私は呪われている   作:ゼノアplus+

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さてと……絶賛スランプ中であります。思ったより筆が乗らない……期末試験も終わり、ポケモンの育成もひと段落つき、さぁ再開しようじゃないかと言う時に、なぜか気分にならないのです。

さらに言ってしまえば、私もそろそろ受験生になるので受験勉強を始めて行こうかと思い始めています。もうすでに受験勉強を始めている人も多いので、遊んでばかりの私に言う資格はない気もしますがね……

と言うことでして、私の他の作品を知ってくださっている方はご存知だと思いますが、全く投稿をしていません。おそらくですが、この小説も現在よりも少しずつ投稿頻度が下がると思います。私自身も、もっと書いていたいと言う気持ちですが、ご理解のほどよろしくお願いします。

ps,今回は少し短いです。


響いてくミライ

12話

 

 

「だからな、今から空中戦で俺と戦ってもらうぜ」

 

「……は?」

 

 

とある不恰好な家で、響はその家の主である『イカロスの羽』の所有者のラースにそう告げられる。

 

 

「いや、そんな『コイツ何言ってんの?バカなの?死ぬの?』みたいな顔すんなよ……」

 

「流れが唐突すぎるでしょ……」

 

 

呆れながら答える響。ラースはそんな響を見て少々不貞腐れている。

 

 

「いいからやるぞ〜、この俺が直々に教えてやるってんだ。感謝しろよな〜」

 

「その傲慢さは身を滅ぼすよ?」

 

「はんッ、その傲慢さで身を滅ぼしたからよく知ってるよ」

 

「……?………………あぁ、なるほど」

 

 

響の忠告に、吐き捨てるように答えたラース。響は一瞬なんのことかわからなかったが、ギリシア神話におけるイーカロスを思い出し、納得した。

 

蝋で作ったこの羽さえあれば太陽にも届く。そんな傲慢さを抱えたイーカロスは太陽に近づきすぎて蝋を溶かされ墜落死した。ならば『イカロスの羽』との融合症例(仮)であるラースはどうなのか。その影響は勿論あったのだろう……聖遺物にはそれだけの力があるのだから。

 

 

「ごめんなさい。軽々しく言っていいことじゃなかった……」

 

「おう、そう思うのなら行くぞ」

 

「なッ……セコい……」

 

「そうでもしねぇとこの先生き残れないぞ」

 

「……チッ」

 

 

自分の失言を素直に謝罪する響だが、ラースにとってはなんてことはない様子だ。それどころか口実が出来ていた。

 

 

「……でも空中戦って言っても私、今羽を形成できないんだけど。ここじゃ『呪い』を使えないし」

 

「だろうな〜」

 

 

ウンウンと、当たり前と言わんばかりに頷くラース。心なしか彼の翼もはためく。

 

 

「じゃあ、作るしかないよなぁ?」

 

「…………は?」

 

 

ニィッと笑ったラースはすぐに家の倉庫らしき場所へ向かっていった。

 

 

「……なんなのアイツ。早く未来のところに帰りたいってのに(ニ課の連中とはまた違う感じがする……)」

 

「じゃあとっとと始めようぜヒビキ。時間は有限だからなぁ」

 

 

戻ってきたラースが所持していたのは大量の白い固体……蝋だった。

 

 

「……それは?」

 

 

懐疑的な視線をラースに向ける響。なんとなくだが、何をさせられるのか察したようだ。

 

 

「蝋だよ。これで羽を作ってもらう。お手本は俺だ」

 

「普通に嫌なんだけど」

 

「まあまあそう言うなって。たまにはダインスレイフの奴を驚かせるのも良いだろ?自分が知らないうちに契約者のレベルが突然上がってるんだぜ?」

 

「……なるほど」

 

 

全てを見透かしたようなダインスレイフに一泡吹かせる。なかなかに悪くないと思った響は少し悩み……

 

 

「……分かった。どうすればいいの?」

 

「おっ、急にやる気じゃねえか。じゃあまずは……」

 

 

 

……………

 

…………

 

………

 

……

 

 

 

 

