ただの人間やってました   作:書人

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今日も二話投稿してます。


第三章 思考
問14私は応接室へ向かう


夏休みも終わりました。

 

 

 

 

夏休みには色々あったりした……。

 

あの後、普通にジョンの別荘に行って、次の日になぜか『タイムトラベル』して、帰ってきたら今度はイタリアの子供達とパーティ……。

まぁその後は結構普通だった。気を張っていたのが帰ってきたとたん途切れ、疲労困憊で三日寝込んだ以外は。

 

 

 

 

沢田君は着実にファミリーを増やしつつある様子。

 

何個か見逃したな……

 

『子供達が見てたの共有する?』

 

まぁ、普通の生活のほうが優先なのであんまり気にしてなかったり。っと言うか沢田君達のプライバシー……。うん。深く考えないでおこう。土地神様は領域内全部認識しちゃうらしいから、仕方ないよね。そうだよね。

 

笹川さん達しか話しかけてこないけど、介入を避けて学校では友達0。家を訪ねてくるのは『子供達』のみ。しかも雛ちゃん以外皆年上(70歳差なんてざらww)

…『人』は?

 

……最近『普通の生活』が普通じゃない気もする。

 

 

 

 

くぅ~~!!

 

私は背伸びをする。ずっと座っているから体が少し固まっていた。

 

『やっと6時間目終わったね』

 

だね。

 

ホームルームも無事終わり、今日は特に予定も無いし後は帰るだけ。教室を出て、角を曲がりー

 

ドンッ

 

「うわっ」

 

勢いよく突っ込んできた誰かとぶつかってしまった。

 

「ごめんなさい」

 

私は思わず咄嗟にそう言うが

 

ダダダッ

 

ぶつかってきた誰かは、私を一瞥もせずに走っていってしまった。

 

『やな感じの人だね』

 

うん。

 

ヒラッ

 

「?」

 

風でプリントが私の足に張り付いている。とりあえず拾ってみたり。

 

風紀委員宛●●予算予定表

 

「……」

 

コレ……届けなきゃダメだよね。

 

『今日が会議で急いでたとか?』

 

 

 

 

私は記憶を頼りに応接室のほうへ歩いていく

 

『けど、本当にいいの?』

 

結構大事そうな書類だし届けなきゃダメでしょ。

 

『いや、雲雀さんにかかわりたく無いんじゃないの?』

 

届けるだけなら大丈夫かなって、途中で風紀委員の人か先生に会ったら渡せばいいし。それに、もし私がこれを持っていたのに届けなかったってとバレたら、雲雀さんが咬み殺しに来そう。

 

『それもそうだね』

 

応接室ってこっちだよね。

 

『うん。今応接室雲雀さん居るよ』

 

……少し、こっそりおいて去ったりな希望も持っていたりしたのに……。

 

 

 

 

結局誰にも会わないまま『応接室』に着いた。

 

コンコン

 

いますよ。雲雀さんが。避けているうちに気配を覚えてしまいました。ドア越しぐらいなら余裕で分かる。

 

「誰?」

 

「風紀委員宛のプリントが落ちていたので、届けに来ました」

 

「入れ」

 

雲雀さんは、女子が応接室まで来たことに少し驚いているようです。気配の揺れでわかった。

 

私はそっとドアを開けて入った。

 

「失礼します」

 

ソファーに座りこちらを見る雲雀産は、ほんの、本当にほんのすこしだけ目を見開いていた。

 

プリントを出す。

 

「あぁそれか……。そこに置いておいて」

 

そうそっけなく言って横の机を指す。

 

よしっ。さっさとプリントを置いて退散しましょう。

 

『そうしましょう』

 

五月蝿いのが嫌いそうなので、一般人の範囲で出来るだけ音を出さずそっとプリントを指定された机の上に置いた。

 

『不味い!?来た!!』

 

突然内で千沙が叫んだ。

 

千沙?

 

「へーこんないい部屋があるとはね――!」

 

え?

 

声の方を向くと山本君と獄寺くんが…って

 

えぇええ!!?まさかアレって今日だった!!?

