私は呪われている   作:ゼノアplus+

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今回は戦闘描写がほとんどですが、私、戦闘描写は得意ではないので読みにくいかもしれません。


自分自身の力で……

14話

 

 

「ここらでいいだろ」

 

 

林の奥の方、少し開けた場所へ来た響とクリスは改めてお互いに向き直る。

 

 

「……お前、口調ほど根から悪い人間ではないんだね」

 

「なっ!?……言ってくれるじゃねえか」

 

 

響のつぶやきが聞こえていたらしいクリスは、赤面しながら構える。わざわざ一般人を気にするような発言、態度、行動に、ダインスレイフからの助言も合わせて少しばかり評価を見直したようだ。

 

 

「未来が無事だったからって容赦はしない。私にとってお前はただの雑音なのだから」

 

「今日こそは……今日こそはその自信、打ち砕いてやる!!」

 

 

響はダインスレイフを、クリスは刃の鞭を取り出し真正面から殴り合う。

 

 

「オラァ!!」

 

「むッ!!」

 

 

クリスが先手を取って右手の鞭で響を攻撃する。それに反応した響はダインスレイフで防御するが、その刀身に鞭が巻きつく。

 

 

「甘ぇ!!」

 

 

クリスは左の鞭で追撃。ダインスレイフが使えない状況で響はさらなる防御を行う。

 

 

「こっちのセリフ」

 

 

『CURSE CHAINS』

 

 

右足で地面を踏みしめた響は、迫り来る鞭の真下より『呪い』の鎖を出現させ鞭を絡め取った。

 

 

「チッ……だが、これでお前は動けない。ご自慢の剣が使えねぇとなりゃあこっちのもんだ」

 

「確かに、ダインは私の主兵装……でも、いつまでもダインにばかり頼っているわけじゃない!!」

 

 

響は背中の右側だけに羽を形成。『呪い』の銃弾を打ち込む。

 

 

「なにッ!?……くッ」

 

 

響の遠距離攻撃を確認したクリスは致し方なしとばかりに鞭を手元に戻し、目の前で高速回転させ弾を防いだ。

 

 

『……今のはァ。響、どういうことか後で説明させるからなァ。覚悟しておけ?』

 

「……はい」

 

 

ダインスレイフは響の完成された羽を見たことがない。しかも形成方法が特殊だからだ。少しばかり語気が強い気がしたダインスレイフに、響は正直に言うしかないと、少し後悔しながら返事をした。

 

 

「変な芸当しやがって……これでもくらいなッ!!」

 

 

『NIRVANA GEDON』

 

 

「頑なにその技ばかり……もう見飽きた!!」

 

 

ダインスレイフを横に振り切り、エネルギー弾を切り裂いた響だが、次の瞬間……

 

 

「だったら……持ってけダブルだッ!!」

 

「ッ!!」

 

 

エネルギー弾の向こうからさらにもう一発、もう片方の鞭から生成されたエネルギー弾が響に向けて飛来する。流石の響でもこれには驚き反応が遅れてしまう。

 

 

「ぐぅ……っ!?」

 

「やったッ!?」

 

 

戦闘が始まって最初の被弾は響となった。しかし、その一瞬に気を緩めてしまったクリスは……

 

 

「小賢しいッ!!」

 

「なっ……がぁ!?」

 

 

叫び声をあげた響の方から飛んできた物が直撃したクリスは少し仰け反る。油断したところへの直撃に、実際のダメージ以上に衝撃を感じたようだ。

 

 

「なにが……石!?」

 

 

クリスに直撃した飛来物、その正体は少し小さめのただの石だった。しかし侮ることなかれ、『呪い』を纏い強化された石だ。その威力はクリスが実際に体験し、すでにクリスの脳内に刻まれている。

 

 

ブォンッ!!

