ちょっとした休憩時間とかに少しずつ書いていたものがたまたま1話分完成したので投稿することにしました。もちろん勉強はしっかりしているのでご心配なさらず。
そういえば少し前にテレビで放送されたFNS歌謡祭での水樹奈々さんと蒼井翔太さんのMETANOIAは良かったですね。最近になってようやく録画したものを見たのですが、目をつぶりながら聞くとどうしても翼とカリオストロが頭に浮かびます。一体どうしてだろう……一体どうしてだろう!!(迫真)
13話
『1年◯組 立花響さん。至急、職員室に来てください』
「……ビッキー呼ばれてるよ?」
「響……何かしたの?」
「いや……学校では特に変なことしてないはず……?まぁ、行ってくるよ」
昼休み中に唐突に放送で呼び出された響は、未来といつもの3人組に一言告げ職員室に向かった。
『……んぁ?……アァ……久々によく寝た気がするぜェ』
(おはようダイン。随分と寝てたね?)
『ヒビキか。ちと、力を使いすぎたからかもなァ……(誰のせいだと思ってんのか。……いや、覚えてないのかァ?)』
(お疲れ様、ありがとうダイン。お陰で堕ちずに済んだ)
『気にするなご主人様』
2人が会話しているうちに、響は職員室に到着した。
「失礼します。1年◯組の立花です」
「あっ、立花さん。あなた宛に荷物が届いていましたよ。差出人は……風鳴弦十郎さん?風鳴翼さんの親戚かしら……ハンコはある?」
「持ってます。……ここですね(あの人が私に?……そういえば二課の端末返したから連絡手段がないのか。いつ返したかもう覚えてないけど)」
取りに帰るのが面倒くさい。それだけの理由で、基本的な小物をいつも持ち歩いている響はすぐにハンコを取り出し印を押す。
「邪魔だったら放課後まで預かっておくけどどうしますか?」
「いえ、そんなに大きくないんで持っていきます。ありがとうございました」
お礼を言い、職員室から出て行く響。人差し指でバランスを取り荷物の箱をくるくる回しながら歩いている。確実に強化された肉体の無駄遣いである。
「驚くほど軽いんだけどこれ。本当になんか入ってんの?」
『開けたらどうだァ?』
「いや、流石に今は……ううむ……やっぱり開けよう」
ダインスレイフの言葉で、ちょっと悩んだ響は開けることにした。教室に向かうための棟の途中にある椅子に座った響は多少雑に開封していく。
「これは……チケット?一体なんの……風鳴翼のライブだって?」
正史において、絶唱を歌い重傷を負った翼は月末に予定されていたライブの中止を余儀なくされていた。この世界では、あと少しで翼が絶唱を歌い切ると言う時に響が強引に中断させたため、健康体である翼はライブを予定通りに行うことができた。そして響は、ライブチケットとともに封入されていたもう一つのものを手に取った。
「もう一つ……手紙?……風鳴翼さんからか。ツヴァイウイングのライブの被害者に対してこのチケットを送ってくるとか、トラウマをがっつり抉りにくる作戦かな?……滅ぼしてやろうかあの女」
『まぁまぁ響。一旦、手紙の内容を読もうぜェ?この前ツバサに送った『呪い』に反応はなかったんだろォ?』
「……そうだけど。分かったよダイン」
齢16歳の少女とは思えない声音をしていた響は、ダインスレイフの言葉で再び落ち着いた。
「なになに……」
【立花響様へ
先日は手合わせありがとう。貴女のおかげで大切なことに気づくことが出来たわ。お礼……と言うには貴女に対して面目が立たない。でも、一緒に送ったチケットに悪意がないことだけは理解してほしい。
本題だけど、貴女に私のライブを見に来て欲しいの。絶唱を歌い損ねたあの日に、貴女に言われたことを私は忘れない。償い続けるために、まずはライブを成功させる。歌姫として……一度、防守ることを辞める。シンフォギアも緒川さんに預けておくわ。覚悟を示すために。
私の歌を、貴女に聞いて欲しい。
ただの歌女 風鳴翼より】
『ハッハッハッ!!良いねェ……こういう熱いのもなかなかだァ……そうだろ響?』
「…………」
『アァ……?響?』
黙りこくる響に対してダインスレイフは問いかける。
「こんな……」
響はつぶやき始める。
「こんな書き方されたら……断れないじゃんか……バカな歌姫め」
『響……』
ダインスレイフは予想していた……響は、さらに憎悪をドス黒く燃やすと。しかしどうだろうか。手紙を読んだ響は広角をあげ、いつもの狂気が宿る笑みではなく年相応の笑顔をしている。それはそれで、いつも響を心配しているダインスレイフとしては良い結果なのだが……ダインスレイフには予想外だったのだろう。
