私は呪われている   作:ゼノアplus+

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お久しぶりです。作者です。受験に無事成功し、ウマ娘にどハマりし、オンライン授業に嫌気がさしながらバイトをしている作者です。久しぶりすぎて響の口調を忘れたりキャラ崩壊が凄いし展開が急だったりしますがブランクが空きすぎているという悲しい現実を噛み締めています。

グレ響「ここの私、私よりひどい有様じゃん」

作者「え、エレクライトの話します???」

グレ響「……作者アンタ、モスラの登場でテンション上がってた時代で止まってるのにニワカ晒すだけだよ?」


だまらっしゃい


抜剣 ダインスレイフ

21話

 

 

 

『バカか私はッ!!』

 

 

覚醒。

 

 

「ふざけるなふざけるな!!貴様に未来の何がわかる……未来は……未来はお前が軽々しく再現して良いような存在じゃないんだ。フィーネェ……!!

 

 

幾億の時が経っただろうか、すでに理性のカケラも残っていなかったはずの響は何も無い空間で突如まともな事を言い出した。

 

 

「…………ふぅ。落ち着いた」

 

 

一つ言えることがあるとすれば、額に青筋を浮かべながら言うセリフとしては最も相応しく無いということだ。

 

 

「帰って来いダインッ!!」

 

 

響が叫ぶ。そのまま数十秒経つがダインスレイフは響の元に来ない。

 

 

「……やっぱりダメか」

 

 

しょげたように肩を落とすと、すぐに気を取り直し探索を始める。

 

 

「よりによって『抜剣』の隙を狙われるなんて思ってなかった。やっぱり未完成品を無理矢理使おうとしたのが不味かったかも」

 

 

独り言を呟きながら地面をさすっている。やがて何かに何かに気づいたのか手を口元に持っていきブツブツと呟き始めた。

 

 

「あのババァ、確かコスモスとか言ってた……錬金術においてのコスモス……マクロコスモスとミクロコスモスの照応?マクロコスモスとは大きな世界、つまりこの場合はこの空間。ではミクロコスモスとは?小さな世界、つまりここで言う人間……私。この二つは互いに対となるものだから……どちらかが消えた時点でもう片方も消滅、もしくは崩壊する可能性がある。面倒なものを……」

 

 

空間の崩壊に伴い響が死ぬ。響が死ねば空間が崩壊する。仮説に過ぎないが、響が空間の破壊を躊躇するには充分な理由だ。

 

 

考える

考える

考える

 

折角の機会だ。響はひたすら思考を続けている。どうせ自ら動かなければこの空間からは出れないのだ。焦っても無駄なのである。

 

 

(単純な力押し……ダメ。多分私も死ぬ。

『呪い』で逆に乗っ取る?無理、この空間に感情は干渉できない。

ダインが居ないんじゃラースにも会えないし……最後の手段を切るのは本当にここ……?)

 

 

響の顔がさらに険しくなる。

 

 

(幸い、さっきの憂さ晴らしで色々回復した。あのはた迷惑な()ももう現れなくなった。後は……私が覚悟を決めるだけ。いや、覚悟なんて……2年前のあの日に決めてる。じゃあ踏み切れない私には何が残ってる?

 

 

人でありたいという甘えだ)

 

 

響は拳を強く握り噛み締める。

 

 

(ミクロコスモスが人間である立花響を指定している。()()じゃなければ良いんでしょ?簡単じゃん。もう半分も人間の部分なんてないんだし、別に良いよ)

 

 

響はその場で全身に力を込め始めた。漏れ出た『呪い』は可視化され響に纏わりつく。

 

 

「あがっ!?ぐぅぅぅぅぅ!!!!」

 

(脳が、拒絶する……!!)

 

 

ピキピキと嫌な音が走り、響の全身に黒い紋章が浮かび上がる。欠けている部分があったのだが、『呪い』が纏わり付いていくと同時に少しずつ完成していく。

 

 

(先に、脳さえ……浸食してしまえば……あっ)

 

 

突然、『呪い』の全てが霧散した。

 

 

「……………………」

 

 

響の顔から表情が抜け落ちる。そして突如首を曲げる、手首を回すなどまるで体の調子を確かめているかのような動きをし始めた。

 

 

「やってしまえば、どうってことはないらしい。ああ、もう味覚も無いんだろうね。嗅覚もかな?まあいっか。どうでも良いや。さあて、矮小な人間なんてもういないよ世界。今ここにいるのは、新たに誕生した……そうだね。自立型完全聖遺物ヒビキとでも呼ぼっかな」

 

 

無表情ながらもどこか達観したような顔で上空を見上げていると、世界から破砕音が聞こえ始めた。

 

 

パリンッ

 

 

響が言い切ると同時に世界に亀裂が走る。

 

 

「立証成功。私の仮説はどうやら正しかったらしいね」

 

 

パキンッ!!

