完全イフストーリーであり、本編とは関係ありません。
鈴×結が解釈違いという方はブラウザバックしていただく事を推奨します。
私の彼氏は年下男子
なんやかんやあって結と付き合いだした。
恋愛のれの字だって知らないようなあの子だけど、好きと言われれば頬を赤く染めて恥じらうくらいには異性を意識をしている。
手を繋げばアタシより小さい手できゅっと握り返してくるし、あの子の目を覗いたら黒い目がアタシを見返して微笑む。
あの子の肉まんより柔らかいほっぺをもちもちさせながら挟んでいる時なんて、この世の極楽を余すことなく詰め込んだような気持ちになる。
何処に行っても付いてくるし、授業のときは仕方ないけどクラスが違うから、凄く残念そうな顔して教室に戻って、授業が終わったらアタシのところに急いで駆け込んでくる。
昼時は常に隣に陣取って、何故向かいに座らないのかと尋ねれば「お姉ちゃんに一番近いところがいい」と言う。
そしてアタシの手をとってにへ、と笑いながら呼んでくるのだ。「お姉ちゃん」と。
「ほんっっっ⋯⋯⋯⋯とにカワイイの!!!」
「うるさいわよ鈴」
鈴は過去最大級に盛大な惚気話を同居人であるところのティナに垂れ流していた。
同室であるがゆえに半ば強制的にこの中華娘の惚気話を延々と聞かされていたティナは諦めたように女性向け雑誌のペーシを捲りながら加えたアイスキャンディを舐める。
「彼氏って言っても子供の遊びみたいなもんでしょ?」
「別にいいじゃない! お互い満足してるんだし!」
「はいはいカワイイカワイイ」
「この前なんてお昼一緒に食べようと思って教室に行ったらあの子アタシを見つけた途端ににぱーって笑って『お姉ちゃん!』なんて言いながら駆け寄ってきて……あぁぁぁぁ~~~~~~~」
「一回病院で頭診てもらったほうがいいんじゃない?」
これは重症だ。
だが止める術はなく、何が嬉しいのか枕を抱えて転がり回るこのアホをどうにも出来ず、溜め息ばかりが増えるティナだった。
「ぁあ~~~明日も結に会えるって最高じゃない?」
「最高なのはあんたの頭のなかだけよ」
「おやすみティナ~」
「グッナイ。永遠に目覚めないで鈴」
一言だって人の話を聞かないで勝手に上機嫌のまま寝こけた同居人の首をいつ絞めてやろうかと企てながらも、ティナは自分の寝床に潜った。
◇
「鈴お姉ちゃんっ」
「なぁに結?」
あの子がアタシに甘えてくる。
雛のように飛び付いてきて、アタシより小さな体を目一杯使って抱き締めてくる。胸のなかに修まる結の頭を撫でてやりながら、アタシも結を目一杯抱き締め返してあげる。
「お姉ちゃん、大好き」
「アタシも結のこと大好きよ」
にやけてだらしない顔になってるんだろうな。
でもこの気持ちを抑えるくらいなら素直になったほうがいい。心からそう思える程に、アタシはこの子に心酔していた。
それが今は心地がいい。
それが今の幸せだった。
「鈴お姉ちゃん⋯⋯」
「ちょっと、ふふ。なぁに、結?」
結が頭を擦り付けてくる。
猫撫で声で臭いをつけるような仕草に愛くるしい感情とくすぐったさに悶えてアタシは得も言えない多幸感と謎の快感に達してしまいそうになった。
「好き、お姉ちゃん、好きだよ⋯⋯」
「ゆ、結⋯⋯?」
背中に回されていた彼の腕は少し上にずれて、ノースリーブに改造した制服の隙間から露出した肩を撫でる。
思わず背筋を震わせて仰け反り、結を抱き締めながら、そのまま前に向かって結を押し倒す形になり、何故かそこにあったベッドに少年を押し倒してしまった。
「ご、ごめんなさい結⋯⋯!」
「ふふ、いいんだよ鈴お姉ちゃん」
咄嗟に飛び退こうとしたアタシの首に、結の腕がかけられる。
ベッドの上に仰向けに寝そべる結の上に、今まさに事に勤しんでしまいそうな体勢で覆い被さる自分。
アタシを見つめる結の目は艶やかに煌めき、唇は影に隠れつつも照りを魅せて艶かしい。少しだけ朱く染まる頬は結の恥ずかしさと嬉しさを綯交ぜにしたような感情が窺え、総称して初しさと愛らしさが同席する何かが胸の内で熱く滾っている。
「鈴お姉ちゃん、はやく⋯⋯」
「ゆ、ゆい? なに、を⋯⋯」