「しかもご丁寧に関係者席のチケットが2枚。はぁ……未来も誘うしかないか。あの日のライブに行けなかったの、悔しそうにしてたもんな。あの日は行かなくて正解だったけど」
『用意がいいねェ……俺の記憶では、一度も二課の連中に嬢ちゃんの事を伝えてなかったと思うが……』
「私の身辺調査はすでにされてるから交友関係を把握されている程度ではもう驚かないよ。部屋に帰ったら誘おう」
『それがいい。まァ……その前に一仕事ありそうだがなァ』
「やっぱり……?はぁ……最近多いんだけど……」
『流石の響でも、もうバテたかァ?』
「バカ言わないでよ。多いってだけで、殺る気までは失せてない」
『その意気だぜェご主人様』
幸いにも人がいないため、響はこうして口に出して喋っている。
「さてと……戻ろっかダイン。未来が待ってるだろうし」
『……あの三人娘達も勘定に入れてやれよ響』
寝起きでも、ダインスレイフのツッコミのキレは保たれているようだ。
〜とある屋敷〜
「デュランダルが起動したおかげであたしは折檻されなかったのは分かってる。あのキチガイの捕獲はもういいのか?」
「ええ、計画はしっかり進んでいるわ。でもどうしたの?ソロモンの杖なんて持ち出して」
豪勢な屋敷を背景に、雪音クリスは湖を眺めながらフィーネに問う。フィーネはいつもと変わらない声音だ。
「これはフィーネに返す。……今度こそ、あのキチガイに教えてやるんだ。力は争いを産むってな」
「今、無駄な喧嘩をしてる暇はない。分かっているのか?」
「ッ……分かってる。でも、あんなキチガイなんかよりあたしの方が優秀だってことを見せてやる!!あたし以外に力を持つ奴は全部捻り潰す。私の目的だからな……こんな物に頼りはしねぇ!!」
口調の変わったフィーネに、クリスは一瞬物怖じしたが手に持っているソロモンの杖を投げ渡すと、ネフシュタンの鎧を纏って飛び出していった。
「……そろそろ用済みね。私の手でヤツを下すのは些か面倒……うふふ、立花響。貴女にクリスの処理を任せましょう。もちろん……お膳立てもしてあげるわ」
ソロモンの杖を撫でながら、フィーネは口元を歪ませ言う。クリスの末路を想像したフィーネは、笑みを抑えきれないようだ。
「そういえば、月末には風鳴翼のライブがあったわね。クリスの処理のついでに、
『人生』という言葉がこれほど似合う人間はいないであろう、フィーネは屋敷へと歩く。厳重に保管された物を取りに行くために……それがなんであるのか、クリスにも知らされていないソレはただただ使われるために時を待っている。
〜放課後〜
「緒川さん?」
「はい。どうされました?」
なんで出てくるの……?と、響は自分で呼んだのにもかかわらず額を押さえ唸った。誰も居ないはずのこの場所でシュタッと現れた緒川は眼鏡を外している。
「今からノイズ共の排除に行きます。あの人には伝えないでください」
「翼さんですか?」
「……レッスン忙しいでしょうし」
顔を背け少し小さい声で話す響。その頰は少し紅潮しているが、緒川には見えない。
「響さん……分かりました。司令には僕から伝えておきます。……その、本当に二課には所属しないんですか?言い方は悪いですけど、聖遺物を持ち、奏者でもある響さんは高待遇を得ることができますよ」
「分かってて聞くなんて酷いじゃないですか。……待遇云々じゃないんですよ。協力もしない、仲間にもならない。共闘するのであればそれはお互いが違う正義を握りしめて、同じ敵を見ている時だけ……それに私の
緒川の言葉は、普通の人にとっては魅力的。だが、響にとってはただの枷にしかならない。
「私が動くのは、自分の為か親友のため、そして家族のためだけです。私に……誰とも知らない他人の手を掴む余裕はありませんから」
「分かりました。……でも、1人で抱えきれなくて苦しい時はいつでも連絡してください。司令の言葉を借りれば、僕たちは『大人』ですから。そうだ……翼さんに何か伝言はありますか?」
「伝言……そうですねぇ……じゃあ一言だけ」
響は緒川の方へ振り返りあくどい笑みで告げる。
「期待はしない」
そう言うと、響は跳躍しノイズが出現するであろう方向へ駆け出した。
「あはは……響さんらしいですね。さて……もしもし司令ですか?はい……おそらく◯◯町の方かと。……ええ、避難指示をお願いします。それと、翼さんには伝えるな、と響さんが。……はい、僕もすぐに戻ります」
弦十郎に電話をした緒川は、忍法を使ってその場から消えた。