 

 

クリスの二連発の技によってできた煙がかき消された。響がダインスレイフを振り消しとばしたのだ。その姿を現した響は、少し傷ついている。

 

 

「たかだか石ころ一つでそんなに驚く必要はないんじゃない?こっちは殺意マシマシの一撃食らったってのに」

 

 

なんてことはない、そのような態度で喋り出した響の目は、完全にクリスを敵として認識している。

 

 

「見飽きた技ってのにしっかりダメージ受けてる奴が言う言葉じゃねぇなぁ」

 

 

対するクリスも、冷静になってみればそこまでのダメージは無かったようで、すでに体制を立て直している。

 

 

「ノイズは出さないの?お得意の……『ソロモンの杖』ってヤツで」

 

「ご期待に背くようで悪いが、あんなもん持って来ちゃいねぇ。あたしの力だけで十分だと証明してやるのさ」

 

「ふぅーん……その鎧はお前自身の力だって言い切るわけだ。なるほどなるほど」

 

「……なにが言いたい?」

 

 

煽るような響の言動に眉を寄せ質問するクリス。

 

 

「二課が保有していた聖遺物を奪って、身につけて、戦って、負けて、それはお前の力なの?」

 

「ッ……それは……お前こそ、その剣はお前の力だって言い切れるのかよ」

 

「言えるね」

 

「ッ!!」

 

 

言い切った。クリスは、反撃したと思っていたが、自信満々に発言した響に驚いている。

 

 

「ダインは私の力だ。それはお互いが認め、尊重し合っている。だからこそ、私は負けない……いや、勝つ」

 

「お互いが認めるだと……まるで聖遺物に意思がある、みてぇなこというじゃねえか。……クソッ、だったら見せてやるよ。あたしの力をな!!ぶっ飛べ、アーマーパージだッ!!」

 

「ッ……悪あがきをッ……」

 

 

やけくそのように叫んだクリスのネフシュタンの鎧が弾け飛んで行く。思っていたより大量の破片が散らばるのを見て、響は後ろに大きく跳躍。攻撃を躱した。

 

 

「自爆みたいなコレがお前の力だとでも……ッ!?」

 

 

クリスに向かって恨み言を言う響は、膜のようなものに包まれたクリスの姿を目にして驚く。

 

 

「Killter Ichaival tron」(魔弓・イチイバル)

 

「聖……詠……まさか、シンフォギアッ!?」

 

 

激しい音楽とともにクリスの体には、赤い装甲が纏われていく。

 

その頃、某司令部では……

 

 

「新たなアウフヴァッヘン波形を感知……波形パターン照合完了……ッ!?過去のデータと一致しましたッ!!付近の監視カメラをモニターします!!」

 

 

『Ichii-Ball』

 

 

「イチイバルだとぉ!?」

 

 

呆気にとられる二課職員達……OTONAはいつも通りのようだ。

 

 

〜場面は戻って、響達へ〜

 

 

「歌わせたな……」

 

「……はぁ?」

 

「あたしに……この、雪音クリスに、歌を歌わせたなッ!!……あたしは歌が大っ嫌いだッ!!」

 

 

響の知らないシンフォギア、『イチイバル』を纏うクリスはその顔を憎悪に歪めながらも奏でられた音楽を歌い上げる。

 

 

「傷ごとエグれば〜忘れられるってことだろ〜?」

 

 

クリスは右腕の籠手のような部分からクロスボウ型のアームドギアを形成し響に向けて発射した。一つのクロスボウに発射機構が5つ付いているため5連射している。

 

 

「チッ……遠距離武器か」

 

 

響は少し恨めしそうに呟き左手をかざして『呪い』の盾を形成。……するが、

 

 

パキッ……

 

 

「この威力……流石はシンフォギアかッ!!」

 

 

4発目で呆気なく砕け散った盾を横目に、響は5発目を躱す。

 

 

「イイ子ちゃんな正義なんて……剥がし……てやろうかぁ!!」

 

 

クリスは左腕のアームドギアも取り出し、両手のアームドギアを二門のガトリングに変化させた。

 

 

「……マジ?」

 

「HaHa‼︎さ〜あ〜It’s show time‼︎火山のような殺伐Rain‼︎」

 

 

二門のガトリングが二丁。その圧倒的な光景に見た響は思わず懐疑的な声を上げる。クリスがサビを歌い始めると同時に、計四門のガトリングは回転を始め……その火力を証明し始めた。

 

 

『BILLION MAIDEN』

 

 

「さ〜あ〜!!お前らの……全部全部全部全部全……部!!否定してやる……」

 

「待て待て待て……それは聞いてないッ!!くッ!?」

 

 

右から横へ、薙ぎ払うようなガトリングの雨に響は防戦一方。あくまで生身である響は、1発銃弾を食らうだけで大ダメージを避けられないため防御と回避に集中している。

 