 

9月7日、それは原作メンバーが応接室に来て、雲雀さんに返り討ちにされる日。目の前の雲雀さんを警戒しすぎて、他がおろそかになっていたようです。

 

 

 

 

…雲雀の他に誰か居るのは確かツナと同じクラスの奴だったな。

 

視線の先の彼女は部屋の隅で怯えていた。

 

風紀委員の奴以外、ここに来ねえと思ってたが巻き込んじまったか。まぁあの位置なら気にする事もねえだろ。それより……

 

 

 

 

ありがたい事に(?)部屋の隅で少し俯き怯えたフリをしている私を放って、話は進んでいった。一瞬ちらりと山本君がこちらを見た気がしたけど、隅に居て安全だと分かるとすぐに雲雀さんへ視線を戻していた。本心としてはものすごくここから退散したいのだけども、入り口のほうに山本君、獄寺君、後から入って撃沈中の沢田君が居たりして無理だったり。方法を問わないのなら、式を使って窓から飛び降りるとか、雛ちゃんに頼んで、『道』をつないでもらうとかもあるけど……完全に目を付けられるので出来ない……。

 

ドゴッ!!

 

『いたっ…うわー』

 

千沙の声で意識を目の前に戻すと、沢田君のお腹にめり込んでいるトンファー。

 

ごめんなさい。

 

『御愁傷様です』

 

とりあえずリボーンに巻き込まれただけで一切非の無いはずの沢田君に、心の中で謝って合掌しておいた。それと巻き込まれたく無いので、出来るだけ違和感の無い様に、気配を紛らわせ存在を薄くした。少しずつ出口へ迫っておく。

 

 

 

 

『この位置結構やばいかも』

 

え?

 

「ワォ 素晴らしいね君」

 

リボーンが雲雀さんのトンファーを受け止めていた。この後、確か爆発するんだったっけ。

 

『爆弾の威力しだいで机と雲雀さんが飛んでくる。存在薄めたからリボーン、幸の事忘れて気が付いてない』

 

思考を加速させる。

 

!?ちょっと待って……それって、雲雀さんが机に打ち付けられるんじゃ!?

 

そこから身体加速を使って一歩を踏み出そうとする手前。

 

『思考加速だけでまだ待って!』

 

千沙の言葉ギリギリで止まった。

 

なんで!?

 

『それだとリボーンにバレるかもしれないから爆煙にまぎれる。爆発した瞬間リボーンは沢田君についてここを去る。リボーンの動きは速いしそれからでも十二分に合うから』

 

分かった。タイミングお願い。

 

 

思考をさらに加速して、視界を少し暗くする。全ての動作がゆっくりになっていく中、リボーンの動作に集中した。

 

ピカッ

 

『…今ッ!!』

 

加速!!

 

 

 

 

赤ん坊が取り出した爆弾の爆風で自分の体が少し浮くのを感じた。

 

「!?」

 

しかし後ろから来た何かに優しく受け止められる。浮いた足を咄嗟につけ、横に来たそれを確認する。

 

……!

 

視界が悪いが真横にあるそれを見間違えようも無かった。淡く光る短い髪。

 

……なるほど。

 

『長い黒髪の少女』を探しても見つからなかったわけだ。

 

「あぅわっ!?」

 

……見つけた。

 

きっと僕は今、笑っているのだろう。

 

 

 

 

浮きかけてた雲雀さんを片腕で支え、足をつけるのを気配で確認しながら、風を操作して衝撃を緩和した。

 

『もう解除して大丈夫』

 

「あぅわっ!?」

 

千沙に言われ解除した瞬間、加速の反動で一瞬力が抜けもろに風が来てバランスを崩しそうになる。それを横から支えられた。

 

…え?

 

恐る恐る横を見ると、なぜか怪しい笑みを浮かべた雲雀さんに支えられていた。

 

「す…すみません!!!」

 

すぐに離れてお辞儀を90度する。自分から出ておきながら、しりもちつく寸前で支えられるなんて。恥ずかしさで顔が真っ赤になるのを感じた。

 

「いいよ、別に」

 

雲雀さんはあきらかに機嫌がよさそうだった。声も気配も。

 

「君、名前と所属は?」

 

え?

 

思わず顔を上げるとなんか怖い。気配とか笑い方とか目とか目とか……。

 

「……1-Aの和田幸です。さっきの三人と同じクラスです」

 

苦し紛れに、気がそれないかと沢田君達の話を出してみたり。

 

「そう」

 

『とにかく早くここから出よう!』

 

賛成!

 

「用事も終わったので失礼します!!」

 

もう一回お辞儀すると、早足で応接室を出た。廊下を走ったら咬み殺されるので。

 




やっと雲雀さんを出せました。
ここから段々主人公は本格的に原作介入していきます。

このお話、恋愛要素入るかちょっと分かりません。
むしろ本編では入らない確率の方が高いと思って下さい。
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