妖怪専門探偵日誌   作:インドレント

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妖怪の事を書くのは楽しいですが、やっぱり人物のセリフなどまだまだ勉強する事だらけだと早くも感じております(笑)プロローグをまだ読んでいない方はまず、そちらから読むことをお勧めします。


第壱-1話 邂逅と松の木の怪

事件から2日後の朝、連夜はインターネットで調べた探偵の住所へ赴いた。そこは住宅街の中にありながら、人通りが多い訳ではなく静かな場所だった。

「この家か…」

住所の場所にあったのは和風の屋敷と言った感じであった。イメージとしては神社の神主が住んでいそうな感じだなと連夜は思った。木製の表札には「岳川」と書いてあり、表札の左側にインターホンが設置してあった。連夜は恐る恐るインターホンを鳴らした。少ししてから

「はい。どちら様でしょう?」

と男の声が聞こえてきた。声色からして若い人なのだと感じた。

「突然すみません。自分、秋暮連夜と言います。こちらが妖怪専門の探偵の方の家だと聞いたのですが…。」

数秒、間が空いて、

「なるほど。少しお待ちください。」

と返答があり、インターホンが切られた。その後玄関の引き戸がガラガラと音を立てて開いた。中から出てきたのは二十代前半のような顔立ちで優しげな雰囲気漂う細身の男だった。男は微笑みながら

「事件解決の依頼かな?まぁ話は家の中で。どうぞ、上がって。」

連夜は石が敷かれた玄関から家に入り、長めの廊下の手前の部屋に案内される。

その部屋は畳敷きの和室で外からの日の光が薄く入ってきており、部屋の中心には大きめのテーブルが置かれている。

「少し待っていてくれ。お茶を淹れてくる。あ、それともコーヒー、紅茶の方がいいかな?アイスとホット、どっちかな?」

「あ…、じゃあコーヒーをアイスでお願いします…。」

部屋の風雅な雰囲気に飲まれかけていた連夜は我に返り、そう答えた。しばらくしてアイスコーヒーとミルク入れ、スティックシュガーの器をお盆に入れて持ってきた。

「はい、アイスコーヒーね。ミルクと砂糖は自分で好きな量入れてくれ。流石に君の味の好みまでは分からないからね。」

笑いながらそう言うと、連夜の前にアイスコーヒーとミルク、砂糖を自分の前にはコップに入った冷たい緑茶を置いた。

「さて、じゃあ話を聞く前に改めて名乗らせてもらおうかな。私の名前は岳川滋人。年齢は三十代前半とだけ言っておこう。少し昔まで陰陽師みたいなことをしててね。その後、訳あって今やってる様な仕事をする事になったんだ。基本的には陰陽師の時にやっていたような仕事、依頼者の仕事の運勢や住居の吉凶を占ったりなんだけど、たまに今日みたいな依頼、つまり妖怪の仕業としか思えない事件、事故の解決をする事もある。…長くなってしまったね。では本題だね。話を聞こう、一体どんな事があったのかな?」

連夜は三十代前半でこの見た目なのかと少し驚きつつ、朋也から聞いた噂話、そして朋也の遺体についての話をした。一通り話を聞いた岳川は一口、お茶を飲んでから

「なるほど。話は分かった。辛かっただろうね。君もまさか友人がそんな事に巻き込まれるとは思わなかっただろうし、友人自身も思わなかっただろう。話を聞く限り、確かにそれは人がやった事件というよりは妖怪が起こしたような奇妙な事件だね。じゃあ、次はその松の木まで案内してくれるかな?」

「分かりました。…あの、ちなみにそういう事件の解決ってどうするんですか?」

「説得をするのさ。君達の言い分もわかるが出来れば人間に危害を及ぼさないでもらえないかみたいな感じにね。ただ、私が説得が苦手っていうのもあるけど、聞き分けがいい妖怪ばかりじゃないからね。もし、説得が失敗して襲いかかってくる様なら残念だけど滅したり、封印する事になるけどね。」

なんか、さらっと怖い事を言った気がするが聞き分けがいい奴と良くない奴がいるのは妖怪も人間も同じなのだと思った。

「じゃあ、現場に行くための準備をするからちょっと待っててね。十五分くらいで終わるから。」

そう言って、部屋を出て行った。出て行ってから十分くらい経った時お経の様な声が聞こえてきた。お経が止んで少ししてから鞄を持った岳川が来た。

「さっきのお経みたいなのは?」

「あぁ、外出先での無事を祈ってたんだ。外に出る前にはいつもやってるんだ。」

なるほど、こういう仕事をしてるからか。やっぱり徹底してるなと感心した連夜は岳川を現場である松の木へ案内するのだった。

 

 

「へぇ、これがその松の木か。随分大きいね。二、三十メートルくらいはあるんじゃないかな。いつからここにあるのかな?」

「ええと、樹木自体の正確な年月は分かりませんけど、確か違う県からある程度の大きさのものをここに移してきたらしくて。それが百年くらい前らしいです。」

「移してきた?どこの県からか分かるかな?」

と、会話をしながら木の周囲を調べていた岳川はふと草むらの中に何かが落ちているのに気づいた。それは時間が経ち、雨風に晒されボロボロになった一枚の紙。文字が書かれているが掠れていてほとんど読めない。ただ、かろうじて読めた部分には「封」の文字。周囲をよく見ると所々に細かくなった紙の破片が数切れ落ちていた。(ここには数枚の封印の札が貼ってあったのだろう…。つまり、ここには封印を施す必要があった"ナニカ"がいるのか…。それは一体…?)

「そこまでは覚えてませんけど…。この地域の歴史資料館に行けば分かると思います。行きますか?」

「もちろん、ちょっと気になる事が増えたからね。」

「分かりました、案内します。こっちです。」

資料館に向かいながら岳川は考える。(もしかしたら、今回の事件だけでは終わらないかもしれない。私の説得を聞いてくれればいいのだが…。)

そんな岳川の嫌な予感は残念ながら当たってしまうことになる。

 

 

 

現在までの犠牲者: 一人

 

 




読んでいただきありがとうございます。グダグダな文章ですが最後までお付き合いいただければ幸いです。
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