 

「そう……否定してやるゥゥゥゥゥ!!!!」

 

 

『MEGA DETH PARTY』

 

 

 

「Balwisyall nescell gungnir tron……ガントレットにエネルギーを込めて……打ち込むッ!!」

 

 

クリスが歌い切ると同時に、腰部の小型追尾ミサイルが射出され響に襲いかかる。しかし、響はすぐに聖詠を歌いガングニールの破壊力を持って全てのミサイルを潰した。

 

 

「ハァ……ハァ……チッ……だったら今度はさらにデカイのをッ……」

 

「流石に今のは……危なかった」

 

 

ガトリングやミサイルによる制圧射撃は響の体力を大幅に削った。

 

 

「歌うほど体力はない……だったら……ダインッ!!」

 

『あいよォ……全く、効率は悪いんだから短期決戦でやれ』

 

「了解」(私トイウ音響キソノ先二Off Vocal)

 

 

響の体から『呪い』が放出されもう一度体の中に入っていく。しかし、よく見ればそれらはただ響の中に戻るのではなく、ガングニールの装甲に吸い込まれていく。

 

 

「ブチ抜くッ!!」

 

「コイツッ……ギアで加速をッ!?オラァ!!」

 

 

大地を蹴り、響はクリスに向かって弾丸のようなスピードで突き進む。それに驚いたクリスも、負けじとガトリングで応戦。

 

 

「甘いッ!!」

 

 

両足のパワージャッキを使い、姿勢を低くしさらに加速。真上を通り過ぎる弾丸の雨を避けさらにクリスへと近づく。

 

 

「歌っていないのに……どこからこの力を……がぁ……ッ!?」

 

 

クリスは反応できずにぶっ飛ばされる。ダインを収納した響のハンマーパーツの破壊力も含めた最速、最高の打撃がクリスの腹へと突き刺さった。

 

 

「う……おぇ……クソッ……やってくれるじゃねえか!!次はこっちからいくぞッ!!」

 

 

両手のアームドギアをクロスボウに変え、態勢を立て直したクリスが響に肉薄し射撃をする。広範囲にわたるエネルギーの矢に響は……

 

 

「もう……お前の攻撃は効かない」

 

「ッ!?」

 

 

響はまた左手を翳し盾を形成。しかしその形は最初のものとは違って少し角度が付いている。

 

 

「弾いた……いや、逸らされたのかッ」

 

 

そう……もともと受け止めるだけの強度がある盾で矢を無理やり響の左右へと逸らした。それにより響の後ろに広がっていた多くの木は爆発霧散する。

 

 

「ふッ!!」

 

「こっちだって打撃はもうお見通しなんだy……ッ!?」

 

 

響は盾を展開したまま、クリスに殴りかかろうとした……クリスもすでにそれに対する防御姿勢を取っていたが、急に響の右手に出現したダインスレイフの上段から斬りかかられ反応できずにアームドギアを破壊される。

 

 

「出し入れ自由ってか……反則にもほどがあるだろ……」

 

「だったら、得意分野で相手してあげよう」

 

 

響はダインスレイフをもう一度収納し、両翼を形成。右手の指を銃の形にし一言呟く。

 

 

「FIRE」

 

「ッ!!こっちだってなぁ!!」

 

 

響は両翼から放たれる『呪い』の銃弾で、クリスはガトリングの銃弾で打ち合う。

拮抗しているかに見えたその撃ち合いはすぐに訪れた。

 

 

「足元がお留守」

 

「はッ…何を言って……おわっ!?」

 

 

『CURSE CHAIN』

 

 

最初と同じように右足を大地に踏み、鎖でクリスの足を拘束しそのままコケさせた。

 

 

「これで……終わりッ!!」

 

 

高く跳躍した響は両手でダインスレイフを持ちクリスに突き刺そうとギアのブースターを用いて加速しながら迫る。

 

 

「くッ……(ここで終わるのかっ……パパ……ママ)」

 

 

そして、響の一撃が、伏しているクリスの体に突き刺さった。

 

 

『『『『『『ッ!?!?!?』』』』』』

 

 

近くの防犯カメラでモニターしている二課の職員達はその光景に驚く。このカメラの角度から見れば確実のクリスの胴体にダインスレイフが突き刺さっているように見えるからだ。女性職員の中には思わず悲鳴を上げてしまう者も。

