妖怪専門探偵日誌   作:インドレント

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お久しぶりです。久々の投稿です。もう話を忘れているかもしれませんが、早速どうぞ。


第参-3話 赤い煙と新たな謎

自身に護りの符を貼る。前もってこうしておけば生半可な攻撃には動じなくなる。護符が効果を発揮すると同時に妖怪はこちらに気づいたようでこちらに向かってきている。

「さて…煙のような身体ならこれでどうだ。『烈風符』!」

狒々に使ったものより真っ直ぐ強風が吹く符を使う。が、妖怪は風の軌道から逸れると口から赤い煙の塊を吐き出した。岳川はそれをギリギリの所で躱すが肩口に少し掠ってしまう。途端に焼けるようなジリジリとした痛みが走る。掠った部分を見るとまるで蝋の様に白く固まっている。その痛みに怯んでいると妖怪が間合いを詰めてくる。躱そうと身体を動かすが妖怪の動きの速さの方が勝り、首を掴まれてしまう。思ったより妖怪の力は強く、岳川の身体が宙に浮き始める。どうやら先程の赤い煙をぶつけるつもりなのだろう、口に煙が溜まり始める。やられる訳にはいかないと岳川は妖怪の胸元に符を貼り、

『烈風符!』

瞬間、妖怪の胸に穴が開く。どうやら符の強風で煙の身体を飛ばすことができた様だ。力が緩んだ隙に頭、腕と符を貼り、妖怪から離れてから

『烈風符・二連!』

符の力を解放する。符は妖怪の頭と腕を吹き飛ばすことに成功しており、下半分だけが浮かんでいる状態である。

「ここまですればどうだ…?」

すると、散り散りになった妖怪の身体が集まって再生し始めた。

「こうなったら、封印するしかない…!」

岳川は封印の符を用意すると完全に再生するまで待つ。妖怪が再生し終わった所を狙って

『豪風符!』

豪風で井戸の方へと飛ばす。井戸の上まで飛ばしたところで、上に符を飛ばし、

『落雷符!』

落雷の符で落とそうとする。が、落雷の符が解放されることはなかった。解放の直前、妖怪の赤い煙が符に当たり、符が蝋の様に固まってしまったからである。もう一度落雷符を飛ばそうとするが妖怪は岳川に興味を無くしたのか最後に煙の塊を岳川に吐き、森の奥へと消えていった。煙の塊を躱し、追おうとしたが狒々からの連戦の疲労で走る程の体力が無くなっていた。

「ハァ…ハァ…、逃がしたか…!ハァ…戦い詰めで体力が持たん…。」

そう言うと岳川は自身に回復の符を貼り、地面に仰向けになった。

「おい、陰陽師。お前、凄いな。まさかあいつを退けるとは。」

「退けたんじゃ無い。多分、興味を無くして勝手にどっか行ったんだ。あのまま戦っていたらどうなってたかは分からないさ。…それよりも、これで約束通り情報を教えてくれるのか?」

「あぁ、約束は守る。だが最初に言ったように仲間のことは言わないぞ。それでもいいか?」

「構わない。関係ありそうな事ならな。」

「分かった。…ここからずっと山の中に入ると古びた社がある。その中には一つの箱があるんだが、…実は昔、この山の妖怪達は全てそこに封印されたんだ。もちろん俺もな。」

「何!?封印されてた?じゃあなんで今、山の中がこんな事になってるんだ。自力で出たのか?」

「いや、その封印は強くてな。自力では出られないようになってた。…確かあれは一、二ヶ月くらい前だったか。深夜にこの山に入った奴がいてな。肝試しか何かに来た奴だろうと思ってたんだが、そいつ社に来て箱を開けると妖怪の封印を全部解いて行きやがったんだ。」

「はぁ?なんて事してやがんだよ。一体どんな奴だ?」

「それがな、そいつ顔には黒っぽい布被ってて見えなかったんだよ。服装も黒一色の袴でな、どちらかと言うとお前と同じ陰陽師の気配がした。」

「陰陽師だと?だとしたらどんな目的があってそんな事を…。」

「そういや、そいつ封印を解いた時に言ってたな。『せっかく封印を解いたんだ。妖怪は妖怪らしく世の中に理不尽と混沌を起こしてくれ。』

ってな。ずいぶん物騒な奴だと思ったからよく覚えてるよ。」

(まさか今の世の中に本物の陰陽師の仲間がいたとは。だが、どうやらそいつとは相容れない関係になりそうだな。…この世の中の混沌を望むような奴がいる。この事は強く頭に入れておこう。もしかしたら何処かで会ってしまうかもしれないからな。)

「狒々、情報の提供感謝する。これは重大な情報だ。」

「役立ったようで何よりだ。…これからどうするんだ?」

「もう少し休んだら山の中に入る。仕事の続きをしなくては。」

「そうか。…出来ればあまり仲間を傷つけないでくれ。じゃあな。」

そう言い残すと狒々は山の奥へ消えていった。

 

 

 

今回手に入れた謎の人物の情報。岳川はこの人物とは忘れられない程、長い付き合いになる事などこの時は知らなかった。

 

 

 

〈今回の妖怪〉

狂骨

白髪の生えた骸骨姿で白い衣を纏った幽霊のような妖怪。平成以降の妖怪関連の文献では、井戸に捨てられた骸骨が強い怨念により死霊化したもの、または井戸に落ちて死んだ人間が化けたものであり、井戸から現れることによって自分の捨てられた場所を知らせる、または井戸を使った者に祟るなどと述べられている。




お読みいただきありがとうございます。お久しぶりです。前に投稿してから一ヶ月程経ちました。リアルが忙しかったので投稿出来ずにいました。ちなみに作中の狂骨の赤い煙の描写は5期のアニメ鬼太郎に登場した狂骨を参考にしています。恐らく調べていただくと画像が出ますのでこんな姿かと思っていただければ。ではまた次回お会いしましょう。
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