私は呪われている   作:ゼノアplus+

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立花響という少女

11話

 

 

「かれこれ6時間……響ちゃんの体には異常は見られないのに、なかなか目を覚まさないわね……あぁ、もちろん彼女の異常な状態の体を基準としてるわよ?」

 

「分かっている。精神的なものか……それとも……」

 

 

響や未来の通うリディアンの地下にある特異災害対策機動部二課のメディカルルームで、弦十郎と了子は眠っている少女について話していた。

 

 

「前にこの子を見たとき、ほとんどわからなかったのが悔しくてちょっと頑張ってみたのだけれど……未知のエネルギーだけを透過させて響ちゃんの体をスキャニングしてみたわ」

 

「……毎度毎度了子くんの腕には驚かされるな。それで結果は?」

 

「これを見て」

 

 

了子が壁のスクリーンにスキャニングした響のデータを大量に映し出す。

 

 

「……すまない。説明してくれ」

 

「ええ、まずはこれ。響ちゃんの体全体のスキャニング画像。全身の体細胞の約72%が聖遺物と融合しているわ」

 

「ッッ!?!?……そんなことが。つまり、彼女は人間か聖遺物で言えば……聖遺物よりとでも言うのか……」

 

「そうなるわね。幸い脳には侵食してないけど……心臓を始めとして肺や胃などの臓器に関しては軒並み融合しているわ。残りの28%は……頭に……あら、下腹部?彼女、思ったより乙女なのね♪」

 

「……聞かなかったことにするが、それでも問題だろう」

 

 

了子が途中からにやけながら説明していたが、弦十郎は触れることがない。紳士的である。少なくとも、眠っている少女の体を残すことなくスキャニングするような女よりかは圧倒的に。

 

 

「えぇ……もしかしたら響ちゃん。食欲がないかもしれないわね。……というか、食事を摂る必要があるのかしら?それだけじゃないけども、()()()()()()()()()()()を必要としないかもしれないわ」

 

「……どういうことだ?」

 

 

了子の推論に弦十郎は首をかしげる。

 

 

「さっき言った通り、彼女は体の大部分が聖遺物と融合している。体を動かすエネルギーをもしかしたら聖遺物と同じように摂取できるかもしれないわ。それこそ、響ちゃんがいつも使っている()()()とか……」

 

「フォニックゲインでも……ということか!!」

 

「そうなっちゃうのよねぇ……脳とかは無事だから、必要なことはまだあるでしょうけどね。今言ったのは私の推論だからあんまり受け止めすぎないでちょうだいね?そうじゃない可能性だってあるわけだし」

 

「だが、そういう可能性の方が多いんだろう?」

 

「まぁ……ね」

 

 

弦十郎の問いに、歯切れ悪く答えた了子。その反応だけで、弦十郎には十分のようだ。

 

 

「あともう一つあったわ。詳しくは翼ちゃんのギアの映像を見てもらった通りだけど、響ちゃんが暴走した時の不可解な言動、謎の言語は何も分からなかったわ」

 

「なんだと?」

 

「事例がないのよ。二課のデータベースにも、弦十郎君と緒川君が極秘裏に見せてくれた風鳴機関の資料にも、全く載っていないわ。私たちの知らない未知の聖遺物、その能力……響ちゃんこそ、聖遺物研究の真のブラックボックスみたいよ」

 

「……それについては追い追い響君に聞いていくしかないだろう。とにかく今は、休ませてやらねばな」

 

「ええ、この子だって疲れてるでしょうし」

 

 

説明を終え了子はデータの片付けを、弦十郎は眠っている響を見ていると……メディカルルームの扉が開き、緒川が入ってきた。

 

 

「司令……ただいま戻りました」

 

「緒川か。お前にしては随分と時間がかかったな。何かあったのか?」

 

「いえ……先程ようやく、響さんの身辺調査が終わったので」

 

「ちょっと、緒川君真面目にやったのよね?こんなに時間がかかるなんてどういうこと?」

 

 

了子は緒川の能力を疑っていないため、遅くなった事に疑問を感じているようだ。。

 

 

