ありふれない時の王者と錬成の魔王は世界最強 作:イニシエヲタクモドキ
いっそのこと思い付き短編集とか銘打って投稿しちゃいましょうかね…
え?R18?
…知らない子ですね(誤字脱字を修正しつつ目を逸らす)
ハジメside
時王がいなくなって数分、俺達は今までにないくらいの警戒態勢で攻略を進めていた。
本当は泣きわめきたいんだろうユエとシアも、目に殺意を滾らせながら慎重に進んでいた。
「…しかし妙だな」
「えぇ…何故急にトラップが作動しなくなったんでしょう」
「今まで感じてた浮遊感もない…前までは何かに動かされてる感じがあったのに…」
時王が消えてから、一階もトラップが作動しなくなった。
その上、動いている感じがしていた床も、今は固定されているような感じがあった。
…まるで、動かしていたやつに何らかの深刻な不具合があったかのように。
もしかしたら、時王はこの何らかの不具合に寄って予期せずやられたのかも知れない。
だとしたら…
「…もしこの状況を起こした何かがあるんだとしたら…警戒も無駄、か?」
「…でも、心構えくらいはしておいた方がいいと思う…魔物が出ないとはいえ、即死系トラップがいきなり現れた時に対処できるかできないかはその時の心構えが大事だから…」
「そうですね…」
あくまで警戒心を緩めないユエとシアに、内心舌を巻く。
それと同時に、自分の思考の浅はかさを知らされた気になった。
この中で一番冷静なのは俺だと思っていたが、どうやらそれは違ったらしい。
普段なら絶対に言わないだろう警戒をやめるという発言をしてしまうくらい、俺はかなり動揺していたらしい。
「………奥の方から魔力を感じる…?ここじゃ魔法は使えないはずなんだが…」
「この魔力分解が強力なところで魔法が使えるくらい魔力が膨大なのは…」
「ジオウさんだけ…!」
それを言い終わるや否や、シアは駆け出そうとした。
だが、ユエが首元を掴んだせいでシアの動きは止まることとなった。
「な、何するんですか!?」
「…ここにトラップが無いとは限らない…要警戒。もしかしたら、あの奥には私たちを時王がいると錯覚させるトラップがあるだけかもしれない」
「そうだな…時王に限らず、この迷宮で無理やりにでも魔力を使おうとするやつはたくさんいるだろう…実際ユエもそうだったな」
「む…それは迷宮の外の話…」
「峡谷内で起きたってことについては何の違いもないがな。ほら、さっさと行って確認s…うおっ!?」
少しばかり無駄口をたたいてから歩き出そうとした瞬間、途轍もない衝撃波が俺達を襲った。
その衝撃波は、金と黒が混ざった荘厳で禍々しいオーラを伴っていた。
その二色から俺達が連想できる人なんて、アイツしかいなかった。
「…どうやら本当に時王がいるみてぇだな」
「ん…この波動は間違いない…」
「で、ですがこの辺にトラップが無いとは…」
「そうだ。だから…すっごく疲れるが、確実な方法を使う」
それだけ言って、俺は二人の前に立ち、床に手を当てて魔力を放出し始めた。
案の定途轍もない抵抗があったが、より強く魔力を流すことでその抵抗を無い物としていった。
魔力が底を尽きそうになったら、神水を飲んだ。
そうやって魔力を通し続けた結果、かなりの距離のトラップの有無を確認できた。
「……おかしいな、トラップが…ない?」
「もしかしたら、時王が迷宮の主と戦ってる…かもしれないから?」
「じゃ、じゃあ迷宮のラスボスみたいな奴が今までトラップとかを即席で用意していたんですかぁ!?」
「…その可能性もある、な…」
だとしたら大丈夫だろう、と時王の下をめがけて走り出す。
…幾度も俺達を苛む衝撃波に、時王の安否を不安に思いながら。
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時王side
ミレディの重力操作により、俺の体が一瞬だけ動いた。
だが、瞬時に発動した時間操作の
一瞬で背後に回って、ミレディの背中を殴りつける。
軽いジャブ程度の攻撃だったが、ミレディの体を貫通するほどの攻撃だった。
《嘘でしょっ!?アザンチウムの装甲を!?》
『驚いてる余裕はないと思うがな』
至近距離から中距離に移動し、背後に平成20ライダーすべてのライダーズクレストを出現させる。
その後、ベルトの前で手を交差させた。
『グランドジオウの時!!オール20タイムブレイク!!!』
本来の能力には存在しないはずの攻撃を平然と行う。
ベルトからの音声が終わった瞬間、ミレディに向かってライダーズクレストから歴代ライダーの最終フォームが半透明の姿で現れ、必殺技を喰らわせようとした。
《こ、魂魄魔法!?》
『それが何かは知らないが、取り敢えず違うとだけ言っておこう』
驚愕したように後ずさったミレディに、全二十の必殺技が叩き込まれる。
アルティメットフォーム、シャイニングアギト、龍騎サバイブ、ブラスターフォーム、キングフォーム、
全てのライダーの攻撃を一斉に受けたミレディは、音すら消え失せるレベルのエネルギーに消し飛ばされた…
はずだったが。
『いや~、危なかったよぉ…さっきのはオーバーキル過ぎない?』
やれやれだぜ、という風に肩をすくめながら首を振る姿はかなり腹立たしかったが、それ以上に驚愕していた。
…な、何で…何でアイツが変身しているんだ!?