 

そして……少しの静寂の後……

 

 

「…………なんで」

 

「殺す理由がない。それに、恩を仇で返すほど落ちぶれたつもりもないよ」

 

「……恩?」

 

 

クリスの体を穿ったと思われていたダインスレイフの刀身は、その右の地面に突き刺さっている。

 

 

「未来に当たりそうだった攻撃を逸らしてくれた恩」

 

「……ハァ?お前、その程度のことであたしを」

 

「馬鹿か、お前にとってはそれだけでも、私にとっては全てを犠牲にしてでも失いたくないんだ。それだけの価値はある」

 

「……そうかよ。ていうかどけッ。あたしの負けでいいから」

 

「はいはい」

 

 

ダインスレイフを収め、クリスの上から退く響。クリスも起き上がって体についている土や汚れを払う。

 

 

「……どうする?二課に身柄を引き渡したほうがいい?」

 

「バカ言え。ネフシュタンを回収して帰る。フィーネのヤツに啖呵切って来た手前、折檻が酷いだろうけどな」

 

「フィーネ……なるほど、お前の上司か」

 

『ッ!?…………(フィーネ……だと?)』

 

「あっ……チッ、忘れろ」

 

「無理、もう完全に覚えた」

 

 

先ほどまで激戦を繰り広げていたとは思えないこの2人の、友人のような会話に突っ込んでくれる者は誰もいない。

 

 

「命令もしていないのに勝手に飛び出して、そしてまさか負けてくるなんて……貴女には失望したわクリス。」

 

「「ッ!!」」

 

 

突如、辺りに響く声。2人は声の主に方向を見る。

 

 

「フィーネッ!!」

 

「アイツが……」

 

『……(アイツ、生きていたのかァ?』

 

 

2人が向いた方には、全体的に黒い格好をして、サングラスをつけた金髪の女の姿。その手にはソロモンの杖も握られている。

 

 

「ッ……でも、こんな奴がいなくても、戦争の火種くらいあたし1人で消してみせる!!そうすれば、フィーネの言った通り争いのない世界が生まれるんだろ!!」

 

 

必死に弁明するように叫ぶクリス。そんなクリスに対して、フィーネは……

 

 

「はぁ……もう貴女に用はないわ」

 

「ッ!?……どういう意味だよッ!!」

 

 

呆れたような声でフィーネは言う。そして開いた右手から青い光がほとばしり……辺り一帯に散らばっていたネフシュタンの破片が全て粒子となって収束され消えた。

 

 

「……ふふ」

 

「……あ?」

 

 

フィーネは響を一瞥した後少しソロモンの杖を傾けて、待機させておいたであろう飛行型ノイズを響たちに向けて突進させた。

 

 

「今更ノイズ程度……」

 

 

響はダインスレイフをノイズに向け撃ち落とした……が、その間にフィーネはどこかへ消えてしまった。

 

 

「まてよフィーネ……フィーネェェェ!!!!」

 

 

クリスはフィーネの名をl叫びながら追いかけるように跳躍し去った。その場には響だけが取り残されてしまう。

 

 

「……二課の人、見てますよね。ちょっとお邪魔させてください。私と同室の子が二課の機密保護の説明を受けているでしょうから」

 

『あ……あぁ……許可しよう。迎えを向かわせる。緒川、頼んだ』

 

 

近くのスピーカーから聞こえて来たのは弦十郎の声。緒川に呼びかけたことから近くにいるであろうことも、響には推察できた。

 

 

「ダイン、説教はあとね」

 

『……覚えているのならいい(正直……それどころじゃねェしよォ……)』

 

「……(フィーネは確実に櫻井了子で間違いない。髪型、体型、声……二課に来ていないというのなら断定。ついさっき戻って来たとか抜かすのあれば即座に殺す。……でも先に未来を逃がさないとな)」

 

 

未来が二課に連れていかれたことに気づいていた響だが、今は別のことをに重きを置いているようだ。

 

 

「さあ、どの選択肢がヒットしても……お前に逃げ場はない。フィーネ……絶対に、私がッ!!」

オリジナル聖遺物で最もヤバイ能力は?

  • 自在に姿を隠す
  • 空気操作
  • 純粋な身体能力向上
  • 視界の共有
  • 空間作成
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