 

 

晴れた。久々に見える青空に響は何も感じなかった。ただ青いな、と言うのが感想だ。聖遺物との融合率が100%になった響は、コスモスより人間と認識されなくなった。つまり、対となるミクロコスモスが消滅したことでマクロコスモスも存在が維持できなくなり自然消滅したのだ。その代償は、どうやらとても重かったらしい。

 

 

「なっ!?立花響だと!!貴様、どうやってコスモスから抜け出したと言うのだ!?」

 

「た、ち……ばな……?」

 

「うぅ………」

 

 

声に気づいた響が振り返ると、クリスの頭を踏みつけながらこちらを見ているフィーネ、そして地面に倒れ伏している翼とクリスの姿があった。

 

 

「フィーネ………殺す」

 

「ッ!?」

 

 

響は懐から一枚の紙を取り出すと、空中に放り投げ錬成陣を展開した。これは四大元素(アリストテレス)を探究開発した結果、響が最も効率よく錬金術の行使をする手段となっている触媒用錬成陣である。

 

 

「トライアングル……いや、ペンタゴンでいいか。展開」

 

四大元素(アリストテレス)だと!?チィッ!!」

 

 

フィーネはクリスを蹴り飛ばすとネフシュタンの鎧の鞭で地面を叩き土煙を起こした。響はそのまま5角形に展開した緑の錬成陣から竜巻を発生させ土煙を払いながらフィーネに攻撃を仕掛けた。

 

 

「くぅッ!!」

 

『ASGARD』

 

 

避けきれないと判断したフィーネは鞭を回転させバリアを張ってなんとか防いだ。

 

 

「馬鹿なッ、たかが15年しか生きていない若造が……何故このような威力の錬金術を扱える!?……あの紙切れ、まさか触媒用の錬成陣をあらかじめ用意していたとでも言うのか……l

 

「殺す……殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…………殺すッ!!」

 

 

刹那、表情の変わった響から『呪い』が吹き出した。

 

 

「ダインスレイフ」

 

『うぉぉぉぉ!?!?体が勝手に動きやがる!?』

 

 

呟きに応じたのか、空からダインスレイフが響めがけて飛んでくる。とてつもなく情けない声をあげているが響にしか聴こえていない。

 

 

「ダインスレイフを呼び戻したのか……数百キロは離れていたはず……立花響……どこまでも私の邪魔をッ!!」

 

「雪音、しっかりしろ雪音!!」

 

「うるせぇよ……起きてる」

 

 

フィーネが響を憎々しげに見つめている中、衝撃で意識が覚醒した翼がクリスを起こし2人で響を見る。そして、衝撃の光景が起こった。

 

 

『なっ!?響、お前……最後の一線まで越えやがったのかァ!!』

 

 

 

「ダインスレイフ 抜剣」

 

 

 

「「「えっ…………」」」

 

 

3人は目を見開いた。フィーネは思わず両腕の鞭から手を離し、クリスは地べたに這いつくばり、翼はクリスを介抱しながら。当たり前だ、空中より飛来したダインスレイフの刀身が両腕を広げた響の胸に突き刺さったからだ。

 

 

「『呪い』を纏う……今までの私なら耐えられるか分からなかったけど……今なら出来るよねダイン」

 

『……アァ。だけどお前、()()()()()()()()()()()()?』

 

「当たり前じゃん。こうするしかなかったの。ほら、とっととやるよ相棒」

 

『クソッ、響……力の使い方を誤ったら、オレがお前を殺すからなァ!!』

 

「ふふ……よろしく」

 

 

響は両手でダインスレイフを持つと、さらに深くまで胸を貫いていく。柄の辺りまでダインスレイフを押し込むと、柄の瞳が妖しく光り刀身が割れた。

 

 

「折れた、いや……パージしたとでも!!」

 

 

響の額に、ガングニールを纏った時のような瞳が現れる。響の服は光の粒子となり代わりに執事服のようなインナーに身を包み、全身に分解されたダインスレイフのパーツが纏わり付いた。

 

足先から膝にかけて赤く光る古代文字が描かれた鎧が。

 

腰部はガングニールを模した赤黒いブースターに最低限前を隠す布が。

 

胸部にはダインスレイフの柄にあった瞳を中心に薄い鎧が。

 

左腕には籠手として肘まで覆うような分厚いアーマーに脚部と同じ古代文字が描かれている。

 

右腕には左腕と同じような籠手は装着されず、恐らくダインスレイフが完全聖遺物ではないからだろう。インナーのままだ。

 

響がいつもつけているバイザーはいつのまにか取り出され顔の左半分を隠すような仮面へと変形した。それはまるで王冠をつけた怪物のようだ。

 

 

『「ファウストローブ ダインスレイフ」』

 

 

変身が完了した響とダインスレイフがそう宣言した。体からは溢れんばかりの『呪い』が可視化されており全身に刻まれた古代文字がゆっくりと点滅している。

 

 

「私達に剣を抜かせたこと」『末代まで後悔させてやらねェとなァ?』

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