結の細い腕に少しだけ力が籠る。
たかがこんな幼子に引けを取るような鍛え方なんてしていないはずなのに、体にこれっぽっちも力が入らなくて、アタシの体はゆっくりと結に向かって落下する。
儚い抵抗も虚しく目と鼻の先に彼の顔が迫っていた。
ともすれば簡単に口づけでも出来そうな距離だ。
結の漆黒の相貌がハッキリとアタシを見つめてくる。
逃げられない、逃げたくない。期待と不安の間に挟まれていっそどうにかなってしまいそうな感情の渦の中で、結はアタシの頭に優しく手を回し、髪止めをほどきながら耳元に口を近づけて囁く。
「ぼくを、めちゃくちゃにして⋯⋯?」
プツリと何かが途切れる音が聞こえ、それと同時に意識が吹き飛んだ。
もうどうなろうと知ったことではない。
倫理も道徳もかなぐり捨てて私は目の前に佇む極上のご馳走に飛び付きなりふり構わず貪った。
唇を強引に奪ってふやけるほどしゃぶり、甘噛みよりも少し強く噛みついて、線の細い首筋やうっすら肋の浮いた胸に歯形を着ける。
骨の髄まで痺れるような快楽と背徳感に酔い潰れ、扇情的な少年を味わう。
結が喘ぎながら何かを言っている。
蕩けきった瞳は更にアタシを滾らせて色欲の炎に油を注ぐ。
煮える炎は衰えることを知らず、少年の手を握って押さえつける。
「お姉ちゃん、もっと、もっと⋯⋯」
「結、結、結、ゆい、ゆいぃぃ⋯⋯!」
未だに体が形を保っているのが不思議でならない。
いや、もう既に溶けどしているかも知れない。
このまま二人とも融解して混ざりあい、どっちが誰なのかも分からなくなる程の色欲の渦の中に呑まれ、されども不安は欠片も存在しない。
なんとも素敵な時の流れと感情の勢いに身を任せて、アタシはきっと取り返しの着かない事をしている
一瞬過った罪悪感に立ち止まり、身を起こして改めて結を見下ろした。
誰の体液なのか分からない何かにまみれ、煌々と見開かれた瞳の奥に、本能的な恐怖と好奇心、異性への愛情と性欲に濡れた感情が濁流となって渦巻いている。
「え、えへへ、お姉ちゃんに、殺されちゃう⋯⋯お姉ちゃんの愛に、溺れる、死んじゃう⋯⋯」
既に壊れてしまった玩具のように虚ろな目で体を震わせる結は、尚も鈴を求めて体を引き寄せる。
お互い酸欠状態で呂律も回らないほどだが、結はお構い無し鈴に腕を、足を絡める。
「ゆい、あたし、押さえきれないよ⋯⋯」
「もっと、もっとちょうだい⋯⋯お姉ちゃんを、ちょうだい⋯⋯」
あぁ、何も聞こえてない。
救いがないのかそれとも絶頂の先に逝ってしまったのか。
もう後戻りできない事を悟った鈴は、もう一度結に体を重ね、これまで以上の色情に染まる。
たがの外れた二人を止めるものはおらず、互いが互いを貪り求めあう。
いっそのこと燃え尽きて朽ち果てるまでこうしていよう。
きっと、それが今一番の幸せだ。
最後に働いた理性は諦めをもって途絶え、本能に生きる獣となった二人は永遠の愛に沈んだ。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
もそりと起き上がる。
動悸は激しく、耳の奥から心臓の音がけたたましく鳴り響いている。
掛け布団の上から体を抱いていたようで、寝汗で張り付いた寝巻きが更に密着していてあまり気持ちのよい感じではない。
頭の先から爪先まで凄まじい発汗量だが、一部汗ではないものが交じっており、飛び起きて股の間に手を突っ込む。
「はっず⋯⋯」
何を求めてそうなったのか全くもって不可解な淫夢に頭を抱え、同時にそんなものを見てしまうくらい自分は欲求不満で、更にショタコンを拗らせた相当危険な女だと知らしめられた気分になった。
その日、いつもと変わらない晴れやかな笑顔で飛び込んできた結を受け止めた鈴はどうしようもない罪悪感に苛まれて泣きながら結を抱擁していた。
「ごめんなさい結、あの時アタシが留まっていればぁぁぁあああ~~~~⋯⋯⋯⋯!!!」
「わぶ、なになに、どうしたの鈴お姉ちゃん?」
これは全年齢対応版です。
R-18に行くものもあります。
そちらは作者名から飛んで投稿作品の中にあるのでそこから閲覧されてください。