「………………ふぁ〜。んんっ……ん?私、寝てた?」

 

 

響が目を開けると、そこは公園。かつて、ダインスレイフと響が出会った場所だ。

 

 

「時間は……そんなに経ってないね。久しぶりに自分から寝たのか。……そんな時に見る夢がラースとの特訓とか、なんとも夢見が悪い」

 

 

ベンチに座っている響は体を伸ばしほぐす。

 

 

「……さてと」

 

 

一息入れた響は、右手を開きその手に『呪い』を集める。

 

 

『CURSE CHAINS』

 

 

「ヒィィ!?…………あぅ」

 

「ふん……私の体は安くない。未来専用だからね」

 

 

響が開いた手を握ると、近くから男性の悲鳴が聞こえた。どうやら響が寝入っているのを見て襲おうとしたらしい。ただの鎖ならば縛られるだけで済んだであろうが、これは『呪い』の鎖。一般人なら精神に異常をきたしてもおかしくない代物だ。

 

 

「帰ろっかな。この時期でも夜は寒い……し……寒くない?」

 

 

響は右手で左手を触る。その後は額、足を触った。

 

 

「……帰ったらすぐにお風呂に入ろう」

 

 

少しだけ沈痛な顔をした響は、ラースより習った羽を形成し帰るべき『家』へと飛び去っていった。

 

 

 

〜寮〜

 

 

 

「ただいま〜」

 

「響、おかえりなさい!!……って服が煤だらけじゃない、どうしたの?」

 

「いやーちょっとヤンチャしすぎちゃって……アハハ……」

 

「もう……今度一緒に服を買いに行こう?」

 

「うん」

 

「お風呂溜まってるから、先に入ってて」

 

「りょーかーい(なんだか、お母さんみたいだな未来)」

 

 

手を洗いうがいをする。着替えを取り出し、風呂に入る。日常的な動作が響にはなぜか嬉しく思えた。

 

 

「シャワー……あったかくないなぁ」

 

 

先ほど感じた違和感。夜風の吹く公園で、寒さを感じなかった。手を洗った時もうがいをした時も、液体の感触はあったのに温度は感じられなかった。

 

 

「響〜入っていい?」

 

「ッ……いいよ」

 

 

響は何もなかったかのように未来に言葉に対応する。その顔は少し引きつっていたが。

 

 

「お邪魔しま〜す。あれ、まだ浸かってなかったの?」

 

「……ちょうど洗い終わったから浸かろうと思ってたところだよ」

 

 

響の声のトーンは少し下がっている。それに気づいたのか、未来は眉をひそめて響に聞いた。

 

 

「何かあったの?」

 

「え……?」

 

「寂しそうな声してる」

 

「そ、そんなことないよ未k……ひゃう!?みみみ、未来///」

 

 

突然響は未来に抱きつかれた。裸の状態でだ。ゆえに……()()()()()()()()

 

 

「バカ……いっつもじゃない。寂しそうな顔して、寂しそうな声をして、それでも私には相談してくれないの?」

 

「…………でも、これは私の問題で……未来には、関係ないことだから」

 

「関係あるもんッ!!」

 

「ッ……私は未来を巻き込みたくない……」

 

 

響は未来の肩を掴み離す。

 

 

「体が冷えちゃうからとりあえず湯船に浸かろう?……ちゃんと待ってるから」

 

「……うん」

 

 

響は先に湯船に浸かり、未来が体を洗い終わるのを待っていた。

 

 

「……(お風呂があったかくないって変な感じだなぁ。液体を触っている感覚はあるのに……温度を感じないなんてね)

 

「お待たせ響」

 

「さてと……私としてはあんまり()()()()に関わるべきじゃないと思うんだ、未来はね」

 

「どうして……?」

 

 

響は多少、明るい様子で未来に切り出した。

 

 

「普通の子だもん。変な世界にかかわらないで生きて欲しい」

 

「ッ……そんなこと「それに……」……?」

 

「不用意にこっち側と関わって未来に何かあったら……私は耐えられない……嫌だよ……これ以上失うのは……」

 

「……」

 

 

