妖怪専門探偵日誌   作:インドレント

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自分が初めて見た野生の蛇は小学校の時に見たヤマカガシです。詳しい人ならもしかしたら、この話で、どんな妖怪か分かるかも知れません。


第弐-1話 調査と侵入経路

「すみません。私、このマンションで起こった事件を調査しているものなのですが、このマンションの住民の方でしょうか?」

岳川はマンション近くまで来るとマンションから出てくる人に聞き込みをする。

「いえ、違いますけど…。」

「そうでしたか。足を止めさせてしまい申し訳ありません。」

やはり、奇妙な事件があったせいか住民の方も警戒しているように見える。ただ、岳川は被害者を増やさないためにも事件の事を詳しく知らなくてはならない。そう気を新たにすると聞き込みと出来れば部屋を見せてもらえないかという頼みを続けた。

何件かに断られた後、一人の主婦の方が協力してくれると申し出てくれた。

「ここです。」

その部屋は7階であったが奇遇にも被害者の住んでいた部屋の位置と同じであった。

「少しお聞きしてもいいですか?このマンションの部屋の作りは全部屋同じなのですか?」

「そうですね。両方の角部屋以外は同じになってます。」

そう言うと部屋の鍵を開けて中に入れてくれた。

「窓の鍵は…二重になってるんですね。ガラスは強化ガラス。しかも中々の厚さがある。これはすごい。」

窓の鍵はツメで閉まるような作りだったが、そのツメをロックする鍵も付いている。ガラスは強化ガラスで厚みがあり、そう簡単に割れるとは思えない。

「天井にあるこれは?」

「換気扇ですね。これはエアコンと一体になっていて涼しい風を出しながら部屋の換気が出来るものです。」

上には大きめのホールなどの天井にありそうなエアコン兼換気扇があった。蛇はここを通ったのではと思ったが、風を出す口は横には広めだが縦は狭く、二センチ程の隙間が何本も有る形だった。

「水道管の中はどうなっているか分かりますか?」

「確か水道業者の方の話だとネズミが上がって来ないような仕掛けはもちろん、水道管の途中に細かい金網がいくつか張ってあるそうです。」

その話が本当ならここからも上がってこれないだろう。ネズミが上がって来れない仕掛けならともかく張ってあるいくつもの金網を通るのは無理そうだ。…まあ、これらの話はもしも本当の蛇だったらの話なので妖怪の可能性が高まった事になる。

協力してくれた方にお礼を言ってマンションを後にする。

「ブーン…ブーン…」

懐で携帯が震える。そういえばマナーモードにしていた。出るとトウビからだった。

「先生、トウビです。被害者の友達から聞いたんですが、どうやら被害者は彼女がいたらしくて事件が起こった日も一緒にいたそうです。…話を聞く価値はあると思います。どうやら同じマンションの最上階の十一階に住んでるらしいです。情報は以上です。私はこれから聞き込み調査の続きをするのでこれで失礼します。」

「そうか分かった。情報の共有ありがとう、トウビ。」

そう言って電話を切る。そして今度はマンションの最上階で被害者の彼女を待つ事にした。

最上階の部屋は留守だった。少し待つと買い物袋を持って帰ってきた。

「すみません。私このマンションで起こった事件を調査している者ですが。…被害者の彼女の方ですよね?お話、良いですか?」

「…はい。どうぞ散らかってますけど。」

岳川はてっきり拒否されるかと思ったので内心驚いたがそれを顔には出さないように努めた。

「まず、今回はご愁傷様でした。心中お察し致します。」

「…いえ、もう慣れましたから。それでお話とは何ですか?」

岳川は何処か違和感を覚えたが話を聞いた

「彼と最後に会ったのは?」

「事件の前日の夜、十時頃です。」

「その時彼の様子に変化はありましたか?」

「いえ、いつも通りです。少しお酒を飲みながら話してました。」

「彼が誰かに恨まれるような心当たりは?」

「そんなことは絶対に無いです!!…彼は優しくて良い人でしたから、友達もたくさんいましたし、誰かから好意を向けられたり、信用されるならともかく、恨まれるなんて事は無いです…。」

(ふむ、聞いている限りだと被害者の男性は相当周りからの信頼がありそうだな。…それにしてもこの部屋少し暑いな。)岳川がハンカチで自身の額の汗を拭う。

「あ、暑かったですか。すみません。買い物から帰ったら少し寝るつもりだったのでエアコンは消してたんです。」

「寝るときはエアコンを消すんですか?」

「えぇ、彼が言っていたんです。寝るときはエアコンを消してから寝ないと風邪を引きやすくなるって。代わりに寝る前にはコップ一杯でも良いから水は飲んだ方が良いって。それで…。」

「なるほど。風邪予防にって事ですか。」

「はい。どうやら彼、小さい頃は身体が弱かったらしくて、それで健康に気を使ってましたね。」

 

「今日はお話ありがとうございました。おかげで調査が進みそうです。」

「こちらこそ。彼の死には謎が多いんです。どうかその謎を突き止めてください。お願いします。」

「はい、任せて下さい。…あ、そうだこれ、差し上げます。」

「?…これは?」

「お守りです。元気になるようにと」

「ありがとうございます。…あの、また何か思い出したら連絡しますので連絡先だけ良いですか?」

「あ、はい。…こちらです。」

そう言って自分のメモ帳に連絡先を書き、渡した。

「ありがとうございます。では何かありましたら連絡します。」

「はい。では」

そして岳川は帰路についた。家に戻ると他の社員達も帰ってきており話し合った。しかし、結論が出る事はなく、また明日聞き込み調査などで追加の情報を集めることになった。

 

 

 

 

その夜、淵森蓮子が眠っていると何かが自分の身体の上に乗っている気がした。薄目を開けると身体の上に蛇が乗っていてこちらを見ていた。蓮子はすぐ起き上がり逃げようとしたが、予想以上に蛇の動きが速く身体に巻きつかれてしまった。蛇はスルスルと首の方まで巻き付いて首まで辿り着くと徐々に締め付けはじめた。どうやらここで彼女を絞め殺す気らしい。徐々に強くなる締め付けに意識が薄くなっていき、ついには意識を失ってしまった。意識を失う直前に見たものは蛇の怪しげな眼の光だった。

 

 

 

 

 

現在までの犠牲者: 二人…?




読んでいただきありがとうございます。いやー蛇怖いですねぇ。まあ自分は爬虫類は全般好きですけど。さてもしかしたら妖怪好きの方ならなんの妖怪か分かったのではないかと。ちなみにこの妖怪を調べた時に自分が思った感想は「こういうのに当てはめる動物は日本も外国も同じなんだなぁ」です。ではまた次回。
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