「真面目にやりましたって!!それも、隠密班総動員で……それでもこんなに時間がかかってしまったのは、()()()()()()()()()です」

 

「何も……」

 

「なさすぎた……?」

 

 

2人は緒川の言うことの意味が分からなかったのか、言葉を反芻している。

 

 

「えぇ……僕だけの調査に自信がなくなって、途中から人を呼んで照らし合わせを行ったんです。……良い結果は得られませんでしたが」

 

「ふむ……聞こうじゃないか。了子君も意見を聞かせてくれ」

 

「もちろん……響ちゃんに関しては謎が多すぎるものね」

 

 

緒川は先程の了子と同じように、壁のスクリーンに資料を映し出していく。

 

 

「立花響、15歳で9月13日生まれO型。家族構成は、母、父、祖母。祖父はすでに他界していて、父親は2年前のライブ後の生存者に対する世間のバッシングや会社内での諍いなどに耐えきれず家を出て行ったそうです」

 

「……こう言う言い方が良くないのは知っているが、()()()()か?」

 

 

一般的な家庭だが、ライブの生存者には稀にある家庭内の問題。大まかに見れば、響の身辺はありふれたものとなっている。弦十郎はそこに目をつけた。それに対する緒川の答えは……

 

 

「……はい。全員で調べた結果を照らし合わせましたが、全て同じ結果となりました」

 

「海外へ渡航経験や、何処かの遺跡に行った事もないと言うのか?」

 

「まず、飛行機に乗った記録はありませんでした。恐らく、遺跡などもないでしょう」

 

「ますます分からないわね……彼女が聖遺物を所持している理由が。まさか、()()()()()()()()()()()()わけではないでしょうし」

 

 

了子の言うまさかとは、本当にその()()()なのだが、まさかであるからこそ、信じる要因にはなり得なかった。

 

 

「ライブの生存者の家族。補助金の使用も問題は無かったのだろうな?」

 

「はい、問題ありません」

 

 

ライブの生存者に対する、政府から出る補助金。その補助金でさえも、生存者を攻撃する材料となっていたものの一つでもある。

 

 

「「「……」」」

 

 

何も分からない。了子の調査でも、緒川の調査でも、響のことは分からない。その事実に3人は言葉を失っている。

 

 

「……少し聞いてれば、随分と勝手に調べてくれたようですね」

 

「「「ッ!?」」」

 

 

そんな時、ベッドでは目を覚ました響が3人の方を向いていた。

 

 

「起きていたのか……響君」

 

「櫻井さんが説明し始めた頃に目を覚ましましたけどね」

 

「あらら……じゃあ全部聞かれちゃったか〜」

 

 

検査衣を直しながら言う響に、了子はいたずらがバレた時のような反応をする。

 

 

「最近はあまり睡眠を必要としません。食べ物は食べなくても体は動きますが脳が働かないので食べるようにしてます。……これで十分ですか?」

 

「ふむふむ……っと、ええ……ありがとうね」

 

「貸しにしときますね」

 

「……後から言うのは反則じゃない?」

 

「知りません」

 

 

感謝されたと言うことは益になる情報ということ。それは決してタダで与えられる情報ではない。

 

 

「じゃあ、私は帰ります。同居人が待ってるんで、服返してもらっても良いですか?」

 

「待ってくれ響君!!君は……良いのか?」

 

「何がです?……ノイズを潰して回ることですか?二課に所属せずに世界から狙われることですか?体の殆どを聖遺物と融合させることですか?」

 

「全てだ!!分かっているのならどうして……どうして誰かに頼ろうとしない!!我々は大人だ……限度はあるが、君の力にだってなれるはずだ!!」

 

 

弦十郎の叫びは、響には効かない。何故なら……

 

 

「以前に言いました。協力もしないし興味もないと……あぁ、薬品工場の被害については櫻井さんにつけといて下さい。貸しを一つ返してもらいましょう」

 

「えッ!?ちょ、ちょっと待って響ちゃん。流石にあの規模の被害を私1人のお給料じゃ……」

 

「あッ?」

 

「……承りました」

 

 

響の目力に負けた三十路付近の女性は悲しそうに預金を確認しに行った。

 

