースパークを用意…

あ、無理だ。この魔法は、時王とつけ狙う蛆虫にしか使えないんだった…

どうしよう!?

この魔法は、全ての属性の魔法が対象の体を同時に襲う。

体が様々な責め苦に襲われるという事…燃やされながら凍り、強風にさらされながら雷撃を受け、土石流に直撃しながら水流に流され、極光に苛まれながら闇に精神もむしばまれる…そんな凶悪な魔法を生身で受けたりしたら、いくら私でも再生できる自信がない。

流石にそれはマズイと思い、回避の準備をする。

いや、すぐにその場を離脱する。

離脱した次の瞬間、マスタースパークは私のいた場所を破壊し、その先の森林すらも消滅させた。

「…はぁ、はぁ…い、今のはちょっと…死ぬかと思いました…」

破壊の跡がちょうどシアの前で止まっており、当の本人であるシアは、荒く息を吐いているだけでダメージは何処にも見られなかった。

「…強すぎ」

「ゆ、ユエさん…もしかしてあれって、奥の手ですか…?」

「…奥の手その1。ちゃんと他もある」

嘘ではない。

ただ、そのほかの魔法は完成していない。

時王の手を借りて練習しようとすると、どうしても時王に甘えるだけ甘えて終わってしまうのだ。

「ユエさん、勝負しませんか?」

「勝負?」

「そうです。私が十日間の内にユエさんに傷をつけれたら勝ち、傷をつけれなかったら私の負け」

「…それで?」

「…私が勝ったら、私を旅に連れて行くように言ってもらえませんか?」

「…は?」

「ですから、私がジオウさんに旅について行きたいと頼むときに、連れて行こうと言って欲しいんです」

「…そんな大きな報酬に敵う対価が、負けた時に支払えると…?」

「…そうですね、もし私が負けたら………ユエさんが喜ぶような私のできることってなんでしょう?」

「…ならそのウサミミと尻尾をもらう」

「ヴェッ!?」

「それで交渉成立…異論はなし、駄肉ウサギ…いや、シアの意見は求めない」

「い、いいですけどぉ…あっ!今シアって!」

「…認めてやってもいい。力だけは…でも、連れていくかどうかは、期間中に勝てたら決める」

それだけ言って顔を背けると、シアは嬉しそうに声を張り上げた。

…この戦い、負けるわけにはいかない…

勝って、シアのウサミミと尻尾を奪って…装飾品に加工して、時王にウサミミモフモフプレイをしてもらう…最高。

いくらすごい身体強化の適正を持っていても、私に勝つことはない…そう思って油断していたのを、私は後悔することになるなんて…その時は微塵も思っていなかった。




ユエさんのオリジナル魔法は、どっかの普通の魔法使いの恋符を思い浮かべてくれるといいです。
もちろん、MMD版。
制約と誓約のネタは、ハンター×ハンターで調べると出てくるはずです。
多分。
女兎人族の目は、とある魔術の禁書目録の方のシスターズ…10032の目が参考ですな。
あ”-、禁書の小説も書きたい…
でもこれ以上はなー…読者様方が許してくれないだろうしなー(露骨な視線)。
それとそらカラー(遠回しすぎて意味不明)さん、今回はアイワナしませんでしたよ。
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