妖怪専門探偵日誌   作:インドレント

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今回の話は探偵が今回の事件を知るきっかけと同居している社員?達の話です。


第弐-0.5話 探偵と同居人達

さて、みなさんは探偵というものは人が単独でやっているものだと思っているだろうか?おそらく単独でやっている人もいるだろうが、探偵社などの組織になると人数が増えてくる。しかしごく稀に探偵の知り合いや昔助けたりした人が家に居着いた結果、探偵社のような組織でもないのに人数が増える事がある。それは特殊な在り方だが探偵社員であることに変わりはない。実は妖怪専門の探偵もそんな人材の集まり方をした一つである。

「おーい、誰か新聞知らないか?」

岳川には毎朝の確認作業のようなものがある。それは新聞を読んでそれが妖怪絡みかどうかを考える事だ。

「新聞?さっきまで読んでたけど、今誰が持ってるかまでは分からないな。」

最初に反応したのは細身の長身で黒い髪の一部を赤く染めた若い男。

名前を「因幡 直正」(いなば なおまさ)という。歳は22歳。

「おお、シビトか。お前が新聞なんて珍しいな。何読んでたんだ。」

「テレビ欄」

基本的にこの屋敷では岳川以外の関係者の事は本名ではなく、あだ名で呼びあっている。

「テレビ欄って…たまには普通の記事も読んどけよ。」

「そんな事言ったって、長い文章読むの得意じゃねぇもん、俺。」

そんな事を言い合っていると、

「あぁ、新聞だったらヅカが見てましたよ、先生。」

後ろから話してきたのは、眼鏡をかけ身長は小さめ、茶髪のショートヘアの女。名前を「沖田 那古」(おきた なこ)、あだ名は『トウビ』。歳は28歳。

「トウビか。君はもう読んだのかい?」

「はい、既に。私が見た所、気になる事件が一つありました。」

「…なるほど。ヅカが見てるんだったね、分かった。ありがとう。」

そう言って家の中でヅカを探す。

しばらく探すとテーブルに新聞を広げながら読んでいる。ヅカを見つけた。

「ヅカ。新聞読み終わりそうか?読み終わるとこなら次、私に貸してくれ。」

ヅカ、本名は「鳥山 九十九」(とりやま つくも)。金髪で小太り、見た目はヤンキーみたいだが人を見かけで判断してはいけない事が身に染みて分かるほど優しく礼儀正しい。歳は24歳。

「岳川さん。はい、今読み終わった所です。どうぞ。」

「ありがとう。何か興味深い記事は有ったかな?」

「そうですね…、やはり子供や赤子関係の事件でしょうか。まだ生まれて間もなく、外の世界へ踏み出してもいないような赤子の命が奪われるのはとても心が痛みます。」

「全くもってその通りだ。私は結婚はしていないし、子供もいないがそれが人の道から外れた行為であると断言するよ。…話し込んでしまったね。新聞ありがとう。」

そして新聞を手に自室へ帰る岳川。

 

 

 

新聞を開き読んでいると、ある記事に目が止まる。

「マンションの十階で男性が死亡。死因は毒ヘビか?」

記事によるとマンションの十階で男性が死亡していた。身体についた咬み傷から蛇であると分かったが、防犯設備も万全なマンションで何処から蛇が入ったのか、また何処から出ていったのかが謎であるという。しかも詳しく咬み傷を調べると蛇の大きさが四メートル近い事が分かった。そんな大きな蛇が入る隙間が何処かにあるのか。結局、この事件は蛇による事故という事になったらしい。

「この事件は妖怪絡みかもしれないな…。」

そう考えると岳川は今、家にいる社員達に自分の部屋に来るように伝えた。数分後家にいた社員が集まってきた。

「さて、この事件を見てほしい。恐らくこの事件は妖怪絡みだと思っている。トウビ、君が気になってた事件もこれかな?」

「はい。周りの事件と比べて不可思議でしたから。」

「確かに。ただ蛇に噛まれただけにしては奇妙ですね。これは妖怪の可能性が高いのでは?岳川さん。」

「でもよ、もし普通の蛇だったらどうするんだ?実は周りの住人の中に隠して飼ってる奴が居たりとか。」

そうシビトが聞く。それに対し岳川は

「確かにその可能性も無くはないだろう。しかしね、もし普通の蛇だったら私達が少し恥ずかしいだけで済むだろうが、妖怪の仕業だったら被害が広がるかもしれない。…そして、妖怪事件の被害の大きさは君達が一番知っているだろう…?だから被害が広がる前に突き止める必要がある。みんな、各自聞き込み等の調査をしてくれ。被害者の交友関係もね。」

そうして、社員達は気を引き締めて各自調査へ向かう。岳川も調査の準備をしてから屋敷を出た。

 

 

 

 

この探偵社にいる社員は全員が過去にそれぞれ違う妖怪事件被害に遭っている。しかも、各事件での犠牲者は親兄弟、親族のみではなく、隣人、村そのものが消えた事件もあった。そんな中でただ一人生き残り、生きる希望を失わなかった人達を岳川が引き取り、社員にしたのである。自分達が被害に遭っているからこそ被害者の気持ちが分かり、支え合って調査が出来る。もし社員との関係性を言葉にするなら社員と雇用主と言うより、第二の家族のようだと思っているし、思われるように努力していきたい。…もし各事件が起きて間もない頃に私が早くに気付いて向かえていれば彼らが孤独になる事もなかったのだから。




読んでいただきありがとうございます。いつか社員達の物語もやりたいですね。ただ言えるのは犠牲者の数が二桁から三、四桁になる事件ばかりなので書いていると鬱りそうだなって事ですね。では、また次回お会いしましょう。
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