 

「了子さんを出て行かせたのは何のためですか?」

 

「出て行かせた……?」

 

 

了子がメディカルルームから出て行った後、男性2人が見ていないうちにいつもの服装に着替えた響は、緒川から質問を受ける。弦十郎は気づいていなかったようだが……

 

 

「別に……さっき言ったことは本当です。ただこれだけは言っておきます。あの人が私の害になるようなことをしたと私が判断した時、躊躇なく殺します」

 

 

響の目に本気さを感じたのか、弦十郎のは警戒の色を強める。

 

 

「何故だ?」

 

「初めて会った頃から、ナニカがあると思っていました。さっきだって、デュランダルの回収を私にさせましたし」

 

「……確実性のある証拠ではないな。だが、我々でも調べてみよう。ここだけの話だが、彼女は聖遺物についていささか詳しすぎるからな。我々も気になっていた」

 

「……どうぞご勝手に」

 

 

そう言って響も部屋から出て行く。

 

 

「緒川、2日の休暇を与える。十分に休息を取ってからもう一度了子君を……」

 

「いえ、半日あれば休めますから。それよりも司令……重要な案件が……」

 

「むっ……どうした?」

 

 

緒川が先ほどよりも険しい顔をしている。弦十郎は響の内容よりも重要なことなのかと身構えながら聞こうとするが……緒川は眼鏡をかけた。

 

 

「予定されていた月末の翼さんのライブですが……現在の翼さんのコンディションからして開催可能……司令、どうされました?」

 

「……いや、なんでもない。そうだな……」

 

 

張り詰めていた空気が崩れ落ちた気がした。

 

 

 

 

〜響〜

 

 

 

 

「ダイン……出ては来るけど反応がない……寝てるのかな?」

 

 

一瞬だけダインスレイフを出し、呼びかけるが響の声に応えない。剣の柄を見れば瞳も閉じている。

 

 

「……お昼過ぎか、思ったより早く終わった。こんな所にもいたくないし早く帰ろう」

 

 

響は少し急ぎ足で通路を歩く。そのまま数分歩いた後……

 

 

「……迷った」

 

 

二課の通路は、同じような扉や壁、曲がり角が続いているため迷いやすい。職員ですら迷う者がいるレベルでだ。端末さえあれば地図が表示されるためスムーズにいくことができるのだが、響は端末を二課に返しているためそれがない。迷うのは必然のことであった。

 

 

「司令室まで行ければ……あのエレベーターでとっとと帰れるんだけど……」

 

 

響が言っているのは、司令室に設置されている緊急時用のエレベーターである。外への近道になっているが、Gなどによる負荷が凄まじいため職員は弦十郎を除いて使わない。

 

 

「ッ……立花。何をしているの?」

 

「風鳴翼さん……」

 

 

少しうろうろしていると、出会ったのは私服姿の翼だ。

 

 

「いえ……ちょっと迷っただけです。すぐに帰ります」

 

「強がるんじゃないわ。貴女、地図を持ってないでしょう?だったら無理」

 

「はぁ……この施設、不合理すぎる……」

 

 

翼でさえ、地図なしでは迷うらしい二課の施設に響が呆れるのも仕方がない。

 

 

「……連れて行ってあげる」

 

「はッ?良いですよ別に。地図だけ写真撮らせてください。借りにしときますんで」

 

「なっ……人の好意をなんだと思って……」

 

 

吐き捨てるような響の一言に絶句する翼。翼に対して好印象がない響はこれが普通なのである。

 

 

「それに、二課は公には公開されていない組織……おいそれと情報漏洩の危険がある行為は出来ないわ。黙ってついて来なさい」

 

「チッ……仕方ないか。……じゃあ……おね……がい……します」

 

「人に物を頼むのにそれだけ嫌そうな顔をする人は初めて見たわ……(これはチャンスかもしれない)」

 

 

翼は響の言葉にまたも呆れる。そして、2人は無言で歩き始める。響が2回目に二課に来た時のように翼が前で響が後ろからついていく形だ。

 

……2分ほど歩いた。翼は急に立ち止まるとある部屋に入った。

 