〜さらに少し経って〜
「コイツで……最後ッ!!」
『ナイスだァ響。もう当たりに反応はねェよ』
響の目の前にいた最後のノイズを切り裂き、戦闘は終了した。クリスのようなイレギュラーが起こることなく、少し前のようなただノイズを狩るだけの戦闘だった。
「なんか、歯ごたえがない」
『そういうなってなァ……いつもより楽に終わったんだから良いじゃねぇかァ……』
「そうだけど……最近は色々あったから……ッ!?……ダイン?」
『アァ……しかも学校の方だなァ……』
「未来は……分からない。すぐに向かうよ!!」
『おうよォ……コレは前座ってことかァ』
響が感じ取った気配は一つ、しかもリディアン音楽院に近い。未来を心配し、響は急いで学校の方へと駆ける。羽を形成しないのは、まだ日が出ているため人に見られやすいということを考慮してのことだ。今更な気もするが……
「あの……ネフシュタン?の女だろうね。何のために出てきたのか知らないけど、未来に危害が及ぶようなら……ぶっ殺してやる」
『おそらく目的はお前だろう。何処にいるか分からねェから学校に行けば出てくるとでも思ったんじゃねェかァ?』
「なるほどね……ッ、そろそろ学校」
ダインとの会話に集中していたためか、そろそろ学校に到着することに気づいていなかった響は一度立ち止まり辺りを見回す。その時……
「あれ……?響、何してるの?」
おそらく買い物終わりだろう。少し大きめの袋を持って、寮の方向へ向かう未来と出会った。
「ッ!?未来……走って部屋に戻ってッ!!……チッ、こっちに来てる」
「なんで……ッ!!」
「見つけたぞ……キチガイ野郎ッ!!」
響はすぐに逃げるよう未来に叫ぶがすでに遅い。森の方から飛び出してきたクリスは、響の姿を確認すると技を放つ。
『NIRVANA GEDON』
「響、危ないッ!!」
「未来!?来ちゃダメだッ!!」
「なッ!?一般人がいたのか!!」
未来は響に手を伸ばし、響は即座に『呪い』の膜を未来の周辺に張る。クリスは未来の存在に気づいてギリギリでエネルギー弾を空に逸らした。
「「「………」」」
一瞬の出来事が終わった後、場を支配したのは沈黙。聞こえてくるのは風の音だけ。
「……おい、そこのお前」
「……私?」
「下がってて未来。危ないから」
クリスは恐る恐る未来に話しかけた。響はそんなクリスを警戒してか未来の前に立っている。
「……悪かった。巻き込んじまってよ」
「えっ……いえ……響が守ってくれたので大丈夫です」
「んじゃ、続きやるか。おいキチガイ女、人気がない場所に行くぞ」
「……分かった」
『コイツ、嬢ちゃんがいることに気づいて攻撃を逸らしたんだからよォ……多少は情状酌量の余地あるからなァ?』
(……了解)
ひとしきり未来に謝罪したクリスは、響に戦闘する場所の変更を問う。了承した響は、クリスについていこうとするが……
「響ッ!!」
「未来……?どうしたの?」
「……ちゃんと帰ってきてね?」
「……ふふ、もちろん!!」
未来の心配そうな声が響に届く。それに対して響は笑って答えた。
「用事は済んだか?さっさと戦るぞ」
「……行ってきます」
響とクリスは林の奥の方へと駆けて行った。その場に立ち尽くしている未来は小声で呟く。
「行ってらっしゃい」
未来は2人が駆けて行った林を少しの間見つめた後、寮に向かって歩き出した。しかし……
「響さんの同室の小日向未来さんですね?すいません……事情はちゃんと説明しますので、特異災害対策機動部二課まで御同行お願いします」
「……え?」
一応、聖遺物関連は国の重要機密事項に当たる。クリスの纏うネフシュタンの鎧や響の力などを目撃してしまった未来は、諸々の書類などにサインするため、何処からか現れたNINJAに手錠をされドナドナされていくのであった。
オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?
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自在に姿を隠す
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空気操作
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純粋な身体能力向上
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