未来の言葉を遮ってまで言うほど、響の想いは強い。中学二年生の頃より積み上げられた想いの塊なのだから尚更だ。そんな響に思わず言葉が出なくなる未来だったが、少しの沈黙の後……

 

 

「私だって……」

 

「……?」

 

 

震える声で未来は呟く。顔を下に向けているから表情は分からない。

 

 

「私だって………響がいなくなるのは嫌!!私の知らないところで……勝手に傷つかないでよ!!……ボロボロになって帰ってくる響を見るのは……もういやだよぉ……」

 

「ッ!!……あ……えと……ごめん」

 

 

顔をあげた未来は、泣いている。純粋に響を想い泣いている。響はそんな未来に言葉を紡ぐことができない。出てもせいぜい、ありきたりな言葉だけだった。

 

 

「……それでも、私には譲れない想いがある」

 

「……うん」

 

「これだけは、この想いだけは……未来に言われたってやめるわけにはいかない……だって……この想いこそ、私が私であることの象徴だから」

 

「うん……」

 

 

響は少し黙った後、自らの胸の内を語る。未来は黙って聞いているが、その目にはまだ涙が溜まったままだ。

 

 

「分かって欲しいとは言わないよ。でも一つだけ知っておいて欲しいのは……」

 

「ほしい……のは……?」

 

 

響は、少し間おいて話し出す。

 

 

「私は……未来のおかげで今の私がある。未来がいなかったら……きっと私、耐えられなかった……」

 

「響……」

 

 

2人も入ると少し窮屈な浴槽で、響は今度は自分から未来を抱きしめる。

 

 

「私はずっと未来と一緒にいたい。はぐらかしちゃう感じになるけど、未来はどう?」

 

「……バカ。昨日も言ったじゃない。私達はずっと一緒だよ!!」

 

「……ありがとう未来。()()()()()()()()()()()()()()。でも……未来はノイズを倒す私を怖がっちゃうかなって……それが怖かったんだ。本当に……ありがどぉ……」

 

「響……うん。()()()()()()()()()()()()()。そして……どういたしまして!!」

 

 

お互いに強く抱きしめ合う。響は涙を流しながら、未来は笑みを浮かべながら……ただ……2人の体から滲んでくる黒い靄がお互いの体に入っていったことは、抱き合っている本人たちには気づかなかった。

 

何秒……何分……何十分抱き合っていただろうか。実際には10秒ちょっとしか経っていないのに、響にはまるで永遠のように感じていた。

 

 

「のぼせちゃうからあがろっか……未来?えっ、ちょ、のぼせてる!?みくぅぅぅ!?!?」

 

 

響が知る由も無いが、未来は自分から響に抱きついたことを思い出し赤面。その後の響とのやりとりでもさらに赤面。トドメに響から抱きつかれたことで、嬉しさや恥ずかしさ、その他の感情もろもろ合わせてバタンキューしていたのだ。

 

その後、体を拭いたり服を着せたり、介抱したりして響は未来をベッドに寝かせた。

 

 

「まさかのぼせてるとはね……気づくのが早くてよかった」

 

 

響は寝ている未来の横に座り未来の顔を眺める。

 

 

「それにしても……()()()()()()()()()()()()()()()()か……」

 

 

今日は何度も見せた沈痛な顔をして響は独りごちる。

 

 

「あぁーあ……私、どこまで行くのかな……」

 

 

天井を見つめ、さらに響は言う。その様子はどこか生気が感じられない。

 

 

「あんなに寝てたのに、今日はまだ眠いや。多分、当分寝なくて済むようになるけどね。……寝よう。おやすみ未来」

 

 

響も横になり布団に入る。そして……

 

 

チュッ……

 

 

「今はまだ、これで我慢してほしいな。いつか、絶対迎えに行くから」

 

 

響は未来の額にキスをして、寝入った。その顔は紅潮している。

 

 

「……バカ」




私の中で、この小説の未来の立ち位置が迷走している……

オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?

  • 自在に姿を隠す
  • 空気操作
  • 純粋な身体能力向上
  • 視界の共有
  • 空間作成

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