「……」
そう、私はイタリアの空港で呆然としていた。
「どうかされましたか?」
見事な燕尾服着こなしたイケメン執事が、こちらを見てそう問いかけていた。
3泊4日のイタリア旅行へ、ジョイルさんと言う名前の子供達の招待で行くことになった。イタリアはこの世界で二番目に強い土地なんだとか。土地神様でもある森夫さんと雛ちゃんは、長い間担当地から離れることが出来ないそうなので、一人(?)で来て迎えを待っていました。
『飛行機疲れた?』
いや、大丈夫だよ。
もちろん千沙も一緒です。
おっ。来た。
『うん』
『式』をはじめとする修行の成果も確実に出ていて、遠くの気配を感じることも出来るようになったり。後は、人と子供たちの気配の違いが分かるようになったり。
それで子供達の気配のするほうを向くと……。
高級リムジンが一台
……は?
もう一回気配を探りなおし……
『来たよ。リムジンが』
私の前にその
…………(完全停止)
バンッ
リムジンの運転席からいかにも執事な人が出てきて。
「和田幸様でいらっしゃいますね」
人違いじゃないらしい。
『おーい』
「……」
そう、私はイタリアの空港で呆然としていた。
「どうかされましたか?」
見事な燕尾服着こなしたイケメン執事が、こちらを見てそう問いかけていた。
『幸!!』
「っ!?えっと…はい」
周りからの視線とかが痛い!!
「イタリアへようこそ和田幸様。屋敷まで送らせていただきます。どうぞお乗りください」
こうして私は人生初リムジンに乗ることになった。
「始めまして『母様』。私が今回あなたを招待したジョイルといいます」
執事さん(と思っていた人)がそう話しかけてきた。
「……へ?えっと…ジョイルさんの執事さんじゃなくて?」
『この子が『子供達』だから気配をたどれたんじゃない?』
あっ。そっか。
くすくす
「一回してみたかったんですこういうの。あと、ジョンでいいです」
「あ、うん。それにしてもジョン、リムジンだなんてお金持ちだね……」
『しかも防弾仕様』
何その追加情報!?
「借り物です、ビックリさせようと思って」
まさかの借りてきたんですか!?いや、確かにビックリはしたけども!!一体何所から……。
「ジッリョネロファミリーからですよ」
何か全力で聞いたことありますよ!?
「アリアさんに事情を話して借りました」
あー……。
「えっと…何故にマフィアから?」
「知らないんですか?『子供達』が作ったマフィアがイタリアにあるんです『ジッリョネロ』は同盟のようなものを組んでいるのでそのつながりで」
……マジ?
『うん。これはマジ』
何で教えてくれなかったの!?
『どうせ、マフィアとか関わりたくないだろうからいいかなって。誘われても入りたがらないでしょう?』
「良かったら和田さんも入りますか?ボスの座はきちんと空けてありますよ」
……ボスって。
「例え同じ
……あー。そういえば皆そう言うね。
「丁重にお断りさせていただきます」
即答し、座っていながらもしっかりお辞儀もつける。
『フフッ』
それを千沙が内で笑っていた。
子供達は命令されるのは嫌いらしい。けどすごく仲は良いから、子供達同士のつながりは強いし、大抵のお願いは無理でもない限り聞くんだとか。
「まぁマフィアって言っても裏限定の偽善サークルですけどね」
マフィアがサークルって……。
「
殺せない?
「いや。殺せても殺しちゃ駄目でしょ」
「まぁ、そうなんですけどね」
あはは…
ジョン。笑いが何か嘘くさいよ?
「あっ」
?
「そういえば、話に聞く『母』にぜひアリアさんが会いたいそうです」
「え゛」
「ちょうど今ジッリョネロに向かってるんですよ。うちの別荘に近いんで」
「そういうのは早く言いなさい!!」
『そういうのは早く言いなさい!!』
内と外でハモった。千沙も知らなかったらしい。
……泊まるのがマフィアのアジトじゃなくて別荘でよかった……。
少しずつ私の『常識』は崩れているのかもしれない。
この物語の重要地点である『中1の夏休みイタリア旅行』の開始です!
途中物語の進行で飛ばすんですけどね。