 

「ちょっと入って」

 

「……なるほど、それが狙いですか」

 

 

響はその扉に書かれている文字を見て翼の狙いを見抜き、部屋に入っていく。ただ広いだけの空間に見えるこの場所は、看板にこう書かれている。

 

 

『トレーニングルーム』

 

 

と……

 

 

「寝起きの運動にはちょうど良いでしょう?貸しはこれで無しにしてもらうわ」

 

「良いですよ……私も試したいことがあったので」

 

「……Imyuteus amenohabakiri tron」

 

 

以外にも乗り気な響きを横目に、翼が聖詠を歌いギアを纏う。対して響は、ダインスレイフを出すこともガングニール纏うこともしない。ただ、いつものバイザーのみを顔につけた。

 

 

「早く貴女も武装を出しなさい」

 

「……」

 

「立花……?」

 

 

翼の呼びかけに反応しない響は、目を閉じている。

 

 

「……(蝋を変形させた時のように繊細に……でも素早く……『呪い』を固形化させる)……ッ!!」

 

「ッ!?……翼……?」

 

 

響は意識を集中させ、背中から生えてくるように『呪い』で羽を形成した。

 

 

「……出来た。アイツにしごかれたのは無駄じゃないってことね」

 

 

形成された羽からは、黒い羽が舞っている。それらは本当の羽のように宙を舞い、地面に当たれば消えずにその場に残る。薬品工場で形成した『翼の形をしたモノ』ではない、まさに飛ぶために完成されたモノ。

 

 

「私の前で『翼』を出すのか!!……参る!!」(絶刀・天羽々斬)

 

「次は強度……ふッ」

 

 

翼はギアから流れる伴奏を聴きながら響に突撃する。対する響も翼に向けて走り出した。

 

 

「はぁッ!!」

 

「まずは一本……」

 

 

翼の袈裟斬りの剣を右の羽で受け止めた響は、もう片方の羽で手元を狙い剣を翼の手から弾き飛ばした。

 

翼はすぐに下がり、脚部のパーツから新たな剣の柄を取り出し刀を形成した。

 

 

「たかだか一本ッ!!」

 

「だから効かないッt…ッ!?」

 

 

『逆羅利』

 

 

翼が新たな剣を出すのを見て響はもう一度弾き飛ばそうとした。しかし……翼の脚部ブレードを意識していなかったため、展開したことに驚いて隙を作ってしまった。翼はそれを見逃さず逆立ちの体制を取ると回り出す。

 

 

「危なッ……だったらッ!!」

 

「ッ……飛んだ!?」

 

 

響は翼から距離を取るとその羽を大きく広げ飛行を始めた。

 

 

「スピードも上がったし、『呪い』を固定したから消費も少ない。上々かな……」

 

「遠距離だからってッ!!」

 

 

『千ノ落涙』

 

 

翼は己の剣を掲げ上空より剣の雨が降り注がせる。響は右腕を突き出し『呪い』で透けるほど薄い膜を作って防いだ。

 

 

「なるほど……面制圧……出来るかな?」

 

 

さらに響が腕を翳す。すると大きく広がる羽より、鋭く尖った形の『呪い』の弾丸が滲み出てくる。

 

 

「……発射」

 

「くッ……まさか私の千ノ落涙を真似てッ!?……でも……今が好機ッ!!せいやぁぁ!!」

 

 

『蒼ノ一閃』

 

 

翼は剣を巨大化させ迫ってくる弾丸を全て斬りふせ爆散させる。さらに、自ら放った『蒼ノ一閃』で爆散した『呪い』に隠れて一気に距離を詰めた。

 

 

「貰ったッ!!」

 

「いつのまにッ……きゃッ!!」

 

 

翼の声で後ろを振り向いた響は、跳躍しすぐ後ろまで迫ってきている翼の剣を羽で防御しようとするが……間に合わず衝撃をその身に受け、そのまま響はバランスを崩し墜落した。

 

 

「はぁ……はぁ……どうだ……?」

 

 

一瞬の攻防に見た目以上に神経を使った翼は、着地した後、息も絶え絶えに墜ちた響を確認する。

 