『ブラックホール!!ブラックホール!!レボリューション!!!フハハハハハ!』
『驚いた?ねぇねぇ驚いた!?この力は…君がくれたんだよ♪…じゃあ、行っくよ~☆』
エボルトフェーズ4に変身したミレディは、一瞬で俺の眼前に迫り、殴りつけてきた。
なんの抵抗もなく吹き飛ばされた俺は、壁にぶつかってようやく我を取り戻した。
『…俺が渡した?初対面なんだがなぁ…一体どうして』
『んふふ、わかんないかぁ~…ま、どうでもいいよね!』
『Are you ready?』
愉快そうにしながら必殺技待機にはいったミレディに、遅れながらも迎え撃つ準備をする。
『All Zector Combine』
カブトのライダーズクレストから飛び出てきた止まり木…パーフェクトゼクターを手に取り、ガンモードにする。
そのままミレディに向かってパーフェクトゼクターを構え、トリガーを引く。
『MAXIMUM、HYPER、CYCLONE』
『ブラックホールフィニッシュ!!Ciao~♪』
俺に向かって飛び蹴りしてきたミレディの姿が、パーフェクトゼクターから発せられたエネルギーによって見えなくなった。
だが、手ごたえはあった。
強いて言うなら…「やったか」という奴だ。
『すごいねぇ…今のは死ぬかと思ったよぉ…』
『オーバーオーバーザエボリューション!!』
衝撃波によって舞っていた砂埃の陰から声が聞こえた。
やはりフラグだったか。
邪悪な哄笑が響く中、ミレディはこちらに悠然と歩み寄って来ていた。
『いやぁ…攻撃の時に発生するブラックホールが無かったら死んでたかもねぇ…ま、どうでもいいことか』
『…今ので仕留めきれなかったか。原子レベルに分解する技だったんだが…』
『もぉ、そんな危険な技使うなんてぇ~』
イライラする動きをしながら告げたミレディは無視して、ライダーズクレストからライダーを直接召喚する。
ファイナルベントをナイトに発動したシザース、暴走して青羽を殺そうとしていたビルド、敗者にふさわしいエンディングを見せようとしたエグゼイド、バリアを張れない距離で銃を乱射しようとしているギャレン、アップグレードしたコマンダーを斬りつけようとしているアクセルアップグレード、黒ミッチ、
『チッ…』
黒と金の波動でブラックホールの進路を変え、壁にぶつけさせながらもさらにライダーズクレストからライダーを召喚する。
…ていうかこれそのままエボルトの力を使えば…って、ん?
『エボルトが召喚できない?』
『だーかーらー。その力は私にくれてるんだから使えないの』
やれやれ、と肩をすくめながら言ったミレディに、訝し気な視線を向ける。
どうやら本当に俺が渡した…っておかしいだろ。初対面だぞ初対面。なのになぜ?