 

「ふぅ……やるじゃん」

 

「まだ……駄目なのね」

 

 

煙が晴れ、響の姿が露わになる。片翼が根本より切られて無くなっているが健在だ。

 

 

「この前とは大違い……でも貴女は今のたった一瞬に意識を張り詰めすぎて限界、違う?」

 

「ええ、これ以上はちょっと厳しいわ。……あなたとは違ってね」

 

 

翼の額から汗が滴る。

 

 

「全く……どれだけ私に一撃入れたかったのか……まだやります?片方残ってるから一撃は受け止めてあげますよ」

 

 

どこまでも余裕そうな響の声色に、翼は笑みを浮かべながら答える。その表情はどこか晴れやかだ。

 

 

「……敵わない。そう考えていた……でも、この一撃で押し切らせてもらう!!」

 

 

翼が跳躍した。一本の剣を投げその刀身を巨大化させる。

 

 

「これが私の……今の全力ッ!!」

 

 

『天ノ逆鱗』

 

 

「形状の変化は……出来る。ハァァァ!!!!」

 

 

響が残っていた方の羽を腕に巻きつけ思いっきり翼の剣に向けて殴る。

 

剣の切っ先と拳の先がぶつかり凄まじい衝撃波が起こっているが、翼と響にそんなことを気にする余裕はない。

 

 

「世の飛沫と……果てよォォォォォォォ!!!!」

 

「……見えたッ!!」

 

 

翼の剣が響の拳を押し切ろうとしたその時、バイザーによって見えないが響は目を見開いた。

 

 

ミシッ……ミシミシッ……

 

 

「ッ!!……剣がッ!?」

 

「これで……終わりッ!!!!」

 

 

パキンッ

 

 

「くっ……」

 

 

響の拳は『天ノ逆鱗』を打ち砕いた。翼は悔しそうにしながらも綺麗に床に着地。そして変身が解けた。

 

 

「悔しい……でも……何故だか清々しい気分だわ……」

 

「私の勝ち……もういいでsy……ッ!?」

 

 

響が翼の元に近づき勝利宣言を告げている途中……響の片翼も、翼の剣と同じように亀裂が入り砕けてしまった。

 

 

「……引き分けのようね」

 

「……みたいですねぇ。満足しました?」

 

 

響は、砕け散った『呪い』の残骸を見つめながら翼に聞く。

 

 

「ええ……ありがとう立花」

 

「……はッ?何がです?」

 

「貴女のおかげで、大切なことに気づくことができた。そして、それが私を成長させてくれたから」

 

「……そんな覚えはないですね。気のせいですよ」

 

「貴女にその気がなくても……感謝しているわ」

 

「……あっそ」

 

 

翼に純粋な笑顔でお礼を言われた響は、そっぽを向いてしまう。今までの態度で忘れがちだが、()()()2年前までは、未来の影響でツヴァイウィングのファンだったのだ。何も思わないわけがない。

 

 

(……ダインが寝てて良かった。こんな顔を見られたくない)

 

「……それじゃ、私は行きますね。さっきここに来る途中エレベーターが見えてたので道は覚えています」

 

「……わざと誘いに乗っていたということ?可愛くないわね」

 

 

響は翼の言葉を背に、足早にトレーニングルームを出て行った。

 

 

「私は……立花に、奏を求めていたのかもしれない。でも……それじゃあダメね。あの子はあの子、奏は奏、同じな訳がないもの。……そういえば私は立花の事を殆ど知らない。まずは、立花を知るところから始めましょうか」

 

 

独り言をつぶやく翼は、とても晴れやかな笑顔だ。『覚悟』が決まった……とでもいうのだろうか……

 

 

「……トレーニングルームの惨状、どう説明したらいいのか」

 

 

ふり返ると無惨にも所々破壊されている床に斬撃跡がついた壁、その殆どは翼の技によってついたモノだ。

 

それに気づいた翼は、すぐにしかめっ面になってしまったようだが……

オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?

  • 自在に姿を隠す
  • 空気操作
  • 純粋な身体能力向上
  • 視界の共有
  • 空間作成
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