『一体何があって…』
「時王!!」
『…ハジメ?』
困惑していた俺に声をかけてきたハジメの方を見ると、ユエとシアが飛びついてきた。
俺の目の前にいるミレディ(エボルト)は眼中にないらしい。
『あらら、お仲間さん?』
「聞きたいのはこっちだ。お前がこの迷宮のボスか?」
『そうだよ!私がこの迷宮のボス!ミレディちゃんでっす!』
「…なるほど、この人をふっ飛ばせばいいんですね?」
「簡単なお仕事…」
武器を構え、好戦的な眼差しでミレディを睨みつけた三人。
だが、それに待ったをかける。
『待て、コイツは一筋縄じゃ行きそうにない…実際、俺の技を受けきったんだからな』
「「「なっ」」」
『…お前らじゃダメージどころか鬱陶しさすら与えられねぇだろうからな…俺の援助を頼む』
「…勝てるのか?もし無理なんだったら俺が…」
『ハジメ』
心配するように俺に言ってきたハジメの言葉を遮る。
そのまま、視線を合わせてハジメに、そしてユエとシアに告げる。
『任せとけ』
先程まで攻撃が効かなかったのは、俺が直接戦わなかったからだ(言い訳)。
実際、ミレディのブラックホールも、俺がオーラをぶつけたら動きを変えたじゃないか。
『…ある程度攻撃して、隙さえ作れば…力を取り戻すことだってできる』
『できるかなぁ?さっきまで軽くあしらわれてたくせに?』
『安心しろ、吹っ切れた俺は強い。日本にいた時からそうだった』
それだけ言うと、ミレディの眼前にクロックアップを使用して迫り、殴りつける。
殴りつける時に、いつもの金色オーラを出現させるのも忘れていない。
『ぐっ…パワーが、上がった?』
『油断してていいのか?』
「まったくその通りだ」
俺の言葉に続くように、ハジメが左腕に装着させた
見慣れないものを見たせいで硬直したミレディだったが、それは失敗だった。
次の瞬間には、電磁加速された巨大な鉄杭が連射され、ミレディを襲った。
ガトリングパイルバンカー(電磁加速式)…ハジメが作っていた、怪物兵器である。
ハジメにかかる衝撃も凄まじいはずが、それを防ぐために生成魔法によって付与された、俺オリジナルの魔法によって使用者にかかる負担をゼロにしているため、ハジメは微動だにしない。
大量の鉄杭を受けつつも、すぐにブラックホールを展開し、攻撃を全て吸い込んだミレディを、頭上からシアのドリュッケンが襲う。
「もらったぁあああですぅ!!」
『なんのぉ!』
シアの攻撃が直撃するのを避け、かなりの距離避けたはずのミレディが、着地と同時に崩れ落ちた。
『がふっ…な、なんで…』
「当たり判定自動調節…この攻撃が狙いを外れることはありません」
『そ、そんな事が…』
「油断禁物」
『ICEAGE MAXIMUMDRIVE』
アイスエイジのT2ガイアメモリをスカルマグナムに装填し、ミレディの足元に向かって放ったユエ。
ミレディは回避することなく攻撃を受け、凍り付いた。
「やっちまえ時王!」
『おう!』
『終焉の時!!』
ハジメに返事をして、ベルトの前で手を交差させる。
次の瞬間、俺の全身が金と黒、そして紅のオーラに包まれた。
『逢魔時王必殺撃!!!』
飛び上がった瞬間、氷漬けになっているミレディの周囲に「キック」の文字が現れ、それが一つになり、俺の攻撃進路に固定された。
凍てついたまま動かないミレディに、俺の蹴りが直撃した。
その衝撃で氷が砕けたミレディだったが、攻撃のエネルギーにより消滅した。
「…さて、これでライドウォッチが生成できるはずだが…」
『エボルト』
しっかりライドウォッチが生成出来るようになったのを確認した後、ハジメたちの方を向き、サムズアップ。
終わったぞ、という意味を込めたのが、理解してもらえたらしい。
三人とも返事をするかのようにサムズアップを返してきた。
「…これで、終わったか…何というか、驚いたな」
「だろうな…ミレディから感じたあの雰囲気、時王と同じ…ライダーの力だった。同じ系統の力を持ってる奴がいて驚かねぇはずないよな」
頷きながら左腕に付けていたガトリングパイルバンカーを外したハジメ。
「…奥の方から魔力をほんの微弱にだが感じる部屋がある…多分そこが出口だろ。さっさと神代魔法貰ってブルックに帰ろうぜ」
「そうだな」
ハジメの言葉に賛同し、ハジメの指さした場所に向かって歩いていく。
この時はまだ、あの後あんな事になるなんて考えてすらいなかった。
今回の区切りはかなり雑になってしまった感じはありますが、よほどの事がない限り修正しないと思います。
ミレディが病ミレディになるのを期待していた人、まだです。
まだその時ではありません…(訳:もう少し後になったら書くからもう少し待って)
それと、今回久しぶりにオリジナル能力を使わせました。オーマジオウから放たれるグランドジオウの必殺…恐ろしや。
無駄な報告になりますが、グリスパーフェクトキングダムが届きました。
いやー、仮面ライダーグリス本編は劇場に見に行けなかったので、ようやく見れて満足です。
かっこよかったですねぇ…
僕は赤羽派です。黄羽も青羽もいいですけどね。